斜線堂有紀のレビュー一覧
-
Posted by ブクログ
『愛じゃないならこれは何』『君の地球が平らになりますように』に続く、シリーズ3作目。
アイドルを熱心に推す彼氏を持つ冬美の気持ちが、「星」になれない私には痛いほどよく分かります。
「なぜアイドルには細やかな気遣いができるのに、私にはしてくれないのか」「なぜ、私がリクエストしたプレゼントをアイドルに渡してしまうのか」……そんなキリキリとした感情に、ぐっと引き込まれました。
そして、「星」として輝く女性たちの苛烈な思いには胸を抉られました。たとえ地獄に向かっているとしか思えなくても、自らの意志でその道を選ぶ彼女たちの姿は、どうしようもなく美しいです。
今作は最後の一文がどれもすごく好き。
そして、シリーズを通して、タイトルが「これしかない!」と思えるほど作品にぴったりハマっています。
斜線堂有紀さんの恋愛×地獄小説をもっと読んでみたくなりました。 -
Posted by ブクログ
まさにタイトル通り、「これが愛でないなら一体なんなんだ!」と叫びたくなるような、強烈な作品でした。
収録されているのは、一人のファンをどうしようもなく愛してしまうアイドルや、一目惚れした後輩に自分の趣味も生活もすべてを合わせていくOLなど、一歩間違えれば破滅に向かうような恋愛ばかり。
客観的に見れば、地獄にしか続かないような恋なのに、それでも進むしかない彼女たちの姿は、痛くて、苦しくて、どうしようもなく愛おしく感じます。
自分にもちょっと当てはまる部分があるかも……と思える部分も多々ありました。
他人事とは思えないからこそ苦しくなりもするし、ヒリヒリした余韻も残るのですが、最高に面白い。
今日は出かける予定はなかったけど、続編を買いに行こうと思ってしまうくらい、大好きなテイストでした。 -
Posted by ブクログ
ネタバレ気づいた時には全部手遅れ。混沌とした渦の中で唯一手を差し伸べてくれたのは、犬歯がキュートの悪魔みたいな男。文章から伝わる織賀先輩の魔性感が良い。関係を深めるほど正常から遠ざかっていくことへ葛藤する主人公。それは織賀に出会った時点で全部意味のない葛藤なのに、執着して正しさを求める姿があまりにも人間で、相対的に前半の悪魔や神様に例えられた織賀の印象がより濃くなっていく。お互いが勝手に期待して失望して、どんどん倫理が擦り減っていって、不器用な人間同士の最後のぶつかり合いは読む手が止まらなかった。祝部の最後の推理を聞いたとき、織賀は何を思ったのかと思わず考え込んでしまう。続編もあるので早く読みたい。
-
Posted by ブクログ
ネタバレとにかく私は好き!!!!最高!!!!
まず、死体埋め部って発想が天才的にエロティック。
窮地を助けられ弱みを握られ逃れられない共犯関係に引き込まれた、祝部くん、割に適応がすごい。
織賀のことサイコパスって祝部は言うてるけど、私は余程、祝部の方の信仰と執着がどエロく感じました……。自分だけが選ばれたひとりになりたかったんだよね。
ブロマンスを求めて読んだら、最高としか言えないものを頂きました。作者さま、ありがとう。ミステリー部分がメインと言うよりはふたりの関係を彩るというか、描くための伏線。
あくまで織賀の承認だけを祝部は求めているので、真実は主役ではないのです。二人の関係性がメインなのです。
最後の章は加筆分なのかな?
とてもいい終わり方で、これこらもドロドロに共依存つづけていってほしいという期待が持てた。一生一緒に生きていく決意はすでにあるので。
-
Posted by ブクログ
ネタバレ純愛が好きなので景は愛ゆえに行ったとそう思い込んでおきます。入見の話した筋書きは確かに理路整然としてるし、景は最後まで宮嶺の事を最後ただの駒としてしか見ていなかったのかもしれない。自分を肯定して盲目的に信じる流される物の一部でしか無いのかもしれないけれど、彼女の行動原理の行き着く先は全て宮嶺を守る、あの日宮嶺を苦しめた人間達とそれに付随するものに復讐することだと信じたい。消しゴムに関してはいじめを指示した可能性を示唆するものとも捉えられるけど、景ならそれを隠滅するもしくは取り返したと宮嶺にみせて更に罪悪感を植え付けて支配する気がする。でもそれをしなかったという事実が宮嶺を好きでいた証拠であり続けると思いたい。それに単純に好きな人のものが欲しい、消しゴムを交換して持っていれば両思いになれるというまじないを信じてやったのがいじめと被っただけの可能性もあるし。ブルーモルフォを作ったきっかけがいじめに対しての復讐心であり、本質的には宮嶺を救うことと結びついてると信じていたくはある。人を操って殺すことに快楽を覚えるとは思いたくないし。
あと恋に至る病ってタイトルは秀逸だな。恋は盲目とよく言うけれど、最後の4行を盲目的に信じるのかで物語の結末がガラッと変わるのとかかってる。僕は宮嶺のように景に盲目的になっていたい。 -
Posted by ブクログ
ネタバレ百合と知らずに購入、これで百合の定義を知りました。百合とは恋愛だけに限らず女性関係を主軸にしたお話だそう。ライバル関係やシスターフッドなども入るそうです。
見てわかる通り豪華作家さんのアンソロジー。
それぞれ個性がでて素敵です。
織守きょうやさん→今まで読んだことのない作家さんでした。純粋な友情が素敵でお互いを思ってのすれ違いにもほっこりしました。
青崎有吾さん→姉妹の話。過去に読んだ本と全く違う切り口でめちゃくちゃ面白い。初めはどういうこと?ってなりながらも伏線を回収する。海外小説のような強烈な物語と展開で迫力もあり良かった。かなり印象的!
武田綾乃さん→王道の恋愛系であり、でもバッドエンドという悲しき物語。こういうプライド高い人いるよなーと切ない気持ちになった。
円居晩さん→フレネミーといった感じ。仲良くしていた先輩が意地悪く、駒にされていたというか…シンプルだからこそ感情がわかりやすいように思えました。
斜線堂有紀さん→驚きの入りで始めグロい系かと思いきやなるほど、感情抉られるやつだ…と理解。絶望感と緩急が凄い。正直流れ的にバッドエンドになるのかなーと思ってたからハッピーエンドで意外だった!
乾くるみさん→好きな先輩が何を買ったか、というとてつもなくどうでもいいテーマでここまで広げられるの凄い。
相沢沙呼さん→面白かったー!関係性が複雑!紫乃に魅了されてしまった。そして騙されたオチかと思いきや紫乃も好きになってたんだと思ってほっこり?
1番続きが読みたくなったかも。 -
Posted by ブクログ
前作のおわりが衝撃的で、ここから行ける続編があるんですか?と思いつつ手に取った。回想メインでふたりの関係性とあいだの出来事を深掘りしていく前2編のあと、分岐した3話がよかった。不在ルートの仄暗い終わり方も悪くなかったけれど、再会ルートが好き。そんなわけないだろと思うような嘘くささだけれど、読者が望むからか祝部が望むからかこのルートがあるんだろうな。こんなに信じられない助けてくれてありがとなを求めてしまって、こんな歪なハッピーエンドにしてしまって、死体埋め部が完成された巻だった。これを読むことで前作の満足感も高めて、繰り返し読みたくなるような良作。10ページに満たない後日譚までぞっとする終わり方で好き。