斜線堂有紀のレビュー一覧
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Posted by ブクログ
ネタバレ耽美的、幻想的な短編集。あまり怖くはない。話はどれも面白い。
表題作、「痛妃婚姻譚」「『金魚姫の物語』」「本は背骨が最初に形成る」がとくによかった。どの話も女性キャラクターが魅力的。
「本の背骨」二篇
物語を読むことの快楽についての話。騙りであろうと本当の話になりうるディストピアが舞台。内容の誤り=「誤植」をめぐる命がけの「版重ね」は法廷での弁論バトルのようであり、ポストトゥルースな現実の戯画のようでもある。十の語る(誤った)物語の方が本当の物語より魅力的に思えるのが可笑しい。
「痛妃婚姻譚」
表現をソフトにすればメルヘンになりそうな切ない恋の物語。本書でもっとも感銘を受けた。一体となった -
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Posted by ブクログ
ネタバレ百合作品といえば、ただただ男女の関係の男の方を女性に置き換えただけのものと思いがちだ。事実、私はこれを読むまでそう思っていた。
ただでさえ恋愛経験が少ないから、こういった感情の機微を理解するのは正直言って難しいところだけど、男女の関係以上に繊細なことだろうし、それぞれの心情の変化なんかもまったく違ったものになるだろう。それをそれぞれここまでうまく表現したものは他に類の見ないのではと思う。
私もまだまだ百合ビギナーであることを自覚したので、百合の教科を必修科目にしたうえで、教科書に全作品掲載して教師に解説したもらいたい。
特に好きな作品は5作品目、斜線堂有紀先生作の「百合である値打ちもない値 -
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Posted by ブクログ
不気味さより、美しさが勝る装画
タイトルも色味も好き
7つの嘘の形、虚構や隠蔽
或いは恐怖と儚さの短編集
どの物語も表題作になり得る程
完成度が高い!!
特に『痛妃婚姻譚』は読んだ後余韻が凄まじく
すぐに次の物語に進めなかった
表題作の『本の背骨が最後に残る』
7つの物語の始まりと最後を締める物語
この国では「本」とは物語を語る「人」そのもの
タイトルが本の名前となる
その人の着飾る物、化粧等を装丁と呼ぶ
一般的な「本」は「肺を持たぬ本」と呼ばれる
稀に誤植が見つかる
その場合は本同士が向かい合い
物語の正しさを論じ合う
それを「版重ね」という
それを裁く者を「校正使」という
負けた方は