斜線堂有紀のレビュー一覧
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Posted by ブクログ
初読み、斜線堂有紀さん。
日本SF大賞ノミネート作。
全6編の短編集。
この装幀が好き。
“本当の愛が判定できるなら、私のこの気持ちは何?”
帯の言葉に惹かれる。
表題作の「回樹」は、いわゆる百合なんですが、男女の恋愛に置き換えてもなんら変わりない気もしました。
最初は同じだったお互いの気持ちが、時を経て移ろう。パワーバランスが変わってしまう。恋愛にかかわらず、夫婦でも友人でもこうなると上手くいかないし、長続きしない。
よくあると言えばよくある話ですが…
本当の愛って何だろう?
退廃的で、不思議な魅力を持った作品でした。
他
「骨刻」
「BTTF葬送」
「不滅」
「奈辺」
「回祭」
長くなってしまうので割愛しますが、どの作品もよくこんな設定を思いつくなと…
最後の「回祭」は最初のお話「回樹」と繋がっています。
また違った愛の形で、うまく言い表すことができませんが、色んな感情が込み上げてきて、読み終えた後も余韻が残りました。
多分、好き嫌いは分かれるかも。
最近、自分はけっこうSFいけるくちなんだなと気づきました笑
斜線堂有紀さんの独特な表現や感情の描写、構成の妙にじわじわと癖になりそうです。
他の作品も読んでみたいなと思います。 -
Posted by ブクログ
2人の作家が共通する「七つの条件」にもとづき小説を執筆、その条件も読後ページに記されていました。斜線堂さんの作品が尖ってるのはもちろんのこと、桜庭さんも(まだ50代前半なんですね。昔から読んでいるイメージなのでもっと年配なのかと思ってました)今の中高生に刺さるような内容で驚きます。逆に言うと、若者向けの内容なので、歳を重ねた人ほど評価下がりそう。
同じテーマなので、すごく似ている世界のこともあるけど、ビックリするくらい違う話になってることが多かったです。
性的に踏み込んでいることもあるので、中学校以上。
※桜が咲いた日、七つの条件
「かわいそうに、魂が小さいね」桜庭一樹
「その春に用がある」斜線堂有紀
※「ゲームオーバー」からはじまる七つの条件
「場外戦」斜線堂有紀
「怪物のまま生きていく」桜庭一樹
※「自称犯人」から始まる七つの条件
「私は呪い、君は愛」斜線堂有紀
「アンチの恋」桜庭一樹
※斜光のさす場所、七つの条件
「譲:クリスマスツリー」桜庭一樹
「譲:門松 求:クリスマスツリー」斜線堂有紀 -
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本書には「あなた」への挑戦状が含まれています。
気鋭の若手作家2人が、あなたへの挑戦状という共通テーマで小説を書いて競い合う。
競作過程を書いた執筆日記とミニ対談も収録。
斜線堂有紀さんと阿津川辰海さんが、「あなたへの挑戦状」というテーマで書く競作本。
奇怪な建築での密室殺人を書く阿津川さんと、死体と眠る犯人の謎を書く斜線堂さん。
どちらかという阿津川さんは謎・トリックをメインとしていて、斜線堂さんは心情描写をメインとしていますが、それぞれのカラーが出ていてどちらもおもしろい。
個人的には本編もですが執筆日記がとくに面白く、競作をするに至った経緯やそれぞれのアイデアの出し方や執筆方法、お互いの友情などが感じられ、創作者の考えというものの一端に触れた気分。
本編を楽しんだ後は、こちらも是非。
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2人の作家が、共通する7つの条件にもとづき執筆するマッチング競作。
4回のマッチングで各回2篇、計8篇を収録した1冊。
桜が咲いた日、七つの条件
「かわいそうに、魂が小さいね」桜庭一樹
「その春に用がある」斜線堂有紀
「ゲームオーバー」からはじまる七つの条件
「場外戦」斜線堂有紀
「怪物のままで生きてゆく」桜庭一樹
「自称犯人」からはじまる七つの条件
「私は呪い、君は愛」斜線堂有紀
「アンチの恋」桜庭一樹
斜光のさす場所、七つの条件
「譲:クリスマスツリー」桜庭一樹
「譲:門松 求:クリスマスツリー」斜線堂有紀
トラウマを抱える「君」を見守る存在とか、
カードゲームの世界で見下されない強さを求めた主人公を見守るプロモ版カードとか、
自分を騙した推しを憎悪を込めて呪い付きまとうファンのひとりとか、
娘の為に大晦日にクリスマスツリーを手に入れようとする父親を見守る母とか。
斜線堂有紀サイドは、なにがしかの対象を見続けている存在の物語で徹底されている。
そんなところも自ら縛りを付け加えているのかと驚いた。
なんとなく、
桜庭一樹→愛憎
斜線堂有紀→愛執
というイメージ。
もちろんどちらの作品も秀逸。
この2人をマッチングさせようと考えた人に拍手を送りたい。
条件の頭に「桜」と「斜」をつけたのもちょっとツボ。
ちなみにこれ読む前日に、用があって飯田橋駅すぐの牛込橋を渡ってたんですよ。
なので、あ〜!あそこで門松とクリスマスツリーが!と臨場感たっぷりに読めました♪ -
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事件によって廃墟になった遊園地でのミステリ
廃墟好きのコンビニ店員や謎の富豪、廃墟になった遊園地に関わった人たちなどそれぞれが事情を抱えながら過去の事件を追求していくのは面白かった
斜線堂有紀の作品の魅力は登場人物が魅力的に描かれているところだと思う
コンビニ店員と作家が探偵役になる展開が良かった
笑えるところもあるのに、そこで行われる宝探しは狂気に満ちている
遊園地という夢の国を作るにあたって生まれた軋轢や隠した事実があるという部分は地方開発の困難さを感じた
夢の国が廃墟になるまでの過程にすごく苦しいものを感じた
シリーズの続報を楽しみにしている -
Posted by ブクログ
ネタバレ・寄河景は始めの頃から宮嶺を人心掌握し実はいじめの首謀者として宫嶺を手のひらの上で転がしている何処迄もサイコパスな人間で在ったのか、
・宮嶺を本当に心の底から愛して居り、恋のお呪いの一貫として消しゴムを持っており、景が宮嶺に向けた恋心は本物で在ったのか、
主人公の宮嶺がいじめられていたシーンで、最初に無くなった(半分ほど使い小さくなった消しゴム)をいじめの主犯だと認識していたはずの根津原ではなく、クライマックスのシーンで死んだ景のポケットから見つけた時、上記の2つの考えが浮かんだ。
恐れも愛しさも恐怖も、ありとあらゆる感情を彼女に捧げてきた宫嶺は消しゴムを見た時後者の考えを信じたくて、信じるしか無かったのだろう、
【青い蝶】ブルーモルフォは疫病のようなものであり、興味を持った人間が巻き込まれて、その糸に綴られて死ぬ人間が現れる悪循環。
物語が進むに連れて宮嶺が寄河景に依存するのと同様に、我々読者もまんまと寄河景の人心掌握に引っ掛かって居るのだと感じて恐ろしく感じた。
様々な考察がある上で宫嶺望は上記の考察の後者を信じ、私は前者の考えが寄河景なのではないのかと思う。 -
Posted by ブクログ
本作はホラー短編のアンソロジーです。
決まったテーマは特になさそうでした。
『小説新潮』に掲載された短編が収録されているようです。
普段はあまり短編を読まないのですが、作家陣が豪華なので読んでみました。
アンソロジーなので、どの話が好きだったかを書きたいと思います。
一番好きだった作品は、…うーん、決められない!二つあります。
斜線堂有紀『涸渇』
上條一輝『枯れた街の上でも』
です!
『涸渇』は、主人公に襲いかかる怪奇現象というか体調不良というか、それの描写が秀逸すぎました。
いろんなホラー作品を見てきていますので、呪いによる色々な症状も見てきているのですが、この作品のやつは新しい!こんな霊障見たことないです。
上述していますが、その描写が素晴らしいです。
短編なので、細かい話は端折ってあるのですが、その辺の詳細が知りたいから長編化してほしいぐらいでした。
『枯れた街の上でも』は、話のまとまり方が短編とは思えないクオリティでした。しかも短編なのに時系列が2つ同時進行するという凝った仕掛け。
しかも、短編ホラーでは端折られがちな怪異の原因、元凶についても描写されています。
短編でここまでやれるの?!という、概念を覆される読書体験でした。
その上、ちゃんと怖いっていうね、文句ないです。惜しみない賞賛です。
特別枠として軽く言及させて頂きたいのが、梨『プルーライト』です。
ネタバレしたくないので詳しくは書きませんが、梨さんってこういうのも書くのかーとびっくりしました。
梨さんの作品は『かわいそ笑』しか読んだことなかったので意外でした。
この話が、このアンソロジーの最後に収録されているのもなんかいいなと思いました。
満足度の高い作品ばかりで、大満足でした。
斜線堂有紀さんの作品は読んだことなかったので、手を出してみたいなぁと思いました。良い出会いになりそうです。