斜線堂有紀のレビュー一覧
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ネタバレ20年前のプレオープンの日に銃乱射事件が起こったため閉鎖され、廃墟となったイリュジオンランド。
廃墟コレクターの資産家である十嶋 庵が、廃墟マニアや元関係者9名をイリュジオンランドに招待する。
十嶋 庵は、参加者に “宝を見つけ出したものにイリュジオンランドをわたす” と告げる。
参加者による宝探し中に、次々と殺人事件がおこる。
遊園地って、昔はけっこうあったんだよね。どんどん減っていったけれど。
賑やかで非日常的でやや謎のセンスで。でも思い出すとちょっと哀愁を感じるような。
そんな雰囲気を残したまま廃墟となった遊園地での連続殺人。20年前の事件の謎と不可解な参加者達や主催者。
遊園地ならで -
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メッセージは愛… 大切な人へのメッセージをテーマにしたミステリ短編集 #ミステリ・トランスミッター
■きっと読みたくなるレビュー
大切な人へのメッセージをテーマにしたミステリー短編集。現代の日常だとLINEやメールなどのメッセージがすぐに頭に浮かぶのですが、そんなありがちなツールは登場しません。さすがは発想力に富んだ斜線堂先生、突拍子もないメッセージで楽しませてくれます。
しかも各短編バラエティに富んだ様々な時代で、さらにはクールな老女から偏屈な科学者など癖のある登場人物が目白押し。最後まで飽きずにワクワクしながら楽しむことができました。
○ある女王の死
ヤミ金女王の殺害事件、現場には血 -
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百合短編。どれも趣向凝らして、面白かったです。青崎有吾「首師」が一番好きでした。
「恋をした私は」武田綾乃
園芸部の地味な私は転校と引っ越し嫌で、離婚した父の方に同居、父の不倫相手と暮らす。不倫相手は美しく、私をも磨いてくれた。でも、高校卒業したら、家をでないといけないの?彼女とは他人?
「雪の花」円井挽
私はずっと家のために過ごさせられた。突発的に父を殺したが、アリバイは作れるのか?逡巡する私はふと、女性から貰ったものを思い出す。
「いいよ。」織守きょうや
私はテストで二位。一位を探しに弓道部に行き、もともと友人の友梨佳と、一位の清良を見て、清良の美しさに虜になる。
「最前」木爾チレン
落ち -
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本屋さんで、表紙買いした本。
読み終えて、とても、センスのある作家さんだと思いました。装丁の効果もあるでしょうが、作品全体に華があります。怖い話のはずだけど、イメージされるのは暗い色ではなく、何故か明度の高い色。
書いてあることは、相当酷いんですけどね。
拷問に次ぐ拷問ですよ。とにかく誰もがとんでもなく痛い目、物理的に怖い目に遭っている。でも、読んでいる私は、痛いとも怖いとも思わない。
思うに、この人の文章には、匂いや温度、湿度がないんですね。この喩えで伝わるか分からないけど、体温のない文章を書く人だと思います。
だから、怖くない。テレビで殺人シーンを見ても怖くないのと似てるかな。舞台の作