斜線堂有紀のレビュー一覧
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Posted by ブクログ
おもしろかった。才色兼備の性格良し系が出てくると無条件に応援したくなる。本書でも読者が味方になってくれるよう誘導している。
ただ、冒頭の不穏なエピローグが語るように、この本はどう考えてもバッドエンド。悪と分かっていながらも、応援したくなる葛藤と戦いながらこの本を読んだ。
応援対象が悪に変わる最もな理由を探しながら読んでおり、見つけた時は安心したというか、応援するための言い訳を見つけたような気もしたが、最後まで裏切ってきた本だった。
ただ、全てを壊す登場人物が横入りすぎる。実際にパーフェクトヒューマンの企てをぶっ壊すには完全な外的要因でなければ難しいのかもしれないが、物語のキーなのに無理矢 -
Posted by ブクログ
面白かったです。
ブルーモルフォと景、宮嶺の話に引き込まれ本作にも手を出しました。読んで思ったのは、景は元々景であり、最初から別人であったわけではないということ。境界線を越えさせる何かはあったのかもしれないけれど、どれだけ押されようと素質のない人間に踏み越えることはできない、そういう点ではサイコパスと似ているのかなと思いました。
景の幼少期の話も興味深かったです。全く無関係の、ブルーモルフォに捕まった二人の男女の話も引き込まれるものがありました。
ただいまいち納得できないというか、掘り下げが物足りなかったので星3。でも大元のストーリーが面白いので、やっぱり一気読みしてしまう描写と刺激と絶妙な恐 -
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Posted by ブクログ
斜線堂有紀先生の描く世界観が好みなので、読んでみました。
『あしたの肖像』→『ゆびさきから魔法』→『私が大好きな小説家を殺すまで』と、“才能”をテーマにした作品を立て続けに3作。
同じ「才能」という題材でも、作家によって描き方がまるで違う。
それこそが作家性というものなんだろうなぁ、と感じました。
『私が大好きな小説家を殺すまで』については、私が10代であればかなり好きな作品だったと思います。
ただ、40代、しかも50に近い今の私が読んだ感想としては……悲しいかな、少し読者ターゲットから外れているのかもしれません。
小説家の遥川先生が、あまりにも中二病すぎてついていけない……。
10代の -
Posted by ブクログ
メディアワークス文庫創刊15周年記念アンソロジー。
「1人15ページ」という制約のもと、15名の作家がそれぞれの物語を紡ぐ。
この15という枠は単なるページ数だけでなく
多くの作家さんが「15」というモチーフとしても回収しています。企画としての統一感が心地よい。短いからこそ、作家ごとの語り口や発想の癖が読メル一冊。
斜線堂有紀、綾崎隼以外は初読。改めてレーベルの層の厚みを思いますね。
掌編とも言える分量の中で、特に印象に残ったのは綾崎隼「十五年後もお互い独身だったら結婚しようねと約束した二人の物語」。
設定自体はどこかで見聞きしたような“ベタ”なものながら、その王道を真正面から引き受けて