斜線堂有紀のレビュー一覧

  • 星が人を愛すことなかれ

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    推しもアイドルも日常も、すべてがきらめく“星”として描かれながら、その裏では誰にも言えない孤独や承認欲求が燃えている。語り手の冷めた視線に引きずられるように、彼らの日常も闇も刺さってくる。好きであることも、愛されることも、普通であることも──どれも“簡単なものじゃない”と静かに教えてくれる。軽やかな文体なのに胸に残るセリフが多く、読み終えた後も余韻が広がっていく。

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    2025年10月23日
  • 禁断の罠

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    全6編の豪華書き下ろしアンソロジー。
    「ヤツデの一家」新川帆立
     疑心暗鬼が仕掛ける見えない罠。短編でも冴える描きぶり。
    「大代行時代」結城真一郎
     Z世代の生き様を描く。いっそ清々しいほどの割り切りが印象的。
    「妻貝朋希を誰も知らない」斜線堂有紀
     他人の本質は最後まで掴みきれない。果たして誰の罪だったのか。
    「供米」米澤穂信
     直木賞受賞後の小品ながら、丁寧に紡がれた物語。亡き夫の罠にかかりにいった妻。
    「ハングマン」中山七里
     副題の雛鵜は、無知ゆえ罪に落ちる若者の象徴か。操られた末の強盗事件。
    「ミステリ作家とその弟子」有栖川有栖
     弟子は師匠作家の教えを実行する。作品と現実が重なる趣

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    2025年10月20日
  • 私が大好きな小説家を殺すまで

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    ネタバレ

    遥川悠真
    大学在学中に、とある文学賞を受賞して世に出た小説家。ファンイベントの直後、突如失踪した人気小説家。

    豊島警察署捜査一課の刑事

    幕居梓
    小学生のころ、午後七時から朝の七時まで母親から押し入れの中に閉じめられる。遥川悠真の小説を愛する少女。十七歳。西ヶ浦高校の二年生。

    梓の母親

    工藤

    守屋和幸
    文芸部。梓の先輩。


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    2025年10月11日
  • 恋に至る病

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    景の人物像が全然定まらなかった。
    愛想が良く、みんなに好かれているのに本心が全く見えない。
    結局はエピローグで入見刑事が話した事が全てなのかな。
    始めから、本当に始めっから操られていたって事か。

    この小説は「ブルー・ホエール・チャレンジ」という、海外のSNSで流行した自殺教唆ゲームに着想を得て書かれたそうだ。
    人の言葉に流されて、自殺までしてしまうなんてどうかしてる。そこまでの精神状態になってしまう言葉ってどんなものだったのだろう。

    「人間を死に向かわせるのは、究極的には希望なんだよ」
    入見刑事の言葉が印象的だった。
    弱っていると人の言葉に頼りたくなる。
    流されず、自分で物事を判断できる人

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    2025年10月11日
  • ミステリ・トランスミッター 謎解きはメッセージの中に

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    ネタバレ

    またまた朝井リョウさんの紹介本。
    斜線堂作品は2冊目だが、『星が人を愛すことなかれ』とは同じ著者が書いたと思えないぐらい全く毛色が違う作品でびっくり!

    ミステリ短編集なのだが、それぞれの作品が全然違う世界観でどれも変わった作品ばかりで斬新だった。
    SFっぽいものや外国のギャングスタを題材にしたもの…。
    振れ幅が大き過ぎて、ついていくのが大変だった。
    結構現実離れした内容なので、読み手の想像力が試される気がする。
    ミステリといえばトリックや謎解きを楽しむものだと思っていたが、この本はどちらかといえば展開や個々の登場人物を楽しむものなのかなと思った。

    最後の短編『ゴールデンレコード収録物〜』は

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    2025年10月08日
  • 楽園とは探偵の不在なり

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    ネタバレ

    神や天使の存在意義や天国の有無がどうとか探偵の使命がどうとか、そのへんがあまり乗り切れませんでしたが、2人が死ぬと地獄に落ちる世界でいかにして連続殺人が起こるかという魅力的な特殊設定ミステリで、犯人がここまでするに至った動機などに説得力があり、トリック等も細部までよく練られています。


    【以下かなり詳細なネタバレがあるので注意】



    私が根本的なところを勘違いしているのかもしれないが、前半の三つの殺人で黒幕が実行犯に自殺を唆した理由がわからない。そのまま放置しておけば、実行犯が焼死して良い感じじゃないか?実行犯がアッチではなく、アッチと判明することで何か不都合があったのか…?

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    2025年10月07日
  • ミステリ・トランスミッター 謎解きはメッセージの中に

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    ある女王の死、妹の夫、雌雄七色、ワイズガイによろしく、ゴールデンレコード収録物選定会議予選委員会、の5短編。チェスを道具とする金貸しの人生、返れぬ宇宙旅行で妻の殺人者を伝える、虹の7色の手紙、ジュークボックスからの声、応募写真の裏事情。

    人生をかけた勝負、宇宙の彼方への旅など、さまざまな状況でやりとりされるメッセージに含まれるミステリー要素が、さまざまな状況の中でテンポよく解き明かされていくのが面白い。

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    2025年10月06日
  • 夏の終わりに君が死ねば完璧だったから

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    斜線堂有紀さんの物語は、どれも斬新な設定と繊細な語り口が魅力。
    際立った導入で一気に読者を引き込みながら、気づけばとても原則的な恋愛小説を読ませてくれる。
    挑戦的な設定と、どこか保守的なストーリー。
    その絶妙なバランス。

    病を抱えた少女と、家庭に恵まれない少年。
    ふたりは、少女の病をきっかけにして、知り合った。そして、それぞれが本心を隠しながら、自分の気持ちを正直に表現する道を見つけていく。

    読み終えて、少し若返ったような気がした。
    そんなわけないけど٩( 'ω' )و

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    2025年10月06日
  • 星が人を愛すことなかれ

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    自分と境遇が似ているからか、1番はじめの話が刺さった。最後の話はあまりに起こりえないだろうと思ってしまった。一貫してアイドルとはファンとは愛情とはを描いた、まさに自分の読みたかった作品だった。

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    2025年10月02日
  • 病に至る恋

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    恋に至る病を読んでからさらに景の不気味な妖艶さを楽しみたい人にはおすすめ。
    いろんな視点での景の過去がみることができるが、
    やっぱり人を100%理解できることなんてないのだと
    この本を読んで痛感した。

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    2025年09月29日
  • 本の背骨が最後に残る

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    刺さる話よりあまり刺さらなかった話の方が個人的に多かったです。
    表タイトルと表紙デザインはすごく好み。

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    2025年09月28日
  • 病に至る恋

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    『恋に至る病』のスピンオフ。全体的には景の掘り下げがメイン。短いのでサクッと読めます。

    原作の展開・結末を知っているだけに各話の行末に思いが至り、仄暗い気持ちでの読書。


    大体想定通りの短編でしたが、最後のIFストーリーは意表をつかれました。景がこの生き方を選択しえたこと、それでも宮嶺と出会う限り恐らく結末は‥というある意味救いの無さも感じます。掘り下げつつ、原作の色がしっかり出ている短編集でした。

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    2025年09月25日
  • 死体埋め部の悔恨と青春

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    話がつながった短編集であり読みやすいが浅い印象。
    先輩は死体を埋めるバイトをしており、後輩は正当防衛で殺人をしてしまい、先輩が、後輩が殺めた死体を処理するシーンから始まる。
    死体を埋めに行く車の中でどういった状況で殺されたを推測するゲームに興じる大学生2人。
    ロジックは薄いため雰囲気を楽しむものかと。
    履修登録の雰囲気は好きやた。

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    2025年09月20日
  • 星が人を愛すことなかれ

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    地下アイドルの話。短編集。章ごとに主人公が変わる。推しを推す彼の彼女がモヤモヤしている話やアイドル自身がVtuberに転身する話など。
    アイドルが真剣に仕事をするあまり私生活に大きな影響を与えている。ものすごい独りよがりな気もするが。誰にも話せないがゆえに行き詰まって結局仕事をがんばっていく姿がなんとも言えない。

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    2025年09月18日
  • こわい話の時間です 部分地獄

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    子供向けなのですごくさらりと読めてしまう。短編なのでいきなり怖さを出してくる感じがよい。バッドエンド多めなのもよい。

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    2025年09月14日
  • キネマ探偵カレイドミステリー ~輪転不変のフォールアウト~

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    ネタバレ

    任意同行された奈緒崎への刑事(束の兄は控え目に言って糞)の対応とか、そもそも親が(少なくとも奈緒崎の)こんなに無関係なのおかしくない?とか真犯人の取り扱いとかいろいろいろいろ突っ込みたいところや相変わらず誤字が多かったけれど、作者のパッションで最後まで完走させてくれた。
    別出版社から出たこの2人のその後も読んでフィナーレを迎えなければ!

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    2025年09月10日
  • キネマ探偵カレイドミステリー ~再演奇縁のアンコール~

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    メインストーリーが動き始めた感じ。
    内容は面白く読めたのだけど1巻目から引き続き誤字が多い…。
    これ校正とかしなかったの?
    何刷もされてるのに作品が気の毒になってくる。

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    2025年09月07日
  • こわい話の時間です 部分地獄

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    【収録作品】
    黒史郎 「えんまさん」
    太田忠司 「おはよう、アンちゃん」 
    加門七海 「青いコップ」 
    井上雅彦 「きれいずかん」
    斜線堂 有紀 「部分地獄」 
    宇佐美まこと 「おやすみ、ママ」
    澤村伊智 「靴と自転車」 
    芦沢央 「ログインボーナス」 
    宮部みゆき 「よあるきのうた」

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    2025年09月06日
  • キネマ探偵カレイドミステリー

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    メインキャラやテンポがとてもアニメ的。
    YA向けのような雰囲気で進む連作短編と思ったら突如ぶっ込まれる重い設定。
    厨二っぽさ、臭い会話のやり取り。
    時折ツッコミたくなる設定やヲチの荒さ。
    「次はもういいかな」と思わせるあれこれがあるのだけれど、それをすべて乗り越えて読ませてくる得体の知れない魅力が斜線堂さんにはある。
    とりあえず過去作から全部追っかけたい。

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    2025年08月29日
  • 禁断の罠

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    面白かった。禁断の罠ってタイトルにあるけど、あんまり禁断の雰囲気も、罠の感触も伝わらなかった。どちらかといえば「遠回しな表現」とか、「婉曲技巧集」と言った感じ。

    中山七里さんの「ハングマン〜雛鵜〜」がおもしろかった!短編ながらもしっかり殺人事件を解決してた。長編の「祝祭のハングマン」も読みたい。
    米澤穂信さん目当てで読んだのだけど、ラストがいい感じだし、この時代の日本鉄道旅が風情があってよき。一際毛色が違うので、この短編集に含めるのがよかったのかどうかは、やや疑問。
    「妻貝朋希を誰も知らない」と「大代行時代」も楽しく読めた。

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    2025年08月28日