斜線堂有紀のレビュー一覧
-
Posted by ブクログ
ネタバレ「椿と悠」
女の子同士のありがちな、勝手に勘違いして、勝手に妄想して、勝手に傷つく。大好き。女の不器用な部分がきれいに描かれている。お母さんかよ、のセリフには思わず笑っちゃったね。
「馬鹿者の恋」
若いなぁ。愛は無償じゃない事に気づけなかったんだよね。
「百合である値打ちもない」
隣に歩くのに見合う自分でありたい。好きなのに、それでももっと美しくあってほしい。相手のことが好き、ってそれだけでいいはずなのに。他者の評価が気になってしまう。悲しいね。
「微笑の対価」
タイトルが秀逸。自分の知らない彼女がいる。私に見せてくれない彼女の内面。知りたいけど、知りたくない、気持ちがぐらつく描写が好き。
「 -
Posted by ブクログ
本屋さんでタイトルと表紙に惹かれ、競作とは知らずに購入。そして競作というものを知らなかった自分にとって未知数で、十分に満足できる作品でした!
「水槽城の殺人」では、城の構造を上手く利用した本格ミステリー。登場人物も色濃く、ハラハラしながら読める作品です。ただ少し文章が難しかった(..;)
「ありふれた眠り」では、ある兄妹を取り巻くミステリー。距離のある歪な2人の繋がりを読み進めたくなりました。謎や事件がシンプルだからこその衝撃が大きかったです。
そしてこの作品の醍醐味である袋とじ。読んだ瞬間に鳥肌がたちました。まんまと手のひらの上で踊らされていたとは!!作品だけで終わらない作品だなと思いました -
Posted by ブクログ
かなり好き。特に斜線堂有紀さんの「選挙に絶対行きたくない家のソファーで食べて寝て映画観たい」、南木義隆さんの「魔術師の恋その他の物語(Love of the bewitcher and other stories.)」、宮木あや子「エリアンタス・ロバートソン」の三編が好き。心中したり不幸になったりしない、でも社会的な背景も踏まえた百合小説で好感度が高い。百合小説というよりビアン小説と言ってもいいなもしれない。わたしはふわふわした王道女子高生百合にどうしてもハマれないたちなのでこういうのはとても趣味に合うし、日々異性愛前提の社会に生きていると心が救われる気持ちになる。
-
Posted by ブクログ
ネタバレ巨大な水槽の建物での密室。犯行後に寝た犯人。2つの作品ともめちゃくちゃおもろくてよかった。
競作というのがあまりわからなかったため、あなたへの挑戦状というタイトルから「さあ読者よ、この謎を解いてみろ」と言われたような感じがして、頑張って謎を解くぞと思いながら読み進めていたから、最後のあなたへの挑戦状を見た時「?」となった。そして作者同士で謎を相手に挑戦状として渡し、それを完成させた作品を今まで読んでいたのかということに気づいて、作家はこれほどすごいのかと感銘。
また2人の作品を作るにあたっての日記も書かれていたのもとても良かった。作家はこのように作品を作るのかと尊敬させられた。 -
Posted by ブクログ
かつて一世を風靡した霊能力者・子規冴昼が失踪してから3年。冴昼と共に霊能力詐欺を働いていた要に、冴昼から突然連絡が入った。彼はなぜか超能力者しかいない街にいて、殺人の罪を着せられているというが……。
現実世界とは違う法則が働く異世界が舞台のミステリー小説です。超能力者しかいない街で起こった”非能力者しか引き起こさない殺人事件”など、不思議な世界での事件の話。読みようによってはちょっとブロマンスっぽくもあるかも。
主人公たちは元の世界で霊能力者として活動していた、言ってしまえば詐欺師で、事件の解決の仕方も正統派ではなく自分たちの都合の良い結末に誘導して落とし込む手法が捻りがきいていて面白い -
Posted by ブクログ
『愛じゃないならこれは何』の続編です。
前作とリンクしている話があり、面白かったです。
相変わらず、突き進むと大変なことになるのが分かっていてもやめられない恋の話です。
前作で主人公たちに意味深な言葉をかけてきた登場人物が、どんな地獄の恋をしてきたのか、繋がった快感がありました。
今回印象的だったのは表題作です。陰謀論にハマった憧れの人に、今なら近づける!と頑張る女性の話です。
地獄に耐えられなくなるのが先か、とことん突き進めるかは、短編によって違うので、結局は人によるようです。
でも、どちらの展開にしてもしんどいですね。やっぱり現実でこんな恋はしたくないです。 -
Posted by ブクログ
ネタバレタイトルどおり
どんでん返しを集めたアンソロジー。
「踏み台」芦沢央
「おれ以外の奴が」阿津川辰海
「遣唐使船は西へ」伊吹亜門
「雌雄七色」斜線堂有紀
「人喰館の殺人」白井智之
最初からどんでん返しがあるもの、という
前提で読み進めながらも楽しく読めました。
芦沢さん目当てで読んだので安定の面白さ。
しかし、主人公の顛末は自業自得にしか思えないので、
何を感傷に浸っているのだ、と思ってしまった。
「おれ以外」はハードボイルドで良かった。
主人公がやられてしまうのか?と
ヒヤヒヤしていたけれど、セーフ。
でも、最後はちょっと哀愁。
「遣唐使」は、今までみたことのない時代背景で
描かれた