斜線堂有紀のレビュー一覧
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面白かった。
小学校での虐めに端を発して、義務的に殺人を繰り返すという構図がある時点で全てひっくり返る。
で、発端…
私には復讐肯定傾向があるので、常態的に悍ましい虐めを行っていた子供の末路はあんなものだと思った(長々と続いた残虐な日々を1日に集約すれば妥当)が、そもそも虐め加害者の嗜虐傾向に火を焚べたのすら、実は『彼女』だったのでは?
マッチポンプ的自作自演、この文脈なら充分あり得るし、主人公を慕う彼女のこころの中にS的な愉悦があったとしても、彼女だからこそ不思議ではない気がする。
圧倒的頭脳のサイコパス…。
結びの
消しゴムの件は何とでも解釈出来るが、それでも彼女は主人公を彼女な -
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以前、宝島社文庫の「不純文学」を購入、余りにも面白かったので今回の作品もとてもとても楽しみにしていました。しかしやっぱり最初の不純文学が一番良かったと思ってしまう。
理由としては、1点目に単純にカラーではなくなったところ。幻想的な世界の先輩と私の物語に、あのカラーは必要だったなと改めて思う。
2点目は恋愛要素と死の要素が多すぎる。宝島社文庫の不純文学は、恋愛とは違う「絆」「運命」によって繋がる先輩と後輩が描かれていた。私の中で「先輩と後輩」といえば、早稲田大学で先輩後輩同士だったぬーすけ先輩となな湖さんのコンビが繰り広げる「琵琶湖ちゃぷちゃぷブラザーズ」の2人のYouTuberだった。2人の掛 -
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アイドル/芸能人という星と、一般である人の恋愛模様について綴った短編集。
・星は星であるから手が届かないと思っている人たち。
・人から星になれた為に人との繋がりを消した星。
・隣に星がいるのに人に手を出した星。
・人が見てくれているから輝けている星。
様々な恋愛模様が見れて面白かった。
途中に出てきた「この世に幸せな人なんていない」というフレーズが刺さった。
この世に苦労していない人なんていないし、輝いている星だってずっと輝いていないといけない。
捉え方次第では幸せになれるが、本質ではみんな100点満点の幸せではないんだろうなと感じた。 -
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ネタバレ綴喜文彰
十八歳。志野西高校三年。小学四年生から小説家。スランプで四年間小説を書いてない。小柴からあるプロジェクトの参加依頼を受ける。
小柴
文彰がデビュー時から世話になっている洋全社の担当編集者。
晴哉
文彰の従兄。宇宙を目指して日本を離れたが、事故に遭い帰国。一命を取り留めたが、自力で歩くことも寝返りを打つことも、声を発することも出来なくなった。
備藤
プロジェクトのマネジメント担当。
雲雀比等久
レミントン・プロジェクトの実質的な責任者。博士。
真取智之
天才料理人。文彰とは『ギフテッド・チルドレン』という番組で共演していたことがある。
秋笠奏子
ヴァイオリニスト。十八歳。小 -
無料版購入済み
こちらも虐待話から
売れっ子小説家が失踪し、家の中は荒果てていても、クローゼットにはなぜかセーラー服などがあります。
場面は一転して、娘を押し入れに閉じ込めている毒母親の話で、ちょっと試し読みの範囲だけでは何ともいえないです。時間管理だけは異様に厳しい…… -
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大学一年生の祝部(はふりべ)は突然暴漢に襲われ、必死の抵抗の末に相手を殺してしまう。
途方に暮れていた彼の前に偶然現れた同じ大学の三年生・織賀(おりが)の提案で一緒に死体を埋めにいくことに。だが織賀の車にはすでにもう一体の死体があって…。
タイトルの『死体埋め部』というインパクトからどんな話なのかと興味を惹かれて読んでみた。
元々織賀が一人で行っていた、死体を埋めるという闇のお仕事に祝部が巻き込まれ付き合わされることによって『死体埋め部』となるという設定はかなりシュールなのだが、死体を埋めるために織賀の愛車・ジャガーの中で毎回死体を巡る謎解きを行うというのもかなりシュールだ。
左手の指だけ -
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ネタバレ※後半、ネタバレが多いのでご注意ください
[こんな人におすすめ]
*斬新な設定のミステリーが読みたい人
とにかく設定が面白いミステリー短編集です。タイトルや本の帯に書かれている通り、スマホがない状態でメッセージを伝えること、メッセージを読み取ることに焦点を当てていて、どの話もとても読みやすいです。それぞれのお話がキレイにまとまっているので、ストーリー自体にはストレスを感じずスルスル読むことができます。
ミステリー小説を読みすぎて既存の設定に飽きてきた人も本書なら楽しめるかもしれません。
[こんな人は次の機会に]
*勘の鋭い人、想像の斜め上のミステリーが読みたい人
設定は斬新ですが、謎