あらすじ
「休学中の秀才・嗄井戸高久(かれいどたかひさ)を大学に連れ戻せ」。留年の危機に瀕するダメ学生・奈緒崎(なおさき)は、教授から救済措置として提示された難題に挑んでいた。しかし、カフェと劇場と居酒屋の聖地・下北沢の自宅にひきこもり、映画鑑賞に没頭する彼の前に為すすべもなく……。そんななか起こった映画館『パラダイス座』をめぐる火事騒動と、完璧なアリバイを持つ容疑者……。ところが、嗄井戸は家から一歩たりとも出ることなく、圧倒的な映画知識でそれを崩してみせ――。
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映画を題材にしたミステリ。なので、映画は全く見ないからと敬遠していたけれど、作中で映画オタクが懇切丁寧に解説してくれるので、何の心配も要らなかった。むしろ、映画は娯楽であり芸術であると言い切って、現実世界の事件や人々の心情にしっかり寄り添って表現されるから、掌の上で転がされるように興味を持ってしまう。映画オタクってすごい。恐い。第四話の締め方がめちゃくちゃ良いので、ぜひ読んで欲しい。
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映画愛に満ちたライトなミステリ。ひとことでは語り尽くせないくらいの読書体験を与えてくれた作品で、何年経っても大好きな1冊です。
魅力的なキャラクターと、テンポの良い話運びで、最後まで楽しく読めます!
読み終わった後は、思わず映画が観たくなります。
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「ニューシネマパラダイス」は潰れかけの映画館、「独裁者」は試験中の演説、「ブレアウィッチプロジェクト」は意地悪教師への復讐劇、「セブン」は見立て殺人が題材。
全部知っている映画だし、カレイドのキャラが何とも子どもっぽくて憎めない感じでスペシャル読みやすい。ゆるい日常系安楽椅子探偵ものかと思ったら、最終話だけハード。ミステリーとしては諸々荒いし謎も読みやすいかな。
なんの説明もなく「自分の不幸をセルマと比べる」とか出てくるので、結構映画的教養が必要かもしれない。(ダンサーインザダークのことだよね?)映画のポスターの見立て殺人というのは分かりにくすぎて、よく気づいたなと。「映画は複数人が関わる集合知ゆえに現実を凌駕する」というのは、映画好きとしては好きなセリフ。
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映画好きな引き篭もり大学生と留年間際の大学生のミステリーもの。斜線堂先生の軽快な語り口が読みやすくて好きです。映画は見たことがないものが題材になってて映画を見たくなりましたね。嗄井戸の背負うものが思っていたよりもヘビーでしたが、彼が部屋を出て友だちの家に行けるようになるのを願います。
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嗄井戸みたいなキャラ、めっちゃ好きなんだよなあ。
頭良いけど面倒臭くて純粋で心に傷を負ってる。
そんな彼の真反対のタイプでありながら傍にいる奈緒崎も好ましい。
出会いは最悪で喧嘩ばかりしてるけど、少しずつ友情を育んでいく過程が良いよね。
ホントこういうバディものは和む。
往年の映画作品を取り入れたり、嗄井戸が映画知識を開陳する場面も楽しい。
とは言ったものの、ストーリー自体は物騒。
人の暗部を目の当たりにしてヒヤリとする場面もある。
特に四話目ではガラリと雰囲気が変わるので戸惑う。
でもラストシーンが非常に微笑ましいので読後感はとても良い。
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「本をテーマにした話は沢山あるけど映画をテーマにした作品って珍しいな」と思って手に取った作品。
私の知らない作品がテーマだったら話分かるかな……とドキドキしていたけど杞憂だった、タイトルの所に表記されてる映画以外にも沢山の映画の話が出てきてそれだけでも楽しい。
個人的に2話目の話が青春!って感じでよかった……この話は本当に色んな意味で何事もなく上手くいってよかった。
ちょっと不穏な秘密が明かされたりもあって次作にどう繋がるのか楽しみ。
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引きこもりで映画が大好きで秀才な青年が安楽椅子探偵役だなんて、それだけで楽し過ぎる。しかもそこに押し込んでくる、ちょっといい加減でお調子者の青年との関係の築き方も素敵なのです。
ミステリ的な魅力とキャラクターの魅力の嬉しい融合。
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映画に詳しかったらもっと楽しめそうな作品。
登場人物がみんな魅力的です♪
ミステリー的には驚くほどの展開ではないけれど、クスッとしたり、スカッとしたり、ハラハラしたり、ウルッとしたりで面白かった♪
嗄井戸は辛い過去から抜け出すことができるのか、奈緒崎との友情はどうなるのか、先が気になる(*´艸`)
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英知大学という優秀な大学の留年危機に瀕するダメ学生の奈緒崎と、休学中の秀才・嗄井戸高久の映画を題材として問題を解決に導いていく三部作。
下北沢の下宿に引きこもっている嗄井戸が圧倒的な映画のエピソードで問題を解決している様がなんとも小気味良い。
相手方も映画好きであるが故のやりとりがとても小気味良い。
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タイトルの通り、映画に関する事件が起こりそれを解決していく感じ。
いや、主人公は推理したりしないし、そこはらへんはちょっと花咲太郎な感じ。
ミステリーを期待して読むより、ちょっと変わった友情系の話として読むといい感じ。
サクサク読めるし、次もぜひ読みたい。
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大学生二人の掛け合いが面白かった。
喧嘩したり認めあったり、いつの間にか仲直りしてたり。
乱暴ながら仲良くなっていく二人が、色々な謎や事件を解決していくライトなミステリー。
日常の謎を解き明かすだけかと思いきや、意外と重い事件とあったりで最後はハラハラした!
キネマ探偵と言うだけあって、映画の知識で事件を解いていく。
残念ながら映画は全然知らないけれど、作中で紹介されると気になってくるなぁ。
きっと映画に詳しかったらもっと楽しめたんじゃないかと思う。
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安楽椅子探偵物だけど、解き方が他のミステリーとは少し違い、映画で得た知識を用いて解き明かしていく。
知らない映画の題名なんかも出てくるので、気になったら都度調べつつ読んだけど、その中でも知っている題名が出たら嬉しい(笑)
最後の事件は感動した…
続編があるらしいので、嗄井戸くんが奈緒崎くんのお家に遊びに行けるようになるのかが気になるところ。oO
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主要人物二人がどんなに衝突しても結局仲良くなったり話が進むごとに色んな魅力をしれたりと人物がよかったのと映画と謎を絡めて映画の知識もつくところが面白かった。
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作者が気になっててたまたま古本屋100円で手に入れられたので読みました。著者の本のあらすじ紹介などみてると「死」が出てくるお話が多い人なのかな?だったら嫌だなと思いながら読んでみたところ、うーん、半分は予想当たりだったかも。でも、面白かったです。
私は多分映画ほとんど見てない人種だとおもうのですが、これだけ映画引用されてても十分楽しめました。興味ないから、本を引用されたときのように見たいなとは思わないけど。二時間あったら本はスッゴく量読めるから映像媒体面倒くさいんだよね。
知識ある引きこもり探偵と主人公の友情が深まっていくのが楽しみです。
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ニューシネマパラダイスは見たことあったから最初から引き込まれましたし、また映画見たくなりました笑 主人公の冗談のセンスの無さ!あれがなければな〜と思ってしまいます。いや必要ではあったんですが…バディの空気は嫌いじゃないです。なんだかんだ言って認めてるんだなって…あれ?王道だな
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語り口の軽さに油断してるとしっかり重たかった。探偵と助手の間に感情が育つのが早い……引きこもりの嗄井戸が友達になってくれた奈緒崎に執着するのはわかるんだけど、奈緒崎のほうもなかなかな執着具合で面白い。女子高生束ちゃんの軽やかな対人距離が際立つ。
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「文学少女シリーズ」や「ビブリア古書堂シリーズ」のように、実在する作品を題材としたミステリー。映画に造詣が深くなくても楽しめた。
我が道を行く自由人のようで存外寂しがりの嗄井戸と、そんな彼をなんだかんだで気にかけてしまう奈緒崎。ケンカしつつも仲のいい二人のやりとりが楽しかった。
ちょっと尊大な嗄井戸もしかし、帰ろうとする奈緒崎を狼狽しつつ引き留めてみたり、トラウマを押しのけ宝物を擲って助けに行ったり、そんな姿を見せられたら憎めない。
奈緒崎のために踏み出した2メートルが愛おしかった。
ところで、「サクッと読める短編」という帯の宣伝にも関わらず後半襲いくる重すぎる展開に驚いた人は私の他にも多いと思う。ラストは明るく爽やかとはいえ、気持ち的には全くサクッとは読めなかった。
嗄井戸のトラウマに関しては今後掘り下げがあるんだろうなと思いつつ、1作目で殺されかけたらもうこれ以上重いエピソードなんてないのでは…?
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メインキャラやテンポがとてもアニメ的。
YA向けのような雰囲気で進む連作短編と思ったら突如ぶっ込まれる重い設定。
厨二っぽさ、臭い会話のやり取り。
時折ツッコミたくなる設定やヲチの荒さ。
「次はもういいかな」と思わせるあれこれがあるのだけれど、それをすべて乗り越えて読ませてくる得体の知れない魅力が斜線堂さんにはある。
とりあえず過去作から全部追っかけたい。
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映画を使った謎解き物語ということで、読む。
まぁ、確かに映画が柱となっているのだが、ラノベであることに変わりはなかった。やっぱ、もう、ラノベは私には合わくなっている。
キャラクターだけで読むのは、しんどい。
お話に魅力がないんだよなー。
星は3.3くらいか。
続きもあるようだが、積極的に読みたいとは思わない。
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初めての斜線堂有紀作品。映画をモチーフに展開される短編は、目次で「セブン」を目にした時から後味の悪そうな結末を予想しながら読み進めるもののそこにあったのは青春時代の友情にふんわりと包まれた結末だった。
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初読み作家さんでした。
連作短編という形でしたが、どの物語もテンポ良く小気味良く展開されていきました。
所謂、安楽椅子探偵の部類に入るのかと思いますが、面白く読みました。
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軽く読める。ミステリとしては陳腐。嗄井戸と奈緒崎の関係性に萌えられるかどうか。圧倒的映画知識と言えるほどまで披瀝されないからなあ。せめてポンポさんくらいはかましてくれないと。
p333「威圧感の分だと消防車もすぐにやってくることだろう。」の文意がとれない。急にここだけ引っかかる。
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映画をネタにした事件もの。このレーベル読むの久々なんだが、読みづらっ!と感じてしまったのは自分がもう若くないからなのか、本読むの久々すぎて慣れていないのか、それとも中身が大して面白くないからなのか。
映画をモチーフにした事件を安楽椅子探偵が映画になぞらえて解決していく構図は、文章だとどうしても解説メイン、悪くいうと説教臭くなってしまってあまり解決までの爽快感は味わえんなぁ。。。というのが正直な感想。ラストも危機に陥る主人公を家から出られないはずの探偵が助けに来るという、ど定番の流れだったし、友情芽生えてるのはわかったから、そこまでくどくしなくていいんやで、という幕切。このくどさがこのレーベルがターゲットにしている層向けなのか。
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――
この物語はフィクションですってば。
そのひとことの為にその映画を観る、みたいなことって、ありません?
って、題材が題材なもんだから気取って映画を例に採りましたけど正直そんなに観てないから好例思い浮かばないや。みんな見て! これが馬脚よ!
こういうときひねり出すのはあれ、『ザ・マジックアワー』でデラさんがスクリーンに大写しになった佐藤浩市の姿を…あれ違う。村田さんがスクリーンの中のデラさんを…あれ?
まぁ、あそこですよ。ベタだけどね!
漫画や小説でも、そういうワンシーンってある。クライマックスというわけではないけれど、とても強く心に残っているシーン。
ちょっと手近にあった『トーマの心臓』(漫画の方)を手に取ってみたんだけど、シュバルツ氏の「…わたしにキスした!」と云う台詞はもう完璧。
と、まぁそういうシーンが、この作品の中にもあったわけです。
正直なところミステリとしては粗いし、ビブリオミステリ的に云うならキネマミステリとしてもそこまで深くはないと思うんだけれど、やっぱり、そういうワンシーンがぎゅっと引き込んでくれて、しっかり読ませてくれる。
事実は小説よりも奇なり≧映画より鮮やかな人生なんて、存在しないんじゃないのか?
とはいえそれを、鮮やかすぎるほどに鮮やかな現実に対する緩衝材として設定するというのは、少しぞっとしたけれど形はよくわかる。
けれどもっと単純に、フィクションなんだからこうでなくっちゃ、という想いが、フィクションならざる現実を救ってくれる。そういうこともあるし、そうだからこそこうやって連連、本を読んでいるのだとも云える…か?
上手く云えないけど。
上手く云えないことばかりだなぁ…まじで最後に上手く云えたのいつだねキミぃ…
やれやれの、☆3.4
Posted by ブクログ
テーマは興味惹かれるがなんかハマりきれず、続きはいいかな、という印象。単にキャラクターの魅力が足りない、もしくは私と合わない、のだとおもう
2021.1.31
10
Posted by ブクログ
映画に関係した事件の謎を解く、ひきこもりシネフィル探偵。
「逢魔奇縁のパラダイス座」(ニュー・シネマ・パラダイス)2 … すべてがちょっとわかりやすすぎた。
「断崖絶壁の劇場演説」(独裁者)2 … ひねりがなかった。
「不可能密室の幽霊少女」(ブレア・ウィッチ・プロジェクト)3 … ラストあたりで言う●●トリックが成立してない。JK束で加点。
「一期一会のカーテンコール」(セブン)3 … 見立ての題材が曖昧すぎる。
総じてトリックはかなり軽め。探偵と助手ふたりの絡み(友情)がメイン。題材となった映画はネタバレへの考慮かサラッとしか触れられていないところに好感が持てた。
Posted by ブクログ
留年決定になってしまった主人公は、救済処置として
1人の学生を大学に連れてくるように、と言われる。
期間は1週間なので、その攻防戦が始まる、と思ったら
最初の一話で終了してしまいました。
そして決まってしまった、主人公の留年。
留年しない程度に計算して勉学に励まなかったのが
一番いけない事ですが。
頭がいい、と言われる引きこもりの学生の元へ
奇妙な事件を持っていく主人公。
そして部屋で出会った、女の子。
こちらも謎を持ってきて、解決してもらっているようで。
ここもまた、人間関係どう知り合ったのか、が
気になるところです。
男、というより、男の子、のノリな二人。
何故彼が部屋から出たくないのか、も分かり
ここからさらに友情っぽいものが形成されるのか。
映画の奥が深すぎる…。
Posted by ブクログ
登場人物の設定は主要な三人、それぞれに面白いと思います。束がとても気になります。面白い娘です。
謎自体、そして謎解きよりも、映画の話におおく期待していましたが、その点では少々物足りなさがありました。もっと映画に寄せて話が展開してくれるものを期待していました。しかし、本筋の謎から言うと、バランスのとれた感じかもしれません。
読後に何か物足りなさを感じたのはなぜなのか、自分でもよく分かっていませんが、研究室内での部分が少ないからなのかな、話の発端なのに、ということかな。
きっと作者さんは書いていくうちにどんどん、うまくなっていく方のように思います。
もうすこし読み続けてみようと思います。