【感想・ネタバレ】キネマ探偵カレイドミステリーのレビュー

あらすじ

「休学中の秀才・嗄井戸高久(かれいどたかひさ)を大学に連れ戻せ」。留年の危機に瀕するダメ学生・奈緒崎(なおさき)は、教授から救済措置として提示された難題に挑んでいた。しかし、カフェと劇場と居酒屋の聖地・下北沢の自宅にひきこもり、映画鑑賞に没頭する彼の前に為すすべもなく……。そんななか起こった映画館『パラダイス座』をめぐる火事騒動と、完璧なアリバイを持つ容疑者……。ところが、嗄井戸は家から一歩たりとも出ることなく、圧倒的な映画知識でそれを崩してみせ――。

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Posted by ブクログ

ネタバレ

「ニューシネマパラダイス」は潰れかけの映画館、「独裁者」は試験中の演説、「ブレアウィッチプロジェクト」は意地悪教師への復讐劇、「セブン」は見立て殺人が題材。

全部知っている映画だし、カレイドのキャラが何とも子どもっぽくて憎めない感じでスペシャル読みやすい。ゆるい日常系安楽椅子探偵ものかと思ったら、最終話だけハード。ミステリーとしては諸々荒いし謎も読みやすいかな。

なんの説明もなく「自分の不幸をセルマと比べる」とか出てくるので、結構映画的教養が必要かもしれない。(ダンサーインザダークのことだよね?)映画のポスターの見立て殺人というのは分かりにくすぎて、よく気づいたなと。「映画は複数人が関わる集合知ゆえに現実を凌駕する」というのは、映画好きとしては好きなセリフ。

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2025年09月30日

Posted by ブクログ

ネタバレ

安楽椅子探偵物だけど、解き方が他のミステリーとは少し違い、映画で得た知識を用いて解き明かしていく。

知らない映画の題名なんかも出てくるので、気になったら都度調べつつ読んだけど、その中でも知っている題名が出たら嬉しい(笑)

最後の事件は感動した…
続編があるらしいので、嗄井戸くんが奈緒崎くんのお家に遊びに行けるようになるのかが気になるところ。oO

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2021年06月09日

Posted by ブクログ

ネタバレ

ニューシネマパラダイスは見たことあったから最初から引き込まれましたし、また映画見たくなりました笑 主人公の冗談のセンスの無さ!あれがなければな〜と思ってしまいます。いや必要ではあったんですが…バディの空気は嫌いじゃないです。なんだかんだ言って認めてるんだなって…あれ?王道だな

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2020年07月19日

Posted by ブクログ

ネタバレ

「文学少女シリーズ」や「ビブリア古書堂シリーズ」のように、実在する作品を題材としたミステリー。映画に造詣が深くなくても楽しめた。
我が道を行く自由人のようで存外寂しがりの嗄井戸と、そんな彼をなんだかんだで気にかけてしまう奈緒崎。ケンカしつつも仲のいい二人のやりとりが楽しかった。
ちょっと尊大な嗄井戸もしかし、帰ろうとする奈緒崎を狼狽しつつ引き留めてみたり、トラウマを押しのけ宝物を擲って助けに行ったり、そんな姿を見せられたら憎めない。
奈緒崎のために踏み出した2メートルが愛おしかった。

ところで、「サクッと読める短編」という帯の宣伝にも関わらず後半襲いくる重すぎる展開に驚いた人は私の他にも多いと思う。ラストは明るく爽やかとはいえ、気持ち的には全くサクッとは読めなかった。
嗄井戸のトラウマに関しては今後掘り下げがあるんだろうなと思いつつ、1作目で殺されかけたらもうこれ以上重いエピソードなんてないのでは…?

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2019年08月17日

Posted by ブクログ

ネタバレ

映画をネタにした事件もの。このレーベル読むの久々なんだが、読みづらっ!と感じてしまったのは自分がもう若くないからなのか、本読むの久々すぎて慣れていないのか、それとも中身が大して面白くないからなのか。
映画をモチーフにした事件を安楽椅子探偵が映画になぞらえて解決していく構図は、文章だとどうしても解説メイン、悪くいうと説教臭くなってしまってあまり解決までの爽快感は味わえんなぁ。。。というのが正直な感想。ラストも危機に陥る主人公を家から出られないはずの探偵が助けに来るという、ど定番の流れだったし、友情芽生えてるのはわかったから、そこまでくどくしなくていいんやで、という幕切。このくどさがこのレーベルがターゲットにしている層向けなのか。

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2022年08月27日

Posted by ブクログ

ネタバレ

――

 この物語はフィクションですってば。


 そのひとことの為にその映画を観る、みたいなことって、ありません?
 って、題材が題材なもんだから気取って映画を例に採りましたけど正直そんなに観てないから好例思い浮かばないや。みんな見て! これが馬脚よ!
 こういうときひねり出すのはあれ、『ザ・マジックアワー』でデラさんがスクリーンに大写しになった佐藤浩市の姿を…あれ違う。村田さんがスクリーンの中のデラさんを…あれ?
 まぁ、あそこですよ。ベタだけどね!

 漫画や小説でも、そういうワンシーンってある。クライマックスというわけではないけれど、とても強く心に残っているシーン。
 ちょっと手近にあった『トーマの心臓』(漫画の方)を手に取ってみたんだけど、シュバルツ氏の「…わたしにキスした!」と云う台詞はもう完璧。

 と、まぁそういうシーンが、この作品の中にもあったわけです。
 正直なところミステリとしては粗いし、ビブリオミステリ的に云うならキネマミステリとしてもそこまで深くはないと思うんだけれど、やっぱり、そういうワンシーンがぎゅっと引き込んでくれて、しっかり読ませてくれる。


 事実は小説よりも奇なり≧映画より鮮やかな人生なんて、存在しないんじゃないのか?
 とはいえそれを、鮮やかすぎるほどに鮮やかな現実に対する緩衝材として設定するというのは、少しぞっとしたけれど形はよくわかる。

 けれどもっと単純に、フィクションなんだからこうでなくっちゃ、という想いが、フィクションならざる現実を救ってくれる。そういうこともあるし、そうだからこそこうやって連連、本を読んでいるのだとも云える…か?

 上手く云えないけど。
 上手く云えないことばかりだなぁ…まじで最後に上手く云えたのいつだねキミぃ…

 やれやれの、☆3.4

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2021年02月20日

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