斜線堂有紀のレビュー一覧

  • 愛じゃないならこれは何

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    読後感が悪くならないギリギリのラインを押さえている。見事。全体的に相手との距離感と理想像の問題なのかなぁと思った。第4話は間違いなく距離が向こうが自分より近くまで踏み込んでくる相手なんだろうなと思う。慣れてないと巻き込まれちゃう。

    第1話 24歳のアイドル赤羽瑠璃はアイドルをやめたい。ただの地下アイドルだが、ここまで来るのも大変だった。めるすけというツィッターアカウントが心の支えだった。

    第2話 28歳のバースディプレゼントに妃楽姫はガラスの靴をもらった。妻川がプレゼントしてくれたのだ。しかし妻川は他の女と結婚する。

    第3話 園生は新太がずっと好きだった。でも私は鳴花だ。3人は高校の放送

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    2026年09月11日
  • 本の背骨が最後に残る

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    不穏なSF短編集。あまり好きじゃなかった。

    第1話 人間が本になっている国のお話。

    第2話 人間がいつか他の動物に転化する世界。

    第3話 ケイジュは仮想空間で自分の複製を虐待していたが、それを婚約者に見られてしまった。

    第4話 人類は痛みを痛妃に肩代わりさせることにした。

    第5話 ある時から、傘を刺そうが何をしようが雨が一人の人間に降り注ぐという事態が起き始めた。憂にもそれが起きている。

    第6話 フリーデは精神病だとされて、治療のために島に送り込まれる。途中で医師だと名乗る青年に、これから目を抉られ、耳を使い物にならないようにされると言われるが信じられない。

    第7話 十は綴にとっ

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    2026年09月10日
  • 本の背骨が最後に残る

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    表紙が好きすぎて買ったのがきっかけ。
    でもめちゃくちゃ良かった!
    今読んでいる、手に持っている本という存在がこの世界では人の形をしていて口で語られる。だからこそ同じ物語でも少し違えば誤植とされどちらかが火で燃やされる。
    その物語の矛盾点をどう洗い出すのか、自分の持つ物語に誇りを持ってそれが無残に散った時の最後。
    世界観が魅力的でなおかつ本を読むことが好きな自分たちへ刺激になるような。
    そしてそれを楽しむ狂った世界観がゾクゾクします。

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    2026年09月09日
  • 本の背骨が最後に残る

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    美しく儚く、けれど中を覗き込むと赤黒いみたいなイメージ。哲学なことや真理を残酷かつ生々しい描写で突きつけてくる。怖いけど微かな甘さと美しさがあるから覗き込みたくなるような、不思議な読み味だった。

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    2026年09月09日
  • 死体埋め部の回想と再興

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    ネタバレ

    スラスラ読めた。ありえない設定ながら面白い。
    織賀先輩がいいキャラしてて明るいのに裏は闇深い助けられない感じが好き。
    続編も読みたい。

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    2026年09月06日
  • 私が大好きな小説家を殺すまで

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    ネタバレ

    天才小説家が崩壊していく姿がどこか生々しくて。
    救いたい一心で始めたはずの創作がその崩壊を加速させていき、次第に少女自身も壊れていく描写も痛々しくて。
    お互い大切に想いあっているはずなのに、段々とかけ違えていくボタンが、解くことさえできないところまでいってしまったのがなんとも言えなくて哀しかった。
    最後の結末は分からないけど、1度目の「俺はお前を、見ているからね」はまだ純粋な慈愛の気持ちから発せられた言葉のはずで、それを思いだすってことは前向きに生きていく気持ちの現れかもしれない。
    でも個人的には、線を飛び越えた先で、今度こそしがらみとかそういった事柄一切なしに、敬愛でも執着でもない第三の感情

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    2026年09月02日
  • その他の危険(新潮文庫nex)

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    現代社会+嫌ミス+ホラーみたいな感じで最悪の読後感が味わえて最高でした。どの作品も面白くて怖くて粒揃いです。最後の梨さんの作品だけはちょっと毛色が違うけど、それがまた一粒の清涼剤としてよく機能していると思います。この夏に読むべきホラー。

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    2026年08月23日
  • その他の危険(新潮文庫nex)

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    2026.08.09

    感想ってなんだ?と考えてしまった。この本はひとこと、本当におもしろかった。

    ホラーにも心霊系、民俗系、スピ系いろいろあるけれど、そのどこにも属さない怖い物語たち。

    なるほど、だから「その他の危険」なのか。

    人の闇、社会の闇、言葉の裏、言葉の毒、気持ちの毒、確かに危険がいっぱい。湿度や粘性ではないこんなホラーもあるのかと、今までとは違う怖さを感じた。

    新しいなと思ったのは梨さんの『ブルーライト』。怖いというより心がわさわさするような、悲しくて寂しい、泣き笑いの物語。このお話、好き。

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    2026年08月13日
  • 君の地球が平らになりますように

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    ネタバレ

    ・君の地球が平らになりますように
     陰謀論にはまった男とそれを受け入れる女
    ・『彼女と握手する』なら無料
     永遠の愛を求めた女とそれに応えようとする男
    ・転ばぬ先の獣道
     結婚したくない男と結婚を諦めきれない女
    ・大団円の前に死ぬ
     ホストに狂った女と(その姉)と貢がせる男
    ・平らな地球でキスは出来ない
     陰謀論にはまった男とその男から離れた女
    ・ミューティレーション
     陰謀論にはまった男と同じくはまった女

    どれも地獄。しかし面白い。

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    2026年08月12日
  • 死体埋め部の悔恨と青春

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    斜線堂先生お久しぶりです!
    タイトル勝ちです!『死体埋め部』って
    人生初の単語ですよ!部って何さ( ´θ`)

    死体を山に埋める!バイト?でも部活?
    大学3年の織賀(おりが)と
    新入生、祝部(はふりベ)の2人しかいない
    死体埋め部。
    はふりベ・・・
    何度も読み方見直しましたΣ('◉⌓◉’)ムズカシイ


    どうやって依頼がくるのか?報酬は?とか
    今作では明かされません。織賀に教えた人の
    影はうっすらと描かれますが、
    はっきりとはしないのです。匂うくらいです。

    なぜこの死体は死に至ったのか?を2人が話していくシーン。死体運搬中のジャガーの中での
    会話劇がいい!安楽椅子というか
    ウミガ

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    2026年08月06日
  • 星が人を愛すことなかれ

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    『愛じゃないならこれは何』『君の地球が平らになりますように』に続く、シリーズ3作目。

    アイドルを熱心に推す彼氏を持つ冬美の気持ちが、「星」になれない私には痛いほどよく分かります。
    「なぜアイドルには細やかな気遣いができるのに、私にはしてくれないのか」「なぜ、私がリクエストしたプレゼントをアイドルに渡してしまうのか」……そんなキリキリとした感情に、ぐっと引き込まれました。
    そして、「星」として輝く女性たちの苛烈な思いには胸を抉られました。たとえ地獄に向かっているとしか思えなくても、自らの意志でその道を選ぶ彼女たちの姿は、どうしようもなく美しいです。

    今作は最後の一文がどれもすごく好き。
    そし

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    2026年08月05日
  • 教科書には、載せられない!? 君に綴る5つのパロディ

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    教科書に乗ったことがある作品5選をそれぞれの違う作家さんが、解釈し新しい物語を作っています。
    私は、「鼻」×あおにまる先生
    「我輩は猫である」×佐東みどり先生の作品が印象に残った。

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    2026年08月04日
  • 楽園とは探偵の不在なり

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    ある日空から「天使」が降りてきた。天使は「2人以上殺した人間を地獄に送る」という法則の元、空を飛び回っている。

    こうした「特殊設定ミステリー」は今作初めて読んでみたが、普段読むミステリーと遜色ないくらい楽しんで読むことができた。ミステリーとしての面白さはもちろん、この世界での探偵の意義、この世界での人々の価値観の変化など、考えさせられる点も多くあった。

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    2026年08月04日
  • 貴女。

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    武田綾乃「恋をした私は」★★★
    父の再婚相手への感情の動きは秀逸。ただオチが動的すぎるので、最後まで感情の機微にフォーカスした静的な展開の方が好みではある。報われない友人を配置する残酷さはとても著者らしくて好み

    円居挽「雪の花」★★
    女性同士の連帯を描いた作品。タイトルの雪の花は雪の下で耐え抜きながら咲くときを待つ花の比喩か。倒叙サスペンスだが、ちょっとヒネリが弱い印象

    織守きょうや「いいよ。」★★★
    良くも悪くも百合マンガの短編らしい一作。タイトルとラストシーンへの帰着はベタながら好み。挿絵効果か、著者の短編集で読んだときよりも面白かった

    木爾チレン「最前」★★
    アイドル(と承認欲求)

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    2026年08月02日
  • 楽園とは探偵の不在なり

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    「正義」とは何か、「罪」とは何か、と考えさせられる話だった。善悪の前提が根本から変わってしまった世界で、自分なりの正義を貫こうと必死にもがく主人公が良かった。

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    2026年07月31日
  • 愛じゃないならこれは何

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    まさにタイトル通り、「これが愛でないなら一体なんなんだ!」と叫びたくなるような、強烈な作品でした。

    収録されているのは、一人のファンをどうしようもなく愛してしまうアイドルや、一目惚れした後輩に自分の趣味も生活もすべてを合わせていくOLなど、一歩間違えれば破滅に向かうような恋愛ばかり。
    客観的に見れば、地獄にしか続かないような恋なのに、それでも進むしかない彼女たちの姿は、痛くて、苦しくて、どうしようもなく愛おしく感じます。

    自分にもちょっと当てはまる部分があるかも……と思える部分も多々ありました。
    他人事とは思えないからこそ苦しくなりもするし、ヒリヒリした余韻も残るのですが、最高に面白い。

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    2026年07月19日
  • 死体埋め部の悔恨と青春

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    ネタバレ

    気づいた時には全部手遅れ。混沌とした渦の中で唯一手を差し伸べてくれたのは、犬歯がキュートの悪魔みたいな男。文章から伝わる織賀先輩の魔性感が良い。関係を深めるほど正常から遠ざかっていくことへ葛藤する主人公。それは織賀に出会った時点で全部意味のない葛藤なのに、執着して正しさを求める姿があまりにも人間で、相対的に前半の悪魔や神様に例えられた織賀の印象がより濃くなっていく。お互いが勝手に期待して失望して、どんどん倫理が擦り減っていって、不器用な人間同士の最後のぶつかり合いは読む手が止まらなかった。祝部の最後の推理を聞いたとき、織賀は何を思ったのかと思わず考え込んでしまう。続編もあるので早く読みたい。

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    2026年07月17日
  • キネマ探偵カレイドミステリー ~再演奇縁のアンコール~

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    また嗄井戸と奈緒崎に会えて嬉しいよ!
    まさに「承」の巻で、全体的に軽くてサクッと読み終えちゃった。続きに行くぞ〜

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    2026年07月15日
  • 死体埋め部の回想と再興

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    ネタバレ

    最高ブロマンスミステリー。

    ミステリーといっても、死体の謎をとくことは、どうだって良くて、
    ただ目の前の人に捧げる話を捻り出してるだけ。
    その関係の歪さに、はまってしまいました。

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    2026年07月03日
  • 死体埋め部の悔恨と青春

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    あまりにも好みすぎました……。
    中盤あたりまでは、ふんふんそんな感じねと思っていましたが、第三話からぐぐっと不穏寄りに舵を切ってきて、終盤はページを捲る手が止まらず、そしてラスト……!ここで!!!という感じ。
    思わず「助けて!」とのたうち回ってしまいました。
    まだ続巻がある興奮で震えました。

    二人だけの青春は、確かにそこにあった。

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    2026年06月27日