斜線堂有紀のレビュー一覧

  • 楽園とは探偵の不在なり
    ・ミステリー×SF
    ・主人公の過去、現在の立ち位置が良い。亡くなった元メンバーたちと対応するように現メンバーが配置されているように感じた。
    ・最後に救いがないのがいい。倉早さんが助からなくてよかった。物語の軸がぶれなくてよかった。
    ・天使の砂糖好きという習性が上手く使われている。
  • 回樹
    SF短編集でした!どのお話もわくわくと読めたけど、1作めの『回樹』と対になってる最終話の『回祭』は読んでて涙が出そうになりました。人の弱さと強さ、愛は脆くて絶対的だなあ…と。
  • あなたへの挑戦状
    阿津川辰海×斜線堂有紀の競作「あなたへの挑戦状」。なんて豪華な競作なんだろう。
    作家それぞれが自分では解けないが最高に面白い謎を互いに用意し挑戦する。
    読者への挑戦状と思って読んでいたから読み終えた最後にこれが明らかになって、これはすごい!面白い!と改めて思いました。
    お互いに自分の得意とする物語の...続きを読む
  • あなたへの挑戦状
    あなたへの挑戦状、この謎が解けますか?(犯人はわかってもトリックはわからずでした)
    阿津川さんは斜線堂さんへ、斜線堂さんは阿津川さんへ出題だけ出して、あとはお互いの解釈で謎を解いていくというのが面白かったです。
    お二人の仲良さ最高です!
  • 本の背骨が最後に残る
    物語を語る者が「本」と呼ばれる国で、同じ物語を語る本は相手の誤植を見つけるために正当性をぶつけ合い、負けた方は炎に焼かれ骨になる・・・⋯そんな表題作を初めとした全ての物語が、装画が、溜息が出るくらい美しい。
    ぞっとするほど美しく魅せられた作品です。
  • 愛じゃないならこれは何
    最近、YouTubeで「ほんタメ」という動画にハマっているのですが、MCのあかりんが「恋愛と地獄は近ければ近いほどいい」と言っておりました。
    これはまさに、そんな胸ギュン小説です。

    決してキュンではないしハッピーでもないけれど、確かに「これが愛じゃなければ何なのだ!」としか言い様のないどうしようも...続きを読む
  • 君の地球が平らになりますように
    恋愛×地獄小説 その2。

    憧れの彼が陰謀論にハマり孤立した今なら私でも手が届くかも⋯⋯と信じてもいない陰謀論を肯定し続ける表題作の他、地獄(かもしれない場所)に向かってひた走る女の子達。
    やはりハッピーではないけれど、なぜか悲壮感もなくて、こちらもすごく好きです。

    『愛じゃないならこれは何』と関...続きを読む
  • 本の背骨が最後に残る
    25.本の背骨が最後に残る
    残酷さと美しさ
    狂気の痛みを感じながらも
    その世界から離れたくない、逃れられない

    7つの短編のうち
    ドッペルイェーガー
    痛妃婚姻譚
    が特に好み

    この世界観
    クセになる
  • 本の背骨が最後に残る
    はじめて斜線堂有紀さんの本を読みました。
    読む前は、短編集だし
    まーそれなりに面白ければいいけど
    外れたら嫌だなーと思ってました。
    ごめんなさい!

    衝撃
    どの作品も世界観が
    空想
    SF?
    なのに、ちゃんと物語で
    そして、
    今まで感じだことのない世界観が
    とても新鮮で
    こころに残る

    軽く何も考えず...続きを読む
  • 本の背骨が最後に残る
    良い本は書かれていない音が聞こえてくるし、匂いが分かる気がする。この本はいい本だ。短編集、この作者にしか書けない物語。どの短編にも世界観がしっかりとあり、そして読ませる。面白い。

    表題作・本の背中が最後に残る…鉄籠が降ろさせる音、人々の声・喧騒、火の匂いがしてくる。本同士の押し問答、舌戦、すごい!...続きを読む
  • ゴールデンタイムの消費期限
    1度は天才と注目されるも
    今は元天才としてスランプを抱える子供たち。

    過去の自分に未練がありながらも返り咲けない、
    そんな中あるプロジェクトに招集され
    AIの力を借りることに。

    AIという借り物の才能で本当にいいのか、
    自分はどうなりたいのか、本心はなんなのか、
    出会った元天才達と比較してしまい...続きを読む
  • ゴールデンタイムの消費期限
    高校生から感じていた自分は何者なのだろうかという漠然とした不安と、大学に入って自分は凡人でそれでも良いんだっていう納得と諦観が書き出されていて共感できた。思春期の自我の葛藤がAIも交えてよく書き出されている。
  • 本の背骨が最後に残る
    斜線堂作品、絶対的に好きだ!唯一無二の世界観。誰でも持っている、人間の残酷さを楽しむ性癖、そして女性を美の象徴として捉えたホラー&SFを楽しめた。『本の背骨が最後に残る』は主人公は「本」。版を重ねるに従い誤植や意にそぐわない本は燃やされる運命に。「本」VS「本」の物語の競い合い。燃やされて残るのは本...続きを読む
  • ゴールデンタイムの消費期限
    元天才と呼ばれる若者が集められ、AIの力で再起させようという国家プロジェクトのお話。

    AIの助けを借りた作品や実力は、自分のものと言えるのか。Chat GPT等が台頭してきている今だからこそ読んでいて刺さる作品だった。

    斜線堂有紀さんのスラスラ読める文章に気になる設定で一気に読んでしまった。
    ...続きを読む
  • ゴールデンタイムの消費期限
    ある場所に中高生が集められ、巨大な「何か」に対峙するというフレームは自分の好きな辻村深月さんの『かがみの孤城」を彷彿とさせた。元天才たちの葛藤とAIの不気味さが丁寧に描かれて引き込まれました。
  • 百合小説コレクション wiz
    宮木あや子さんのファンとして、宮木さんの小説ベストだと思っている「雨の塔」の続編が読めたことに感動しての☆5です。

    全体的には......百合小説アンソロジー「彼女。」でこういったものが面白いな、と感じて同じような趣旨のこのアンソロを買ってみたのですが、小説に性的な表現が入ると嫌悪感を抱いてしまう...続きを読む
  • 本の背骨が最後に残る
    ものすごく非現実の徹底なのに、自然にのめり込めるような展開で面白かった。著者の他の作品も買いました。
  • 夏の終わりに君が死ねば完璧だったから
    金塊病の女性と十五歳の少年の交流。それだけなのに患者の死体が金に変質することで周囲から何かを押し付けられる。記者の書く物語は大衆に好まれて何が本当で何が嘘だったか分からなくするだろう。サナトリウムの塀の鯨。チェッカー。それぞれが持つ意味を二人だけが知っていて覚えている。鯨が塗り替えられなかったように...続きを読む
  • 恋に至る病
    私自身も誰かの被害者だったことも有れば加害者だったことも有る。何かに流されて。寄河景とは何だったのか。殆どが宮嶺望によって語られるこの小説だけでは判断が難しい。影響力の強い人と影響を受け易い人が居て前者が景で後者が宮嶺だということは分かる。恋の話でなく入見遠子の語る物語こそ真実に近いのではと思うのに...続きを読む
  • 本の背骨が最後に残る
    最っっっ高に訳のわからない世界。
    グロテスクで油断したらこっちまで悶え苦しんでしまいそうな程、残虐な6つの異世界。
    すごいな。