斜線堂有紀のレビュー一覧
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美しいという表現が1番合う気がします。
とにかくきれいな世界観。
そして独特でグロくて幻想的で残酷。
特に好きだったもの2つを紹介します⬇️
⚪︎本の背骨が最後に残る
「本を焼くのが最上の娯楽であるように、人を焼くことも至上の愉悦であった。」
最初から引き込まれていきました。
いや、「その本は盲目だった」って何!?って最初に思いましたよ…。発想が天才すぎるー…。
版重ねの愉悦を人々が知ってしまうってなんか恐ろしいけど、その国では「普通」であって、みんなが楽しんでいるのかぁ…と思うと余計恐ろしいです…。
十のキャラがめっちゃ好きでした。
「本は背骨が最後に形成る」も面白かったです。
⚪︎ -
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ネタバレアイドルの世界というのがあまりにも自分とかけ離れすぎており、1番共感できたのが「ミニカーを捨てよ春を呪え」だった。
渓介の、恋人以外にも熱中することがあって、時間もお金もかけたいという気持ちはよくわかった。
一方で美冬の渓介(というより誰かに)に愛されたいいう気持ちにも共感できる。
美冬は自分肯定感が低いが故に他人からの愛でしか自分を肯定できない。理想の彼氏を渓介に押し付けようとする。
美冬はさっさと渓介と別れて、自分を肯定してくれる居場所(彼氏でも仕事でも)を見つけないと辛いだろうなと思って読み進めていた。
お互い譲り合えるところは譲り合うしかない。でも絶対に譲れないところが美冬と渓介 -
Posted by ブクログ
なるほど。“挑戦状”ってそういう意味か。
なんと更に高度な事をしてたんですね。
それで、こんなストーリー書けちゃうんですか。
しかもちゃんと面白いし。
はー、やっぱ作家さんって凄いわ。
斜線堂さん推しだけど、どっちの作品も好き。
お二方の持ち味が滲み出ているし、ちゃんと“人間”を描いてくれてるから良い。
これを期にもっと阿津川さんの作品を読みたいと思った。
巻末の執筆日記もめっちゃ面白かった。
作品完成までの過程を書いているだけなのに、なんでこんなに面白いの。
人間味溢れる斜線堂さんの日記で思わず笑ってしまった。
阿津川さんの日記もまた違った面白さがあって、夢中で読んだ。
小説じゃないのに!笑 -
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銃乱射事件がきっかけで閉園となり
廃墟と化した遊園地でのクローズド・サークル。
その遊園地を買い取ったのは
廃墟好きの資産家である十嶋庵。
十嶋によって廃遊園地に招待されたのは
廃墟マニアや当時の遊園地の関係者など9名。
そこで告げられたのは園内にある宝を見つけた者に
廃遊園地の所有権を渡すというもの。
所有権を巡り宝探しが行われたが、
みんな何かを隠しているようで・・・。
廃遊園地ってだけで不気味(褒めてる)なのに
マスコットキャラクターのギャニーちゃんが
最高にかわいくなくて不気味で好き。(褒めてる)
あとがきに作者本人から語られているが、
単行本から今回の文庫化にあたって
大 -
Posted by ブクログ
ネタバレもうほんっっっっと大好き……!!!
斜線堂有紀が書く傍から見たらイカれてるけど当人にとっては純愛、みたいな地獄の恋愛小説が大好きなんです~~~!
タイトルセンスも最高だし、散りばめられたキラーフレーズに脳味噌が焼き切れるほど興奮するし、一作目読み終わった後ついでかい声でおもしれ~~!!って叫んじゃったもん。なんでこんなに好みの話を書けるの。すごい。大好き。
「ミニカーだって一生推してろ」
いっっっちばん好きです。ばねるり……!
究極の純愛ですよこれは。続きが気になる~~けどこのまま終わってほしい気もする~~~
終わり方も完璧。テディベアをプレゼントされたとき快哉を叫びました。地獄の始まり♪
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大好きな斜線堂先生目当てで購入しましたが、全部何処かしら自分に刺さる部分があって引き込まれました。
Twitterのアイコンで羽ばたいていた1匹の鳥が黒背景ガビガビ白Xになってもうどれくらいの時間が流れたのでしょうか。
Twitterは滅びるべき、私も大いにそう思います。Twitterがあるから失われたものだってあるし、Twitterがあるから負った消えない傷も世界には溢れているでしょう。
でも、Twitterがくれたものもたくさんあるんです。
浮上しなきゃいいのに気分が下がったまま浮上してフォロワーがRTしたネタツイに爆笑しながら自分もふぁぼりつしたり、Twitterで知り合った人がいつの間 -
Posted by ブクログ
「私」と「先輩」の二人は、あらゆる世界、あらゆる形で出会い、別れ、あらゆる目に遭い、あらゆる物語となる……。
斜線堂有紀さんがTwitter(X)上で「#不純文学」タグで発表された掌編250編をまとめた小説です。
「私」と「先輩」の物語は1ページ毎に目まぐるしく変わっていき、二人の関係もそれにあわせて変化していく。恋愛のような親愛のような執着のような、そっけなくも感じるのにどろりと重い感情がとても好き。
中には「君は愛しのフランシス」⇔「君は麗しのジェシカ」や、「ステーキも毎日は食べれない」⇔「フォアグラだって毎日食べたい」のように、リンクしている話もあったりするので、そんなのを探しながら