斜線堂有紀のレビュー一覧

  • 本の背骨が最後に残る

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    美しいという表現が1番合う気がします。
    とにかくきれいな世界観。
    そして独特でグロくて幻想的で残酷。

    特に好きだったもの2つを紹介します⬇️

    ⚪︎本の背骨が最後に残る
    「本を焼くのが最上の娯楽であるように、人を焼くことも至上の愉悦であった。」
    最初から引き込まれていきました。
    いや、「その本は盲目だった」って何!?って最初に思いましたよ…。発想が天才すぎるー…。
    版重ねの愉悦を人々が知ってしまうってなんか恐ろしいけど、その国では「普通」であって、みんなが楽しんでいるのかぁ…と思うと余計恐ろしいです…。
    十のキャラがめっちゃ好きでした。
    「本は背骨が最後に形成る」も面白かったです。


    ⚪︎

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    2025年05月26日
  • 夏の終わりに君が死ねば完璧だったから

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    すごく好きな1冊です。

    好きな人への愛情は証明できるのか。
    読者にその難題を投げかけるために、
    死後に金へと変わってしまう難病を患う恋人から、
    自身の身体と引き替えに得られる金を相続するように持ちかけられる。

    よくある心情の証明に、これまでに聞いたことのない設定でアプローチする。
    すごく新しく、おもしろい話だった。

    感動の要素がもう少し強いと、個人的にはもっと良かったかなと思う。

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    2025年05月24日
  • 星が人を愛すことなかれ

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    ネタバレ

    アイドルの世界というのがあまりにも自分とかけ離れすぎており、1番共感できたのが「ミニカーを捨てよ春を呪え」だった。

    渓介の、恋人以外にも熱中することがあって、時間もお金もかけたいという気持ちはよくわかった。
    一方で美冬の渓介(というより誰かに)に愛されたいいう気持ちにも共感できる。

    美冬は自分肯定感が低いが故に他人からの愛でしか自分を肯定できない。理想の彼氏を渓介に押し付けようとする。
    美冬はさっさと渓介と別れて、自分を肯定してくれる居場所(彼氏でも仕事でも)を見つけないと辛いだろうなと思って読み進めていた。

    お互い譲り合えるところは譲り合うしかない。でも絶対に譲れないところが美冬と渓介

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    2025年05月17日
  • ミステリ・トランスミッター 謎解きはメッセージの中に

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    短編小説。どのお話も読み終わった途端にもう一度読み直したくなった。
    記憶をなくして読み直したいくらい。

    私には難しいお話が一つだけありましたが、それ以外は読みやすかったです。

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    2025年05月15日
  • 私が大好きな小説家を殺すまで

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    個人的には最高に良かった!
    現代版ロミオとジュリエットとでも呼ぶべき作品。

    小説家に救われた小学生の女の子が、タイトル通り小説家を殺すストーリー。精神的にも、肉体的にも殺されてしまう有名小説家は、少女にとっての神様だった。ふたりの関係性の設定がしっかりしているので、それに沿った心の動きがすごく魅力的だった。小説家ならではの独特な思考と精神状態にも引き込まれていく。

    最初の設定はかなり強引にも感じたけど、今の世の中であればあり得る話ではある。

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    2025年05月14日
  • あなたへの挑戦状

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    なるほど。“挑戦状”ってそういう意味か。
    なんと更に高度な事をしてたんですね。
    それで、こんなストーリー書けちゃうんですか。
    しかもちゃんと面白いし。
    はー、やっぱ作家さんって凄いわ。
    斜線堂さん推しだけど、どっちの作品も好き。
    お二方の持ち味が滲み出ているし、ちゃんと“人間”を描いてくれてるから良い。
    これを期にもっと阿津川さんの作品を読みたいと思った。
    巻末の執筆日記もめっちゃ面白かった。
    作品完成までの過程を書いているだけなのに、なんでこんなに面白いの。
    人間味溢れる斜線堂さんの日記で思わず笑ってしまった。
    阿津川さんの日記もまた違った面白さがあって、夢中で読んだ。
    小説じゃないのに!笑

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    2025年05月13日
  • 廃遊園地の殺人

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    銃乱射事件がきっかけで閉園となり
    廃墟と化した遊園地でのクローズド・サークル。

    その遊園地を買い取ったのは
    廃墟好きの資産家である十嶋庵。

    十嶋によって廃遊園地に招待されたのは
    廃墟マニアや当時の遊園地の関係者など9名。

    そこで告げられたのは園内にある宝を見つけた者に
    廃遊園地の所有権を渡すというもの。

    所有権を巡り宝探しが行われたが、
    みんな何かを隠しているようで・・・。

    廃遊園地ってだけで不気味(褒めてる)なのに
    マスコットキャラクターのギャニーちゃんが
    最高にかわいくなくて不気味で好き。(褒めてる)

    あとがきに作者本人から語られているが、
    単行本から今回の文庫化にあたって

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    2025年05月11日
  • 楽園とは探偵の不在なり

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    特殊設定だけど、クローズド・サークルかつ本格ミステリーでとても面白かった!
    2人以上殺した者は「天使」によって即座に地獄に引き摺り込まれるようになった世界、という設定。この設定がとてもお上手。
    ‪死刑執行ができなくなる。罰せられないから1人なら殺してもいいだろう。2人殺すならせっかくなら大人数巻き込んだ方がお得だ。‬
    こんな思考も人間の真理をついているようで、なるほどなぁという感じ。この設定ならでは。

    青岸がこの事件をきっかけに立ち直ってくれて良かった。

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    2025年05月08日
  • 彼女。

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    思い出しただけで眩しくなるような瞬間さえあるなら、幻滅しようが、それを抱いて生きていけるんじゃないかなとは思ってるよ。

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    2025年05月01日
  • 百合小説コレクション wiz

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    スマホよ、鳴るな。大人しくしていろ

    どうして彼女が嘘を愛していたのか、その理由はわかる気がした。


    百合という同性恋愛小説という文化に最近触れてこんなにも面白いのかと思うようになった。

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    2025年04月30日
  • 愛じゃないならこれは何

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    ネタバレ

    もうほんっっっっと大好き……!!!
    斜線堂有紀が書く傍から見たらイカれてるけど当人にとっては純愛、みたいな地獄の恋愛小説が大好きなんです~~~!
    タイトルセンスも最高だし、散りばめられたキラーフレーズに脳味噌が焼き切れるほど興奮するし、一作目読み終わった後ついでかい声でおもしれ~~!!って叫んじゃったもん。なんでこんなに好みの話を書けるの。すごい。大好き。

    「ミニカーだって一生推してろ」
    いっっっちばん好きです。ばねるり……!
    究極の純愛ですよこれは。続きが気になる~~けどこのまま終わってほしい気もする~~~
    終わり方も完璧。テディベアをプレゼントされたとき快哉を叫びました。地獄の始まり♪

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    2025年04月30日
  • 本の背骨が最後に残る

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    初めから終わりまで斜線堂有紀が詰まってた。幻想文学なのかな……?
    生きた本しかいない国で本が正しい本を争う表題作と「本は背骨が最初に形成る」はクるものがある。お気に入りは、痛みを引き受ける姫と舞踏会のお話「痛妃婚姻譚」。

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    2025年04月29日
  • 星が人を愛すことなかれ

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    斜線堂有紀で1番好きかも。タイトルの通り、アイドルを取り巻く恋愛が不協和を呼ぶ連作短編集。東京グレーテルが地下出身で瑠璃だけが売れてるのが余計に辛い。推しと彼女の話「ミニカーを捨てよ、春を呪え」が身につまされたので「星の一生」で刺された。

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    2025年04月29日
  • 貴女。

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    待ってました、な百合小説アンソロジー。お気に入りは、織守きょうや「いいよ。」。幸せたっぷり。定番の記憶喪失モノ斜線堂有紀「最高まで行く」も好き。円居挽「雪の花」は高河ゆんの扉も相待って良い。共犯者モノ好き。

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    2025年04月29日
  • 小説集 Twitter終了

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    大好きな斜線堂先生目当てで購入しましたが、全部何処かしら自分に刺さる部分があって引き込まれました。
    Twitterのアイコンで羽ばたいていた1匹の鳥が黒背景ガビガビ白Xになってもうどれくらいの時間が流れたのでしょうか。
    Twitterは滅びるべき、私も大いにそう思います。Twitterがあるから失われたものだってあるし、Twitterがあるから負った消えない傷も世界には溢れているでしょう。
    でも、Twitterがくれたものもたくさんあるんです。
    浮上しなきゃいいのに気分が下がったまま浮上してフォロワーがRTしたネタツイに爆笑しながら自分もふぁぼりつしたり、Twitterで知り合った人がいつの間

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    2025年04月22日
  • ゴールデンタイムの消費期限

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    私は天才だったことも天才だと言われたこともないのにやけに共感して、自分の心の深い部分に踏み込んでしまった感じがした。昔の傷をそっと撫でるような、思い出すような、そんな時間だった。読み終わりたくなかったし、読み終わった後、疲労感と余韻でしばらく動けなかった。でもこの小説に出会えてよかった。

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    2025年04月21日
  • 恋に至る病

    購入済み

    最後の4行に考えさせられた

    読者によって最後の4行の読み取り方が異なると思うのですが、私は景を信じたい
    愛は嘘じゃないと思いたいです

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    2025年04月21日
  • 斬新 THE どんでん返し

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    「どんでん返しシリーズだから読んでおこう」と軽い気持ちで読んだけれど、5作とも楽しめた。
    『おれ以外のやつが』はもう少し長く、中編だったらもっとおもしろくなったかなと思った。

    『人喰館の殺人』はさすが!というかなんというか、インパクトがすごい。意外と嫌いではない 笑

    『遣唐使船は西へ』は「好みではないなー遣唐使よく分かんないし」なんて思って読み始めたけれど、動機が意外で、だけどすごく良かった。
    なかなか思いつけない動機だよね。

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    2025年04月17日
  • 星が人を愛すことなかれ

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    完璧に幸せな人生って実はないのかなと思いました。色々な視点で物語が進んでいくのでとても感情移入しやすかったです。

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    2025年04月17日
  • さよならに取られた傷だらけ 不純文学

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    「私」と「先輩」の二人は、あらゆる世界、あらゆる形で出会い、別れ、あらゆる目に遭い、あらゆる物語となる……。


    斜線堂有紀さんがTwitter(X)上で「#不純文学」タグで発表された掌編250編をまとめた小説です。
    「私」と「先輩」の物語は1ページ毎に目まぐるしく変わっていき、二人の関係もそれにあわせて変化していく。恋愛のような親愛のような執着のような、そっけなくも感じるのにどろりと重い感情がとても好き。
    中には「君は愛しのフランシス」⇔「君は麗しのジェシカ」や、「ステーキも毎日は食べれない」⇔「フォアグラだって毎日食べたい」のように、リンクしている話もあったりするので、そんなのを探しながら

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    2025年04月08日