斜線堂有紀のレビュー一覧
-
Posted by ブクログ
それだって、きっと愛の短編6編
過去3作斜線堂さんの小説を読んでますけど
どれとも違う痛ったい恋愛小説
「ミニカーだって一生推してろ」
目立たない地下アイドルが自分を推すコアファンを見つけたところから地獄へ続くアイドル的には天国の恋の暴走
「星害を受ける」
ミニカーの語部をライバルに変えて
コアファンだってた只者ではない
「きみの長靴でいいです」
苦悶度Max
長年のビジネスパートナーから本当に履けるガラスの靴をプレゼントされたデザイナー女子
彼はいつも彼女の完璧な王子だった
舞踏会中毒(斜線堂さんの造語かな?)から抜け出せなかった二人の選択
「愛について語るときに我々の騙ること」
苦悶 -
Posted by ブクログ
斜線堂有紀先生の描く世界観が好きで、今回も手に取りました。
「東京グレーテル」再び。三作品連続でこのアイドルグループの話を読んでいるうちに、もはや他人事には思えなくなってきました。片足のひざ下くらいが「東グレ」に突っ込んでしまった感があります。
さて、『君の地球が平らになりますように』。
まずタイトルが非常にいいんです。(いい意味で、何を言っているのかわからない。笑)
本作は短編5作品が収められています。
どの作品でも、主人公は目に見えない何かと闘っています。それは、自分のエゴだったりプライドだったり。でも、当人はそのことに闘いの最中では気づかない。
むしろ、敵は他人だと思い込み、他人を攻 -
Posted by ブクログ
海外ミステリの有名な名探偵たちを取り上げたパスティーシュ作品のアンソロジー&ブックガイド。子供向けのように思えますが、大人も充分に楽しめます。初心者向けのようでもあるけれど、ミステリファンにとっても読みごたえは充分にあります。読み終えたらさらにミステリを読み漁りたくなります。国内ミステリ版も出していただけませんでしょうか。
お気に入りは水生大海「一つの石で二羽の鳥を殺す」。他の作品は面白かったけれど、だいたい真相がわかったのですが。これだけぜんっぜん解けませんでした。ミス・マープルの脱線したかのような話がきちんと関わってくるところも見事だし。
ブックガイドも古典的な定番を押さえているように見え -
Posted by ブクログ
銃乱射事件で閉鎖された遊園地・イリュジオンランドへ、廃墟コレクターの資産家・十嶋庵が二十年ぶりに人々を招く。
廃墟マニアの元コンビニ店員・眞上永太郎をはじめとした招待客たちは、廃園の所有権を賭けた宝さがしに挑戦することとなるが、その最中、串刺しになった着ぐるみが見つかり……。
廃遊園地を舞台にしたクローズドサークル・ミステリー小説。
個人的に、大人になった今でも1シーズンに1回はどこかの遊園地に行くほど遊園地好きなので、廃遊園地という舞台はとても惹かれます。在りし日の園内ガイドがカラーページで見られたり、舞台を生かした大掛かりかつノスタルジックな雰囲気で、期待通り面白い。
文庫化するに -
Posted by ブクログ
ネタバレ10年以上Twitterというインターネットガンジス川を泳ぎ続けてきた身として読まんわけにはいかないってワケ。
特に深く刺さったのは『オタクどもの聖霊降臨日』と『Twitterが終了したので、ここでしか繋がっていなかった助手との関係が切れた。』の二篇。目の前で終わりが加速していくTwitterをボロクソに言いながらそれでも離れることもできず漂う私を泥水みたいな郷愁で包んでくれたので。
オタクどもの聖霊降臨日
一番好き。この鬱屈としていてどうしようもなく拗らせちゃって本当に救いようがないカスとそれをほっとけない誰かの関係性も好きだし、Twitterの澱みの味がめちゃくちゃリアルでたまらない。