あらすじ
英知大学の新入生・祝部浩也は帰宅中に暴漢に襲われ、格闘の末に誤って男を殺してしまう。「助けてやろうか?」そこへ通りかかった大学の先輩・織賀善一の提案で、いったん死体を埋めに行くことに。だが死体を運ぶために乗り込んだ織賀の車の後部座席には、すでに“左手の指をすべて骨折した死体”が座っていた。死体処理で生計を立てる織賀になかば脅され、祝部はその手伝いをしながら奇妙な死体の謎を解くことに。ふたりだけの歪な部活動が行き着く先とは――。気鋭の著者による初期傑作ミステリ、全面改稿の上、書き下ろしを加えて待望の復刊。
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Posted by ブクログ
大学生が殺人を犯して見ず知らずの人に助けてもらうという冒頭、死体埋め部というサークル、死体となった背景の推理、全てが面白い。そして何と言っても、死体埋め部の行く末が予想外すぎて、続きが気になって仕方がない。続編を準備していないことに後悔。
Posted by ブクログ
たぶんわたしは斜線堂有紀の二次創作っぽい設定と地の文がドツボなんだ。ラノベより洗練されてて、純文学よりポップな感じ。
これもねっとり重めの話で面白かった~~!!
オリガマウンテンは笑った。その名の通りなんかい。
織賀と祝部の関係も好き。まあほぼ洗脳なんだけどね。織賀のことを崇拝したり嫌悪したり、きっちり重い感情を持っているのが……いい!
しかもちゃんとミステリーとして成り立ってておもしろかった。ジャガーの中で語る死因究明。
特に好きだったのは三話目の同級生の女の子が死んじゃった話と、書下ろしの閑話休題。織賀は一体なにを持っていたのでしょうね。
気になる終わり方もしたのではやく続編が読みたい! 明日発売!? 最高!!
Posted by ブクログ
死体埋め部
というちょっと不思議で不謹慎な設定画面白い
会話は軽妙で読みやすい 全体にそこはかとなく物悲しい雰囲気が漂っている
↓ネタバレあり
これ、続きがあるそうです
最終話であんなことになって、さらにラストシーンはあれ
続編はどういうテンションで続くのでしょうか?
でも織賀と祝部の物語をもう少し読みたかったので嬉しい
Posted by ブクログ
ミステリというより青春もの。
先輩も後輩もブッ壊れてていい。
依存と信仰と執着のごった煮感情。
作者の癖がめちゃくちゃ詰まってた。
人気の作家さんだけどなんとなく合わないかもと思って今まで避けてしまってたけど、読まず嫌いはダメだね。他の作品も読んでみたいけど、まずは埋め部の回想と再興を買ってくる!
Posted by ブクログ
正当防衛により人を殺してしまった祝部と“死体埋め部”を自称する織賀。
悪夢のような運命の出会いが二人に齎す青春の日々は愛おしい。
大学の先輩後輩かつサークル(?)仲間で、プライベートでも一緒にいる。
お互いにかけがえのない存在だと思っている。
ホント、傍らに死体さえなければなあ。
もちろん“死体を埋める”という犯罪行為がある以上、穏やかな未来が待っているとは思ってない。
ある程度そういう予想もしていたけど、それでもやっぱり涙は出る。
これさあ…どんな気持ちで続編を読めと?
いやまあどうせ読むんだけど。
なんか読みながら泣いちゃいそうだな。
Posted by ブクログ
麗しの先輩との半年間の部活動の記録。と言うと明るく楽しいハッピーな感じがするけど、とんだミスリードだなと思います。神さまのような男に救われた男の話。自分のことを唯一として欲しかったのはお互いになんですよね。お互いがお互いのゆいいつでありたかった。お互い思い合っているはずなのにささいなすれ違いであんな結末になるのは切ないね。けどあれはインモラルな活動をしている報いなのかもしれないとも思う。きっとふたりが行く場所はどこにもなかった。袋小路。
Posted by ブクログ
ぶっ飛んだタイトルに惹かれて手に取りました。
内容もぶっ飛んではいるけれど、自分にはないものを持っていて、ミステリアスで魅力的な先輩が大好きで死体埋め部をやめられない主人公目線だと、やっぱ青春もの?
いやいや、殺される理由を推理しているのだから、やっぱりミステリー……青春ミステリーだろう。
あと、ずっと本当の気持ちを見せなかった先輩か、最後の最後に見せた言動こそが本当の思いだったのか?
そして最後の一文。
あれは、、主人公は本当は先輩に対してどんな思いを持っていたんだろう。色々深読みしてしまうな。
Posted by ブクログ
大学一年生の祝部(はふりべ)は突然暴漢に襲われ、必死の抵抗の末に相手を殺してしまう。
途方に暮れていた彼の前に偶然現れた同じ大学の三年生・織賀(おりが)の提案で一緒に死体を埋めにいくことに。だが織賀の車にはすでにもう一体の死体があって…。
タイトルの『死体埋め部』というインパクトからどんな話なのかと興味を惹かれて読んでみた。
元々織賀が一人で行っていた、死体を埋めるという闇のお仕事に祝部が巻き込まれ付き合わされることによって『死体埋め部』となるという設定はかなりシュールなのだが、死体を埋めるために織賀の愛車・ジャガーの中で毎回死体を巡る謎解きを行うというのもかなりシュールだ。
左手の指だけ全部骨折した死体の謎
多数のページが切り取られた辞書を所持していた死体の謎
サイズの合わないワンピースの下にスクール水着を着ていた死体の謎
これらの謎を解くのが祝部なのだが、なかなかの探偵振りだ。だがそれが真実なのかどうかは分からない。何故なら死体を埋める依頼を受けた織賀ですら死体を巡る事情は知らされていないからだ。
大切なのはそれが織賀を納得させ面白がらせることが出来るかどうか。それが出来た時には織賀の『承認しよう』の言葉が得られる。
異常な設定で起こる謎解きというのはこれまでもいくつか読んできたが、ここまでダークな設定も珍しい。
だが一方でタイトルにもあるように『青春』を思わせるような織賀と祝部の関係も描かれて、その対比が新鮮だ。
端から見れば仲の良い大学の先輩後輩だが、ふたりともそれぞれの事情を抱えている。
そしていくら織賀がサークルのようなノリで祝部を付き合わせても、その原点は『死体埋め』という違法で決して人に知られてはならないものである以上、楽しいものとはならない。
第四話ではそのことを突きつけられて苦かった。
個人的にはこのままカラっと進んで欲しかったが、他の方のレビューを読むと、この作家さんの作風はどうもそうではないらしい。
そしてラスト、これはどう想像すれば良いのか。
シリーズ作品がすでに出ているらしい。ということは織賀と祝部との関係は続くのか否か。
機会があれば読んでみたい。
Posted by ブクログ
話がつながった短編集であり読みやすいが浅い印象。
先輩は死体を埋めるバイトをしており、後輩は正当防衛で殺人をしてしまい、先輩が、後輩が殺めた死体を処理するシーンから始まる。
死体を埋めに行く車の中でどういった状況で殺されたを推測するゲームに興じる大学生2人。
ロジックは薄いため雰囲気を楽しむものかと。
履修登録の雰囲気は好きやた。
Posted by ブクログ
以前アンソロジーにはその名を連ねていたが、斜線堂有紀が創元推理文庫レーベルに仲間入り
し12-1
しで始まる12番目の作家の1冊目
タイトル◯
先輩との関係性◯
物語の設定◯
ミステリー要素△
洒脱な会話△
ある意味「特殊設定」ミステリーで、現実味は薄いが発想力に感心した
会話は洒脱というよりラノベチック
ごく稀にツボをついてくるが、たびたび心の底から真顔になれた
続巻につづく
Posted by ブクログ
人を死なせてしまった・・・!
動転して動けない僕のために 人影が伸びる。
「助けてやろうか?」
というはじまりのお話。
一種のファンタジーとして読み進める。
死体埋め部の後部座席には死体がシートベルトをして座っており、それをヒントに事の顛末を妄想し創り上げ承認される。
謎解きではなくロジック遊び。起こり得る、あり得る顛末を添えることができればそれでよい というルールなので、死体埋め部なんて存在することが可能かとか前提部分をアレコレを考えては負けるという。
死体埋め部の先輩と後輩がやたらスキスキ言い合っている様はブロマンス的に見えなくもない。そういう風味もふりかけながらお話を進行してゆく。
最後あたりで少し残念に思っていたので、どうやら続編が本当にあるらしいと今知って、続き読んでもいいなと思っています。ハイ。
Posted by ブクログ
なんとも形容しづらいけど、ミステリです。
死体埋め部という部活をやってる大学の先輩の織部に助けられた英知大学1年の祝部が主人公。
色々あって、織部といっしょに死体埋めという最悪の部活動を行うことになるのですが、車に積み込まれた死体を観察して、服装や身体に残った傷跡から死体の謎を解いていきます。
犯人も死因も分かっているので、一般的な犯人当てのミステリとは一風変わった謎解きが楽しめます。
織部のぶっ飛んだキャラといい、死体埋め部という不穏すぎる部活動といい、魅力的な素材なので、話自体ももっとぶっ飛んだテンションでも良かったかなぁ。
祝部君が非常にまともな性格で自分の行為にずっと罪悪感を抱いているので、読者としてもなんか悶々としながら読むことに…。
ラスト悲しすぎるな…と思ったら、続編が発売されるそうなので、続きが楽しみです。