斜線堂有紀のレビュー一覧
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ネタバレ消えたデロリアン「BTTF」、ビデオ屋のダイイングメッセージ「ラブ・アクチュアリー」、カレイド事件の解決編「俺たちに明日はない」でいよいよフィナーレ。
・電話のアップカットのために人くらいの大きさの電話をつくったヒッチコック
・「メトロポリス」の撮影監督が考案したアナログな合成技術シュフタン・プロセス
・パルプ・フィクションの映り込み
・人影が映り込む再生品フィルム
・サイコで血糊にチョコを使った
・ボタンひとつで爆発する血糊に使用したスクィップという装置
・「桑港」の地震シーンは緻密な調節でエキストラに怪我人は出なかった
など、今回は撮影技術の蘊蓄多めで嬉しい。
試行錯誤を積み重ねてきた映画の歴史 。素晴らしいフィクションを作るために先人たちが工夫を凝らしてきたから、映画というものは現実を超えた面白さを持てるのだと感じた。
あとがきにて「凄惨な現実をフィクションが救う」がテーマだったことを知る。正直カレイド事件の結末は、決戦に備えて警察に連絡するなり、DVD複製するなり何も準備してなかったんかい!や、こんな大事件隠し通せるか?など色々ツッコミどころはあるけれど全3巻を通してテーマは綺麗に伝わってきたので面白かったと思う。 -
Posted by ブクログ
ネタバレ窃盗容疑の同級生を助ける「スタンド・バイ・ミー」、舞台女優と演出家のいざこざ「アーティスト」、中古ビデオ屋の査定の謎「バグダッド・カフェ」と、今作も映画知識が謎を解く鍵となるミステリー。
1918年のノアの箱舟の事故とかよく知ってるな...(ググッても出てこない)。スタンド・バイ・ミーはテレビ版とDVDで吹替違うとか、白黒映画の天才カール・ドライヤー監督は白に拘って壁をピンクにしたとか、バグダッド・カフェのニューディレクターズカットはBluRay用に色編集したものだとか、DVDの隠しコマンドの話とか、最早配信主流の時代に忘れられた媒体によくスポットライトが当たっていた。
「演出からカメラワークまで完璧に手を入れられたもののほうがいい。観客の視点がコントロール出来ない舞台よりも、一から十まで作り手の意図があるほうが好み。」というカレイドとは趣味が合う。 -
Posted by ブクログ
ネタバレ「ニューシネマパラダイス」は潰れかけの映画館、「独裁者」は試験中の演説、「ブレアウィッチプロジェクト」は意地悪教師への復讐劇、「セブン」は見立て殺人が題材。
全部知っている映画だし、カレイドのキャラが何とも子どもっぽくて憎めない感じでスペシャル読みやすい。ゆるい日常系安楽椅子探偵ものかと思ったら、最終話だけハード。ミステリーとしては諸々荒いし謎も読みやすいかな。
なんの説明もなく「自分の不幸をセルマと比べる」とか出てくるので、結構映画的教養が必要かもしれない。(ダンサーインザダークのことだよね?)映画のポスターの見立て殺人というのは分かりにくすぎて、よく気づいたなと。「映画は複数人が関わる集合知ゆえに現実を凌駕する」というのは、映画好きとしては好きなセリフ。 -
Posted by ブクログ
著名作家による小学生向けホラーンソロジーシリーズ。
学級日誌版より、こっちの方が読み応えあって、面白かったです。
サブタイトルになっている作品の著者が斜線堂有紀だったので、それもちょっとうれしかったかも。このメンバーだと、宮部みゆきか?って思ったのですけどね。
ルビは中学年程度です。文字も大きめで、一話に一つ挿絵があります。
「えんまさん」黒史郎
嘘をつくのが大好きで、それもとても上手に嘘をつくハルト。家族に怒られてもけろっとしています。おばあちゃんはえんまさんのことで諭します。おばあちゃんが話すえんまさんはちょっと具体的で...。
「おはよう、アンちゃん」太田忠司
絶対に空き地がなかった場所に空き地ができて、家ができてアンちゃんがいた。みんな普通に受け入れているけどアンちゃんなんていたっけ?そう、穂香にだけは通じないと思っていたよ、だって穂香も...。
「青いコップ」加門七海
おばあちゃんのお葬式に行った家で青いコップが変なところに置かれていた。飲んではだめよ。そういう食器は高いところに届かないものたちのための器なの。
「きれいずかん」井上雅彦
開かない引き出しをずいぶんほったらかしにしていた。なんとか開けてみると中からノートが。自分が書いたものみたいだけど、覚えていない。ずいぶん変わった絵が多いような?
「部分地獄」斜線堂有紀
藤本は自分は子どもの罪深い部分一部だけを地獄に落とすのを仕事にしている男と、公園で会う。たとえば、罪深い嘘をついた子ども。ほとんど溺れているけど口だけ息ができるとか。蹴った子ども、足だけすりつぶされるとか。
「おやすみ、ママ」宇佐美まこと
期間限定できたサーカス。鏡の迷路で僕は変なものをみた。偽物を追い出すためにはどうする?ちゃんと、追い出せた。
「靴と自転車」澤村伊智
正樹は転校し、三田と仲良くなったが、三田は自転車を停めるとき、幼稚園くらいの子どもの靴を、向きを必ず同じにして置く。霊能者の人に教えてもらったそうだ。
「ログインボーナス」芦沢央
ログインボーナスみたいに考えて、百日間通い続けると願いが叶う神社があるって、お姉ちゃんが聞いてきた。離婚していなくなったお父さんに会いたい。お姉ちゃんは何を願っているのかな?
「宮部みゆき」よあるきのうた
私の両親は夜勤のある工場で働いていて、私はしょっちゅう夜に一人になる。でも、リサイクルショップでかってもらった大きなテディベア「ダンク」がいるから大丈夫。あと、部屋を掃除するのも好き。お金をもらって、必要な洗剤をスーパーに買いに行ったとき、変な抑揚でしゃべる女の子と友達になった。