斜線堂有紀のレビュー一覧

  • 夏の終わりに君が死ねば完璧だったから

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    ネタバレ

    寂れた町で話題を呼ぶのは、奇病患者を受け入れるサナトリウムのみ。体が硬化して金塊になる病に罹る患者・弥子さんと知り合った少年エト。

    去年私がいちばん心を揺り動かされた曲は、藤井風の『満ちてゆく』です。本作の終盤、エトが「捨てること」で証明しようとするシーンでは「手を放す、軽くなる、満ちてゆく」という歌詞が頭をよぎってしんみりしました。

    だけど、中盤の北上さんの「お母さんには内緒でね」という台詞には、テンダラーの「母さんには内緒だぞ」というネタを思い出して笑ってしまった私を許してください。

    エト、きっとこれは正解。生きろ。

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    2025年10月26日
  • 病に至る恋

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    「恋に至る病」の答え合わせを期待していたが、結局煙に巻かれてしまった感覚。
    景の幼少期、ブルーモルフォに生々しく翻弄されるプレイヤー達、景と宮嶺の日常そしてifの世界線。前作の背景に深みが増していくようで面白く、一気読みしてしまった。
    さくっと読めるので、「恋に至る病」読者はぜひ手にとってみると良いと思う。

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    2025年10月23日
  • 星が人を愛すことなかれ

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    ストーリーも面白く、文章も読みやすいので、サクッと読めた。
    私にも「推し」がいるが、彼らもこの小説の登場人物たちと同じような思いや苦しみを抱えているのかなあ…と想像しながら読むのが楽しかった。

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    2025年10月21日
  • 愛じゃないならこれは何

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    ネタバレ

    いろいろな形の愛が垣間見える本。愛じゃないならこれは何、ってことなので全部愛の話。歪んでても、自分で理解できないような感情でも、愛なのだなぁ。やはり鮮烈なのは最初と最後に収録されている赤羽瑠璃の話。通称ばねるり。ファンのことが好きになってしまう「推し」なんて夢物語のようだけど、実際ばねるりまでいくとしんどそうだ。めるすけがいいやつすぎたね。自分の立場を弁えて、推しを一途に応援しているめるすけのことなら、確かに好きになってしまうかもしれない。最初の話のタイトルにばねるりの切実な思いが宿っているようで、切ない。

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    2026年08月07日
  • 本の背骨が最後に残る

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    短編集。

    全体的に痛め。
    ・本の背骨が最後に残る
    ・死して屍知る者なし
    ・ドッペルイェーガー
    ・痛妃婚姻譚
    ・デウス・エクス・セラピー
    ・本の背骨が最初に形成る

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    2025年10月18日
  • 恋に至る病

    匿名

    購入済み

    物語を読み終わったら。この物語の真実を自分が選ばなくてはならないが、答えが出なくて、もう一度読み直してみようと思う。

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    2025年10月16日
  • おとどけものです。―あなたに届いた6つの恐怖―(新潮文庫nex)

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    図書室。おすすめしてもらって。
    いずれも不気味で、現代の嫌なところをたくさん描いていて、良かった。
    特に斜線堂有紀「カタリナの美しき車輪」(自分と一部共通点があって恐ろしかった)、尾八原ジュージ「かんのさん」(何者〜!?)、芦花公園「噛み砕くもの」(漢字の意味を調べて戦慄)が良かったな。

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    2025年10月15日
  • キネマ探偵カレイドミステリー ~輪転不変のフォールアウト~

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    ネタバレ

    消えたデロリアン「BTTF」、ビデオ屋のダイイングメッセージ「ラブ・アクチュアリー」、カレイド事件の解決編「俺たちに明日はない」でいよいよフィナーレ。

    ・電話のアップカットのために人くらいの大きさの電話をつくったヒッチコック
    ・「メトロポリス」の撮影監督が考案したアナログな合成技術シュフタン・プロセス
    ・パルプ・フィクションの映り込み
    ・人影が映り込む再生品フィルム
    ・サイコで血糊にチョコを使った
    ・ボタンひとつで爆発する血糊に使用したスクィップという装置
    ・「桑港」の地震シーンは緻密な調節でエキストラに怪我人は出なかった
    など、今回は撮影技術の蘊蓄多めで嬉しい。

    試行錯誤を積み重ねてきた映画の歴史 。素晴らしいフィクションを作るために先人たちが工夫を凝らしてきたから、映画というものは現実を超えた面白さを持てるのだと感じた。

    あとがきにて「凄惨な現実をフィクションが救う」がテーマだったことを知る。正直カレイド事件の結末は、決戦に備えて警察に連絡するなり、DVD複製するなり何も準備してなかったんかい!や、こんな大事件隠し通せるか?など色々ツッコミどころはあるけれど全3巻を通してテーマは綺麗に伝わってきたので面白かったと思う。

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    2025年10月12日
  • 愛じゃないならこれは何

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    『星が人を愛すことなかれ』に出てくるアイドル赤羽瑠璃がこの本の短編にも出ていると知って読む
    同じく、『星が〜』に出てくるアパレルブランドのサンドオリオンのデザイナーの話もあり、続けて読めて良かった

    恋愛の痛みが詰まった短編集

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    2025年10月10日
  • キネマ探偵カレイドミステリー ~再演奇縁のアンコール~

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    ネタバレ

    窃盗容疑の同級生を助ける「スタンド・バイ・ミー」、舞台女優と演出家のいざこざ「アーティスト」、中古ビデオ屋の査定の謎「バグダッド・カフェ」と、今作も映画知識が謎を解く鍵となるミステリー。

    1918年のノアの箱舟の事故とかよく知ってるな...(ググッても出てこない)。スタンド・バイ・ミーはテレビ版とDVDで吹替違うとか、白黒映画の天才カール・ドライヤー監督は白に拘って壁をピンクにしたとか、バグダッド・カフェのニューディレクターズカットはBluRay用に色編集したものだとか、DVDの隠しコマンドの話とか、最早配信主流の時代に忘れられた媒体によくスポットライトが当たっていた。

    「演出からカメラワークまで完璧に手を入れられたもののほうがいい。観客の視点がコントロール出来ない舞台よりも、一から十まで作り手の意図があるほうが好み。」というカレイドとは趣味が合う。

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    2025年10月10日
  • 愛じゃないならこれは何

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    いや~読み応えあって面白かった!
    恋愛のお話ではなく、愛の話。制御できない気持ちに苦しくなりながらも進むことを止めない、信念か執念じみた想い・姿の主人公たちにハラハラしながらも、いっそ格好よく感じた。
    個人的には、舞踏会中毒の「きみの長靴でいいです」が一番印象に残った。今まで通りにはなるけれど窮屈な方に流されないで、自分だけの特別を待つことにする、っていう終わり方がいい。

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    2025年10月05日
  • 星が人を愛すことなかれ

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    推し、ファン、彼女、アイドル…それぞれの視点から描かれてておもしい。
    恋愛はいつ、どこにいても、どの立場でも悩ませるものだと感じた。
    アイドルが恋によって狂ってく様子や、逆にファンがアイドルにとって遠い存在だったり、自分には分からない表舞台にいる人の苦しみがあった。
    アイドルやVTuberに人生を捧げる事で本来の自分の生活が決まってくる事に辛くなった。

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    2025年10月04日
  • 夏の終わりに君が死ねば完璧だったから

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    自分の死に価値がつき、多くの人がそれを知った時
    死を期待される人の気持ちは想像がつかないが
    よくここまで上手く書き切ったもんだ。
    終わり方も好きだし、愛の証明に
    苦悩するエトの姿はとてもカッコよかった。

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    2025年10月01日
  • キネマ探偵カレイドミステリー

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    ネタバレ

    「ニューシネマパラダイス」は潰れかけの映画館、「独裁者」は試験中の演説、「ブレアウィッチプロジェクト」は意地悪教師への復讐劇、「セブン」は見立て殺人が題材。

    全部知っている映画だし、カレイドのキャラが何とも子どもっぽくて憎めない感じでスペシャル読みやすい。ゆるい日常系安楽椅子探偵ものかと思ったら、最終話だけハード。ミステリーとしては諸々荒いし謎も読みやすいかな。

    なんの説明もなく「自分の不幸をセルマと比べる」とか出てくるので、結構映画的教養が必要かもしれない。(ダンサーインザダークのことだよね?)映画のポスターの見立て殺人というのは分かりにくすぎて、よく気づいたなと。「映画は複数人が関わる集合知ゆえに現実を凌駕する」というのは、映画好きとしては好きなセリフ。

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    2025年09月30日
  • 愛じゃないならこれは何

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    これを愛と言っていいのか?という狂気じみた話が多かったけど、「愛じゃないならこれは何」というタイトルがそのままピッタリくるくらい愛の物語だった。
    後半二篇の後日譚のようなお話もよかった。

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    2025年09月27日
  • 愛じゃないならこれは何

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    様々な形の愛の物語。普通じゃない、狂気に満ちた愛だけれど、でも重くなりすぎずにさらっと読める短編たち。どのお話も斜線堂さんらしさがあって面白かったです。

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    2025年09月19日
  • こわい話の時間です 部分地獄

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    著名作家による小学生向けホラーンソロジーシリーズ。
    学級日誌版より、こっちの方が読み応えあって、面白かったです。
    サブタイトルになっている作品の著者が斜線堂有紀だったので、それもちょっとうれしかったかも。このメンバーだと、宮部みゆきか?って思ったのですけどね。
    ルビは中学年程度です。文字も大きめで、一話に一つ挿絵があります。
    「えんまさん」黒史郎
    嘘をつくのが大好きで、それもとても上手に嘘をつくハルト。家族に怒られてもけろっとしています。おばあちゃんはえんまさんのことで諭します。おばあちゃんが話すえんまさんはちょっと具体的で...。
    「おはよう、アンちゃん」太田忠司
    絶対に空き地がなかった場所に空き地ができて、家ができてアンちゃんがいた。みんな普通に受け入れているけどアンちゃんなんていたっけ?そう、穂香にだけは通じないと思っていたよ、だって穂香も...。
    「青いコップ」加門七海
    おばあちゃんのお葬式に行った家で青いコップが変なところに置かれていた。飲んではだめよ。そういう食器は高いところに届かないものたちのための器なの。
    「きれいずかん」井上雅彦
    開かない引き出しをずいぶんほったらかしにしていた。なんとか開けてみると中からノートが。自分が書いたものみたいだけど、覚えていない。ずいぶん変わった絵が多いような?
    「部分地獄」斜線堂有紀
    藤本は自分は子どもの罪深い部分一部だけを地獄に落とすのを仕事にしている男と、公園で会う。たとえば、罪深い嘘をついた子ども。ほとんど溺れているけど口だけ息ができるとか。蹴った子ども、足だけすりつぶされるとか。
    「おやすみ、ママ」宇佐美まこと
    期間限定できたサーカス。鏡の迷路で僕は変なものをみた。偽物を追い出すためにはどうする?ちゃんと、追い出せた。
    「靴と自転車」澤村伊智
    正樹は転校し、三田と仲良くなったが、三田は自転車を停めるとき、幼稚園くらいの子どもの靴を、向きを必ず同じにして置く。霊能者の人に教えてもらったそうだ。
    「ログインボーナス」芦沢央
    ログインボーナスみたいに考えて、百日間通い続けると願いが叶う神社があるって、お姉ちゃんが聞いてきた。離婚していなくなったお父さんに会いたい。お姉ちゃんは何を願っているのかな?
    「宮部みゆき」よあるきのうた
    私の両親は夜勤のある工場で働いていて、私はしょっちゅう夜に一人になる。でも、リサイクルショップでかってもらった大きなテディベア「ダンク」がいるから大丈夫。あと、部屋を掃除するのも好き。お金をもらって、必要な洗剤をスーパーに買いに行ったとき、変な抑揚でしゃべる女の子と友達になった。

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    2025年09月17日
  • 死体埋め部の回想と再興

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    ダメだ、どう転んでも悲しい。
    回想、不在ルート、再会ルート、どれを読んでも情緒がおかしくなりそう。
    祝部と織賀の関係性は歪なのに尊くて大好きだけど、この先に待ち受けるのは間違いなく破滅なんだよなあ。
    まあそれも運命共同体みたいで良し!って感じではある。
    どっちの分岐もアリだなと思う反面、どうせならあの瞬間に二人で奈落まで堕ちていって欲しかった、と思ってしまうのが怖いよね。

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    2025年09月15日
  • 名探偵と学ぶミステリ 推理小説アンソロジー&ガイド

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    ネタバレ

    楠谷佑「パブリック・スクールの怪事件」
    辻真先「アルセーヌ・ルパンのお引っ越し」
    斜線堂有紀「キャロル・ハートネル大いに憤慨す」
    水生大海「一つの石で二羽の鳥を殺す」
    青崎有吾「シチリアオレンジジュースの謎」
    阿津川辰海「オムレツは知っていた」
    福田和代「南洋のアナスタシア」

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    2025年09月14日
  • さよならに取られた傷だらけ 不純文学

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    ひーって心の中で声をあげながら読み切った。
    めちゃくちゃ良かった…。
    人生の折り返しの年齢の私にも刺さるくらいなので、この本を瑞々しく多感なお年頃に読める方達が羨ましい!!
    先輩と後輩の250通りのお話。
    斜線堂さんの書く愛は歪でピュアで病んでて最高ですね…。

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    2025年09月04日