斜線堂有紀のレビュー一覧
-
Posted by ブクログ
恋に至る病のサイドストーリー集
景の幼少期、ゲームの参加者、二人の蜜月、ありえたかもしれないifの物語
・病巣の繭
景の幼少期を母視点で描かれる
やはり昔から人を魅了して操る能力に長けてたんだな
母としてはそりゃぁ気味悪さを感じるかもね
となると、やはり根津原を説得できないという状況が益々おかしく思えてくる
「蝶図鑑」も含めて、最初から最後まで全部景の計画だったんじゃね?
制御できなくなって殺したとかはありえそうだけど、止められなくて自分に絶望するという姿が想像できないなぁ
でも、逆にそれだけの自身があったからこそ根津原を止められなくて壊れ始めたというのもありえるか?
・病に至る恋
ブルーモルフォのプレイヤー視点のお話
なるほど、プレイヤーはこんな人達か……
この子達も、ゲームに参加していなければ、大人になって普通に暮らしていたかもしれないなぁ
こんな人達を敢えて殺すのがブルーモルフォだけど、本来の対象はこの子達ではなく、自己紹介を嘲笑した生徒達じゃないのかな?
まぁ、きっかけは何であれ、始まってしまった流れを変えるのは難しいでしょうね
一応、この子達が参加してたのは本物のブルーモルフォって事でいいのだろうか?
本物っぽいけど、偽物の可能性もなくはないか?
・どこにでもある一日の話
景と宮嶺のデートをした一日
こんな日もあったのか……
背景や結末を知っていると、こんな日常に対して妙な気持ちになるなぁ
・バタフライエフェクト・シンドローム
景が自身の特徴をもっと早く気付いていたらというif
宮嶺のお父さんがいる
そして、ブルーモルフォも本物の蝶が出てくる
それにしても、根津原は何で蝶図鑑という名前にしたのだろ?
蝶の標本をイメージしたのだろうけど、これは本人のセンスか?
やはり、景の発想や操作があった可能性あるなー
景という存在の異質さと普通のところ
そして、あり得たかもしれない世界を知れて、物語の解像度が上がった
-------------------
全てはここから始まった。美しい毒が、日常を侵す――。
150人以上の被害者を出した自殺教唆ゲーム『青い蝶(ブルーモルフォ)』の主催者である女子高生の寄河景。彼女がなぜここに至ったのか。その片鱗が垣間見える幼少期を描いた「病巣の繭」。ゲームに囚われた少年少女を描く「病に至る恋」。景と宮嶺望のデートを描いた「どこにでもある一日の話」。もし自分の異常性に気付いた景が小学校に通うのをやめていたら? 運命の残酷さを描く「バタフライエフェクト・シンドローム」。
これは、愛がもたらす悲劇の連鎖――病に至るまでの恋の物語。
------------------- -
Posted by ブクログ
6人の著者による恐怖短編集。お目当ての斜線堂有紀作品は「輪廻の果てまで愛してる 現代の短篇小説 ベストコレクション2025」で既読でした。読み心地はあまりよくない系です。中学校以上。
「カタリナの美しき車輪」斜線堂有紀
「かんのさん」尾八原ジュージ
越した先の隣家には"かんのさん"という何かがいて、近隣の人たちはそれを見たいがために捧げ物をするのだ。
「夢見鳥」木江恭
私の所属する営業五課に来た深山蝶(ひらり)は仕事のできる子で、私を慕ってくれる。でも彼女のいく部署では偶然とは思えない頻度で不幸があるらしく…。
「やどりこ」櫛木理宇
目が痛くて受診している私。何かよからぬ疑いがあり再受診することになる。眼帯をして出社すると、"フコウさん"が復活したのかと思ったと言われる。そう呼ばれる手付かずで残された彼女のロッカーを開けて見つけたものは…。
「嚙み砕くもの」芦花公園
大輔は頭が悪いと自覚している。一族はみんな有名私立医大を卒業している。自分のIQは境界知能らしい。家族は優しく中卒でぶらぶらしていても咎められない。そんな生活で出会った人に歯を求める怪異のような存在を使う仕事に巻き込まれていく。
「さなぎおに」皮肉屋文庫
人里離れた山岳地帯の僻地にある場違いなドーム状建造物。普段は人がいないのに、年一度の総会に使われていた。そこに忍び込んだことのある相田さんに話を聞くと…。 -
Posted by ブクログ
ホラーアンソロジー。どれも短めの話なので、サクサク読めた。
斜線堂有紀さんの「カタリナの美しき車輪」は、今の時代性や話の展開やタイトル、どれもが自分好みでとても良かった。
尾八原ジュージさんの「かんのさん」も、得体の知れないもの、得体の知れないルールに日常が染まっていく感じが読んでいてゾッとした。
皮肉屋文庫さんの「さなぎおに」は情報が断片で、原因となる怪異の正体や何が起こったのかなど、読者の推測に委ねられる割合が大きいと感じた。私は一読ではよく分からず消化不良に感じたが、その実話怪談っぽい読み味が好みの方には刺さる話だと思う。
全体的に満足度の高い本だった。 -
Posted by ブクログ
150人以上の被害者を出した自殺教唆ゲーム『青い蝶(ブルーモルフォ)』の主催者である女子高生の寄河景。彼女がなぜここに至ったのか。
その片鱗が垣間見える幼少期を描いた「病巣の繭」。ゲームに囚われた少年少女を描く「病に至る恋」。景と宮嶺望のデートを描いた「どこにでもある一日の話」。もし自分の異常性に気付いた景が小学校に通うのをやめていたら? 運命の残酷さを描く「バタフライエフェクト・シンドローム」。
これは、愛がもたらす悲劇の連鎖――病に至るまでの恋の物語。「恋に至る病」スピンオフ作品。
寄河景は、人を操るサイコパスなのかもしれないが、大事な人のためにだけモンスターになる哀しい少女なのかも。
そう思ってしまうのは、作者の術中にハマっているのかも。
景と望のありふれた大事なデートを描いた「どこにでもある一日の話」、不登校になった世界線の景と望を描いた「バタフライエフェクト・シンドローム」を読むと、ありふれた恋人同士の望と景の世界線があって欲しかったと思えるスピンオフ作品。
-
Posted by ブクログ
全ての話が不気味過ぎて、想像するのも憚られるほどのホラー作品だった。よくテレビでやっている某ホラー番組に出てきそうなお話が詰まっている。
特にお気に入りのお話は、「かんのさん」で、家族が新居に引っ越すという日常作品なのだが、私は生まれ育った地域から未だに離れて生活をしたことが無いため、新しい地域への引越しのイメージがこの作品によって型取られることで、自分に起きたらどうしようと不安になって、感情移入を他の作品と比べてすることができた。
しかし、不気味すぎるが故に想像したくないこともあってか、誰のセリフか分からない箇所があったので、再読する際は1文1文丁寧に想像しようと思う。。 -
Posted by ブクログ
「お願い。私が間違っているのなら、今ここで宮嶺が止めて。」
僕の恋人、寄河景──誰もが憧れる完璧なカリスマ少女。
だが彼女は、自ら手を下さず150人以上を自殺に追い込む自殺教唆ゲーム、『青い蝶』の主催者だった。
唯一その秘密を知る幼馴染みの僕は、小学生の頃に“ヒーローになる”と誓った約束に導かれ、彼女を守ろうと決意する。
僕は何度も想像した。
もし彼女の才能が正しい方向に使われていたら──と。
しかし、景の闇は深く、その背後にはふたりの過去と因果が絡み合っていた。
モラルと愛情の間で揺れる心が、やがて誰も予想できない結末を引き寄せていく──。
斜線堂有紀の同名小説のコミカライズ版。
映画版では高校生の時に短縮しているが、原作通りに景と望が暗い秘密を抱きながら心を通わせていく青春ラブストーリーに加えて、明るく優しいカリスマ少女の中にある多数を自殺に導くゲームのゲームマスターで望を守るためいじめっ子などを排除する狂愛の持ち主である部分が次第に明らかになっていく景に悩みながら、望がどう向き合うのかが青春ラブサスペンスの形で描かれていて惹き込まれる1巻。 -
Posted by ブクログ
タイトルに“最後の一行”とあるわりには、最後の一行にインパクトはない。
四編とも、短編集の中の脇役としておもしろい作品って感じで、なぜこの四編で一冊作られたのか不思議。
(しかもwhiteってなってるから、blackがあるのかと調べたら今のところないみたい)
その中でも『次はあんたの番だよ』は、最近法月綸太郎シリーズを読み始めたばかりの私には嬉しいサプライズ。
まだ『雪密室』しか読んでない私には、ものすごくアップデートされた法月親子も新鮮だった。
これも短編にギュッとまとめちゃってるから詰め込みすぎな感じがあったけど、もう少し長いストーリーにしたらもっとおもしろそうだったな。