あらすじ
「終幕だ。ここから……始めよう」キネマ探偵、華麗なる復活! 7年ぶり、待望のシリーズ最新刊。――そうしてめでたく英知大学を卒業した翌日、俺はひっそりと旅に出た。名コンビの痛切なる別れ、再会の顛末は? 映画にまつわる数々の奇妙な事件を解決してきた「引きこもりの名探偵」嗄井戸高久(かれいどたかひさ)。事件簿に刻まれる、6つの新たな物語。
...続きを読む感情タグBEST3
Posted by ブクログ
これまでサブだった(?)奈緒崎が主人公
卒論は嗄井戸にやらせるのに「嗄井戸にふさわしくなりたい」みたいな思考になるの面白い
なら自分で書け!笑
初視点の嗄井戸が結構健気でかわいい
またスクリーンだけが輝く部屋で嗄井戸のうんちくを聞く奈緒崎がいるんだろうな、と思える一冊でした
Posted by ブクログ
斜線堂さんのデビュー作の続編。
勝手に『楽園とは探偵の不在なり』がデビュー作だとばかり思っていました。『キネマ探偵』がデビュー作でシリーズが3作も出ているとは全然知りませんでした。ぜひ、そちらも読みたいけど絶版…??
映画好きの引きこもりとその友人で相棒の大学生の二人が事件を解決するミステリ。
ブロマンス物というか、これはもうBLと呼んでいいんじゃないかな??
最後まで読むと完全なる愛の話だったので。
互いに、相手の不在の予感に怯え、なんとかひとりで生きていけるようにならねば…と思ってジタバタする話。その辺のすれ違いが、賢者の贈り物みたいでした。結局それって、相手とずっといっしょにいたいってことなんだよね。
Posted by ブクログ
嗄井戸くんと奈緒先くんは元からビミョーにすれ違っているところがあったと思うんですけど、そのズレがどんどん大きくなってしまったんだなあと。コミュニケーションは疎かにしてはいけないんだね、と束ちゃんの言葉の通りに思いました。それでも最後に再会できてよかった。「誂えられたハッピーエンドに向かうはずだ」はメタ的だけれどすごく好きな言葉でした。ハッピーエンドになれという希望のようにも思えて。ふたりがこれからもずっとずっと一緒に映画観ててほしいです。
Posted by ブクログ
すごい久々のシリーズで、完結編。
3作で一応解決していたので、その後の外出できるようになった嗄井戸と奈緒崎が知れてよかったです。
最後もとてもよかったです。色々な映画がまた紹介されています。あまり詳しくないのですが、それでも内容は充分楽しめます。
Posted by ブクログ
版元を変えてでも世に出してくれて本当に嬉しい。
最終巻後の二人がどうなっているのか、見たかったんですよねえ。
もう嗄井戸が外出してるなんて自分の事のように喜べる。
奈緒崎が自身について考えるようになったのも微笑ましい。
事件を解決しながら、ちゃんと成長してる。
ホント愛おしいな、この二人。
噛み合わないけど通じ合っていて、結局お互いの事を考えている。
ある意味ロマンティックな関係だと思う。
これは良い再演でした。
Posted by ブクログ
映画がテーマのエモさ抜群のミステリー #キネマ探偵カレイドミステリー #会縁奇縁のリエナクトメント
■きっと読みたくなるレビュー
ダメ学生の奈緒崎と休学中の映画マニアの嗄井戸高久の物語。下北沢の自宅でひきこもっている嗄井に、奈緒崎は様々な相談事を持ち掛ける。
キネマ探偵カレイドミステリーシリーズの最新刊。既刊はメディアワークス文庫から三冊でてますね。私はシリーズ初読みですが問題なく楽しめました。
やっぱり二人のキャラクターが魅力ですね。コミュ障で映画知識の豊富さと頭の回転の速さだけが取り柄の嗄井。大して取り柄がないけど、人との関わりだけは上手な奈緒崎。
今風の秩序さとふがいなさを併せ持っているという二人、それこそ西東京や地方都市のはずれでくすぶってそうな若者ですね。そんな彼らがどのように一皮むけていくのか、しっとりと味わえる作品でした
なお斜線堂先生の柔らかく美しく筆致はいつもの通り、読み終わった後のエモさも抜かりなく、この辺りは流石でした。
●作為改変のコンティニュイティ
映画研究会のサークル申請書紛失事件を追う物語。会話が軽妙で大好きですね、謎解きとしてもスタンダードで丁寧、楽しませてもらいました。特に出来の自作映画を酷評する会話にニヤニヤ。
●懐古所以のオデッセイ
「2001年宇宙の旅」のアナログフィルム版を映画館に観に行く二人、映画館で思いもよらない事件が起こる。懐かしい映画作品や技術など、映画エピソードの密度が濃い一話。謎解きが思った以上に深いところで膝を打ちました。
●断崖空壁の劇場落下
大学のCMサークルの事件、空中落下の謎を追う。嗄井戸を応援しちゃう作品、成長と挫折ぶりが可愛くて好き。そういえば「メリーポピンズ」ってまだ観てない。
●水没錯誤の幽霊譚
友人の廃墟を撮影するというバイトに付き合わされた奈緒崎、現場には…。映画を流行らせたマーケティング手法のエピソードが興味深かったですね、なるほどな~。謎解きの真相も目から鱗でした。
●一生一会のカーテンレイス
友人の叔父が亡くなり、映画関連の遺品整理をしていると相談を受ける。謎のメッセージが残され、遺品の中に大切なビデオがあるらしいのだが…。遺された物の中から、その人の想いが見えてきますね。終活なんて先の話だと思ってますが、もうそろそろ考えてもいいのかな。
●会縁奇縁のリエナクトメント
大学を卒業し、世界中を旅していた奈緒崎。モロッコの映画観光地に滞在してると、行方不明になっている人物について相談を受ける。彼は何故いなくなったのか…
最後の作品を読むと、斜線堂先生がこの作品への思い入れが良く伝わってきました。嗄井戸と奈緒崎の物語、エンドロールはまだまだ先ですね。これからの二人をもっと読んでたいと思いました。
■ぜっさん推しポイント
映画とミステリーを掛け合わせが上手にできてますよね。いろんな名作を紹介しながら、その作品の横顔をうまく引き出し、謎解き話に落とし込んでる。
連作短編だとどれも同じ話になっちゃいそうだけど、しっかりとバラエティに富んでて飽きさせないんです。楽しませていただきました、ありがとうございました。
Posted by ブクログ
【収録作品】
作為改変のコンティニュイティ
懐古所以のオデッセイ
断崖空壁の劇場落下
水没錯誤の幽霊譚
一生一会のカーテンレイス
会縁奇縁のリエナクトメント
引きこもりの名探偵・嗄井戸と、ワトソン役の奈緒崎のコンビ……だが、今作では、それぞれが相手に必要とされる人間になろうと奮闘する様が描かれる。
最終話がきれいに決まって頰が緩む。
Posted by ブクログ
2025年。お初作家。
デビュー作がキネマ探偵らしい。引きこもり大学生のカレイドは、アパートに2Fを映画観賞用に改造して、そこで映画を見てばかりいる。1Fに住んでる大学生奈緒崎をワトソン役にして探偵したり。
カレイドが引きこもりから復帰していく様子と、大学を卒業した奈緒崎がカメラマンになるまで。
Posted by ブクログ
前作を読んだことはなかったのですが、
今作からでも楽しめる内容で安心しました。
"カレイドミステリー"ってなんだろう…
そんなミステリーのジャンルがあるのか〜
と思いながら読み始めたらあっ名前か!と最初にふふっとひと笑いしてしまいました。
よく知る名作から、名前は知ってるけど読んだことない作品まで出てきて、どんな映画が出てくるのか楽しみながら読むことができました。
圧倒的な映画の知識で事件を解いていく、
すごい才能だと思いました。
前作を読んでいないのでカレイドがどれだけ
部屋から出てこなかったのかがわからないのですが、事件を通して少しずつ変化し前向きに変わっていったのだろうと感じることはできました。最終的には旅立ってしまった奈良崎を探すため、海外まで出ることができる成長っぷりに引きこもりとは…?!と驚きました。
奈良崎は決して勉強ができるわけではないだろうけど、面倒見がよく本人の自覚はなさそうだが辛抱強いからカレイド過ごすことができたのかな…と思いました。
部屋から出たカレイドと奈良崎のその後が読みたいです。彼らはどう海外で過ごし、なにを得て日本に戻ってくるのか…!気になります。