斜線堂有紀のレビュー一覧

  • 禁断の罠

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    流石にこれだけの作家さんが揃うとどれもが覆されました。この前読んだホラーとやはりミステリーは違って、自分はホラーでなくミステリーが好きなのも確かめられました。
    有栖川さんの創作物は色々な想像力を掻き立てられて、こんな宿題を出したらみんな喜んでやりそうだなって思ったりしました。
    読んだことのないさっかさんのも読みたくなりますね

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    2024年04月26日
  • ゴールデンタイムの消費期限

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    元、天才たちの話

    「好き」がいつのまにか「義務」のように感じ、苦しくなる。「依存」してしまう。「楽しい」と感じなくなってしまう。

    承認欲求というものは誰にでもあって、
    他人から良い評価をもらいたい。
    褒められたい。
    認められたい。
    そんな気持ちが自分の背中を崖から落ちるギリギリまで押してしまうことがある。

    天才、と一度でも呼ばれてしまえば、元に戻ることはできない。期待や重圧を過度に受け、耐えられなくなった者は壊れてしまう。
    何が正解なのか、わからなくなる。

    そんな人たちが、救われてほしいと思う本。

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    2024年04月17日
  • あなたへの挑戦状

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    ネタバレ

    阿津川辰海×斜線堂有紀の競作「あなたへの挑戦状」。なんて豪華な競作なんだろう。
    作家それぞれが自分では解けないが最高に面白い謎を互いに用意し挑戦する。
    読者への挑戦状と思って読んでいたから読み終えた最後にこれが明らかになって、これはすごい!面白い!と改めて思いました。
    お互いに自分の得意とする物語の構成にきちんと謎を落とし込んで尚且つ面白い極上の物語を完成させる。
    本当にすごいしワクワクする読書体験をさせてもらいました - ̗̀( ˶'ᵕ'˶)b
    最後におふたりの競作執筆日記が書かれているのも嬉しい

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    2024年03月29日
  • ゴールデンタイムの消費期限

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    1度は天才と注目されるも
    今は元天才としてスランプを抱える子供たち。

    過去の自分に未練がありながらも返り咲けない、
    そんな中あるプロジェクトに招集され
    AIの力を借りることに。

    AIという借り物の才能で本当にいいのか、
    自分はどうなりたいのか、本心はなんなのか、
    出会った元天才達と比較してしまい感じる劣等感。

    若さゆえの葛藤やAIに置き換わってしまう恐怖も
    見事に描かれた青春小説。

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    2024年03月02日
  • ゴールデンタイムの消費期限

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    高校生から感じていた自分は何者なのだろうかという漠然とした不安と、大学に入って自分は凡人でそれでも良いんだっていう納得と諦観が書き出されていて共感できた。思春期の自我の葛藤がAIも交えてよく書き出されている。

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    2024年02月27日
  • ゴールデンタイムの消費期限

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    ある場所に中高生が集められ、巨大な「何か」に対峙するというフレームは自分の好きな辻村深月さんの『かがみの孤城」を彷彿とさせた。元天才たちの葛藤とAIの不気味さが丁寧に描かれて引き込まれました。

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    2024年02月23日
  • ゴールデンタイムの消費期限

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    元天才と呼ばれる若者が集められ、AIの力で再起させようという国家プロジェクトのお話。

    AIの助けを借りた作品や実力は、自分のものと言えるのか。Chat GPT等が台頭してきている今だからこそ読んでいて刺さる作品だった。

    斜線堂有紀さんのスラスラ読める文章に気になる設定で一気に読んでしまった。
    終盤の展開は少し弱く感じたが、結末は綺麗にまとまっていたので高評価。

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    2024年02月23日
  • 本の背骨が最後に残る

    購入済み

    ものすごく非現実の徹底なのに、自然にのめり込めるような展開で面白かった。著者の他の作品も買いました。

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    2024年02月20日
  • 楽園とは探偵の不在なり

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    新しい本格ミステリーだった。
    犯人はおおかた察しがついてしまったが、メッセージ性や世界観に引き込まれる作品。
    斜線堂先生の作品は文体が読みやすくて好みだ。

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    2024年01月11日
  • 禁断の罠

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    文春文庫のアンソロは面白い!
    前作の「神様の罠」が好きだったので今回も購入。

    新川帆立「ヤツデの家」
    初読みだったけど読みやすかった。アンソロの最初のとっかかりに最適。内容も好みで二回読んだ。

    結城真一郎「大代行時代」
    こちらもまた初読み作者だったけど面白かった。ありえそうな話だ。
    こういう新入社員おるおる~。最後のオチもよかった。

    米澤穂信「供米」
    この話を読めただけで大収穫です。大好き米澤穂信。愛してる米澤穂信。
    3ヶ月ぶりに本を読んだんだけど、2023年最後にこのお話を読めてよかった。やっぱ本読むの大好きだ。
    最初読み始めたときは「うわっ苦手な歴史ものだ!」と若干引いたものの、あれ

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    2024年01月05日
  • 楽園とは探偵の不在なり

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    『二人殺せば地獄に引きずり込まれる』という制約のある世界観の中で、いかにして連続殺人は行われたのか?という単なる犯人当てミステリでは済まない物語である上に、『天使が裁くのならば探偵は必要なのか?』を始終問われ揺さぶられる感情の熱さと、天使の裁きの抜け穴を探す悪人はのうのうと生き延び、それを許せない善人の方はあっけなく死んでゆくという冷酷さの両方を浴びせられ、時々手を止めて咀嚼しなければいけないような濃厚な一冊だった。ただ、ラスト、謎はすっかり解き明かされ、前向きな雰囲気で締めてくれたところは美しかった。

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    2023年11月14日
  • 楽園とは探偵の不在なり

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    二人以上殺せば天使に地獄へ連れていかれる世界で、連続殺人事件が起こる。常世島にいる人たちが殺されていく。独特なこの世界観が面白い。個人的に青岸が完璧な正義の味方には成りきれないと思っている節があるところが人間らしいなと思う。推理、という面で言えば弱い部分もあるが他の部分が面白くそこまで気にならなかった。話のテンポも良くて読みやすく、続きが気になってあっという間に読んでしまった作品。ぜひ再読したい!(2023.10.26)

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    2023年10月26日
  • 楽園とは探偵の不在なり

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    天使が存在し、2人以上の殺人が認められないという特殊設定ミステリー。
    その中で起こる連続殺人。
    満足して読むことが出来た。

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    2023年10月19日
  • 夏の終わりに君が死ねば完璧だったから

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    ・愛する人の死に値段がついたら、その価値とどう向き合うか
    ・愛する気持ちを証明する方法
    このテーマで描かれていく、体が金になっていく難病の弥子と、彼女に向き合っていく江都の物語り

    正直、読み始める前はこんなに深いテーマであることを知らなかった
    読み進めていくにつれ、もっと2人に時間をあげて欲しい…と苦しい気持ちになりました

    「主人公のどちらかが病に侵され余命をどう生きるか」
    といった、よく見かける内容に更に「死の価値と向き合う」という難題がのったことでグッと深さが増した気がした
    最愛の人の死に、誰かが決めた価値なんか受け入れられない
    弥子と江都の弱さをぶつけ合わない姿や苦悩に胸を打たれた一

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    2023年09月28日
  • 楽園とは探偵の不在なり

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    今年読んだ中ではダントツだった。2人以上人を殺すと天使によって抹消される世界での連続殺人事件を描く特殊設定ミステリ。謎の不可解さ、展開のスピーディーさ、解決における論理性、どれをとっても秀逸な本格ミステリだと思う。

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    2023年09月24日
  • あなたへの挑戦状

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    やはり斜線堂先生の文体が好みであると再認識。とても読みやすい。

    しかし、なんといっても作者の2人がこの作品の話が持ち上がったときに、青い鳥文庫のお祭り作品である『いつも心に好奇心!』を思い浮かべたと言うところが尊い、いや、てえてえ。

    巻末の執筆日誌も面白い。

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    2023年09月17日
  • 君の地球が平らになりますように

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    面白くて一気読み。表題の君の地球が平らになりますように、のタイトルが秀逸だった。
    東京グレーテルやクックノックなど、前作と繋がるキーワードがあるのも嬉しい

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    2023年09月01日
  • 夏の終わりに君が死ねば完璧だったから

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    亡くなると全身が金へと変化する病に侵された女性と少年のお話
    著者の本を読むのはこれで4冊目だが、特殊な状況設定を作るのが本当にお上手です
    死体が金になると分かった状態での交流で、その間の感情に下心がないと証明ができるのか
    転がり込む予定の金におかしくなっていく周りの大人を傍目に
    自らの感情の矛盾と戦うエトの姿がとても愛おしいです
    彼らが「感情の証明」を果たせたのかのかは分かりませんが、
    ラストはグッと来るものがありました

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    2023年08月30日
  • 楽園とは探偵の不在なり

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    最高に面白かった。
    登場人物が多くないので、話も読みやすい。
    読み終えた時には、今後の人生の生き方を少し考え直そうと思えた。

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    2023年08月03日
  • 楽園とは探偵の不在なり

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    突如世界中に“天使”が降臨した。天使が世界に付け加えたルールはたった一つ。二人殺せば地獄行き。一人殺しても何も起こらないが、二人殺せば天使によって生きたまま地獄の業火に焼かれることになる。このルール変更により人々は「自分は一人までなら殺す権利がある」と思うようになり、二人以上殺すならどうせ同じだと爆弾や銃を用いたテロが横行する。
    天使に傾倒する常木は天使が多く棲む常世島を買い上げ、天国の有無に強い関心を抱いていた。そんな常世島で天使のルールを欺くかのような連続殺人事件が発生する。いつまでたっても犯人が地獄に落ちた様子はなく、人々の間に疑心暗鬼が生まれる。天使にバレずに人を殺すにはどうすればいい

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    2023年08月01日