斜線堂有紀のレビュー一覧
-
Posted by ブクログ
・愛する人の死に値段がついたら、その価値とどう向き合うか
・愛する気持ちを証明する方法
このテーマで描かれていく、体が金になっていく難病の弥子と、彼女に向き合っていく江都の物語り
正直、読み始める前はこんなに深いテーマであることを知らなかった
読み進めていくにつれ、もっと2人に時間をあげて欲しい…と苦しい気持ちになりました
「主人公のどちらかが病に侵され余命をどう生きるか」
といった、よく見かける内容に更に「死の価値と向き合う」という難題がのったことでグッと深さが増した気がした
最愛の人の死に、誰かが決めた価値なんか受け入れられない
弥子と江都の弱さをぶつけ合わない姿や苦悩に胸を打たれた一 -
Posted by ブクログ
突如世界中に“天使”が降臨した。天使が世界に付け加えたルールはたった一つ。二人殺せば地獄行き。一人殺しても何も起こらないが、二人殺せば天使によって生きたまま地獄の業火に焼かれることになる。このルール変更により人々は「自分は一人までなら殺す権利がある」と思うようになり、二人以上殺すならどうせ同じだと爆弾や銃を用いたテロが横行する。
天使に傾倒する常木は天使が多く棲む常世島を買い上げ、天国の有無に強い関心を抱いていた。そんな常世島で天使のルールを欺くかのような連続殺人事件が発生する。いつまでたっても犯人が地獄に落ちた様子はなく、人々の間に疑心暗鬼が生まれる。天使にバレずに人を殺すにはどうすればいい -
Posted by ブクログ
「君の世界が平らになりますように」を読もうと思っていたおり、古本屋で見つけて先にこちらを読みました。
私は「読むことに痛みをともなうライトノベル」の原体験が「砂糖菓子の弾丸は撃ち抜けない」だった世代です。
私にとっては桜庭一樹だったもの。
それは、少し下の世代には、ある時期以降の竹宮ゆゆこだったかもしれないし。
今、思春期を生きる人たちにとっては斜線堂有紀なのかもしれないと思いました。
この物語に没入して感涙したり、痛みを感じて読後も放心したりするには、自分は少し歳をとってしまいました。
でも、中学や、高校の、教室の片隅で1人。
誰とも分かち合うこともなく胸にしまい、今もなおかさぶ -
Posted by ブクログ
副題が「改変歴史SFアンソロジー」と書かれ、帯には「5人のSF作家が語る偽史」と書かれ、知っている書評家の2人が「大推薦!」としている。5人の作家はいずれも知っている人で、今回は私の嫌いな伴名練もいるが短い作品なので一応読んでみようと思う。しかし、大袈裟に歴史改変SFって言っているが、ちょこちょことタイムスリップさせる程度のレベルじゃないかと思い、あまり肩肘張らずに読み始めた。
全体を読み終えた感想としては、石川宗生が意外と健闘している、宮内悠介は全く響かなかった、斜線堂有紀は新しい概念で歴史を引き戻し、小川一水はスパイ系の要素を加え、一番驚いたのは伴名練。伴名練、やればできるじゃないか、ダ -
ネタバレ 購入済み
切ないけど心に刺さる作品
梓と遙川悠真の関係性が素晴らしい。この本を一言で表すなら共依存がいちばん相応しいと感じる。遥川悠真の梓に対する感情の変化を持ちながらも結局愛していた姿も梓の遥川悠真に対する幼い頃から見てきた小説家として姿への執着も遥川悠真に対する期待と愛もとても深くて面白い。人間が相手に理想像を押し付け求め憎悪し妬み、また愛す。その姿が生々しく綺麗に描写されているところが素晴らしいと思う、人間の醜く美しいほどの執着と愛情と嫉妬が詰め込まれている作品。メリーバットエンドが好きな人、人間の生々しい感情が見たい人には是非とも奨めたい
-
Posted by ブクログ
幼くして天才小説家として持て囃されていた主人公。しかし、三作目のベストセラー以後、全く作品を出せずにいた。そんなときに参加をすすめられた謎のプロジェクト。そこには主人公と同じようなかつての天才たちがいた。
天才って、神様から与えられた才能だから天才なんじゃんって思ってたけど、ずっと天才でい続けるための計り知れない努力と苦悩があって。そこがとても丁寧に描かれていて、展開と合わせて絶妙な作品でした。登場人物一人一人の設定もしっかり描き込まれててみんな魅力的でした。
それぞれが選ぶ結末も、最後まで読んでいけば納得できるものだと思うし、みんな幸せになってほしいなぁと思う。個人的には天才でい続けられ