斜線堂有紀のレビュー一覧
-
-
Posted by ブクログ
ネタバレ筆者あとがきの「役割を委託される奈緒崎と友人として協力する嗄井戸が揃うと探偵になります」という言葉がなんとなく好きだ。探偵と助手ではなく、二人合わせて探偵なんだな。
前作では何かと物騒な事件が多かったので、今回の3本は「不思議な出来事」くらいのエピソードが多くて穏やかに楽しかった。(そう思ってたから余計にラストでゾッとしたわけだけども)
お人好しで物事をいい方向に考えがちな奈緒崎は、そう上手くはいかない何かを抱える人にとっては時に残酷に見えるかもしれないけれど、その無責任な明るさが何かを救えることもあるのだと思う。
嗄井戸と束ちゃんだけでは友好的ながら停滞していただろう関係が、全くタイプの違う -
Posted by ブクログ
ネタバレ廃遊園地の殺人
斜線堂有紀の長編ミステリー。
廃遊園地という特殊な設定とクローズドサークルを融合させた作品。謎の大富豪である十嶋庵の招待の元、過去に銃撃事件があり廃墟となった遊園地へ廃墟マニアや当時の関係者達が招かれる。
イリュジオンランド銃撃事件を背景に、当時のイリュジオンランド運営側の思惑と天衝村の人達の葛藤が描かれ、数少ない若者であった中野御津花が村を変える為にどの様に戦い、葛藤し、裏切られていったのかが幕間に語られていく。
彼女はイリュジオンランド銃撃事件の際に犯人の手により殺害されてしまう。
今回招待されたメンバーは一見、廃墟に関心のあるメンバーがほとんど、合わせてイリュジオンラン -
Posted by ブクログ
初読み、斜線堂有紀さん。
日本SF大賞ノミネート作。
全6編の短編集。
この装幀が好き。
“本当の愛が判定できるなら、私のこの気持ちは何?”
帯の言葉に惹かれる。
表題作の「回樹」は、いわゆる百合なんですが、男女の恋愛に置き換えてもなんら変わりない気もしました。
最初は同じだったお互いの気持ちが、時を経て移ろう。パワーバランスが変わってしまう。恋愛にかかわらず、夫婦でも友人でもこうなると上手くいかないし、長続きしない。
よくあると言えばよくある話ですが…
本当の愛って何だろう?
退廃的で、不思議な魅力を持った作品でした。
他
「骨刻」
「BTTF葬送」
「不滅」
「奈辺」
「回祭」
長 -
Posted by ブクログ
2人の作家が共通する「七つの条件」にもとづき小説を執筆、その条件も読後ページに記されていました。斜線堂さんの作品が尖ってるのはもちろんのこと、桜庭さんも(まだ50代前半なんですね。昔から読んでいるイメージなのでもっと年配なのかと思ってました)今の中高生に刺さるような内容で驚きます。逆に言うと、若者向けの内容なので、歳を重ねた人ほど評価下がりそう。
同じテーマなので、すごく似ている世界のこともあるけど、ビックリするくらい違う話になってることが多かったです。
性的に踏み込んでいることもあるので、中学校以上。
※桜が咲いた日、七つの条件
「かわいそうに、魂が小さいね」桜庭一樹
「その春に用がある」斜 -
Posted by ブクログ
本書には「あなた」への挑戦状が含まれています。
気鋭の若手作家2人が、あなたへの挑戦状という共通テーマで小説を書いて競い合う。
競作過程を書いた執筆日記とミニ対談も収録。
斜線堂有紀さんと阿津川辰海さんが、「あなたへの挑戦状」というテーマで書く競作本。
奇怪な建築での密室殺人を書く阿津川さんと、死体と眠る犯人の謎を書く斜線堂さん。
どちらかという阿津川さんは謎・トリックをメインとしていて、斜線堂さんは心情描写をメインとしていますが、それぞれのカラーが出ていてどちらもおもしろい。
個人的には本編もですが執筆日記がとくに面白く、競作をするに至った経緯やそれぞれのアイデアの出し方や執筆方法、お -
Posted by ブクログ
2人の作家が、共通する7つの条件にもとづき執筆するマッチング競作。
4回のマッチングで各回2篇、計8篇を収録した1冊。
桜が咲いた日、七つの条件
「かわいそうに、魂が小さいね」桜庭一樹
「その春に用がある」斜線堂有紀
「ゲームオーバー」からはじまる七つの条件
「場外戦」斜線堂有紀
「怪物のままで生きてゆく」桜庭一樹
「自称犯人」からはじまる七つの条件
「私は呪い、君は愛」斜線堂有紀
「アンチの恋」桜庭一樹
斜光のさす場所、七つの条件
「譲:クリスマスツリー」桜庭一樹
「譲:門松 求:クリスマスツリー」斜線堂有紀
トラウマを抱える「君」を見守る存在とか、
カードゲームの世界で見下されな -
Posted by ブクログ
事件によって廃墟になった遊園地でのミステリ
廃墟好きのコンビニ店員や謎の富豪、廃墟になった遊園地に関わった人たちなどそれぞれが事情を抱えながら過去の事件を追求していくのは面白かった
斜線堂有紀の作品の魅力は登場人物が魅力的に描かれているところだと思う
コンビニ店員と作家が探偵役になる展開が良かった
笑えるところもあるのに、そこで行われる宝探しは狂気に満ちている
遊園地という夢の国を作るにあたって生まれた軋轢や隠した事実があるという部分は地方開発の困難さを感じた
夢の国が廃墟になるまでの過程にすごく苦しいものを感じた
シリーズの続報を楽しみにしている -
Posted by ブクログ
ネタバレ・寄河景は始めの頃から宮嶺を人心掌握し実はいじめの首謀者として宫嶺を手のひらの上で転がしている何処迄もサイコパスな人間で在ったのか、
・宮嶺を本当に心の底から愛して居り、恋のお呪いの一貫として消しゴムを持っており、景が宮嶺に向けた恋心は本物で在ったのか、
主人公の宮嶺がいじめられていたシーンで、最初に無くなった(半分ほど使い小さくなった消しゴム)をいじめの主犯だと認識していたはずの根津原ではなく、クライマックスのシーンで死んだ景のポケットから見つけた時、上記の2つの考えが浮かんだ。
恐れも愛しさも恐怖も、ありとあらゆる感情を彼女に捧げてきた宫嶺は消しゴムを見た時後者の考えを信じたくて、