あらすじ
150人以上の被害者を出した自殺教唆ゲーム『青い蝶(ブルーモルフォ)』の主催者である女子高生の寄河景。彼女がなぜここに至ったのか。その片鱗が垣間見える幼少期を描いた「病巣の繭」。ゲームに囚われた少年少女を描く「病に至る恋」。景と宮嶺望のデートを描いた「どこにでもある一日の話」。もし自分の異常性に気付いた景が小学校に通うのをやめていたら? 運命の残酷さを描く「バタフライエフェクト・シンドローム」。
これは、愛がもたらす悲劇の連鎖――病に至るまでの恋の物語。
感情タグBEST3
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恋に至る病へ至る物語。子どもの頃の寄河景が寄河景であることがわかり、なぜ恋に至ってしまったのか、など恋に至る病を読んでこの作品を読み、またこの作品を読み直して欲しい
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衝撃作『恋に至る病』のスピンオフ作品。
「病巣の繭」
「病に至る恋」
「どこにでもある一日の話」
「バタフライエフェクト・シンドローム」
4話収録。
150人以上の被害者を出した自殺教唆ゲーム『青い蝶』主催者、女子高生・寄河景の物語を再び読める日が来るなんて。
前作は読み手で解釈が二分化されたが、本作で景は完全なるサイコパスだと確信した。
ギフテッドと呼ぶには危険すぎる景の性質。
幼少期のエピソードだけで戦慄が走る。
恋心は洗脳に、洗脳は執着に変貌し辿り着く先は破滅。
怖ろしいのにページを捲る手が止まらない。
中毒性のある一冊。
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「恋に至る病」の答え合わせを期待していたが、結局煙に巻かれてしまった感覚。
景の幼少期、ブルーモルフォに生々しく翻弄されるプレイヤー達、景と宮嶺の日常そしてifの世界線。前作の背景に深みが増していくようで面白く、一気読みしてしまった。
さくっと読めるので、「恋に至る病」読者はぜひ手にとってみると良いと思う。
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絶望の中に美しさと救いがある… 透明感と虚無感が押し寄せる『恋に至る病』の関連作品集 #病に至る恋
■きっと読みたくなるレビュー
斜線堂有紀先生の名作『恋に至る病』に登場する寄河景を中心に描かれた関連作、全四編からなる短編集です。
思いっきり斜線堂先生の強みが出てまして、特に『病巣の繭』『病に至る恋』はスピンオフとは思えないほど洗練されてる。気をつけないと、この二作品だけでも入り込んでしまって現実に戻れなくなりますよ。
本作は『恋に至る病』の世界観や舞台がベースになっていて、自殺ほう助SNS「青い蝶(ブルーモルフォ)」が登場。寄河景の家族や幼年期、またブルーモルフォの利用者からの視点で物語が展開します。
どの作品も絶望の中にも美しさと救いがある、しかし未来は感じない。ひたすら胸が締め付けられるのですよね。あらためて『恋に至る病』を読み返したくなりました、読む方はぜひセットでどうぞ。
■各作品の簡単レビュー
○病巣の繭【おすすめ】
保育園に通う娘をもつ母親の憂い。先生からは保育園でリーダーシップを発揮する優しい子と言われるが、母親としては違和感を感じており…
母が我が子を愛する気持ちは痛いほどわかるが、別の何かに執着してしまう思考が怖い。5歳児ながら早くも景のポテンシャルが垣間見えてガクブル。でも可愛い。
○病に至る恋【おすすめ】
自殺ほう助SNS「青い蝶(ブルーモルフォ)」の参加者の物語。
ここまで強烈な物語をストレートに書かれると完全にノックアウト。こういったゲームに参加する人たちの背景や横顔がリアルに感じ取れました。緋達の叫びが胸に突き刺さって抜けないよ… 現実にも彼女のような人がいたら、ひとりでも多く手を差し伸べたい。
○どこにでもある一日の話
在りし日の望と景、デートのいちにち。終盤の二人の会話、透明感と虚無感が押し寄せてくる。
端から見ると若い素敵なカップルだろうに、もっと幸せになれなかったのかと残念… でも本人たちはそう思ってないんだろうな。
○バタフライエフェクト・シンドローム
小学生時代の望と景、学校に来ていない景のために、望が自宅を訪れる。
景が望に投げかけるセリフを見てると「そりゃ好きになるわ」って思う。五年生で言えますかね、これらのセリフ群。早くも景の人たらしっぷりや、望の耽溺ぐあいの片鱗が見えてるんだよね。ほんと人を描くのがお上手で惹きつけられちゃいました。
■ぜっさん推しポイント
『恋に至る病』が映画化されるとのこと、2025年10月24日に公開です。ティーンをターゲットにした映画にひとりで行くのは勇気がいるんですが、ぜひ観に行きたい!なぜなら自殺を扱ったチャレンジングで難しい作品だと思うんですよね、期待してます~
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恋に至る病を読んだ人であれば必読である。
自殺教唆ゲームであるブルーモルフォを作った寄河景。その幼少期を母親視点で語る話や、ブルーモルフォにのめり込んで行く被害者の話など、スピンオフ的な形で楽しめた。
個人的にはもう少し景の恐ろしさ、みたいなのが際立つ話が読みたかった。
Posted by ブクログ
「恋に至る病」のスピンオフ?的な短編集。
子どもの頃から景は景だったんですね。最終的に景のお母さんでさえも景の手のうちになってしまうのは恐ろしかった。
「病に至る恋」の、(おそらく)偽ブルーモルフォに絡め取られてしまった子の話はあまりにも切なすぎた。流される人はどんどん流されてしまうのだろうな、とあまりにも実感が伴っててゾッとした。止まりたくても止まれない。来世に期待を込めて命を絶つのはもはや宗教だよ。
ふつうのデートをする宮嶺と景はかわいいね、と思ったけどそんなハッピーだけで済むわけもなく。何度も思い出すしあわせな時間であることはたしかなんだろうけど。
景が不登校だったなら宮嶺はいじめられることもなくてふつうに学校生活を送れたんだろうか。結局学校に連れ出してしまったから、道のりは違くとも最終的にたどり着く場所は同じなのかな。救われるためには輪廻の輪を抜けないといけないのかもだけど、それでもふたりはまた出会うために同じ人生を選ぶような気がする。救われない。
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150人以上の犠牲者を出した自殺教唆ゲーム『ブルーモルフォ』の主催者・寄河景の幼少期を描いた『病巣の繭』、『ブルーモルフォ』に参加したとある少年少女に焦点を当てた『病に至る恋』、景と宮嶺のデート模様の『どこにでもある一日の話』、あるifを描いた『バタフライエフェクト・シンドローム』など『恋に至る病』のスピンオフ短編が四編収録されていて、どれも景の異常性と美しさが際立っていて引き込まれた。
Posted by ブクログ
これは『恋に至る病』を読んでからじゃないと話が分からない本なので読む順番には注意したいですね。
『恋に至る病』を読んでからこの本を読むとさらに寄河景の裏側をよく知れて、本の意味が奥深く感じられます。
Posted by ブクログ
やっぱ寄河景って怪物だったのかも。
幼少期の話を読んでも「ああ、親思いなんだね」とはならないもんな。
単純に怖いなあと思ってしまう。
きっと彼女に愛された人間だけは、その異常性の餌食にならずにすむのだろう。
そう考えたら『どこにでもある一日の話』が悲しいほど煌めいて見えた。
そのまま“普通”に溶け込んで欲しかった気持ちもあるけど、そもそもの性質が違う。
だからやっぱり悲恋にしかならんよねえ。
Posted by ブクログ
『恋に至る病』を読んでいないのに
こちらを読んでしまったからか
救いのない気分の悪い話ばかりだった
子どもが気味の悪い話…
『恋に…』を読んでから感想を書こう
Posted by ブクログ
恋に至る病を読んでからさらに景の不気味な妖艶さを楽しみたい人にはおすすめ。
いろんな視点での景の過去がみることができるが、
やっぱり人を100%理解できることなんてないのだと
この本を読んで痛感した。