斜線堂有紀のレビュー一覧
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Posted by ブクログ
死体を呑み込む樹の話
最初の短編と最後の短編が繋がってる
心の証明、感情の証明
どこまでなら惰性でないのか
どこからが真の愛情なのか
「回樹」は「解呪」
「回祭」は「皆済」に掛けたタイトルだそう
SFという空想世界に紛れて主人公の気持ち、感情の揺れがこちらに伝わるような気がした
自分の感情に気づかないことはままあるし、自分の感情がわからないこともあると思っている
その感情を何かしら証明してくれるのが『回樹』という樹
短編集6編
個人的には『奈辺』が好みで、アメリカ小説っぽい
全体的に
ハラハラ続きが気になるという訳ではなく、めちゃ面白いという訳でもないけど、今まで読んだことのない本でした
ガチガチのSFはしんどいけどこんなライトなSFならとっつきやすい
とても良かった!
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Posted by ブクログ
ネタバレめっっっっっちゃ好き……
不滅がめちゃくちゃ好きだ〜って思いながら読んだら奈辺がそれはそれは良くて、回祭を読んで回樹が二度沁みました。
あとがきに回樹が百合SFとあったので、あちゃんと百合小説として受け取っていいんだ…!と思ったんだけど律が「生まれる子供が男だったらヤだな、」と溢した場面がもの凄く印象的で、それってかなりクソデカ感情として初露のことが好きなのではと胸を締め付けられたので純粋に百合として受け取っていいんだって喜べた。名前のついた関係性でなかったときに無闇に沸いたりできない?気がして…。
女性同士で付き合って子どものことを考えたときに、どのカップルも同じように思うわけではないけれど、相手と知らない男との子供では?とか子どもが男だったら嫌だとかそういうの、かなりあることなのか?わからないけど律はそう思ってて、初露に冷めててもその感情が湧き出ること自体がもう…な……。
不滅の「死体が残るからその人がまだ生きてるみたいに思う」が、回樹が人を縛っているのと似てるな〜と思って、亡くなった人がずっと心のそばに在り続けることって実はよくないのかもなと思ったりした。もう二度と会えない人のことを想って悲しみ続けても、空を見上げて祈るくらいの距離感の方がまだいいのかもしれない。
あとがきがすごく良くて最後まで面白かった…。
百合だけじゃなくいろんな関係性が詰まったSF短編最高でした。 -
Posted by ブクログ
こちらも一気読みした作品。
斜線堂有紀さん、阿津川辰海さんのお二人の競作。
館シリーズのような密室トリックは大好きなのに、空間把握能力が無さすぎて、阿津川さんの水層城の殺人は、完全に理解できたとは言いきれません。ただ、探偵としてこういう罪の暴き方もあるのかと驚きました。
中編だったこともあり、犯人も含めた登場人物の誰にも感情移入できず、物足りない感じがしたので長編で読みたかったです。
斜線堂有紀さんのありふれた眠りは、ミステリと言えばミステリだけど、素直になれない兄妹の関係性が、事件が起こることによって変わっていく様子が、とても切なく感じるお話だったように思います。
最後に2人がどうするのか。普通に考えたら答えは1つなのでしょうが、もしかしたら違う道を選ぶのかもしれない。その余韻も含めて好きなお話でした。
「あなたへの挑戦状」の意味は、なるほど!そういうことかと。騙されました -
Posted by ブクログ
SF短編集。6篇収録されていました
回樹→愛するものの死体を取り込むと愛していた人たちにとって回樹が「愛した人そのもの」の存在となる設定。
骨刻→骨の表面に文字を刻む技術。骨刻がもたらした人々への影響と骨刻の歴史について書かれていました。
BTTF葬送→すべての映画には魂があった、映画にも輪廻転生はあると考えられた時代の話。懐かしい傑作映画が出てきて懐かしさを感じました!斜線堂さんの発想がすごい…。
不滅→人間の死体が腐らなくなった世界の話。死体が腐らないことでどんなことが起こったのか…。1番お気に入りのお話!
奈辺→奴隷制度下のニューヨーク、白人と黒人と宇宙人の交流?を描く物語。宇宙人がいる奇抜な設定ですが、外見に関係なく友情や愛情を育むストーリーは素敵なものでした!
回祭→回樹の周りで一年に一度催されるお祭り。亜麻音と蓮華のお話は苦しく、最後はなんともいえないものでしたが、2人の関係に救いのあるものになってよかったです。
真実の愛とは、亡くなった人とのお別れとはということを常に考えていたように思います。
著者があとがきで書かれていた「心の証明、感情の証明については個人的にずっと考えているテーマであり、どこまでなら惰性ではないのか、どこからが真の愛情なのか、はこの世の全ての関係性に纏わりつく命題だと思っております。」という文章が印象的でした。