斜線堂有紀のレビュー一覧

  • 禁断の罠

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    最近のアンソロジーは本当に豪華というか、ハズレがなくおもしろいよね。

    有栖川有栖『ミステリ作家とその弟子』は【砂男】で既読だったけれど、再読でも作家と弟子のやり取りがおもしろい。

    退職代行とかZ世代とか、境界知能、ペロペロ動画に闇バイト…すごく今が詰まっている一冊だった。
    何十年後かに読まれたら「あ~令和っぽい」ってなるんだろうな。

    米澤穂信『供米』は途中まで「うーん、好きな米澤穂信ではない」なんて思ったけど、最後がすごく良くてさすが!という感じ。
    中山七里『ハングマン-雛鵜-』は最後続きが気になる終わり方だったな。スッキリさせてほしい!
    せっかくだから『祝祭のハングマン』を読んでみよう

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    2025年08月13日
  • 愛じゃないならこれは何

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    登場人物の皆さん、全員がこじれて歪んでる(笑)
    狂気、執着。「穏やかさ」からかけ離れた所にいる。
    でも愛なんだよなぁって納得する。
    ハッピーエンドではないのに読後感が良い。
    面白かったです。

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    2025年08月10日
  • 愛じゃないならこれは何

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    めっちゃ良かった。
    恋愛小説とは言いながらも、恋と愛と狂気の境目をうろうろしてる本。
    でも僕は、やっぱりロジックや論理とかのことわりから外れた狂気が好きだなぁ。憧れというか、羨望してしまう。

    読む人を選ぶ気はするので、万人にオススメはできないが。

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    2025年08月10日
  • 死体埋め部の回想と再興

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    ネタバレ

    死体を埋めるという最悪な活動をしているはずなのに悲壮感が感じられない二人の会話が好きだったので、続きが読めて嬉しかった。
    第一話と第二話みたいな話ばかり読めたら個人的には幸せだったけれど、やはりそうはいかないよなぁ。
    北海道合宿の二人のやり取りが特に好きだったのでハワイ合宿も是非見たい。
    地獄行きが決まってるハッピーエンドなので感情のやり場に困る。

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    2025年08月09日
  • 本の背骨が最後に残る

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    とても独特な世界観の短編集で引き込まれた。ホラーものや切ない恋愛話もあり、刺激的。「本」の話している姿が鮮明に想像できる表現。

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    2025年08月10日
  • 夏の終わりに君が死ねば完璧だったから

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    最愛の人の死に価値が付けられてしまった人間はその価値にどう向き合えばいいのだろう。

    3億円の価値ある身体。2人を繋いだ赤、青、黄色、を混ぜて作った黒色の鯨。『二月の鯨』これに対して、52ヘルツのクジラが出てきてなんか嬉しかった。
    チェッカーというゲームを通して仲を深める弥子とエト。

    先生の綺麗な文字がこの物語へと私を引き込んでくれました!

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    2025年08月09日
  • 愛じゃないならこれは何

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    待って?
    めちゃくちゃ面白かった!
    アイドルにガチ恋はよく聞くし、話も多いと思うけど、その逆とか。でもなくはないよな、と思わせる世界がそこにあって無我夢中で読みました!
    その他の話も、自分の身近にありそうで絶妙なリアル感がゾクゾクしました。

    初めて読む作家さんでした。
    他の作品も読もうと思います!楽しみ!!

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    2025年08月07日
  • こわい話の時間です 部分地獄

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    児童向けホラーアンソロジー。しかし執筆陣を見てわかるように、子供向けだと侮れはしません。
    一番怖かったのは澤村伊智「靴と自転車」。ちょっと心温まる系……かと思いきや、とんでもなかったです。それでも起こってしまう悲劇は予想されたものの、まさかこんな結末だとは。
    表題作の斜線堂有紀「部分地獄」、これは子供の頃だったら一番読みたくなかった作品です。たぶん一番怖く感じたかもしれないし。ある意味「部分」の方が凄惨かも。
    井上雅彦「きれいずかん」、芦沢央「ログインボーナス」、宮部みゆき「よあるきのうた」もお気に入りです。怖さもあるけれど、そればっかりではない。どれも素敵です。

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    2025年08月07日
  • 星が人を愛すことなかれ

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    2時間弱で一気読み!めちゃくちゃおもしろかったです!

    推しとかアイドルの心模様に興味ありまくりなので、実際のあの人もこんな風に思ってるのかなぁとか、こんな辛いことがあるけど頑張ってるのかなぁとか、想像しまくりながら時には涙も流しながら読みました。

    一話の段階では冬美目線で、そりゃ彼氏がアイドル推しまくりだったら寂しいし嫉妬もするよねー、なんて気軽に読んでたのに、四話の瑠璃を読んじゃうと、んもーーー!早くめるすけ奪いにいけーーー!とばねるり応援しまくりで、自分の変わり身の早さにびっくりでした笑

    文章がうますぎて、アイドルを疑似体験できた気持ちで、実際のアイドルたちにこれを読んで実態に合って

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    2025年08月02日
  • 夏の終わりに君が死ねば完璧だったから(1)

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    ネタバレ

    「自分は同じ重さの金塊より価値のある人間だと思うか?」
    この言葉にはハッとさせられた。気持ちよくコミュニケーションがとれているのは自分と相手とが等価であると思い込んでいるからであり、逆に相手に対して嫉妬や羨望の感情を向けている様な関係は相手が自分よりも高い価値を有していると思っているからなのだ。自分が無意識のうちに他者を値踏みして生きていることに改めて気付かされた。そんなことを気にせずに接することができるような人と出会いたいと切に願う。

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    2025年07月31日
  • 死体埋め部の悔恨と青春

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    ネタバレ

    たぶんわたしは斜線堂有紀の二次創作っぽい設定と地の文がドツボなんだ。ラノベより洗練されてて、純文学よりポップな感じ。
    これもねっとり重めの話で面白かった~~!!
    オリガマウンテンは笑った。その名の通りなんかい。
    織賀と祝部の関係も好き。まあほぼ洗脳なんだけどね。織賀のことを崇拝したり嫌悪したり、きっちり重い感情を持っているのが……いい!
    しかもちゃんとミステリーとして成り立ってておもしろかった。ジャガーの中で語る死因究明。
    特に好きだったのは三話目の同級生の女の子が死んじゃった話と、書下ろしの閑話休題。織賀は一体なにを持っていたのでしょうね。
    気になる終わり方もしたのではやく続編が読みたい! 

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    2025年07月29日
  • 愛じゃないならこれは何

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    どの章の物語全てがどこか歪んだ形の愛が見られる6話からなる短編小説。
    どれも破滅に近いのにそれぞれ満足していて……
    私には無い恋愛的価値観があり、この1冊で登場人物の様々な恋愛におじゃまさせてもらった感が良かった!

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    2025年07月14日
  • 私が大好きな小説家を殺すまで

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    小説の中に小説が多分私は好きなんだろうな。
    めっちゃハマりました!
    小説はある種の信仰に近い、ほんとにその通りだと思う。
    敬愛するからこそのクローンのような小説。
    先生と梓の互いの苦しさもしっかり描かれていてすきです!

    タイトルもなんか好き!

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    2025年07月13日
  • キネマ探偵カレイドミステリー ~輪転不変のフォールアウト~

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    ネタバレ

    映画を全然見ないので楽しめないかと思って手を出せずにいたのですが、もっと早く読めば良かったです。話ごとのキーになっている名作映画は見たことがなくても問題なく楽しめます。
    シリーズを貫く嗄井戸くんの話は最後までドキドキでもちろん面白かったのですが、個人的に好きだったのは1冊目の「断崖絶壁の劇場演説」と3冊目の「逆行無効のトライアンフ」。ともに嗄井戸くんが「力作」「良作」とトリック(?)を仕掛けた人物の頭脳や映画愛を高く評価しています。明るくない話もある中で誰かのために使われた映画トリックは心温まって良かった、、、4冊目の新刊もとっても楽しみ!

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    2025年07月07日
  • 愛じゃないならこれは何

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    ネタバレ

    たまたま好きなアイドルのライブを観に行く前に今作を読み始め、自分の在り方と彼の在り方、めるすけの在り方と瑠璃の在り方を思うと、刺さりすぎて仕方なかった。私はめるすけみたいな、模範的で理想的なファンじゃないけど、これが愛じゃないと言われたら、何なのか果たして分からない。瑠璃は理想的なアイドルであろうとしながら、その動機と行いは模範的とは言えず、だけどそれが愛ゆえだと言われたら、愛が正しくて素晴らしいものだとは言い難い。
    美しいばかりが愛ではないということを、いろんな関係性を舞台に描き出された物語たちは、愛に迷い悩み苦しんできた人間にはとても刺さった。疑いようもなく愛だと思うのに、なぜか苦しくて虚

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    2025年06月25日
  • キネマ探偵カレイドミステリー ~輪転不変のフォールアウト~

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    あとがきにもあるように「凄惨な現実をフィクションが救う」という救済と祈りの話でとてもよかったです。現実が必ずしも良いとは限らないよね、虚構だからこそ救われることだってある。奈緒崎くんの信頼の仕方はちょっとおそろしい、ちょっとというかかなり。でもその無条件の盲目とも見える信頼に嗄井戸くんは救われた部分もあるのだろうな。嗄井戸くんが部屋を出られるようになってよかった。取り上げられている映画が見たことのないものが多いので見てみたくなりますね。ノッキンオンヘブンズドアが気になる。

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    2025年07月06日
  • 本の背骨が最後に残る

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    タイトルと表紙に一目惚れして購入した記憶。人魚姫や白雪姫などお伽噺の新解釈を交え、あの作品のパロディに始まり、細部に至るまで耽美的かつ幻想的な短編の数々。

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    2025年06月14日
  • キネマ探偵カレイドミステリー ~輪転不変のフォールアウト~

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    嗄井戸の台詞じゃないけど、傑作だったな。
    どの事件も趣向が凝らされていて面白いけど、主軸は嗄井戸高久の事件だ。
    彼を解放するための、とびっきりの友情物語だ。
    この際、黒幕が誰かなんて些末な事で(犯人コイツだなって予想できるぐらいだし)彼らがどうやって幕を引くのかが重要なんだよな。
    クライマックスでの奈緒崎の行動には驚かされるけど、こういう性質を持った彼だからこそ救える人がいるのも事実。
    嗄井戸も奈緒崎も束も全員愛おしい。
    あと『俺たちに明日はない』って映画が気になる。
    あそこまで熱弁されて気にならない方が無理だよなあ。
    虚構が現実を超える瞬間、観てみたいよね。

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    2025年06月03日
  • キネマ探偵カレイドミステリー ~再演奇縁のアンコール~

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    うっわ、もうめっちゃ好き!
    どの話もグッときた。特に第二話が良い。
    あまりにもドラマティックで素敵すぎた。
    それこそ映画のよう。
    『アーティスト』って映画、一度観てみたいな。
    前作を読んだ時にも思ったけど、やっぱり物語の題材となった映画作品を知っている方が楽しめるらしい。
    だから『スタンド・バイ・ミー』を題材にした第一話には感情が揺さぶられた。
    能見の台詞や奈緒崎の独白に共感して、思わず泣きそうになった。

    最後、気になるところで終わってしまったので、このまま次の巻も読みます!

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    2025年06月01日
  • 星が人を愛すことなかれ

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    ネタバレ

    ・タイトル買いしたけど面白くて一気に読んでしまった。こっちが続編と知り、即前作も買っちゃった。

    ・性格や行動によって他者の星になる存在と、その星に魅了される関係性が好きなんだけど、星側にとっても星がいるっていうのが「好きの永久機関で芋蔓式に全員好きなってまう!!」状態だった。

    ・渓介、罪な男。でもばねるりが告ったとして受け入れるかどうかはちょっと想像できなかった。推しと結婚したいって思うタイプじゃなさそうだなって。ばねるりのアイドルとしての輝きに焼かれてそうだし。

    ・「依存でも執着でもない、お綺麗な恋を出来ている人間が」っていうのが何だか印象に残っている。それだけがお綺麗で、叶うだけが恋

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    2025年05月31日