あらすじ
「世界をちょっとだけ正しくしたい」。そう話す転校生の杜屋譲と「瞬間記憶能力」を有する和登尊。二人は同級生を助けるため、「絶対に成績が上がる塾」に潜入。そこで暴言と体罰を繰り返す傍若無人な塾長と対決することに。正義をなすために人をだますこともいとわない。そんな杜屋と和登の物語が始まる。
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Posted by ブクログ
斜線堂作品、ライトな児童文学。絶対に成績が上がる中学の塾名目に、子ども達に恐怖を与え、マインドコントロールし、塾長・寺田陽明の思う通りに塾を切り盛りする。そこに転校生で超天才の杜屋譲(もりやゆづる)と暗記力の天才の和登尊(わとたける)が塾長・寺田陽明と対決し、この塾の解散を企てる。そのために尊は猛勉強し、授業料無料の陽明クラスに入り込む。もちろん譲はトップ合格。陽明はえげつないほどのハラスメントで生徒を詰る。譲と尊は厳しいセキュリティをかいくぐり、陽明を録画に成功した!陽明塾の閉鎖に心がスカッとした。⑤
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YA小説を久しぶりにしっかり読みました。
普通の推理小説とは違う視点で描かれているこの作品はとても新鮮で面白かったです。
選書としての参考で読みましたが高学年には是非手に取って読んで欲しいと思います。
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私立塀戸中の二年生に転校してきた杜屋譲(モリアーティ教授)に興味を持ち、和登尊は彼に接触、助手となる。今回は接触するきっかけになった小さい謎解きや、絶対に成績が上がるといわれている陽明塾の塾長のハラスメントを叩き潰すのが大きな流れだった。
杜屋は胡散臭い雰囲気を出しながらも今のところは教授っぽい悪はみられず。しかし、助手の和登君がなかなかに正義感があり(やる気はさほどないのが現代風)、家庭環境の会話なども新し目で良い。塾の不正を暴く方法などが今までの児童書にはあまりない感じの流れで良かった。ただ、斜線堂作品にしては登場人物の破綻度や常識度が普通。あくまで児童書の範疇に収まっていますのでファンで読む人はそこには期待しない方がいいかもです。
軽めのミステリーで児童書だとKZシリーズが好きなのですが、あれの男子が読んで楽しいバージョンみたいな方向性が欲しかったかな。KZも男子が読んでも楽しいとは思うけど、表紙が女子向けだから読みづらいよね。トム&ソーヤより闇寄りというか、キャラ寄りというか。
小学校4年生くらいから。ルビは中学年以上向け。
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盛り上がりたいとこまで筋道をたてて、わかりやすくまとまっており、最高潮になったところでそれぞれの特技を活かした見せ場があるのが印象的で面白かった。
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ヤングアダルトの部類に入れたけど、さすがの斜線堂先生。大人が読んでも面白い。
朝日新聞出版さんのこちらのシリーズ、ノーチェックだったけど、作家陣もミステリ作家揃いで、豪華。
他の作品も読みたい。
Posted by ブクログ
斜線堂有紀さん、初の児童書だが大人が読んでも面白い。
「この世界をちょっとだけ正しくしたいと思ってる」と言い切るのは謎の転校生・杜屋譲。
瞬間記憶能力を持つ和登尊とタッグを組み、絶対に成績が上がる塾の悪徳塾長と対決する。
中学生という立場をフル活用し、並外れた頭脳で相手をやり込めるさまは爽快。
相手が悪ければ悪い程、その爽快感は倍増する。
天才的な杜屋に対し、人間味もある和登。
キャラも魅力的で二人のコンビネーションが抜群。
杜屋の行動は正義とは言い難い面もあるけれど大好物な勧善懲悪もので読後スッキリ。
次作も楽しみだ。
Posted by ブクログ
児童書だからたしかに子供向けのわかりやすい文体や展開でしたがさすが斜線堂先生、もちろん大人が読んでも楽しめました。現代のモリアーティ教授、しかも中学生!子どもにしかできない解決の仕方でおもしろかったです。子どもならではの視点と正義感。杜屋くんの世直しは完全に善行とは言えない、という印象を最後まできっちり描くのも好印象でした。今後も杜屋くんと和登くんのコンビの活躍(暗躍?)が楽しみ