斜線堂有紀のレビュー一覧
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片田舎に暮らす少年・江都日向は、劣悪な家庭環境のせいで将来に希望を抱けずにいた。そんな彼が知り合ったのは、身体が金へ変質していく致死の病「金塊病」を患う女子大生・都村弥子。
彼女は死後三億円になるという『自分』の相続を突如江都に持ち掛ける。
身体が金へ変わっていく奇病を患う女子大生と、彼女の「相続」を持ち掛けられた中学生の少年の恋愛小説です。
自分の存在には三億円以上の価値がある、と自信を持って言える人が、はたして世のなかにはどれだけいるものだろう。もちろん、人間や命というものはそれぞれが唯一無二で誰かにとってかけがえのない存在で、値段を付けられるものではない。でも、そんな綺麗ごとを排除してしまえば、私には価値があると断言できる人は実はそんなにいない気がします。
自分にはとても三億円の価値なんかないけれど、それでも死んだ方が価値があると思われるのはとても辛いだろうなと思う。そう考えると自分の現在や死後の事きちんとを考え、余命わずかな中新たな人間関係を構築しようとした弥子さんはとても強い人だ。
作中で主人公は、死後三億円になるという最愛の人への愛を、金目当てではないと周囲にどうにかして証明しようとします。本来であれば、誰かへの愛なんて周囲へ証明する必要なんてない、自分だけが、もしくはお互いだけが分かっていればいいはずのものなのに、そこに金銭のやり取りが存在するだけで周囲の目は変わってしまう。玉の輿、シンデレラボーイ。淡く美しい恋情が、周囲の感情によって汚されていくようで痛々しく胸が締め付けられます。
初めから終わる事が決まっている二人の関係の果ての「脅かされることのない愛の証明」がほろ苦くも愛しい。 -
Posted by ブクログ
嗄井戸みたいなキャラ、めっちゃ好きなんだよなあ。
頭良いけど面倒臭くて純粋で心に傷を負ってる。
そんな彼の真反対のタイプでありながら傍にいる奈緒崎も好ましい。
出会いは最悪で喧嘩ばかりしてるけど、少しずつ友情を育んでいく過程が良いよね。
ホントこういうバディものは和む。
往年の映画作品を取り入れたり、嗄井戸が映画知識を開陳する場面も楽しい。
とは言ったものの、ストーリー自体は物騒。
人の暗部を目の当たりにしてヒヤリとする場面もある。
特に四話目ではガラリと雰囲気が変わるので戸惑う。
でもラストシーンが非常に微笑ましいので読後感はとても良い。 -
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ネタバレレズに焦点を当てた話だった。
話によって当たり外れがあるけど、あたりの素晴らしさで⭐️4にしました〜
前半は面白くない、後半が面白い
あと、後半になるにつれ内容が過激に…笑
私はエロがないと楽しめないのかもしれない笑
あとは、有名作家さんの方が今回はハズレが多かった気がする。
特異性を狙いすぎるからかな?
全体として、やっぱり登場人物が毎回美人。
百合であるためには美人であることが必須なのか。
◯当たり
斜線堂有紀「百合である値打ちもない」
相沢沙呼「微笑の対価」
◯ 斜線堂有紀「百合である値打ちもない」
面白かった、本当に面白かった〜
他の話と違って純恋愛に偏っているし、
エッチとかリアルなのも描かれてるし、
乃枝の性格も顔も全て完璧すぎるのに、最後のリアルな声が良かった。
しかもリアルな声なのにもし私が言われたら全く嫌な気がしなくて、乃枝ちゃん素敵すぎる。♡
カップル兼配信者としてのビジュアル格差と整形とかどう頑張ってもハッピーエンドにならないだろうと思ってたのにこんなに100点満点のハッピーエンドあるんだ〜
とっても面白かった〜
◯ 相沢沙呼「微笑の対価」
殺人事件と掛け合わされていた。
ストーリーは男と女じゃなければかなりあるあるなのかもしれない。
紫乃が冒頭から不器用でうまく生きていけない女の子のイメージだったのに、警察が訪問してきたあたりから急にえ、そんな一面あったの!?と印象がガラッと変わる。
だんだん不信感が強まってきて、本当は悪い女だったんだろうなと思ったけどなんとかハッピーエンドに持っていけた印象。
女性がめちゃめちゃ魔性な話が私のお好みなのかも笑
でも、お母さんの不審死、謎の占い師、これ以上夜の仕事を続けないでと行った後から冷たくなった態度
の謎は解かれぬまま…
この話単体のクオリティはそんなに高くないのかもしれない。
個人的には好きでした!
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Posted by ブクログ
1巻では杜屋譲(もりやゆずる)と和登尊(わとたける)だけだったが、ついに写楽法太郎(しゃらくほうたろう)が登場。1巻の杜屋はモリアーティのような悪の権化って存在ではなく、2巻もその流れのまま。むしろ、融通効かない正義の裁き系写楽のほうが鬱陶しい存在として描かれていた。和登尊が2人から相棒に望まれていて、語り手の和登に共感しながら読むのに気分が良い展開。和登が善悪などの判断がハッキリしているのも共感できて、読みやすい。
今回は運動会を阻止したい何か(誰か)が怪人を出現させるのを解き、なぜ阻止したいか考え対応する。こんな小学生向け小説なのにミステリー手法ワイダニット、フーダニット、ハウダニットなどの解説も載っていて、超贅沢な仕上がりでした。謎は読んでいると何となくはわかったけど、知らない知見出てきてヘーって、感心しました。40年以上前に理科室にあったあれやらこれやらもそうだったのか?
個人的には本屋大賞候補になったあのシリーズより、こっちのほうが面白いです。挿絵的に子どもは断然こっちだと思うんだよね。ちょっとこっちも来年度予算で入れてみて反応みたいな。
ということで、ルビもあるし4年以上向け。 -
Posted by ブクログ
若手作家陣による豪華読みきり短編集。全てのお話がタイトル通り「脱出」を軸に据えたミステリーです。なんとなく暗い、難しいイメージを持って読み始めたのですが、予想よりは読みやすく読後感も悪くなかったです。
「屋上からの脱出」阿津川辰海
天文部の屋上観測で起こった閉じ込め事故。それは事故なのか?
故意だとしたらだれが何の目的で起こしたのか?
高校生の話なので、思惑はあるにせよ殺人などもなく読み心地良好です。
「名とりの森」織守きょうや
民族学的昔話を調べるのが好きなノキ。皆が恐れる森に夏の探検に行こうという。しかも最も入ってはいけないという時に。そんなノキを探しに森に姉と入ったタネチン目線で話は始まる。さあ、この森の持つ条件をクリアーしてノキを見つけて、タネチンは森から出られるのか。そもそも、今何が正常なのかわからずハラハラします。
「鳥の密室」斜線堂有紀
魔女狩りの時代(のような設定)、ベネデッタは聖女として教会に住み、働いていた。魔女への拷問や仕置きはデルンバッハ司教が行っていたが、いつしか手伝うようになり、措置に疑問を抱く頃マリアが捕らわれる。ベネデッタはマリアに心を寄せるようになり、救済を願い出て悪魔つきと判断され、さあ、どう脱出するのか?しないのか?マリアの命運は?
「罪喰の巫女」空木春宵
戦後すぐくらいの時代設定。古語のような言葉で流れるように押し積められた文体で怪しい世界が描かれる。某県S郡の深山にある籠守神社にいる罪喰様の存在にひかれた私。そこは神域であり、罪を犯した者しか潜れない場所にある。
罪喰様がどういうものか、私は何を犯し、何を求めて神域へと向かうのかを、恐ろしく感じながら読み進めました。
「サマリア人の血潮」井上真偽
目を覚ますと記憶はないし、輸血されている?トオルはゾンビのような人たちがたくさんいる建物から脱出しなくてはならない状況下で、スピーカーから聞こえてくる僕の親友カズトの誘導により逃げ道を探す。その中でわかってくるトオルのおかれた状況とカズトとの関係が特殊。