山崎雅弘のレビュー一覧
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Posted by ブクログ
第二次世界大戦では、世界各国が自国にとって戦況を有利に導くためにプロパガンダを積極的に多用した。
本書では、当時の「大日本帝国」が展開したプロパガンダを記録や証言に基づき丁寧に紐解くと同時に、
極端な解釈が今でも横行している現状を指摘し、憂慮しつつ問題提起している。
特に、「大日本帝国」と「第二次世界大戦後の日本国」、および一般概念としての「日本」の区別の重要性を説いている。
その区別が曖昧なまま、感情的に過剰反応している政治家や著名人がいることを名指しで指摘している。
個人的には、この名指しの指摘自体が形を変えた別種のプロパガンダにも見えなくもなかったため、全部を読後感そのままに鵜呑みにす -
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Posted by ブクログ
天王機関説事件から国体明徴運動とその後の流れまでを非常に分かりやすく整理してくれている
1935年と100年近く前の事件ではあるが、人の起こしたこと故、現代にも通じる
混乱の最中では道理よりも無理が通る
国連脱退による国際社会からの孤立、明治以降の欧州文化偏重の傾向、1920年代の軍縮
自国を守らねばならない環境下で力を失っていた軍部が国体という標語のもとに揺り戻しをかけた
結果、理論として天皇自体も認める機関説が排撃され、精神性を拠り所にした国体が推されることとなる
現代日本も経済的な弱体化やコロナ禍という混乱にかこつけて政府は無理筋を通している
社会規模でなく自身の身近な会社でも十分に起こ -
Posted by ブクログ
ホロコーストへの興味が自分の中で高まっている今、書店で見かけ手にとってみた。
アイヒマンと日本人。
そのタイトルの意図するところは、本編を読み進めなるほど理解できた。日本人の社会人の多くは、その意図するところをなんとなく感じることができるだろうと思う。
ただ、タイトルの意図するところはわかるけれど、ちょっと、「〜と日本人」の部分は誇大ではないかなと内容を読んで気になりました。
主題ではなく、サブタイトル的に扱った方が内容のボリュームと合ってるんじゃないかなと思いました。
現代では世襲制や、親の七光りは批判されることも多いですが、犬養道子さんの話を読むと血筋あってこそ幼少期から触れるもの、環 -
Posted by ブクログ
ネタバレ今から3年前2019年、当時の首相による日本学術会議の会員任命拒否問題は、政府による自由・学術・教育に対する介入であると大変な危機感をつのらせることになった出来事でしたが、自分の周りでこの件について同じようなことを考えていたり意見を交換したりということがあったのは、小学校教員である友人ただ一人との間でした。
そこにあるものの不穏さを感じ取った人が自分の周りにはあまりにも少なかった、と思います。
それから現在までを振り返ってみるとたった3年の間に自由というものがとても堅苦しく緊張の伴うものになってしまっており今なお進行形であると感じます。
気づいたら周りから固められてて自分は奇特な意見を述べる -
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一部ネットで嫌われてそうな論客たちからのメッセージ集。みなさん、日本から少しずつ自由が奪われていると危惧している。
ある一面の行動・発言が切り取られて批判されることが多い方々だが、その考えに直に触れると、国の在り方や自由について真剣に考えているのが分かる。
例えば表現の不自由展に携わった津田大介氏。近年、アートの世界では政権の意向に沿った展示しかできなくなってきたと言う。意向に反せば、補助金が下りないなど不自由を強いられるそうだ。
詳しく知らないが、おそらく、この展示は慰安婦像などを展示するのが目的ではなく、賛否両論のものを公の場で示すこと自体が目的だったのではないか。こうした国の動きに対 -
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サブタイトルは「この国は、なぜ人を粗末に扱うのか?」。本書の主張は「大日本帝国」的な、国・会社・集団の都合を第一に考えて、個人を尊重しない考え方が、長時間・低賃金労働などの現代の日本の悪状況を作り出している、ということ。会社のために低賃金・長時間で働く過労死は「特攻」となんら変わらない。
その根本原因は今でも残る「大日本帝国」的な精神。ドイツがナチスを完全悪として消し去ろうとしていることと対象的に、現代でも「特攻」を軍指導部の狂った作戦と同調圧力による犠牲ではなく、国を守る英雄的な行為と考える人が一定数いる。大日本帝国の信奉者だ。まさしく敗戦が完結していない、ということだろう。次は本書からの -
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大国の歴史を主役で扱うことが多い中、周辺の中小国の歴史は語られることが少ないけど個人的に関心が高くて本書を購入。
多民族が入り混じっている上に宗教や政治思想まで加わってくるから大変。侵略に対する抵抗勢力があるのは当然としても同調する勢力も各国でみられたとは。その抵抗勢力も1つに纏まらないから内戦に発展もするし、それも大国の都合であったりもする。
強引に併合した大国を追い払った別の大国もやはり占領軍であって独立させてはくれないとか翻弄され続ける小国。
今のウクライナ戦争このともあり、各国をもっと掘り下げて勉強したくなった良書です。
大陸の端の島国である日本はまだ恵まれた立地だったのだと思えます。 -