山崎雅弘のレビュー一覧

  • ポストコロナ期を生きるきみたちへ

    Posted by ブクログ

    若い人からベテラン著者まで、さまざまな視点で、ポストコロナについて書かれていました。

    蔓延するウィルスがどのようなものか、また、そこから受ける我々の生活への影響とこれからの展望。

    いずれにせよ、近代的思想に基づいた人間の行動から生み出された歪みだということは一致しているように思える。

    0
    2021年03月18日
  • ポストコロナ期を生きるきみたちへ

    Posted by ブクログ

    大学は勉強するところではない。大学とは、知識を商品のように学生に売るところではありません。知とはデジタルデータではなく、身体と感情を持った人間一人一人が身につけ、実践し、対話し、試行錯誤する中でしか役立たない。

    あらかじめ用意された正解をたくさん覚えることが優秀だというのは、いわば知識ベースの勉強です。しかし、非常事態に対処するには、そんな勉強だけでは限界があります。そこで力を発揮するのが、物事をいろいろな角度から観察し、今までに知った事実と組み合わせて、全体の構造を考えるという知性ベースの学びです。

    まだ答えがない問題への対処については、先生と生徒の立場は対等です。

    0
    2021年02月04日
  • 歴史戦と思想戦 ――歴史問題の読み解き方

    Posted by ブクログ

    『鴻上尚史のほのぼの人生相談』での推しで読む。
    歴史戦&思想戦に対する批判本。
    歴史戦とは、大日本帝国による南京大虐殺や慰安婦などを擁護する産経新聞を始めとする論陣のこと。中国や韓国による歴史糾弾への戦いともいえそう。
    それが大日本帝国による思想戦、政府主導のプロパガンダと同様だとする批判とともに、歴史戦を否定する。
    被害者数や種々の事情の違いがあるにせよ南京大虐殺や慰安婦の不幸な事実から目を逸してはならないことは理解できる。しかし、日本側に歴史戦の論調が出てくる背景には、別の勢力からの歴史戦があるからではないだろうか。
    歴史の動きには、それぞれの側に大義も事情もあるだろうから、一方の言い分だ

    0
    2019年12月16日
  • 歴史戦と思想戦 ――歴史問題の読み解き方

    Posted by ブクログ

    著者は近代戦史がご専門の歴史学者。産経新聞などが中心となって展開している「歴史戦」は、戦時中にあった「思想戦」とそっくりな構造になっているという指摘は、かなり興味深いものだった。そしてそれらの主張には、詭弁やゴマカシがたくさん見られ、およそ学問的とはお世辞にも言えない稚拙なものであることを明らかにしている。ネット上で読みもせずに「左翼」と罵倒しておられる方がいるのは、著者も予想していたと思う。

    0
    2019年08月25日
  • 日本会議 戦前回帰への情念

    Posted by ブクログ

    安倍政権と日本会議の緊密な関係。
    日本会議の歴史認識において、重要な柱となっているのが、戦前・戦中の国家体制(国家神道の精神に基づく社会)の肯定と、当時の日本が行った諸々の対外戦争の正当化です。

    0
    2018年10月12日
  • [新版]中東戦争全史

    Posted by ブクログ

    イスラエルとアラブ国家、どちらへの偏りを持たないように工夫され、読みやすい。あっさりとしながら、「現代ユダヤ国家のイスラエル成立」を描き「アラブ国家との対立」を描く。
    現代の4回に亘るイスラエル対周辺国との戦争の流れや、アラブ国家への不信や絶望からイスラム国やテロに傾倒してしまう原因を教えくれる。
    未だに石油依存せざるを得ない日本だからこそ、一読の価値はある。

    0
    2018年08月09日
  • 「天皇機関説」事件

    Posted by ブクログ

     たったひとりの男の言説に国全体がのせられた。この国の民は愚民の集まりだったのかとも考えられるが、現状もさして変わらない。
     知恵を絞ってみても結局庶民はつけを払わされるから、考え過ぎないのが身のためであろう。世の中が騒がしい時には静かに暮らすのがいいのかもしれない。結局なるようにしかならない。

    0
    2018年03月11日
  • 「天皇機関説」事件

    Posted by ブクログ

     1935年の天皇機関説排撃事件については憲法学や歴史学にかなりの研究蓄積があるにもかかわらず、一般向けの手ごろな単著がなかっただけに、その一点でも本書は価値があるが、排撃運動を今日の立憲主義の解体状況や排外的ヘイトスピーチの隆盛と重ね合わせようとする問題意識が鮮明な分、事件の前提となる明治憲法をめぐる分析視角に問題がないではない。

     特にあとがきで、かつて久野収が提起した「顕教」としての天皇主権説と「密教」としての天皇機関説という視点をあえて採用しなかったことを明示しているが、この視角がないと排撃運動と大衆社会との関係が不明瞭となり、明治憲法の「通説解釈」が一部の反動勢力の卑劣な暴力によっ

    0
    2017年09月11日
  • 日本会議 戦前回帰への情念

    Posted by ブクログ

     反憲法派の中心組織「日本会議」に関する著作が2016年に相次いで刊行されたが、本書は日本会議の刊行物や関係者(所属の政治家や言論人)の公表された言説の分析を通して、その思想と運動の特徴を抽出することに重きを置いており、ジャーナリストによる「内幕暴露」的な類書と一線を画している。

     彼らの本質を「戦後」の全否定と戦時体制・国家神道体制への回帰とみなす視角は全面的に首肯しうるが、それに反駁するために、戦後の日本国憲法体制こそが「平和と繁栄」をもたらしたという認識を対置するのは、その「平和と繁栄」を享受できた世代・階層には通じても、そうではないバブル崩壊後に人格を形成した世代や繁栄から疎外された

    0
    2017年09月08日
  • 転換期を生きるきみたちへ

    Posted by ブクログ

    もうこういった言説にほとんど共感を感じなくなってしまったなー。「現状は危機的だ」「政府はこんなにあくどい」みたいなのって、「ほんとにそうなの?それを示す証拠は?」とまず思ってしまう。

    まあ内田センセイの七色のロジックを楽しめるという点では面白い。

    0
    2017年09月08日
  • 日本会議 戦前回帰への情念

    Posted by ブクログ

    1967年生まれ、山崎雅弘 著「日本会議 戦前回帰への情念」、2016.7発行です。著者は、日本会議、神道政治連盟を日本最大の右翼組織であり、国家主義団体であって、安倍政権を支える二本の柱だと。だから「何なんですか」とも言えますが・・・。「忖度」という難しい?言葉がはびこった加計・森友問題で批判を受ける安倍内閣ですが、安全保障・防衛、教育、歴史認識、靖国神社など政治の基本的な方向は、私は支持しています。過去の過ちは正し、そして日本の伝統と文化は継承していきたいと思っています。(政治関係は難しいですね)

    0
    2017年08月25日
  • 日本会議 戦前回帰への情念

    Posted by ブクログ

    前著「戦前回帰」を補足する内容とも言える本。現政権が推し進めている改憲運動は、敗戦とともに崩壊した「国家神道」の時代に逆戻りさせようとするものであることが、とてもよくわかる。

    0
    2017年07月21日
  • 転換期を生きるきみたちへ

    Posted by ブクログ

    ネタバレ

    これからを生きていく人へ贈るメッセージ。

    日本の現状に危機感を抱いた内田樹が,中高生へとメッセージを送るために様々な人へ文章を書いてくれるよう依頼をした。統一感はあるような,ないような。しかし,皆,日本の現状に(というか,現政権に)危機感を覚えている人たちである。出版されたのは2016年7月なので,書かれたのはその少し前とすると,その後,イギリスEU離脱が国民投票で決まり,トランプ大統領が誕生し,また日本は重要法案を急いで通そうとしている。危機は加速しているのでは。

    戦後の,戦後すぐの平和主義がそろそろ機能しなくなっている,そう感じる。軍隊を持たない,平和を守る国でありたい,でも,他国に攻

    0
    2017年05月28日
  • 戦前回帰 「大日本病」の再発

    Posted by ブクログ

    特に第二章はとても勉強になった。重要なキーワードである「国体」についての解説は、戦前・戦中に政府などが出していたプロパガンダ誌などに直接当たった上で述べているので、説得力もかなりある。さらに現首脳陣らがなぜ日本国憲法を敵視するのか、その背景もキチンと説明されている。「日本会議」について学ぶうえで参考になる一冊だと思う。

    0
    2017年04月05日
  • 転換期を生きるきみたちへ

    Posted by ブクログ

    目もくらむようなスーパー秀才エリートだった人たちが、声をそろえてもはや反対することができない空気があったと言っている。ドイツ語で日記を書けるような、言葉を自由自在にあやつることができるエリートたちが、一億人の運命を左右するような決めごとを、最後には言葉でなく空気を読んで身を委ねたと語っている。

    福島の原発事故直後の危機を回避するための政府首脳の重大会議、40年以上も続いた政府の憲法解釈を内閣の形式的合議だけで大きく変えてしまった経緯、いずれも議事録が残っていない。それが僕たちの国の致命的な欠陥だ。これはもう病気と呼んでもさしつかえないと思う。かつて有名な政治学者はこれを壮大なる無責任体制と呼

    0
    2016年10月11日
  • 侵略か、解放か!? 世界は「太平洋戦争」とどう向き合ったか

    Posted by ブクログ

    太平洋戦争に係る東南アジアにおける日本の軍政は、戦時はもちろん終戦後も民族間の対立、国家の分裂、凄まじいインフレなど様々な形で其処に住む人々を苦しめたのだということが解った。

    0
    2012年09月02日