山崎雅弘のレビュー一覧
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天皇機関説事件とは、1935年に起きた政治的な弾圧事件です。
私も高校時代に日本史で学んだ記憶があります。
恥ずかしながら、私は本書を読むまで大きな勘違いをしていました。
天皇機関説というのは一部の左翼学者が唱えた異端の学説で、これを不敬だとして当時の軍人や右派政治家が排撃したもの。
と、そのように捉えていたのです。
本書を読み、天皇機関説とは、美濃部達吉をはじめとする当時の学者が、正統的な憲法学説として唱えたものだということが分かりました。
つまり、日本という国家を「法人(法的に擬人化した概念)」と見なし、天皇はその法人に属する「最高機関」に位置するという学説です。
この学説は、当の天皇陛下 -
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Posted by ブクログ
高校生が文章を読むに当たり、基本的な考え方をあたえてくれる、良本。
平川克美「人口減少社会について根源的に考えてみる」ではグラフの見方とともに、当たり前のようにように言われている言説について批判的な見方を示唆する。
仲野徹「科学者の考え方-生命科学からの私見」ではパラダイムシフト、疑う、シンプルに考えるなど科学を発展させている考えが書かれている。
白井聡「消費社会とは何か-『お買い物』の論理を超えて」ではボードリヤールの考えを援用し、いわゆる「消費」的な感覚が政治や教育にも適用させようとする現在の社会のゆがみと弊害を述べる。
山崎雅弘「『国を愛する』ってなんだろう」では、政治的無関心が生む危険 -
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【読書メモ】
p185
・何のために勉強するのですか?
自分の頭で考え、自分の言葉で自分の意見を言う。ただそのためだけに勉強するのです。山本義隆
p190
・同じことを、違った側面から考える視点を与えてもらうためにディスカッションをするのです。当たり前のことですが、自分は自分の考えに染まりきっています。そこへ、違う刺激を与えてもらって、自分の考えを方向転換させたり、バージョンアップさせたりすることが重要なのです。
p103
・科学がグローバルである最大の理由は、真実をあつかうからということです。
…科学的な視点は予測できない社会を生きるうえでの全員にとってマストなものの見方なのかもしれ -
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昨今の改憲議論はなぜ起きているのか、を中心に日本会議という団体の活動を通して解き明かしている本。
かなり個人的な見解かもしれないですが、改憲派の目的は大きく2つあるように読み取れました。
1.戦中まで政治的な力を持っていた神社の団体が、GHQによって解体され、政治権力と公金を失った神社関係者は、それを取り戻したい。
2.GHQによって基本的人権を導入したせいで日本は堕落していると考えている政治関係者は、国家神道を国民に強制したい。
前者はパワーを失った神社の怨念のようなもので、過去の亡霊のように思えました。
後者は櫻井よしこなどの日本が堕落していると感じている現代の人々もいて、戦前・戦中に回帰 -
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いろいろな意見や立場、考え方、信条、信じるもの
大事に思うことやものがあると思います。だから
否定はしませんし、声高に叫んだり攻撃をするほど
強くもないですが。
私はこういう団体の活動、それに賛同する人達の考え方
には賛同できません。
それから、政治家というのはある意味自分の信条や思考を
政治に反映するのはいかがなものかと思ったりします。
またマスコミも同様で、バランス感覚が崩れているような
気がします。
そこだけは将来この国は本当に大丈夫かと思います。
一つだけ。。。国の首相も含めて、そういう人たちの
顔が私には醜く映って見えてしまいます。 -
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Posted by ブクログ
ネタバレ50年後の日本人に向けて、ということで今を書き記されています。
いろいろなことが起きているから、
全然時事にも政治にもついていけなくて、
あと追いで知ることばかりの生き方ですが、
思いっきり立場を取って痛烈に批判しながらその議論をサポートする事実を列挙していく一人称単数で語られるものは、ニュースとかに比べて入ってきやすく、考えることにつながりやすい。そしてとても博識な著者にとっては、ここで書かれていることは考えのほんの一部に過ぎず、膨大な知識がこの議論の背景にあるのだろうと思いながら、私は表面的にだけでも、大変興味深く読みました。
本書は、平和国家、倫理の底、そして、倫理の底が抜けた -
Posted by ブクログ
「底が抜けた状態」とは「良識や常識のレベルで機能していた社会の”自浄作用”が無い状態」、そんな状態を改めるべく何をすべきなのか。
自分でちょっと考えてみて、まず大事なのは「関心」を持つことだと思う。関心が無ければ、考えことや、声をあげることができない。人生何事も関心をもって、熟考してなんぼだと思う。
また著者は今の日本が「自分の頭で考えて行動する人」よりも「従順な人」が多いと考え、それでは政府の誤った判断を修正できないと憂慮しており、「自分の頭で考えて行動する人」にならなければと本書から意識させられた
「関心」「熟考」そして「行動」、忘れないようにしなきゃ...!