未完の敗戦

未完の敗戦

1,012円 (税込)

5pt

3.7

なぜこの国は人を粗末に扱うのか?
その根本原因に迫る!

コロナ対策、東京五輪強行開催、差別やハラスメント、長時間労働、低賃金……。
日本の組織はあまりにも人間を、人の命や暮らしを、軽視していないか?
こうした状況と酷似するのが、先の戦争中の日本社会だ。
本書では、大日本帝国時代の歴史を追いながら、その思考の構造を明らかにし、今もなおその精神文化が社会のあちこちはびこる事実を数多くの事例を通して検証。
敗戦で否定されたはずの当時の精神文化と決別しなければ、一人一人の人間とその暮らしが尊重される「民主」社会は実現しない。
仕方ない、という思い込みとあきらめの思考から脱却するためのヒントと道筋を提示する書。

【「はじめに」より】
日本人は、なぜ死ぬまで働くのか。
日本の経営者は、なぜ死ぬまで社員を働かせるのか。
弾薬や食糧などの補給物資を送らずに「目標の達成」を前線の兵士に要求した、先の戦争における大本営(戦争指導部)と、給料を上げず休息も十分に取らせずに「成果」を現場の社員や労働者に要求する、現代の(すべてではないにせよ、無視できないほど多い)経営者たちの間には、同じ思考形態が共有されているように見えます。

それは、外国人技能実習生と呼ばれる低賃金労働者と、戦争中の東南アジア植民地で徴用した「労務者」との共通点にも見られます。
彼らは共に、日本という国や日本企業の利益のために、苛酷な労働環境で道具のように酷使され、搾取される存在です。

こうした現代における社会問題を解決・改善する糸口として、本書は先の戦争における「大日本帝国型の精神文化(思考法)」に現代の視点から改めて光を当て、さまざまな角度から、その精神文化の構造を読み解いていきます。
(中略)

大きな「全体」のために奉仕や犠牲を強いられることなく、一人一人の人間が大事にされる社会を創るために、本書の論考がお役に立てれば幸いです。

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未完の敗戦 のユーザーレビュー

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感情タグBEST3

    Posted by ブクログ 2022年07月21日

    今の自民党が大日本帝国であるというシンプルで簡潔な主張で(実際にもそうなのだが)、現代を大変分かりやすく表している。

    日本人にとって、敗戦をキッカケに、急に民主主義や女性参政権が降ってきたため、まだ江戸時代の百姓なんだということがよくわかる。
    日本本当の民主主義が根付くには、もう一つ歴史的に大きな...続きを読む

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    Posted by ブクログ 2023年05月20日

    「大日本帝国型の精神文化」の温存化がやまないどころか、復興しつつあるのではないかと思ってしまう今の日本。もう破滅するしかないのかな。

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    Posted by ブクログ 2022年06月06日

    氏のtweetや著書に通底する、今この国に対する違和感をまとめた集大成的本書。当たり前の日常を生きていると、意識しないとなかなか気づかないんだけど、実は全然大切にされていないよな、自分たち。そんな違和感を的確に言語化してくれているから、どこを正せば良いのか、何に対して声をあげるべきなのか、そのあたり...続きを読む

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    Posted by ブクログ 2022年06月05日

    サブタイトルは「この国は、なぜ人を粗末に扱うのか?」。本書の主張は「大日本帝国」的な、国・会社・集団の都合を第一に考えて、個人を尊重しない考え方が、長時間・低賃金労働などの現代の日本の悪状況を作り出している、ということ。会社のために低賃金・長時間で働く過労死は「特攻」となんら変わらない。

    その根本...続きを読む

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    Posted by ブクログ 2022年08月10日

    言いたいことはよくわかるが、処方箋はない。物事には表と裏があり、右にも左にも正義があり、良い面悪い面がある。これは一つの意見に過ぎない。勿論人間を大事にしない世の中に住みたいとは思わないが、民主主義社会が結局行き過ぎた資本主義を生み出し、グローバル企業帝国主義になったことを思えば、色々な側面から物事...続きを読む

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    Posted by ブクログ 2022年07月30日

    安定の普通の切り口で安心して読めたけど,僕にとっては目新しくなく刺さる事もなかったな.
    でも,最近の統一協会の問題とかであれあれ⁈と気づき始めた人が手に取ってくれると,とても良い気づきにつながるのでは?

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    Posted by ブクログ 2022年06月10日

    日本国内のオリンピック観=宗教的側面のつよさ
    ・聖火⇔オリンピックの火

    復興五輪

    防衛白書の表紙=楠木正成?

    特攻隊員の悲劇的な最期に意味を見いだす情緒的思考の危険性

    実際に指揮官のミスやらのせいで飢えて死んだことも国のための戦死として処理する

    P.175 『新教育指針』

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