村上春樹のレビュー一覧

  • 世界で最後の花 絵のついた寓話

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    この本が初めて刊行されたのは1939年。ナチス・ドイツがポーランドに侵攻し第二次世界大戦が勃発した直後。それから80余年。村上春樹の新訳として再発行されたのが2023年。ロシアによるウクライナ侵攻の直後。この本に描かれる戦争を繰り返す愚かな人類は寓話なんかじゃない。

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    2025年03月12日
  • 大いなる眠り

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    フィリップマーロウが格好いいのは言わずもがな、マーロウの一人称視点から描写される情景が細やかで洒落が効いてるのが心地いい読み味だった。マーロウと一緒にロサンゼルスで事件を追いかけてる気分で読んでいた。

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    2025年03月08日
  • ねじまき鳥クロニクル―第2部 予言する鳥編―(新潮文庫)

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    2部に入って話がどんどん展開し、どんどん引き込まれてる。
    直前に読んだTVピープルの短編に加納クレタが出てきてて、その短編はよく分からなくて不快だったんだけど、ねじまき鳥に出てくる加納クレタはとても魅力的だと思う。先入観ありで読み始めてしまったので、TVピープルの前にこっち読めば良かったと思った笑

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    2025年03月02日
  • レキシントンの幽霊

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    全体的にサラッと読めて、奥が深い。
    とくに七番目の男が印象的だった。
    話の最後の恐怖について語るところで、
    「なによりも怖いのは、その恐怖に背中を向け、目を閉じてしまうことです。そうすることによって、私たちは自分の中にあるいちばん重要なものを、何かに譲れ渡してしまうことになります。」
    の一文が印象的だった。

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    2025年02月27日
  • さよなら、愛しい人

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    多くのシーンが映像的に、顔を突き合わせて声を交わしたかのように鮮明に思い浮かべることができる
    ふとした時に反芻するほど心に残る台詞がある

    チャンドラーの本の読後感はいつも、映画を観た後のような浮遊感と少しの感傷に浸れる。染み込んでくる。そんな気持ちで閉じることができて嬉しい。

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    2025年04月30日
  • 世界で最後の花 絵のついた寓話

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    戦争を繰り返す人類の揶揄絵本

    以下、公式の説明
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    なぜ人間は戦争を繰り返すのか?
    わたしたちは戦争のない未来をつくることができるのか?

    第二次世界大戦開戦直前に描かれた、今を生きるわたしたちに託された平和への切実な願い。世界で読み継がれてきたロングセラーを、村上春樹の新訳で復刊。

    【内容紹介】
    第十二次世界大戦が起きた世界。文明は破壊され、町も都市も、森も林も消え去った。残された人間たちは、ただそのへんに座りこむだけの存在になってしまった。ある日、ひとりの若い娘がたまたま世界に残った最後の花を見つけます。その花をひとりの若い男と一緒に育てはじめます。す

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    2025年02月18日
  • リトル・シスター

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    ▼マーロウもののなかでも、「とにかく美女にもてまくる」要素満載ですね。ただ、チャンドラーさんが素敵なのは、ただたんにモテるというよりは、

    ・好感を持たれるけれど。

    ・基本、利用されまくり、騙されまくり、場合によっては殺されかかる。

    ・なんだけど、マーロウさんはぶつぶつ言いながらも大まか受け入れていく。

    ・それでもって、男女のカラダのコトには実はまったくもって及びません。キスがせいぜい。というか、<会話とキス>にこそロマンがある(笑)。



    ▼原りょうさんを再読したいなと思ったことから、
    <マーロウ全部順番に再読して、原りょうさんも順番に再読しようプロジェクト>
    が、発動。道半ばです。

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    2025年02月16日
  • 回転木馬のデッド・ヒート

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    作者が人から語ってもらった話をもとに作られた短編集。「話してもらいたがっている」といわれるそれらの作集にはさまざまな人々の生き方や考え方が描写される。個人的に好きな話はプールサイド。私自身も水泳をやっていた経験があるのもあり、自分の人生の折り返し点を定めるという考え方はとても共感を得た。後5メートルを何回分、そんな気持ちで泳いだこともたくさんある中で、自分の人生を水泳に見立てるととりあえず今の時期を必死にもがくことの大切さや、もがきを繰り返すといつか振り返った時に道が後ろに見える、折り返しを定めることでもう一度奮起したり、終わりに向かってどのように生きるかを計画したり、できそうな気がする。

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    2025年02月11日
  • 螢・納屋を焼く・その他の短編(新潮文庫)

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    「納屋を焼く」の話が印象的だった。スマートな見かけの青年が、どういう理由か周辺の納屋を焼いていく。納屋を焼く人と納屋は焼かない人とに分かれるという。その不思議な世界観にひかれた。村上春樹の素敵な文章に浸れて、幸せな時間を過ごせて良かった。

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    2025年02月11日
  • もし僕らのことばがウィスキーであったなら(新潮文庫)

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    まさにこれは言葉がウイスキーでなければ本当のところは伝わらないんだろうなぁ、としみじみ思わせてくれる紀行文。人それぞれ直接感じるそれこそが旅の価値なんだな

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    2025年02月08日
  • 村上朝日堂ジャーナル うずまき猫のみつけかた(新潮文庫)

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    春樹さんが、ボストン近郊のケンブリッジに住んでいた1993年夏からの二年間にわたる滞在期。連載されていたのはほぼ30年前となるけれど、いま読んでもあまり時代を感じさせないのは春樹さんのライフスタイルゆえなのかも。
    安西水丸さんの絵日記風イラストと、奥さま撮影のスナップ写真がいっぱいなのもうれしい。地元の猫ちゃんたちかわいいな〜。
    滞在中は地元ランナーとしてボストン・マラソンに出場したり、家の前の芝生で"ことおよびリス"を発見したり、中華料理アレルギー(!)なのに中国に旅行したり、通信販売にハマって「猫の喜ぶビデオ」を注文したり、年末には車が盗まれて困り果て、遅々としてすすま

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    2025年02月10日
  • 騎士団長殺し―第1部 顕れるイデア編(下)―(新潮文庫)

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    登場人物の人となりが少しずつわかってきて、騎士団長だけファンタジーだったりと、より不気味さが増し謎が深まってきてどう展開していくのかという面白さがあった。
    免色渉が今後どのように主人公に携わっていくのか?
    きっと大きな展開が待っている気がしてならない。

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    2025年02月05日
  • 世界で最後の花 絵のついた寓話

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    乱雑なくらい素朴な線は、作者さんがほとんど目の見えない方だっただからだそう。

    シンプルなストーリーだけど、だからこそ最後にかけてのインパクトは強烈。「歴史は繰り返す」って、そんなクリシェで終わらせていいのか、考えさせられます。

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    2025年01月25日
  • 騎士団長殺し―第1部 顕れるイデア編(下)―(新潮文庫)

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    面白くなってきた!
    ドライブマイカーが良かったので主人公を西島さんのイメージで読んだら、自分の中でめちゃくちゃオシャレな作品になった笑

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    2025年01月25日
  • 遠い太鼓

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    この本を読んで、村上春樹が40歳を前に漠然とした不安を抱えていたことを知り、私自身も同じような不安を感じていると気づきました。

    特に仕事において、40歳までにやりたいことが限られた時間で終わってしまうのではという焦りがありますが、その不安を自覚できたことは良い発見でした。

    また、この本ではイタリアやギリシャなどさまざまな国の様子を垣間見ることができ、視野を広げることの重要性を感じました。

    30年以上前の話ながら、異なる文化や人々を知ることが世界観の拡大につながることを再認識しました。

    雑多な旅行記ですが、本の持つ深い意味を知ることができ、とても面白かったです。

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    2025年01月22日
  • ロング・グッドバイ

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    チャンドラーの準古典的名作。何処となく『グレートギャツビー』に雰囲気と感じていたら、村上春樹氏も同じことを述べていて嬉しい。ジャンルとしてはハードボイルド・ミステリではあるが、マーロウの視線を実相として重ねて外形的に心情を描く硬質なのに軽快な文体はページが進む。アメリカ文学の名作としても楽しめるし、村上春樹氏訳ということで彼の亜流作品的な雰囲気でも楽しめる。

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    2025年01月20日
  • 村上春樹、河合隼雄に会いにいく

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    本書のオリジナルは平成8年発行のもの。平成8年は、1996年なので、もう30年近く前のことだ。
    今は既に亡くなられている、河合隼雄先生に村上春樹が会いに行き、色々と話をするという建てつけの対談集だ。
    河合隼雄先生の、「人生の達人」感と、村上春樹がふと洩らす、創作の方法論や悩みが興味深い。かなり、「深い」対談だと感じた。読み物としても、面白い。

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    2025年01月16日
  • レキシントンの幽霊

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    孤独や閉塞感、喪失感といった長編でもお馴染みの重いテーマが扱われており、読み応え充分の短編集。

    以下、各話の感想や記録

    「レキシントンの幽霊」
    不思議な事を自然現象のようにサラリと綴る。村上春樹らしい作品。

    「緑色の獣」
    なんだろう。村上春樹の描く異形のものは何故か怖くない。どこか愛嬌ごあり、そこはかとなく悲しみを漂わせる。それに比べて女性は怖いな。って感想であってますかね?

    「トニー滝谷」
    同名の映画『トニー滝谷』の原作。映画は市川準監督、イッセー尾形、宮沢りえ主演。観たのは10年以上前だったと思う。
    倉庫のような部屋で故人が残した膨大な服に対峙する宮沢りえが印象的だった。
    空調の音

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    2025年01月13日
  • アンダーグラウンド

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    村上春樹、海辺のカフカ以来かな。誰かが勧めてたところに古本見つけて読んでみた。
    地下鉄サリン事件の被害者のインタビュー集、やねんけど、インタビュイーの人となりを紹介する地の文とか、インタビュー内でも事件の話に入る前の仕事や生活について語ってる部分の方がおもしろかったり。
    あと、内容と関係ないねんけど、1999年の文庫初版本が今でも普通に読めるんよね。電子書籍とかサイトなりデバイスの都合で読めへんようになることもあるらしいけど。結局紙の本なのよ。古いんやろうけど。

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    2025年01月11日
  • 哀しいカフェのバラード

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    詩情溢れるメルヘン。そして残酷なラブ・ストーリー。
    タイトルに“ballad”とあるとおり、人々が口伝えに繰り返し語り継いできたドラマに耳を傾けているかのよう。

    冒頭でいきなり悲劇の結末は明かされる。
    うらぶれた田舎町に住む、吝嗇で癖が強いが一目置かれてもいる人物であるミス・アミーリアに起きた、これまた風変わりな愛の行方と破局の物語だ。

    なにもないいつもの夕方、訪ねてきたよそ者との出会いによってミス・アミーリアが変わり、その熱が生む磁場に引き寄せられるように町の住民も変わっていき、物語には幸福と高揚感が満ちてくる。
    しかしそれと同時に、きっとなにかが起きるに違いないというカタストロフィの予

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    2025年01月11日