村上春樹のレビュー一覧
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1を読んでから数か月か、経つ。
本を開くと、数か月前の状態が鮮やかによみがえる。
青豆の物語と、天吾の物語は、まだそれぞれで進行しているような感じ。
青豆は、彼女に特殊な仕事を依頼してくるマダムの過去を知る。
マダムが保護した女児は性的な虐待を受けていた。
青豆が手繰っていくと、あの宗教団体「さきがけ」がいる。
一方、天吾の方は、ふかえりの小説『空気さなぎ』のリライトを完成させ、編集者小松の目論見通り、ふかえりに新人賞を受賞させる。
作品はベストセラーになり、世間の注目を集める。
それは、ふかえりを保護してきた戎野先生の意図にも沿ったことであったらしい。
この先、「さきがけ」が二つの物 -
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中国行きのスロウ・ボート
2025.08.09
主人公が出会う3人の中国人。彼らはみな淡々と語り、どこか寂しく感じるようなふるまいをしている。ゆっくり読まないと気付かないようなさりげない空気感で描写していた。物語の最後には居場所のない中国人と自分を重ね合わせ、現状から抜け出して居場所を求めたいという気持ちがうかがえるものの、逃げようというよりは受け入れざるを得ないような仕方のない状況にあることを表現。「スロウ・ボート」によって示し、なんともいえない状況に陥っている様子が感じられる。
居場所のなさがこんなにも淡々とした虚しい世界を生み出してしまうのかと怖くなった。同じ境遇の中国人たちと自分で -
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時々、悪い夢を見ます。
どんなに探しても大切なものが見つからないとか、道に迷って目的地にどうしても辿り着かないとかです。このような夢は、心理的に「模索中」「停滞感」「不安感」を抱えている可能性が高いらしいです。この小説は、そんなわたしの心のうちと重なるようなきがしました。でも、重さや暗さは感じませんでした。
ロッシーニの『泥棒かささぎ』の序曲を主人公の岡田亨(オカダトオル)が口笛で吹きながらスパゲティーをゆでているときに、知らない女の声で電話がかかってくるという書き出しから物語に引き込まれました。そして、ねじでも巻くようにギイイイッと鳴く鳥を、主人公とその妻は「ねじまき鳥」と呼び、ねじまき鳥 -
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うん、読んで良かった!
村上春樹も普通の人間だ。
ただ才能が溢れるところでちゃんと溢れ、世に還元してくれただけの、私と同じ人間だった。
自分の気持ちというか、したいことに対して純粋にまっすぐに生きる、その姿勢はとても参考になった。なんだか自分が人生を自ら難しくしているような気がした。それに気づけた。
この本から何かを得てやるんだという気持ちで読んだわけじゃない。村上春樹の本は何冊か読んだ程度で、小説家が自分が小説家であるというとことについて書いたものを読んだことがなかったから手に取っただけだが、心に留まるような考え方、フワッと心が軽くなる考え方がいくつかあった。こういうときに「ああ、読んでよか -
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初カポーティ。映画でも有名な表題作はまだ観ていません。どうやら原作と映画はまた違う雰囲気のようです。ヘップバーンが演じたホリー・ゴライトリーがどのような人物に仕上がっているかはわかりませんが、本書のホリーはとにかく天真爛漫。誰もが振り向く美貌さと誰にも縛られない奔放さに小説の枠を超えて人々は魅了されるのでしょう。そんな彼女はどこかへ旅立ち、残された人々は彼女の記憶や痕跡を寂しく思いつつもただ楽しむ。そんな余韻すら魅力的な小説でした。
他に収録されている「花盛りの家」「ダイヤモンドのギター」「クリスマスの思い出」も余韻が素敵な小説ばかり。心にすっと入ってくる良作でした。 -