村上春樹のレビュー一覧
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ネタバレ雨田具彦の介護施設からの流れで、騎士団長殺しの絵の登場人物がオールスターキャストで出てくる。イデア、メタファー、時間、空間。
騎士団長は自分のことをイデアだと言い、顔ながは自分のことをメタファーだと言う。
顔ながはさらに、生身の人間がメタファー通路に入るのは危険だ。順路を間違えると、とんでもないところに行き着くことになる。奥の暗闇に潜み、とびっきりやくざで危険な生き物である、二重メタファーがあちこちに潜んでいる。と言う。
有と無の間には川が流れていて、顔のない男の船に乗らないと渡れない。
イデアを理解するというのは顔のない男の肖像画を描くようなものだと理解すればいいのか?それがイデアを -
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誰にとっても、親との永遠の別れが与える衝撃は計り知れない。元気でいることが、当たり前だと思っていても、ある日突然、命のカウントダウンが始まる。失われた時間を取り戻すかのように、親に会う時間を捻出し、なんでもない会話を重ねていくにつれ、親のことを何にも知らなかった、関心を持とうとしていなかったことに気付く。
親との関係性が、夫婦、親子、仲間との人間関係と密接に関係している、と思う。
本音で、親と話せるようになった時、あらゆる悩みがするすると解決していく経験をした。
亡くなった父との思い出を言語化してみたい。
そう思った本だった。
#命のバトン #出逢いは奇跡 -
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☆3.5 隠された父親の存在
奇妙な始まりかたをするのは『羊をめぐる冒険』から相変らず。文体リズムがあるので読み進められる。
非日常が醍醐味なので、こんな女子高生、ゐない。といってもしょうがないが、まあ言っておく。そこが通俗を取り入れた語りだ。
かつらの松竹梅の話は、ああ、安西水丸との例の工場見学のエッセーからだなとわかる。
肝腎のノモンハン事件を描いた語りはひきつけられる。
ここがこの作品の核心部分なのだが、フロイドふうに言へば、父親の存在が隠れてゐる。とでもなるのだらう。
『猫を棄てる』(文春文庫)で明言されたとほり、村上春樹の父親は住職である。そして中国に従軍し、中国人を -
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著者がアメリカに滞在していた頃に書いたエッセイ本。アメリカで過ごしたときに出くわした体験を主に綴っているが、なかでも興味深いのは、著者の小説を書くまでの過程に触れた「ロールキャベツを遠く離れて」と日本のエリートに言及した「ヒエラルキーの風景」の2つである。前者では、著者は学校で習ったことよりも、店を開いて肉体労働をした時期のほうがより多くのことを学べたと語る。また大学生のころ、何かを書きたいと思いつつも、何をどういう風に書けばいいのかわからなかったといい、そこから著者は書けないときは無理に書かなくていいという結論を出す。自分というものを確立するための時間、経験が小説を書くに至るまでに必要なこ
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とても不思議で、一切の救いのない物語。
巨躯で訴訟好きの女性、ミス・アミーリア。圧倒的な人間嫌いのアミーリアに対し、突然出現し、一途な愛を受けることになった病的に小さなカズン・ライモン。この二人が始めたカフェが、町全体を活気づけ、奇跡のような平和をもたらした頃に現れる、前科者で過去に10日間だけミス・アミーリアと結婚していた、マーヴィン・メイシー。
この三者の、愛の一方通行を描きながら、その愛の行き着く先を示す。
マッカラーズの小説に出てくる登場人物は、皆、どこか普通ではない。
普通ではないのだけれども、普通ではないなりに、皆、不思議と歯車が噛み合っている。
そしてその噛み合い具合がとても心 -
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登場人物たちは、なぜこんなに理不尽な目に遭わなくてはいけないのか?
この世界は彼らにしか見えていないのか?
また、別の話では、何かを象徴している出来事なのか?
うっすら肌をあわ立てながらも、深掘りし始めると止まらない。
オノマトペ?でもない?不思議な音がカタカナで表されている。
【TVピープル】
TVピープルは、この人にしか見えていない「小さいおじさん」的なものなのか。
【飛行機-----あるいは彼はいかにして詩を読むようにひとりごとを言ったか】
彼、20歳になったばかり。
彼女、27歳既婚、子供あり。夫は旅行会社に勤め、月の半分は海外に行っている。家庭に問題があるわけじゃない、と彼女。なら