村上春樹のレビュー一覧

  • 螢・納屋を焼く・その他の短編(新潮文庫)

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    読後感の爽やかな村上春樹短編集。
    ノルウェーの森の元となった『螢』は春樹の学生時代の原体験を感じられ、『めくらやなぎと眠る女』は郊外のノスタルジーと青春の記憶を紐づけて描写し、全体的に若く切ない空気感が漂う。悪くないね。

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    2026年02月15日
  • 1Q84―BOOK1〈4月-6月〉後編―(新潮文庫)

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    ネタバレ

    自分がいる世界が1984年とは少し違う1Q84年だと気づき、「あけぼの」事件と宗教団体「さきがけ」を調べ始める青豆。ふかえりの「空気さなぎ」を書き直してベストセラーとなった天吾の描いた世界には月が2つあり、青豆のいる1Q84年と一致するなど、ストーリーが進みながら、色々と繋がってきつつあることで、さらにページをめくる手が早まる作品だった。天吾が考える小説を書く意味や、青豆の考える遺伝子キャリアとしての人間の意味など、興味深い解釈も随所にあった。

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    2026年02月15日
  • 1Q84―BOOK1〈4月-6月〉前編―(新潮文庫)

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    ネタバレ

    発売時に読んだときぶりに久しぶりに読んだ。当時感じた以上に、青豆と天吾の日常の描き方や、そこから「普通じゃない」世界へと巻き込まれて移り変わっていく様子を楽しむことができ、思ったより夢中で読んでしまった。それぞれが抱える過去、そしてそこから影響を受けて続いている孤独感のようなものは、当時以上に、今の日本社会の様子にも合致するような気がした。

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    2026年02月15日
  • 1Q84―BOOK2〈7月-9月〉後編―(新潮文庫)

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    読み続けてよかった!
    今までの謎が繋がってきて1日で読み切ってしまった。
    『空気さなぎ』の全貌(なのかな?)が判明して、この後青豆ちゃんはどうなるんだろう?

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    2026年02月15日
  • 1Q84―BOOK1〈4月-6月〉後編―(新潮文庫)

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    謎が深まっていきますねぇ。
    青豆と天吾のパートだと青豆の方がいい感じに気味悪くていい感じに謎だね。
    今回青豆パートはほとんど女の性欲の話かと思いきやじわじわじわじわ進んでいきましたね。
    天吾パートではようやく『空気さなぎ』を完成させて、これがまためちゃくちゃ売れちゃうんです。
    その中で青豆と天吾の関係性がだんだんわかってきて、いつか出会うんだろうなぁと思わせる。
    ただまぁどこでどんな風にどういう展開で出会うんかは全く想像つかんな今じゃあ。
    セックス好きすぎねあと登場人物。やり系描写多くて人間ってこうなんだよって言われてるような気分になってくる。小松の言葉を借りるなら「逆説的なおかしみ」はあるね。「シリアスな笑い」ってか。
    青豆の過去がじわじわ明かされてきて、天吾の過去との共通点が明らかになってきている。
    うーん興味深い、もっと読みたくなる。。
    この世界はフィクション要素あるっぽいんだよなーそこが妙にリアル。
    登場人物がみんな落ち着きあるところもじわる。

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    2026年02月15日
  • ねじまき鳥クロニクル―第3部 鳥刺し男編―(新潮文庫)

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    飼い猫の失踪をきっかけに、主人公はさまざまなものを失い、また得ていく。
    やたら井戸に潜りたがるところが、『騎士団長殺し』の主人公と重なる。井戸が他世界と繋がっている所も。村上氏は井戸や穴に何かこだわりがあるのだろうか。ちなみに本作の私の推しは笠原メイ。唯一の癒しキャラです。全体的に暗めな作品だけれども、彼女だけはいつもマイペースに生きているように見えてなんだか可愛らしい。
    長編ということもあり全て読むのにかなり時間がかかった。結局ねじまき鳥は、人生を狂わせる象徴ということなのだろうか。
    (p406 ねじまき鳥の声を聞いた者は避けがたい破滅へ向かう)
    色々と読み返したら発見できる箇所が多いだろうと思う。

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    2026年02月15日
  • 1Q84―BOOK1〈4月-6月〉後編―(新潮文庫)

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    青豆と天吾がつながってきた。なぜ「2つの月」が青豆には見えるのか、リトル・ピープルがいったい何なのか、わからない点がいっぱいで、いろいろな伏線が張り巡らされているような気がするが、それが何かまるでわからない。実際の世の中で、宗教という名のもといったい何が行われているのか、究明されてほしいと願わずにはいられない。

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    2026年02月14日
  • 村上朝日堂の逆襲(新潮文庫)

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    取るに足らないこととして見逃してしまいそうな出来事が面白おかしく書かれていてずっと読んでいたくなる。
    自分のことで悩みすぎたときにこれを読んでクスッと笑いたい。

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    2026年02月14日
  • ねじまき鳥クロニクル―第2部 予言する鳥編―(新潮文庫)

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    第二部を読み終えて強く印象に残ったのは、
    出来事が起きることよりも、
    むしろ「次々と人が去っていく」ことだった。

    猫が消え、
    妻がいなくなり、
    加納クレタが離れ、
    笠原メイもまた距離を取る。

    主人公の周囲は何かで満たされていくのではなく、
    静かに空白によって形作られていく。

    それは劇的な別れではなく、
    説明のつかない形で
    関係そのものが剥がれていく感覚だった。

    世界との接続が、
    一つずつ抜かれていくような印象が残る。

    第一部で感じられた「空洞」は、
    第二部ではより明確に、
    外界とのつながりの喪失として現れていた。

    その流れの中で、
    井戸というモチーフが持つ意味が
    より深く立ち上がってきたように思う。

    井戸の底へ降りる行為は、
    一見すると異世界や夢の世界へ向かう入口のように見える。
    しかし実際に起きているのは、
    外の世界への移動ではなく、
    自分自身の深層へと降りていくことだった。

    横に進むのでも、
    上へ向かうのでもなく、
    ただ「下へ降りる」。

    それは、
    社会的な自分や他者との関係から切り離され、
    より根源的な自己へ近づいていく動きと重なっている。

    周囲の人々が去っていくことと、
    井戸へ降りていくイメージは、
    互いに無関係ではないように感じられた。

    外界との接点が失われていくほど、
    人は内側へと向かわざるを得ない。

    井戸は逃避の装置ではなく、
    必然的に訪れる下降の象徴として現れている。

    第二部は、
    何かを得る物語ではなく、
    むしろ喪失によって世界が静かに変質していく過程を描いていた。

    その中で井戸は、
    異世界への通路ではなく、
    自己の深層へと通じる入口として機能している。

    読み終えたときに残ったのは、
    出来事の印象ではなく、
    外界から切り離されながら
    内側へと降りていく感覚そのものだった。

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    2026年02月13日
  • 神の子どもたちはみな踊る(新潮文庫)

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    2.3回読み返した。少し前に読んだ時とは違う視点が増え、とても好きになった。個人的にはタイランドとアイロンのある風景が好きだな。

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    2026年02月12日
  • 1Q84―BOOK1〈4月-6月〉前編―(新潮文庫)

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    10年以上前に読もうと思って買っていた本に手を伸ばした。なぜか、当時は第1章の「青豆」から先に進むことができなかったが、今回気がつくと読み終えていたような感じすらある。ヤナーチエックの『シンフォニー』をかけながら読み始め、途中から普段聴かないクラシックをかけながら読んでみた。「青豆」と「天吾」が交互に出てくる物語の進行、未だ交差することのない2人が今後関わってくることがあるのか、最後まで読み終えた時に、BOOK1の意味がわかるのかなと思っている。

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    2026年02月11日
  • ねじまき鳥クロニクル―第2部 予言する鳥編―(新潮文庫)

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    最初のカフェから面白くてかなり期待したら、井戸がやや長すぎた。だが加納クレタ以降はまたかなり面白い。

    ふかえりを彷彿とさせる描写がちらほら。
    産まれたて。意識の中で。

    クロニクル感は、まだない。

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    2026年02月10日
  • 一人称単数

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    自分は情景描写やセリフの意図や意味を追ってしまう。けど、一人称単数の最後のようにどんなに完璧な正解を出されても納得できないような展開があるのが面白いようで、しばらく読まなくてもいいかなと思ってしまう理由になる。

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    2026年02月10日
  • 国境の南、太陽の西

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    大学生の頃に読んで、とても好きだった記憶があり、読み直し。がっつりと中年(とはいえ、私よりだいぶ年下)の恋愛の話でした。数年に一度くらいは村上春樹ワールドに触れるのも心地よい。

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    2026年02月09日
  • ねじまき鳥クロニクル―第3部 鳥刺し男編―(新潮文庫)

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    村上春樹の小説は4作品目だが、一番抽象的でかつ面白く感じた。最後の一冊は駆け抜けるように話が進んでいき、村上春樹らしい表現でストーリーが進んでいきおもしろかったです

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    2026年02月04日
  • 1Q84―BOOK1〈4月-6月〉前編―(新潮文庫)

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    実は村上春樹の作品を始めて読んだ(アンソロジーは除き)。

    文庫で6冊なので読むのに時間がかかるかと思ったけど読みやすい文体で、青豆編と天吾編が少しずつ繋がっていくのが読んでてワクワクした。

    続きをまとめて買わなかったことを後悔。活字を読むことが苦じゃない人には読んでほしい。

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    2026年02月09日
  • 街とその不確かな壁(下)(新潮文庫)

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    いろいろとその後の想像が膨らむ物語。
    小さい頃から感じてた自分を上から見て操る自分がいるような感覚を思い出した。

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    2026年02月01日
  • やがて哀しき外国語

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    人生で初めてエッセイというものを読んだがかなり面白かった。本書は、村上春樹流の語り口調で、彼自身の海外での暮らしを書いた作品。文豪のイメージがあったので堅苦しい人なのかと思っていたが、意外とその辺にいるおじさんの様な感性があり、共感が持てた。

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    2026年02月01日
  • 回転木馬のデッド・ヒート

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    まあ村上春樹自身がそう書くように、人物メモなのでここに物語はない。けど何故か引き込まれる。印象に残っているのはp.57「プールサイド」、人生の折り返し点を決めた男性の話。こっち側かあっち側なのか。

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    2026年01月30日
  • ティファニーで朝食を(新潮文庫)

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    有名だけどあらすじ含めて何も知らない古典は読んでおきたい、と思って手に取った。翻訳が村上春樹というのも読んでみたくなった理由のひとつ。映画も一切観たことはないのだけれど、オードリー・ヘップバーンの写真だけは流石に観たことがあるので、そのイメージが離れずに困った。(原作者のイメージとも翻訳者のイメージとも全然ちがう、との評価を、先にあとがきで読んでいたので。)

    主人公ホリー・ゴライトリーの奔放さにはあっけに取られた。あれだけ好き勝手やっても、助けてくれる男たちに事欠かないのがすごい。

    一番かっこいいシーンは、ホリーが捕まった後、自分を結果的に連絡係として使っていた麻薬王兼囚人のサリー・トマトを、いいやつと弁護するところ。

    一番悲しいシーンは、出国前に逃した猫を思い直してもう一度探し出そうとするところ。

    ホリーがその後どうなったのか、は直接は書かれておらず、冒頭の木彫の件で間接的に示唆されるのみ。最後まで謎のまま終わる方が美しい、ということだろう。

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    2026年01月29日