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「女」と名のつくものはたとえ動物であろうと入れない、ギリシャ正教の聖地アトス。険しい山道にも、厳しい天候にも、粗食にも負けず、アトスの山中を修道院から修道院へひたすら歩くギリシャ編。一転、若葉マークの四駆を駆って、ボスフォラス海峡を抜け、兵隊と羊と埃がいっぱいのトルコ一周の旅へ――。雨に降られ太陽に焙られ埃にまみれつつ、タフでハードな冒険の旅は続く!
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Posted by ブクログ
本当に村上春樹さんの紀行文は最高。 好奇心も心も満たされる ちょうど読んでいたとろに、ロシアのウクライナ侵攻のことで、息子に「日本はどこの国とも地続きで国境を接していないから感覚としてわからないけれど、地続きで隣り合う国があるってどんな気持ちなんだろう」というようなことを話しかけられました。 村上...続きを読む春樹さんの旅当時はソ連(現在はジョージアとアゼルバイジャン)、イラン、イラク、シリア、ギリシャ、ブルガリアと接しているトルコの地図を2人で眺めながら「日本で生きていると他国と接している緊張感てないよね」と話し、村上さんの波瀾万丈の旅の訳がよくわかったし、接している国との関係もあるだろうから「その地域ごとの差の大きさに驚かされることになる。」「その地域地域によって、風景も気候も人々の生活も、あるいは人種さえもがらりと違ってくるのだ。」というのも納得。 日本で生活している時には考えもしないようなことが、普通の生活の中にあるのだろうな。
初めて村上春樹さんを読みました
文章がおもしろくて、あきずに読めました。
アトス山の修道院ミシュランの表現がとても面白かった。時代背景は違うが自分の知らない場所がたくさん出てきて興味深かった。
ギリシャのアトス半島のギリシャ正教の修道院を巡るギリシャ編と、パジェロでトルコを時計回りに廻るトルコ編からなる紀行文。 村上春樹の表現力は流石としか言いようがなく、あたかも自分も辺境を旅したかのように引き付けられてとても面白かった。 自分が絶対行かないと思われる辺境への旅を疑似体験させてくれた本書に...続きを読む感謝したい。
友人がトルコに旅行に行きたいというので読んでみた。 20年以上前のトルコの情報だけれどとても生き生きしていて、今はどうなっているんだろうなんて気持ちで旅行に行くのもいいかもしれないと思った。 村上春樹のエッセイは本当に楽しく読めるし、旅を楽しくする。 今度旅に出たら、自分も粋な文章を書いてみようかな...続きを読むなんて気持ちにさせる。やれやれ。
…物事がとんとんと上手く運ばないのが旅である。上手く運ばないからこそ、我々はいろんな面白いもの・不思議なもの・啞然とするようなものに巡りあえるのである。そして、だからこそ我々は旅をするのである。…紀元前後のヨーロッパの文明の要を担っていた彼の地、それも観光地から外れて男二人道なき道を旅します。この紀...続きを読む行文が書かれたのがもう四半世紀以上前、その頃でも結構ドキドキの危ない目に遭う話がトルコの辺境であります。今の世界情勢では、もはや行くこと自体が気狂い沙汰、よっぽどの理由がないと踏めない土地柄でしょう。あゝ、それでも行ってみたいなよその国、ギリシャのアトス半島とトルコ周辺の地図付きなので、この本を私の旅のお供に携え、つらつら眺めて行った気分を味わいます。
ギリシャ・アトスには行きたくなり、トルコには行きたくない(読むだけで十分)という読後。 残念、アトスは女人禁制の島なんだった… 状況としては深刻で冗談も通じないようなシリアスな場面でも村上春樹の描く文章は何か状況を滑稽に伝える。 2023.3.2
村上春樹の紀行文、いくつか読みましたが こちらがいちばんハード(かつタフ)な印象を受けました。 日本に住んでいて想像できうる「ハードな旅行」を遥かに超越した別世界を見せてくれます。 ギリシャ編はまだ楽しむ余裕があるのですが、トルコ編は「おお…」とちょっと引かざるを得ないような描写があります。(19...続きを読む88年の事なのでだいぶ違いはあることを差し引いても…) 自然の美しい描写と、なんと言っても現地の人々の描写が生き生きしていて読み応えがあります。写真も、現地の空気が伝わってくるようなものばかりで見応えがありました。
「村上春樹」の紀行『雨天炎天 ―ギリシャ・トルコ辺境紀行―』を読みました。 「坂本達」の自転車紀行エッセイ『やった。―4年3ヶ月の有給休暇で「自転車世界一周」をした男』に続き、旅の本で現実逃避です。 -----story------------- 「女」と名のつくものはたとえ動物であろうと入れな...続きを読むい、ギリシャ正教の聖地アトス。 険しい山道にも、厳しい天候にも、粗食にも負けず、アトスの山中を修道院から修道院へひたすら歩くギリシャ編。 一転、若葉マークの四駆を駆って、ボスフォラス海峡を抜け、兵隊と羊と埃がいっぱいのトルコ一周の旅へ―。 雨に降られ太陽に焙られ埃にまみれつつ、タフでハードな冒険の旅は続く。 ----------------------- 「村上春樹」の紀行は、5年くらい前に読んだ『辺境・近境』以来なので久しぶりですね。 本書はギリシャのアトスへの旅と、トルコへの旅が収録されており、以下の構成となっています。 ■ギリシャ編 アトス―神様のリアル・ワールド ・さよならリアル・ワールド ・アトスとはどのような世界であるのか ・ダフニからカリエへ ・カリエからスタヴロニキタ ・イヴィロン修道院 ・フィロセウ修道院 ・カラカル修道院 ・ラヴラ修道院 ・プロドロムのスキテまで ・カフソカリヴィア ・アギア・アンナ―さらばアトス ■トルコ編 チャイと兵隊と羊―21日間トルコ一周 ・兵隊 ・パンとチャイ ・トルコ ・黒海 ・ホパ ・ヴァン猫 ・ハッカリに向かう ・ハッカリ 2 ・マルボロ ・国道24号線の悪夢 ・国道24号線に沿って ギリシャ正教の聖地アトスを巡る旅と、トルコを一周する旅、、、 旅行先として選ぶには躊躇するけど、一度は足を踏み入れてみたい場所… でも、楽な旅じゃないですよねぇ。 俗世界と隔絶されたアトスの不思議な世界観、死の危険と隣り合わせのトルコの辺境… 行ってみたけど、行くとしたら、なかなかディープな旅になりそうですね。 実際には行けそうにない土地だけに、現実逃避にぴったりの作品でした。
コロナ禍で旅行に行けない今読むのにぴったり。 ギリシャのアトス半島と、トルコの黒海地方+東南部を周遊した旅のもようを綴っている。旅行記なのでかなりスラスラと読めた。 ギリシャ編ではいくつもの修道院を訪れ、出会った人や食べものを宗教的な要素にも簡単に触れつつ紹介しているが、なかなか一般的な観光客は足を...続きを読む踏み入れないような場所であるから興味深い。 トルコ編では、トルコのキラキラした部分だけではなく、旅で起こったことをもとにその地の雰囲気、トルコ人の気質や現地人はあまり話したくないような暗い部分に触れたりしていることに好感を持てた。クルド人の話であったり、東南部の街の雰囲気など、少し重い話題であっても重すぎず、かといって軽く流しているようでもないため読みやすかった。 「物事がとんとんとんと上手く運ばないのが旅である。上手く運ばないからこそ、我々はいろんな面白いもの・不思議なもの・唖然のするようなものに巡りあえるのである。そして、だからこそ我々は旅をするのである。」 序盤で響いた言葉。頭では理解できても、心の内からこう思えるようでありたいと思う。
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雨天炎天―ギリシャ・トルコ辺境紀行―
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村上春樹
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