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四半世紀分のキシモトワールド
リディア・デイヴィス、ルシア・ベルリンなど数々の名翻訳で知られる著者は、エッセイストとしても絶大な人気を誇る。本書はデビューエッセイ集『気になる部分』(白水社刊、2000年)以降に様々なメディアに寄稿した、単行本未収録の文章を集大成したものだ。
全三章で構成。第一章は、「前世が見える」という人に教わった著者の前世の物語「わからない」、一度も訪れたことのない場所を精緻な妄想で描写する「ここ行ったことない」等、ヴァラエティ豊かなエッセイを集める。
第二章は、書評の意味を崩壊させてしまった伝説の朝日新聞連載「ベストセラー快読」、子供のころ猿のように繰り返し読んでいた本を今読んだらどうなるのか実験した「もう一度読んでみた」等、本にまつわる文章でまとめた。
さらに第三章として、キシモトワールドのエッセンスを凝縮したようなウェブ日記「実録・気になる部分」等、2000年代の「日記」を収録。いずれの章も、抱腹絶倒、奇想天外、虚実の境をまたぎ越す著者の真骨頂が堪能できる。
危険防止のため、電車の中では読むことをお控えください。
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Posted by ブクログ
『死ぬまでに行きたい海』で岸本さんのファンになったので読んだ。内容(登場するエピソード)は被っているものも少なくないが、友人と話している時の「それ以前にも聞いたことあるけどやっぱおもろい」話感があって嬉しかったです。
前述のエッセイよりもボリュームがあり、短編集ということで章が短く、読みやすかった。
日常のことをこんなに面白く、読者の共感や笑いや時に恐怖心(?)を誘う文章力が非常に羨ましかった。
最後の方に日記が掲載されているが、自分が知っている「日記」とは様子が異なり、こういったのもOKなんだな?! いや日記だからこそこんなに率直でいいんだ……!! という発見と驚きがありました。
手元に置いておきたい本です。
Posted by ブクログ
翻訳家、岸本佐知子のエッセイ、本の書評、実録日記。
この方を存じ上げないまま、タイトルと表紙の絵が気になり、パラパラと流し読みして面白そうだと思い読みました。
どこでとははっきり分からないけれど、読んでいるうちにだんだんと、この人って魚座っぽいな〜と思っていたら魚座だというフレーズがあり、やはりと思いました。
取り上げる題材、書き方、時折り挟まれる夢の話や荒唐無稽な話、それに対する著者の感じ方とその描き方などから、畏れ多いながらシンパシーを感じました(私と同じ!というわけでは決してなく、捉え方に親近感がわくところに)。
実際はきっともっときちんとされている方なのでしょうが、いい加減さが良いさじ加減で出てくるあたり、魚座みを感じます。
そう感じたこともあり、とても読みやすく楽しいエッセイでした。書評されていた本はどれも(と言うと誤解を招きそうですが)興味をそそられて、ぜひ読んでみようと思いました。
本屋で見かけた女学生の話が好きです。
ストーカー風な振る舞い(笑、そこから怒濤のオススメ海外文学レファレンス (ただし心の中で)が面白くて、「○○の話してたよね、そんな貴女には△△!」という流れを全て読んだ後に、めっちゃ話聞いて様子を見ていたんやなぁ…これはギリアウトでは…?と微笑してしまいました。でもお勧めされた本どれも面白そうでした。
Posted by ブクログ
2000年ごろからの、あちこちに書いたものをまとめた、というエッセイ。今年は『死ぬまでに行きたい海』に続いて2冊目になるが、それまでの5年間はエッセイの出版はなかった・・・。なしたの?(調べたら、キシモトさんはこのペースでしかエッセイを出していなかった。「それでいい」とまで書いていた、自分・・・)
それにほら、まとめて出すから、370ページにもなっちゃって。半分ずつ、2冊でもよかったのに。でも、ボリュームの割に2300円(本体)でお値打ちかな?
中身を読みはじめたら、たいへんお買い得でした。
1ページと少しくらいの文章が多いので、他の本を読みながら、ちょっとお菓子をつまむように、ひとつ、ふたつと読んでいる。このボリュームなら長いこと楽しめる。
「読み終わった」設定にしないとメインの本棚に並ばないので、そうしたけれど、じつはまだまだお楽しみの最中なのだ。
Posted by ブクログ
「技能の未熟な者がうかつに手を出せば、よくて空振り、悪くすればデッドボールとなり、手指の骨折や皿の破損、寿司ネタおよび酢飯の店内への飛散といった事態を招く結果となる。」
p.110 ここ行ったことない①回転寿司 から引用
行ったことのない回転寿司を勝手に想像してここまで書けるのがすごい。寿司のデッドボールって何なんだよ。おかげでカフェで1人で吹き出す羽目になった。好きだ、岸本佐知子。
過去刊行されているエッセイ集はたぶんほぼ全部読んでいる。今回は20年以上前に寄稿されたもの、日記、書評などなどバラエティに富み様々な角度から岸本さんの文章が読めてお得。
日記を読むと本当にたくさん映画や舞台、書籍、食事に日々触れていることがわかり、それがこの岸本ワールドを作っているのか…と思うなどした。
「意味がわからなくて怖い」と「面白い」って同時に成立するんだ。まあ、大抵は怖いです。
怖いのに、ときどき急にふわっと投げられる岸本さんの温かい文章がこれまた大好きで。
「ドラえもんは、べつに何もしてくれなくていい。四次元ポケットから便利なものをだして、私たちを助けてくれるんでなくていい。ただ未来から来てくれるだけでいい。そうすれば、私たちに未来があるとわかるから。」
p.44 オバQ、あるいはドラえもん より引用
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小説・文芸
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