村上春樹のレビュー一覧
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村上春樹ブームで数冊おきに読んでいる。
彼の作品に登場する主人公(男性)は2人以上の女性で心が揺れ動き、平穏な日常を壊すほどの大胆な選択をすることがある。
それは彼の周りの女性が魅力的すぎることが問題であると最近気づいた。
主人公を取り巻く女性たちはみんな儚い美しさを持っており、どんな環境であっても軸が揺らぐことはなく、どこかミステリアスで強い印象を持つ。
もはや主人公のキャパシティを超えるほど、大切にしたい魅力的な人物として存在するのだから、不倫云々が致し方のないことなのかと錯覚してしまうほどだ。
今回の作品に登場する小児麻痺で左脚が不自由な島本さん。クラスでも一目置かれるほどの素敵な女の -
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ネタバレ・首都高でヘックラー&コッホによる自殺を図ろうとした青豆を呼び止めたのは、青豆に聴こえた遠くから自身の名前を呼ぶあの声は空気さなぎの中の10歳の青豆に名前を呼ぶ天吾の声だったのかと気づいたとき、本当に素敵だと思った。これ以上ない伏線回収でかつこれ以上美しい愛がそこにはあると思った。登場人物である2人が気づいていないだけで、そこには既に愛はあるのだと思う。
・天吾が猫の町に行く前、天吾も青豆も高円寺の街でお互いを想い続けるシーンは、個人的にミスチルの「君が好き」を挿入歌にしたいと思った。この小説の主題歌がヤナーチェックのシンフォニエッタだとしたら挿入歌は君が好きで間違いないと思う。
・青豆っ -
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二つの並行世界の琴線を辿るように読んだ
状況がどんどんきな臭くなってくる流れと青豆というキャラクターにどんどんとのめり込んでいく本作
ハゲの形が好き,セックスは肌を重ねて描く本質的な、肉体的ではない精神的な欲求であるとする流れがとても良い
どうやら映画のような雰囲気で足取りも進んでいくがとても読みやすく,それでいて話の本筋を掴みにくい
現代においてはスパイファミリーのガーデンように思えるかもしれないが,それはフェミニストの楽園でもなく,ただの個人宗教である
2人の話がいつ交わるのか,本作はどこに歩いているのかいまだに手も足も掴めないままだ -
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あくまでここまで読んだ自分なりの解釈です。
この物語は、"僕(=トオル)が恩寵の光を得るための修行記録"の物語なのでは無いか。
つまりは、間宮中尉がノモンハンの井戸で獲得出来なかったものの総称としての恩寵です。
僕らは力を手にすると途端に居丈高になったり強権的になったりしてしまう。ではそうならない方法は何か?それはつまり"やれやれ"でやり過ごす事だ。卵の側に立つ事だ。でも、敢えてデタッチメントからコミットメント(バットを持って戦う)に向かわなければいけない時があるのだ。
その時に我々に恩寵の光が差し出されるのだ。
加納クレタをシャーマンのように扱 -
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無印の古本でたまたま目について購入。
村上春樹の本は初めて読んだ。
村上春樹の特徴など知らずに読んだので新鮮だった。
冒頭の暗さに引きつつも読み進めた。
多崎つくるという男の人生が少しずつ前に進んでいく巡礼の物語。
色彩がキャラクターの立ち位置を表現している点や自分から見た自分と他者から見た自分の印象の差を物語を通じて理解していくのが面白かった。
私自身がつくるのように問題を抱えていたタイミングでこの本に出会い、読んでいるうちに少し心が救われたような気がした。
村上春樹の細かい面白さまで分析できなかったかも知れないけど、つくるの人生が少しずつ変化していく様は読んでいて共に心が晴れていっ -
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ネタバレ・予想。リーダーはリトル・ピープルに促され豹変した深田保で、最初に犯された10歳の少女はふかえり?
・あゆみは「いかにも開けっぴろげな見かけの部分は演技的なもので、根本は柔らかく傷付きやすい感受性を持っている」タイプらしいが、青豆の「私はもっとあの子を受け入れてあげるべきだった。あの子の気持ちを受け止め、しっかりと抱きしめてやるべきだった。それこそがあの子の求めているものだった。」「無条件に受け入れられ、抱きしめてもらうこと。とにかく安心させてもらうこと。」という後悔は本当に的を射ていて、私もあゆみと似たような性格だからこそ本当にそれが必要なのだと共感できた。
私もそれが喉から手が出るほど -
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村上春樹の「小説」としては、初めて読む本。
いやーまさかのタイミングで読むことになった本だった。色々とドンピシャすぎ。
文学ってのは、然るべきタイミングで出会うようにてきてるんだなぁ…
個人的なそうしたバックグラウンドは置いといて、本の内容としては、恋愛小説。
小学生のころに、一人っ子(当時は珍しかった)という共通点で強烈に惹かれ合った女子との思い出がある主人公。紆余曲折ありながらも、別の女性と結婚し、バーを営みながら幸せに生きている時に、その女の子がお店にやってくる…
というあらすじ。
シンプルなあらすじなのだけども、村上春樹のシャレたセンスの文章でグイグイ読ませる。
主人公も、女の子 -
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村上春樹、再読。
レビューを読むとわたしと同じように「再読」と書かれている方がちょいちょいいて、ニヤニヤ。
読み返して確認してみたくなる作家さんなのかな。
二作目もたいしたことは起こらず。
けれど主人公たちの語られてはいない内面は深く暗い。
語られてはいないんだけど、過去に何かがかならずあっただろうと思わせる描き方で、
想像できないのにずしんと来る。
村上春樹の小説で好きなところはそういった部分と
あとは比喩が豊富なところ。
とてもユニークで、その場面やその時のにおいまでもが感じられるようなたとえが良い。
全体的に暗いストーリーの中、そこだけちょっと空気がほんわかして、明るい気分になれる