村上春樹のレビュー一覧

  • 1Q84―BOOK2〈7月-9月〉後編―(新潮文庫)

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    ネタバレ

     頭の中で思ったことは、外へ漏れ出る。書き直された完成度の高いフィクションも、現実の世界にあふれ出る。
     一見、荒唐無稽な企てとも呼べるが、文学に助けられた人ならこの展開をあるリアリティーをもって呑み込むことができるだろう。
     痴呆の進んだ育ての親に、天吾が自分にとって大事なことを語り続けるシーンは生きていくことそのものだと感じた。人は応答のない世界で自らの大切なものを自分で握っておかなければならない。
     残りの2冊、ラストの淡い希望が楽しみ。

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    2026年01月22日
  • ティファニーで朝食を(新潮文庫)

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    4つの話の評価を全部足して割ったら3.6/5くらい。
    思ってたティファニーで朝食をよりも全然話違くてびっくりだけど僕とホリーのあの距離感が話としては美しい。そして片想いしていて嫉妬心を抱いてる僕が愛おしい。

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    2026年01月21日
  • 世界の終りとハードボイルド・ワンダーランド(下)(新潮文庫)

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    心にじんわりと質量のある、とりわけ重い何かがずっしりと座り込み残された。そんな感覚を読んだ後に抱いた。 ボブディランやデュークエリントンなどを聴き、ハードボイルドワンダーランドに潜り込んでみた。 自分の中の知らなかった自分に出会い、内なる何かに向かうことで変わりゆく自分を静かに受け入れる。ある人が精神的に成熟していく過程というか、人間が自律していく様を感じた。 やっぱり村上春樹の小説を読むと僕の中の僕が自分を深めてくれるような気がしてものすごく満たされるというか、1人じゃないんだという気持ちにしてくれる。

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    2026年01月20日
  • 海辺のカフカ(上)(新潮文庫)

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    カフカの章の現在形の文章にちょっと違和感がある
    どちらかと言うとナカタさんの章の方が好き。報告書とか手紙もサスペンスみがあって面白い
    でも大島さんがしっかり出てきたくらいからはカフカの章も面白く読めた

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    2026年01月19日
  • 女のいない男たち

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    題名のとおり、女のいない男たちに関する短編小説。読み終わり、なぜか昔の彼女を思い出した。ドライブ・マイ・カーが切なくもスッキリする不思議な感情になった。

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    2026年01月18日
  • 神の子どもたちはみな踊る(新潮文庫)

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    その間の恋愛感情の有無とかは少しずつ異なっているが、「蜂蜜パイ」の淳平は少しだけボクだと思った。この地面のすぐ裏はきっとぽっかり空洞になっていて、そこには〈みみずくん〉に等しい闇が棲み付いていると僕は思う。ソレを怒らせてはいけない。これは迎合ではない。あくまで共生であるべきだ。私たちは慎ましく生きねばならない。さもないと僕たちは食べられてしまう。ぱくっと、丸呑みだ。戦争と地震は近しいのだろうか?

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    2026年01月18日
  • 騎士団長殺し―第2部 遷ろうメタファー編(下)―(新潮文庫)

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    絵画が持っている力とは
    とてつもなく、大きいのかも
    しれない。
    それは、人の長い人生や
    感情をも巻き込んで
    不思議な現象を起こさせるのかもしれない。
    さらに、時間や空間を
    変える力もあるのかもしれない。

    そう思わせる作品だった。

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    2026年01月25日
  • 神の子どもたちはみな踊る(新潮文庫)

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    現実では起こりえない話だが、起こっているように感じる不思議な話。何かしらのメタファーだと思いながら読むのが楽しい。しかし、決してその答えがわからない。それもまた楽しい。いつもの村上春樹作品のように、豊かな表現力に引き込まれた。

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    2026年01月18日
  • 1973年のピンボール

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    他の人の感想にあった、鼠のところに現れた双子は、鼠の分身なのではないかという見解。
    双子の女の子が、自分の両脇にいるというファンタジーにほぼ近いような状況
    解離性障害とも読み取れるような彼
    最後は双子とさようならをするのは、自分の中の幻想と一度さよならをして自分を取り戻しに違う街に出るのか。 
    ピンボールの描写も直子も、ジェイも不思議だった
    鼠は僕とイコールなのか

    高校生の自分が読んだらつまらないと思うかもしれない作品、22の自分は楽しめた。

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    2026年01月17日
  • アフターダーク

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    視点からの話が印象的だった。エリの部屋に満ちている空気、場の乱れ、静けさなどが肌で感じられるくらいリアリティをもっていた。
    タカハシとマリの会話に癒されつつ、白川との温度差を感じた。
    アフターダークは人の無意識の世界を書いているという河合隼雄さんの紹介を読み、「白川」もひとりの人間の中に存在しており、誰しも部分的には逃げられないものを抱えているのだろうかと思った。
    人の心のやるせなさを現実味をもって書きつつも、マリとエリの心の交流が、書かれていないストーリーの裏でしっかりと感じられ、最後のシーンはあたたかい気持ちになった。
    村上春樹さんの長編にしては珍しく落ち着いた気持ちで読めた。笑

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    2026年01月17日
  • 国境の南、太陽の西

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    ネタバレ

    なかなかに酷いことをする主人公だった。終盤、それが彼自身の欠落というパーソナリティであることが自身の口から述べられるのだけれども、周囲の人物からしたら本当にたまったもんじゃない。彼のいう吸引力をお互いに感じているであろう有紀子は彼の過ちとその欠落を踏まえても許すことができたけれどもイズミはそうではなかった。彼女は主人公のことを好きだったかもしれないけれど吸引力は感じていなかったのかもしれない。そしてその後は、傷をいやすような出来事や人物に出会えず、死を内包して生きているのだろう。島本さんですら、ボーリング場の廃墟では死を瞳にのぞかせていた。
    死について述べる場面は村上春樹の筆力?を強く感じた。

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    2026年01月16日
  • 螢・納屋を焼く・その他の短編(新潮文庫)

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    納屋を焼くがとても面白かった。
    納屋を焼くという本当の意味についてわかった瞬間鳥肌が立った。なんとなく読み始めた話で最初はよく分からない話だったが分かった時とても面白かった。
    短い短編集で読みやすい。

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    2026年01月16日
  • 1Q84―BOOK2〈7月-9月〉前編―(新潮文庫)

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     主人公が相互に入れ替わることで、二人の相対性が浮かび上がる。青豆と天吾は、互いに偶然による全容解明を求めている。
     青豆は男性を殺すことで自己を取り巻く世界の不思議と向き合い、天吾は人の小説を世間に黙って書き直すという作業から、自らの世界に向き合う。
     どちらも近代的自我の禁忌を犯すところにこの小説の面白さがある。この作家はやはり、近代を物語で乗り越えようとする。
     どうでもいいことですが、BOOK1の文庫前編は18,000に以上登録あるのに、最後まで読む人は1万人くらいなんすね。ちょっと切ない。

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    2026年01月14日
  • 1973年のピンボール

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    何年か振りの再読。

    かつての私は突然出てきた双子の存在に戸惑いながらも、現実と空想の入り混じったその世界観に憧れていた。日常の隙間に顔を出すファンタジー。そんな捉え方をしていた。
    そして、こんな世界に住んでみたいな、とさえ思っていた。

    今回、双子が僕の元から去っていく場面を読んで、双子は「僕」の幻覚なのではないかと唐突に思った。

    【幻覚】げん-かく
    実際に感覚的刺激や対象がないのに、あるように知覚すること。幻視・幻聴など。


    これは、ファンタジーや空想の世界などではなく、僕が実際に体験している幻覚だとしたら。
    物語りの捉え方は一変する。

     そういった違和感を僕はしばしば感じる。断片が

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    2026年01月15日
  • 職業としての小説家(新潮文庫)

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    文学賞について書いている章で、芥川賞を取ることがすごいことと思い込んでいる人が多いから、村上さん賞を取れなくて残念でしたねとか来年はきっと取れますよ!とか言われるけど、村上春樹がそもそもその前提を同じくしてないので面倒くさかった、というボヤきにクスッとした

    今、毎年ノーベル賞候補とか言われてるから、またボヤいてるかもww

    In the chapter about literary awards, he writes about many people assume winning the Akutagawa Prize is an incredible achievement, so he

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    2026年01月12日
  • 海辺のカフカ(下)(新潮文庫)

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    二つの視点から描かれていた物語が、やがて一つに重なっていくところが面白い

    田村カフカくんとナカタさんどちらも移動が多くアクション的な観点からも楽しむことができた。ファンタジーな要素が混ざり合い、夢現な感覚を味わうことができた。
    いろいろな可能性の有無について、田村カフカくんの父の言葉がどのようにして現実に起こっていくのか楽しみにしながら読み進めた。
    四国に行きたくなった

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    2026年01月11日
  • 1Q84―BOOK1〈4月-6月〉前編―(新潮文庫)

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    人生で初めて読んだ村上春樹作品。
    全く知らない状態で読んだら、予想外の読みやすさに驚いて気づいたら読み終わってた。

    概念的な話とか抽象的な話とか、難しいけど分かった気になるのがおもしろかったなー

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    2026年01月11日
  • アフターダーク

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    春樹史上最も謎を残したまま完結した。気がする。
    たった一晩の話。深夜のようにゆっくりと流れる一冊だった。
    出会ってから距離がグッと縮まる高橋と浅井マリ、暴力から逃げる人々、資本主義に組み込まれていく社会。
    後半の深夜の都会の描写が素敵。

    p250.人間は記憶を燃料にしながら生きていくんやないかな

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    2026年01月11日
  • 海辺のカフカ(上)(新潮文庫)

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    不思議な感覚に陥る。全て繋がっているんだなあ。哲学的でありファンタジーでありながら実際的だと思う。村上春樹の描く自然風景の描写がとても好き。

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    2026年01月10日
  • 職業としての小説家(新潮文庫)

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    ネタバレ

    村上春樹の小説は学生時代には何冊か呼んだことがあり、どの小説も当時はよくわからなかった。

    反面、このエッセイはとてもわかりやすく、共感できるポイントが多くあった。

    他人の批評や徹底的な推敲を大切にしているところが意外であった。もっと自己中心的なスタイルで書いているという先入観があったからだ。

    どんな文章にも必ず改善の余地はあるという謙虚な姿勢と、フィジカルな営みとして小説を書くという忍耐強さは好感が持てた。

    学生時代が終わり10年以上が経った今なら、村上春樹の小説も面白いと思えるかもしれない。『田崎つくる』が興味を引いたので、手に取ってみようかと思う。

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    2026年01月09日