村上春樹のレビュー一覧
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Posted by ブクログ
ネタバレ人と別れても、きっとその人は同じように社会を構成する歯車として、匿名的な何かとして、少なくとも社会の一員として機能し続ける。
「ぼく」はそうじゃないみたいだった。最後まで名前はわからなかった彼には、ずっと精神の核にすみれがいたし、冒頭のすみれの恋のようなドラマチックな展開で彼はすみれを失った状態から回復する(失った状態から回復する、という意味の言葉はあるかな?奪回とかだろうか?でも違うな、すみれはすみれ自身で彼にたどり着いたんだ)。
孤独は苦手だ。この本を読みおえて、顔を上げて、世界を見渡して、デジタルデバイスで人との繋がりを確認したとしても、彼とすみれに匹敵するような関係の人はいないし、そん -
Posted by ブクログ
ネタバレ悪が、純度100%の悪としては描かれず、
主人公に宿る悪(=スバルフォレスターの男)
免色に宿る悪(=スズメバチ、クローゼットの前に立っていた男)として、「普通の(免色に至っては普通以上の)善良な人間」にも宿る普遍的な悪(闇とも言い換えられる)を描いていたのが村上作品の中で新しいと思った。
ねじまき鳥クロニクルでは、
皮剥ぎボリスや綿谷ノボルなど、読者にとことん嫌悪感を抱かせる純度100%の悪が描かれていたが、
この作品の免色渉は、とにかく自制的でスマート。
私はすごく好感を持てるキャラクターだったな。
そんな人間でも、悪を抱えている(キリスト教でいう原罪)ということなのだろうな…
悪は -
Posted by ブクログ
村上春樹の一冊目としておすすめ。多くの人が言っているように。少なくとも『ノルウェイの森』から読み始めようとする人はこちらにすべき。
16年前に起きた出来事の理由、謎を解き明かすために名古屋へ、フィンランドへと旧友に会いに行くロードムービー的なストーリーで、どんどん読み進められる。
村上春樹作品に多い「並行世界」との複線的な進み方ではなく、単線なので読みやすい。ただし、そのことで村上春樹作品の中では傍流っぽい印象になるのだけど(同じ理由で『ノルウェイ』を代表作と呼ぶのには抵抗がある)。
謎は、明示的には解決されない。探偵役の主人公が答えを言語化しない。
それについては多くの人が考察していて、そ