村上春樹のレビュー一覧
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Posted by ブクログ
ポッドキャスト「ペーパードライブ」を聴いて読んでみた。表題作と眠りについては別の短編集「象の消滅」で読んだことがあった。他の短編については正直なところあまり印象に残らなかった。
TVピープルは、何に対しても情熱を持つことが無い空疎な主人公に、さらに空っぽそうなよくわからないもの(オレンジの皮むき器のような飛行機?)が流し込まれる話と感じた。いろいろなものに白けた態度をとり続けた空の箱のような人には、少しのきっかけで何でも流し込める恐ろしさ。
この当時、ソニーのTVはきっと最新の製品と思うけど、2025年に読み返すとノスタルジックなものに見える。また、その時代設定のせいか、TVピープルが登場 -
Posted by ブクログ
ネタバレ学生時代に読んだ以来、7〜8年振りに再読。あまり書籍は読み返さない性分だが、『村上春樹、河合隼雄に会いにいく』の中で本書について触れられていたので手に取った。序盤は何とも頼りない?(奇妙な登場人物からの働きかけに受動的な印象)主人公が、妻の失踪を契機にその奇妙さの理解に努めたり、自ら問うたりと少しずつ姿勢が変わっていった印象。日常的な風景が浮かぶ描写が多く、また主人公の年齢も30歳と自分と近いこともあり、一読した際よりもすんなりと話が入ってくる(登場人物はかなり不思議だが)。改めて、読むタイミングにより解釈や気になるポイントも変化するのだなと思う。
特に印象に残った箇所は以下
・ひとりの人間 -
Posted by ブクログ
ネタバレ夫々小説家/心理学者の著者による対談集。明確に語られていたわけではないが、ぼんやりと感じたのは「物語が論理的(分解的?)/静的なアプローチを補完する場合もある」ということ。分析とは分けることである、と言われるように、所謂科学的アプローチが日常の仕事にまで染み込んでいる現代について、少なくとも自分は癖として物事を切り分ける/個別事象を理解する/最後に各事象を結びつけるという思考を踏んでいる。これはこれで間違いではなく、むしろ特定の人々からは推奨されるものであるとも思うが、どうしても細部を捨象したり、全てが意図性を持ってしまうきらいがあるとも感じる。一方物語は、明確なメッセージを持たない場合(意図
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Posted by ブクログ
ハルキング、恐るに足らず。(ポケモンみたいにゆーな!)
苦手意識のあった世界のムラカミ。
二十年ぶりくらいに読んでみたら、普通に面白く、ホッとした。
はじめての出会いは高校生の時、ひとつ年上の女の子の文通相手が『ノルウェイの森』をおすすめしてくれて読んだ。エロかった。
刺激の強いシーンのおかげで、エロかった、しか記憶にない。
二番目の出会いは『ねじまき鳥クロニクル』。
妻がいなくなった、くらいしか覚えてないが夢中で読んだ。
その『ねじまき鳥クロニクル』が、Eテレの100分de名著で特集されていたので、いっちょ村上春樹でも読んでみるか、と、今回、積読の本作を紐解いた。
ちなみに新潮文庫 -
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Posted by ブクログ
▼(本文より)
常識というのは、決して計算間違いなぞしない、グレーの背広を着たちっぽけな男だ。しかしその男が計算しているのは常に他人の金だ。
▼(本文より)
この街の売りのひとつは、ここで働いている人間にはここに住むような経済的余裕はないということです。
▼フィリップ・マーロウ長編を発表順に再読しよう計画の最終章。第1作「大いなる眠り」は作者49歳くらい。最後の「プレイバック」は作者69歳くらい。マーロウの年齢は言及されずにあまり老けていない印象ですが、小説そのものは、より練られて、より枯れてきて、そしてややタガが緩んでいる印象。それはそれで滋味深いのですが、やはり「ロング・グッドバイ」が