村上春樹のレビュー一覧
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Posted by ブクログ
ネタバレ悪が、純度100%の悪としては描かれず、
主人公に宿る悪(=スバルフォレスターの男)
免色に宿る悪(=スズメバチ、クローゼットの前に立っていた男)として、「普通の(免色に至っては普通以上の)善良な人間」にも宿る普遍的な悪(闇とも言い換えられる)を描いていたのが村上作品の中で新しいと思った。
ねじまき鳥クロニクルでは、
皮剥ぎボリスや綿谷ノボルなど、読者にとことん嫌悪感を抱かせる純度100%の悪が描かれていたが、
この作品の免色渉は、とにかく自制的でスマート。
私はすごく好感を持てるキャラクターだったな。
そんな人間でも、悪を抱えている(キリスト教でいう原罪)ということなのだろうな…
悪は外在して善と対立して存在するものではなく、
内在して善と混ざり合っているもの….ということか。
免色渉は、ダンスダンスダンスの五反田君に少し似ている。隙のない感じとか。
五反田君の方が若くて繊細で傷つきやすく脆く危うかったけど。死ななかった世界線の五反田くん。
あとあんまり関係ないけど、これ上下巻2冊でよくないか…???
4冊に分解する必要あった? -
Posted by ブクログ
青豆が新興宗教団体のリーダーを殺害してからの物語。
これがきっかけとなり、世界の構造が変化する。
青豆はマダムが準備した高円寺のマンションに身を隠す。
かねてよりの予定通り、顔を変え、名前を変え、違う人間になるはずだったのだがー。
さきがけの雇った探偵の牛河(前の巻に出てきた謎の団体の職員を名乗る男)の物語がここで立ち上がる。
彼は、青豆と天吾の身辺を探り、青豆を追い詰めていく。
結果的に青豆と天吾の出会いを作り出すという、「物語を推進する機能」が見え見えの人物だが、この人物の生い立ちやパーソナリティが詳細に書き込まれ、際立った存在感がある。
こういうところが、村上春樹のすごさなのかもしれない。
青豆の世界と天吾の世界がだんだん近づいてきた。
が、お互いの存在を感じながらも、二人がまだ出会うことはない。
「君の名は」(菊田一夫の方ね、ちゃんと読んだことないけど)かいな。
それにしても、この物語にも出てくるチェーホフの「拳銃が出てくるならそれは必ず発砲される」という話は、青豆がタマルに準備してもらった拳銃のことかと思ったがそうではなく、雷雨の方に関わっていたとは。