村上春樹のレビュー一覧

  • ロング・グッドバイ

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    チャンドラーの準古典的名作。何処となく『グレートギャツビー』に雰囲気と感じていたら、村上春樹氏も同じことを述べていて嬉しい。ジャンルとしてはハードボイルド・ミステリではあるが、マーロウの視線を実相として重ねて外形的に心情を描く硬質なのに軽快な文体はページが進む。アメリカ文学の名作としても楽しめるし、村上春樹氏訳ということで彼の亜流作品的な雰囲気でも楽しめる。

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    2025年01月20日
  • 村上春樹、河合隼雄に会いにいく

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    本書のオリジナルは平成8年発行のもの。平成8年は、1996年なので、もう30年近く前のことだ。
    今は既に亡くなられている、河合隼雄先生に村上春樹が会いに行き、色々と話をするという建てつけの対談集だ。
    河合隼雄先生の、「人生の達人」感と、村上春樹がふと洩らす、創作の方法論や悩みが興味深い。かなり、「深い」対談だと感じた。読み物としても、面白い。

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    2025年01月16日
  • パン屋再襲撃

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    初めての村上春樹作品。初めて手に取ったのは三年前くらいで、その時は回りくどい独特の表現に疲れてしまって(笑)これが村上春樹なんだ…!と途中で挫折してしまったが、今回は読書習慣ができてからの再開だったのでスラスラ読み進められた。
    絵画でも歌でもその人の作品だとすぐ分かるのが本物の才能だなと思うけど、まさにそれで。村上春樹の世界、明け方に見る夢みたいな、夢心地になってしまう。本作はやれやれな男たちがたくさん出てきたが、描写は十分なくらいされるんだけど、心情や肝心なことはあえて描かれていない感じが想像力を刺激して尽きない。他の作品も読みたいと思う。

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    2025年01月13日
  • レキシントンの幽霊

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    孤独や閉塞感、喪失感といった長編でもお馴染みの重いテーマが扱われており、読み応え充分の短編集。

    以下、各話の感想や記録

    「レキシントンの幽霊」
    不思議な事を自然現象のようにサラリと綴る。村上春樹らしい作品。

    「緑色の獣」
    なんだろう。村上春樹の描く異形のものは何故か怖くない。どこか愛嬌ごあり、そこはかとなく悲しみを漂わせる。それに比べて女性は怖いな。って感想であってますかね?

    「トニー滝谷」
    同名の映画『トニー滝谷』の原作。映画は市川準監督、イッセー尾形、宮沢りえ主演。観たのは10年以上前だったと思う。
    倉庫のような部屋で故人が残した膨大な服に対峙する宮沢りえが印象的だった。
    空調の音

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    2025年01月13日
  • アンダーグラウンド

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    村上春樹、海辺のカフカ以来かな。誰かが勧めてたところに古本見つけて読んでみた。
    地下鉄サリン事件の被害者のインタビュー集、やねんけど、インタビュイーの人となりを紹介する地の文とか、インタビュー内でも事件の話に入る前の仕事や生活について語ってる部分の方がおもしろかったり。
    あと、内容と関係ないねんけど、1999年の文庫初版本が今でも普通に読めるんよね。電子書籍とかサイトなりデバイスの都合で読めへんようになることもあるらしいけど。結局紙の本なのよ。古いんやろうけど。

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    2025年01月11日
  • 1Q84―BOOK1〈4月-6月〉後編―(新潮文庫)

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    少しづつだが二人の物語が交差してきた。
    天吾と青豆の過去が繋がってきた。
    リトルピープルは形のない存在とふかえりは
    言っていたのだが、その正体を知ることはあるの
    だろうか今後が楽しみです。
    宗教の存在が特に物語に強く反映されています。
    舞台背景も、現実で起こった事件とか団体をモチーフにしている節があります。
    二つの月とリトルピープル、lunaticとinsane、
    さまざまなワードが出てきますね。


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    2025年01月11日
  • 哀しいカフェのバラード

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    詩情溢れるメルヘン。そして残酷なラブ・ストーリー。
    タイトルに“ballad”とあるとおり、人々が口伝えに繰り返し語り継いできたドラマに耳を傾けているかのよう。

    冒頭でいきなり悲劇の結末は明かされる。
    うらぶれた田舎町に住む、吝嗇で癖が強いが一目置かれてもいる人物であるミス・アミーリアに起きた、これまた風変わりな愛の行方と破局の物語だ。

    なにもないいつもの夕方、訪ねてきたよそ者との出会いによってミス・アミーリアが変わり、その熱が生む磁場に引き寄せられるように町の住民も変わっていき、物語には幸福と高揚感が満ちてくる。
    しかしそれと同時に、きっとなにかが起きるに違いないというカタストロフィの予

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    2025年01月11日
  • ねじまき鳥クロニクル―第2部 予言する鳥編―(新潮文庫)

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    話はフィクションですが、思考の混沌とした感じがとてもリアルだと思いました。

    問いへの破壊と再構築。
    夢と現実の行き来。

    誰しもが、何度か経験したことのある深い時間ではないかなと。

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    2025年01月09日
  • 村上春樹の「螢」・オーウェルの「一九八四年」

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    #村上春樹
    #螢
    #オーウェル
    #一九八四年
    #森泉岳土
    #河出書房新社
    オーウェルの作品が読みたくてまずマンガで。語彙が減ると思考が狭まる。ヤバい、エグいに集約されてしまいがちな現代。新聞はわかりにくくくSNSはわかりやすい?わかりやすさを求める風潮に警鐘を鳴らす。考えることを放棄したくない
    しかしマンガにも限界がある。
    原作を読めたら。

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    2025年01月06日
  • 1Q84―BOOK1〈4月-6月〉前編―(新潮文庫)

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    天吾と青豆の二人の視点が交互に物語を進めていきます。
    久しぶりに村上春樹の長編を読みたいと思ったのですぐさま買いました。
    買ったのは良いが全部で6冊もあるので、中々
    コンプリートするのが難しいのかなと思った
    のですが、そんなこと無くてとても読みやすい
    物語と実感できたので、BOOK2以降楽しみです。
    表立てはジムのインストラクター、裏では殺し屋をしている青豆と、ある作品を秘密裏に完成させようとしている、予備校の講師の天吾。
    二人の物語はいつ交わるのか、宗教とは何なのか、リトルピープルとは何なのか。



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    2025年01月04日
  • 騎士団長殺し―第1部 顕れるイデア編(上)―(新潮文庫)

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    言いたいことが上手く纏まらないけど、「私」と同じくらい多くのものをこの小説から受けとったと思う
    「人は見たいものしか現実と認識しない」っていうところは『姑獲鳥の夏』にも通ずるところだと思った
    イデアやメタファーについて割と深い理解も得られた

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    2025年01月03日
  • ねじまき鳥クロニクル―第2部 予言する鳥編―(新潮文庫)

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    飽きはないけど、緊張感もなくて少しだけ私には物足りない。
    いくつもの小さな物語がクミコと僕に関連して紡がれていくが、どの結末もいまいち腑に落ちない。
    ノモンハンの井戸の話が1番好きかも。

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    2025年01月03日
  • やがて哀しき外国語

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    外国で生活している中で起こる出来事を、このように柔らかく捉えていくことでさらに毎日が楽しめるのではないかと感じた。

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    2025年01月03日
  • 大いなる眠り

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    チャンドラーのフィリップ•マーローシリーズ第1作、村上春樹訳。
    フィリップ•マーローは、まだ33歳で荒々しい。マーローは、資産家の将軍に呼ばれて、放蕩娘のせいで借金をネタに強請られており、マーローはその解決を約束する。
    マーローは、警察組織や巨大なヤクザ組織に対しても、頑なにその姿勢を変えずに、いけ好かない男として、立ち向かっていく。
    正に、西部劇のカッコ良いガンマンのように。

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    2025年01月01日
  • カンガルー日和

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    なんだかんだと言いながらけっこう村上春樹の小説を読んでる私もそろそろハルキストを名乗っても良いかもしれないとか思うお年頃。
    この人の語り口っていうのはぶっちゃけどうでも良いようなコメントを挟みつつ場を繋ぐというかちょっと面白いというかある種のお笑いではないかというか通じるものがあるような気がするのはM1を見てお笑い脳になっているからかもしれない。突然家に訪問するアシカみたいな意味不明な展開を真面目に語り尽くすのとかやっぱ好きだしやっぱ笑いもあるわ。

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    2024年12月31日
  • 水底【みなそこ】の女

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    ▼フィリップ・マーロウ第4作。まさに太平洋戦争真っ最中に書かれたようです。とはいえアメリカは体力があったので、そんなに日本の戦時下ものみたいなことはなくて、余裕を感じます。

    ▼「警察の仕事は山ほど問題がある。
    政治と似ている。
    それは最良の人間を要請しているのだが、
    そこには最良の人間を惹きつけるものは
    皆無だ。
    だから我々としては
    手に入る人材でやっていくしかない。
    そしてこのような結果が
    もたらされることになる」。

     ・・・名文句。

     <警察の仕事>を、ほかのなんの仕事に置き換えても、使えます。

    ▼大富豪の奔放な妻が行方不明に。マーロウが雇われて調査開始。夫人が滞在した湖の畔の別荘

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    2024年12月31日
  • もし僕らのことばがウィスキーであったなら(新潮文庫)

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     著者、村上春樹がウィスキーの産地で有名なスコットランドとアイルランドに訪ねて、その土地のウィスキー職人にインタビューしたり、実際に著者が飲んで感想をまとめたのが本書である。著者の経験上、ウィスキーに限らずビールや日本酒にしても、産地で飲む酒が最高だという。

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    2024年12月30日
  • 中国行きのスロウ・ボート

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    村上春樹が初めて出した短編集である。
    80年代の春樹の短編たちは、どこか
    今と違い瑞々しい印象を受けました。
    言い回しがキザなのは今も昔も変わらないです。どこか抽象的な文章もたまらないです。
    オススメは「シドニーのグリーン・ストリート」で、オーストラリアなシドニーにあるグリーン・ストリートで私立探偵を営む男性のもとにある
    依頼者が現れるのですが、その依頼者の正体と
    依頼内容に村上春樹の世界観が爆裂して、とても
    好きになりました。
    初めて短編を読む方にオススメしたいし、村上春樹を初めて読む方にもオススメしたいです。


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    2024年12月28日
  • フィッツジェラルド10 傑作選

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    素晴らしくよかった。
    私のお気に入りは、圧倒的に「残り火」。
    植物人間状態になった夫を献身的に世話し続けるロクサンヌ。「一日の殆んどの時間を夫の傍で過ごした。薬を与え、枕をなおし、あるいは話しかけたりした。人が見れば、頭の良い犬に話しかけているのかと錯覚したかもしれない。返答を求めるでも、理解を期待しているわけでもない。そこにあるものは、燃え尽きた残り火の中に微かな暖を求める、祈りにも似た想いだった」
    この最後の一文が素晴らしすぎる。
    なんで美しく、かつ的確な表現なんだろう。

    このほかにも、「氷の宮殿」は、南部と北部ってこんなふうに違うんだなあと感じられてすごく面白かった。
    「冬の夢」は、こ

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    2024年12月27日
  • 高い窓

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    ▼なんとなく
    <フィリップ・マーロウをイチから再読して、続けて原りょう作品をイチから再読しよう計画>進行中。マーロウ長編第3作。高い窓。

    ▼いつも通り金持ちの腐敗した家族関係。そして前作「さらば愛しき人よ」にも通じる、しょーもない奥さん。それに心を支配された娘。高い窓から、セクハラ上司を突き落とした記憶。その弱みを握る男。強請。徐々に明らかになる、過去からの隠された真実・・・。

    ▼これまでの3作の中では、「第2作」「第3作」は普通にミステリとして面白かったか・・・。いや、第3作がいちばんそういう意味ではかっちりしていたような気もします。ただたしかに、辻褄を超えた、よくわからない<マーロウ節

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    2024年12月27日