村上春樹のレビュー一覧

  • ティファニーで朝食を(新潮文庫)

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    初カポーティ。映画でも有名な表題作はまだ観ていません。どうやら原作と映画はまた違う雰囲気のようです。ヘップバーンが演じたホリー・ゴライトリーがどのような人物に仕上がっているかはわかりませんが、本書のホリーはとにかく天真爛漫。誰もが振り向く美貌さと誰にも縛られない奔放さに小説の枠を超えて人々は魅了されるのでしょう。そんな彼女はどこかへ旅立ち、残された人々は彼女の記憶や痕跡を寂しく思いつつもただ楽しむ。そんな余韻すら魅力的な小説でした。
    他に収録されている「花盛りの家」「ダイヤモンドのギター」「クリスマスの思い出」も余韻が素敵な小説ばかり。心にすっと入ってくる良作でした。

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    2025年07月22日
  • 小澤征爾さんと、音楽について話をする(新潮文庫)

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    お二人の対談形式で、小澤征爾氏のこれまでの演奏にまつわるエピソードや、様々な演奏のレコード(CD・DVD)を聴きながら、その演奏に対してマニアックなやり取り、想い出話が繰り広げられる。村上春樹氏がこんなにクラシックをはじめとした音楽に造詣が深いとは知らなかったが、お二人の会話のキャッチボールの中で、小澤征爾氏の音楽哲学や音楽への思い、お人柄が浮かび上がる。大西順子氏とのやり取りはとても印象的。

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    2025年07月20日
  • 東京奇譚集(新潮文庫)

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    5つの短編どれも楽しめた。特に『ハナレイ・ベイ』が良かった。話としては普通だし他の4つの短編に比べると不可思議さは少なめかもしれない。それでも何故か『ハナレイ・ベイ』に惹きつけられる自分がいました。最後の終わりかたも良くて文章のリズムとおだやかに流れるような情景とハナレイ・ベイという文字で締めくくる感じがすごくグッと来た。

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    2025年07月19日
  • パン屋再襲撃

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    パン屋再襲撃が何故か心に残ってしまった。
    なんでだろう。少し変なのに、想像できてしまって、そこには少し憧れがある。

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    2025年07月16日
  • 街とその不確かな壁(上)(新潮文庫)

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    村上春樹の初読。
    きみに心を焼かれた、焼き切れたぼくのように、読み進めた。とても魅力的なキャラクター。
    物語の最後には、ぼくときみが再開すればよいと願っているが、願っている時点で心のどこかで、薄々わかっているのかもしれない。

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    2025年07月14日
  • ランゲルハンス島の午後(新潮文庫)

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    "こういうのは飛行機や新幹線や自動車をつかう忙しい旅行者の目にはまずとまらない。ほこりをかぶり、汗でぐしょぐしょになり、馬鹿みたいに何日もてくてく歩いていると少しずつ見えるようになってくるのだ。"

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    2025年08月28日
  • 虚言の国  アメリカ・ファンタスティカ

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    トランプとコロナでフェイクと陰謀論に覆われた国、アメリカ

    裏切りと絶望で真実なき人生を歩むと決めた主人公が、利己的な人との交わりで現実に引き戻され、生きる意味を見つけていく

    著者が「虚言(ミソメイニア)の国」と化したかつての「自由の国」の末路を憂いているようで、なんとも考えさせられる物語でした

    村上春樹の翻訳は最高です

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    2025年07月09日
  • 職業としての小説家(新潮文庫)

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    改めて読んでフリーランスとして生きていく上での規律性の重要性と言うものを痛感させられるし、一方で冷静な状態で読むとシンプルに天才の話だな、と言うふうに一見片付けられてしまう部分もある。とは言えだからといってこれは自分に当てはめられないとむげにしてしまうのはすごくもったいない。春樹さんがこの本の中で書かれているように体力はもすごく重要だし、仕事をすることと同じ位重要度を上げて取り組むことが長い人生を息切れせずに、自分のやりたいことをやりたいようにやっていくことにつながるのだと思わされる。いつ読んでも名著。

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    2025年07月08日
  • ティファニーで朝食を(新潮文庫)

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    ネタバレ

    目の前を干渉できない嵐が通り過ぎたようだった。
    ホリーは、その名前はホリーでなくても、どこかで彼女の求めるままに暮らしていたのではないかと思う。

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    2025年07月08日
  • 1Q84―BOOK3〈10月-12月〉前編―(新潮文庫)

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    ネタバレ

    (全巻同じレビューを入れています)

    ・・・
    なんだか本作、キャラの作り・彩りが他の作品より豊富かつ精緻であったと感じました。

    ・・・
    一番感じたのは天吾。
    天吾は、これまでの村上作品でいうところの「僕」に当たると思います。

    たいてい「僕」は文筆・広告関連、或いは飲食関連を生業にしつつ、音楽好き・思想や文学をそらんじ、気怠く生きつつも(あるいは彼なりに模索をしつつ)女性と交わりつつ、そして世の中のフシギと対峙し、最終的に大団円を迎える、みたいな感じでした。そんな彼ですが、不思議とどういう背格好かとか、そういうのは記述がなかったんですよね。まあそれはそれで味がありました。自分を重ねて読むこと

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    2025年07月07日
  • 1Q84―BOOK2〈7月-9月〉後編―(新潮文庫)

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    ネタバレ

    (全巻同じレビューを入れています)

    ・・・
    なんだか本作、キャラの作り・彩りが他の作品より豊富かつ精緻であったと感じました。

    ・・・
    一番感じたのは天吾。
    天吾は、これまでの村上作品でいうところの「僕」に当たると思います。

    たいてい「僕」は文筆・広告関連、或いは飲食関連を生業にしつつ、音楽好き・思想や文学をそらんじ、気怠く生きつつも(あるいは彼なりに模索をしつつ)女性と交わりつつ、そして世の中のフシギと対峙し、最終的に大団円を迎える、みたいな感じでした。そんな彼ですが、不思議とどういう背格好かとか、そういうのは記述がなかったんですよね。まあそれはそれで味がありました。自分を重ねて読むこと

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    2025年07月07日
  • 1Q84―BOOK2〈7月-9月〉前編―(新潮文庫)

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    ネタバレ

    (全巻同じレビューを入れています)

    ・・・
    なんだか本作、キャラの作り・彩りが他の作品より豊富かつ精緻であったと感じました。

    ・・・
    一番感じたのは天吾。
    天吾は、これまでの村上作品でいうところの「僕」に当たると思います。

    たいてい「僕」は文筆・広告関連、或いは飲食関連を生業にしつつ、音楽好き・思想や文学をそらんじ、気怠く生きつつも(あるいは彼なりに模索をしつつ)女性と交わりつつ、そして世の中のフシギと対峙し、最終的に大団円を迎える、みたいな感じでした。そんな彼ですが、不思議とどういう背格好かとか、そういうのは記述がなかったんですよね。まあそれはそれで味がありました。自分を重ねて読むこと

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    2025年07月07日
  • 1Q84―BOOK1〈4月-6月〉後編―(新潮文庫)

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    ネタバレ

    (全巻同じレビューを入れています)

    ・・・
    なんだか本作、キャラの作り・彩りが他の作品より豊富かつ精緻であったと感じました。

    ・・・
    一番感じたのは天吾。
    天吾は、これまでの村上作品でいうところの「僕」に当たると思います。

    たいてい「僕」は文筆・広告関連、或いは飲食関連を生業にしつつ、音楽好き・思想や文学をそらんじ、気怠く生きつつも(あるいは彼なりに模索をしつつ)女性と交わりつつ、そして世の中のフシギと対峙し、最終的に大団円を迎える、みたいな感じでした。そんな彼ですが、不思議とどういう背格好かとか、そういうのは記述がなかったんですよね。まあそれはそれで味がありました。自分を重ねて読むこと

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    2025年07月07日
  • 神の子どもたちはみな踊る(新潮文庫)

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    地震が起きると現地の人や現地の被災状況がテレビに映し出されてどうしても現地のことばかり考えてしまうけど、別れた夫が住んでいるとか元々住んでいたとかその時現地にいなくても関係のある人は沢山いるんだなと改めて思った
    どの短編の主人公も皆して何かに揺らいで何かを抱えている
    地震の被害のように見て分かるものではない
    そんな対比があるのかなと思った
    アイロンのある風景とかえるくん、東京を救うと神の子どもたちはみな踊るが好きだったな

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    2025年07月07日
  • カンガルー日和

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    カンガルー日和については何が言いたいか、何を示唆しているのかよくわからなかった。ただ、100%と鏡は個人的には好み。

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    2025年07月06日
  • 雨天炎天―ギリシャ・トルコ辺境紀行―

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    紀行文。もちろん春樹さんが書いているので、なんだか短編でも読んでいるんじゃないかとすら最初らへんは感じる。
    あと「そういえば春樹さんは随分年上のひとなんだなぁ」って思い出す。

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    2025年07月06日
  • ティファニーで朝食を(新潮文庫)

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    表題作『ティファニーで朝食を』と『クリスマスの思い出』の2つがとても好き。『ティファニー~』では何と言ってもホリーという女性のキャラクターが魅力的すぎる(見返りに皿に山盛りの馬糞をするような女性という表現がとても面白い)。刑事に連れて行かれるとき「猫にご飯をあげてね」っていうところも彼女の特徴を表してて好き。映画のほうが有名で、村上春樹はヘプバーンの印象が強すぎるからまずは原作である小説でホリーを感じてほしいと言っていた。なのでとりあえずは理想の読者にはなれたということで良しとしよう。

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    2025年06月30日
  • 街とその不確かな壁(上)(新潮文庫)

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    【2025年70冊目】
    高校生の僕には一つ年下の彼女がいた。たくさんのことを話し、手紙のやり取りを重ね、デートをしてキスをする。けれど大好きだった彼女はある日突然姿を消してしまう。彼女のいなくなった世界で僕は年を取り、ある日、穴に落ちてしまう。目が覚めるとぼくは、彼女が話していた高い壁のある不確かな街にいた。

    久々の村上春樹さん!最初は現代と街の話が交互に展開されていきますが、どっちも、どこかゆったりのんびりと時間が流れているような文体で、私も流れるように物語の中に入っていくことができました。

    彼女が消えてしまった世界で、どこか違和感を感じながらも生きるぼく。彼女はどこに行ってしまったのか

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    2025年06月30日
  • ねじまき鳥クロニクル―第2部 予言する鳥編―(新潮文庫)

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    第二部になってようやくこの物語の大筋、トオルのすべきこと(?)がわかって来た。居なくなったクミコを“連れ戻すこと”。待ってても絶対帰ってこないし、クミコの手紙は事情を説明してるようで核心は隠している。
     物語がどんどん進んで来たぞーと思ったら、新しい人物•新しい要素•新しい謎がどんどん追加されて、もうこの物語がどこにどう着地するのか全く検討がつかないよ!!
     間宮中尉からの手紙、ノモンハンでの出来事は違う作品を読んでるのかってくらいその時代その場所に引き込まれた。急に戦争の話??!と思ったけど、まあこれも後々関係があるんだろうなあ。と思ってたら井戸!!
     何!どういうこと!全くわからない、けど

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    2025年06月29日
  • 村上春樹、河合隼雄に会いにいく

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    心理学フィールドにいる私にとって河合隼雄の存在感は大きく、言わずもがな現代における村上春樹の影響も大きいわけで、この本が1998年に出版されたということに気づけなかった。

    スマホも、(少なくとも今のような)インターネットも無い時代で、コロナの経験も持ち合わせていない。対談の中で掘り下げられる生き方は、今のそれとは大きく違う。そして何より大きな違いは、当時の「臨床心理士」、心の専門家の社会の中での位置付けかもしれない。人のあり方を、心や行動に還元せずに全体として、あたかも唯一の答えがあるかのように語り得る専門家が、この時代には存在していたのだろう。

    時代を超えて読みに耐える普遍性を携えた一冊

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    2025年06月26日