あらすじ
「簡単なことだ。あたしを殺せばよろしい」と騎士団長は言った。「彼」が犠牲を払い、「私」が試練を受ける。だが、姿を消した少女の行方は……。暗い地下迷路を進み、「顔のない男」に肖像画の約束を迫られる画家。はたして古い祠から開いた異世界の輪は閉じられるのか。「君はそれを信じたほうがいい」――静かに魂を揺さぶる村上春樹の物語が、いま希望と恩寵の扉を開く。
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Posted by ブクログ
手を繋いで保育園から自宅まで帰るラストシーンは村上春樹作品には珍しいのでは、と思う。だいたいが、大切な人の何かが損なわれてしまって、読んでいてモヤモヤするものが残るパターンが多いのではないかと…。
復縁⇒子育て(しかも愛情がたっぷり)のこの図式は歓迎。
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再読
村上春樹の作品にはいずれも共通した、独特の世界観のようなものがあり、「騎士団長殺し」もその例に漏れませんでしたが、他の作品と比べても圧倒的に読みやすいと思います。
じわりと身体の隅々まで文章が行き渡り、ラストもとても綺麗にまとまって、読後感は最高でした。
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主人公とまりえの不思議な3,4日間は、おもしろすぎてすごいスピードで読み進めてしまった。
1~3部で書いていた思考や癖などが再度現れていて、長編だからこその締めくくり感があった。
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話の筋がどれだけ似通っていようと、毎回主人公が射精しながら考えようと、村上春樹の小説は自分にとって一種の避難所のようなものになってくれていた(村上春樹自身もどこかのインタビューで、自分の小説をそのように思ってくれるといいと答えていた記憶がある)。そして今作でも、その役割は十分に達成されているように思える。
道理というものを超えて起きる非日常的な出来事を通して、村上作品の主人公は何かしら成長を遂げる。非日常は主人公自身が抱えてきた人生の暗がりにスポットライトを当て、かつ見離さずに進むべき道を示す。もちろん多少は心の古傷をずきりとさせるようなことや、息ができなくなるような"試練"が含まれるかもしれない。でもそれは、きっとその時に乗り越えるべく用意されたものだったのだ。そうして主人公は多少の痛みとともに用意された難局を乗り越え、また日常へと戻ってゆく。
個人的には海辺のカフカが一番好きで、これは1Q84とどっこいかな〜、という感じ。ある程度長いと集中して非現実に浸れるからいいですね。
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これまで読んできた春樹作品とは違う……少なくとも私はそう思ったかな。村上春樹の小説ってプロットがなくてひたすら文体に引っ張られていく迷走感があり、私はそれが好きではあったけど『騎士団長殺し』にはすごく骨組みを感じた。タイトル、登場人物、舞台、テーマ、すべてを含めたパッケージとしての完成度をくらった。要するに超刺さっちゃいました。世界観の構造としては『ねじまき鳥クロニクル』(大好き)に似ているので対比しながら読んだんだけど、ねじまきは悪を描く作品だったけど本作は一段上をいくというか悪(白いスバル・フォレスターの男)を振り切るための『信』の話で、そう、『信』というしかない。悪に打ち勝つために必要なものは正義ではない、自分を信じること、自分を信じるために自分が信じられるものを思いだすこと、それでも斃れそうなときにはそれでもどうにかなると、とにかく信じるんだと背中を押してくるのが騎士団長(イデア)である。「騎士団長はいるよ。きみはそれを信じたほうがいい」最後の一文をいかに納得させるために書かれた物語だと私は感じて、もーこの一文もタイトルも、同名の絵画がキーになっているという設定も大好き。一人称を『私』にしていることも影響してるのかとにかくファンタジーから言語化の難しい説得力を引っ張ってくるパワーみたいなのがひしひしきた。悪いことをするとバチが当たるよ、という脅しの寓話ではなく、どんな悪い現実にも抜け道はあるよ、という希望の、しかも子供騙しではない、とてもずっしり手応えのある物語だったんだ。私、騎士団長に会えてよかったもん。感動したよ。
村上春樹の小説はかなり読んできたけどそういえば涙ぐんだのは初めてだな。まりえちゃんに関連して最終巻で2回泣いた。子どもにとっての戦いと大人にとっての戦いの対比の描かれ方も面白かったなー……とか語り続けてるとキリがないのでこの辺で。
追記。オーディブル使ったことないですが他の方々の感想から高橋一生が読み上げていると知り興味津々。高橋一生の「あらない」、絶対よきでしょうと思う。
Posted by ブクログ
日々の中で1年近く駆けて読み終わった
みなさんもご存知のように村上春樹ワールド全開だった
登場人物それぞれの個性豊かな描き方が素晴らしいし不思議な井戸もあり、オカルトチックな場面もありとこの先どのような展開になるのか、ハラハラ感もあった
私事なんですが、一気に読書するのも良いし、時間をかけて読むのもロス感を感じてまた良いもんだった
Posted by ブクログ
面白かった。途中までは妻に振られた男のリアルな話だったのに、急に騎士団長が現れ少しづつ不思議な世界になっていく。リアルな世界はとことんリアルだからこそ、非現実的なイデアやメタファーといったものが不思議と浮かび上がり、またリアルに存在するかのように感じられた。
メタファーの世界はとてもワクワクした。
最終的にはユズとヨリを戻したようだが、大丈夫か?ユズは「あなたは変わった?」と聞いていたが、結局何が嫌で別れを切り出したのか曖昧だったし、主人公も別に変わろうともしていないようだった。同じことの繰り返しにならないかと不安になった笑
最後に東日本大震災の描写があった。付け加えたのだろうか。白いスバルフォレスターの男は二重メタファーみたいな、心の闇の部分だと推測した。その時にドンなアンナが言った「目に見えて触れるものを想像しろ」というような言葉は好きだった。私も何かネガティブになりそうに、二重メタファーに心を支配されそうになったら、目に見えて触れる何かを想像しようと思う。
Posted by ブクログ
台風が低気圧になって、雨が降ったりやんだりしている。
雨粒が屋根を弾く音や、水溜りを車のタイヤが滑っていく音を聞きながら本を読む。
自分にとってはこれまでの、また今の何かにつながるとてもしっくりくる本だったけれど、他の人にはどうなのかな。
重みも厚みも関係ない
ハードブック、文庫本でなく、電子書籍なのがまず嬉しい。
重さ関係ない、厚み関係ない。気にするのはタブレットの電波と電池残量だけ。
移動時、スマホやタブレット、時間や場所に関係なく読める幸せ。
しおり機能もいい。何度も読んでかみしめてしまう本
Posted by ブクログ
audibleで鑑賞
長かった!!本じゃ読めなかった。
初めての村上春樹作品
最後なんとなく不思議と輪になっててハッピーエンドでよかった
イデアやメタファーが出てきて予想外にファンタジーだった
全作品通してずっと女性の性的な話をしてたのはなんでなんだ???まりえがずっと胸の話を主人公(名前不明)にしてたのはなんでなんだ?
Posted by ブクログ
物語の渦をくぐり抜け、「私」と少女は、ふたたび出会えるのか。
静かに深く胸を打つラスト、最高の村上ワールド!
「簡単なことだ。あたしを殺せばよろしい」と騎士団長は言った。「彼」が犠牲を払い、「私」が試練を受ける。だが、姿を消した少女の行方は……。暗い地下迷路を進み、「顔のない男」に肖像画の約束を迫られる画家。はたして古い祠から開いた異世界の輪は閉じられるのか。
「君はそれを信じたほうがいい」――村上春樹の秘密の物語が、いま希望と恩寵の扉を開く。
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ラストにかけてやや冗長な感じもあったが、いまでのどの作品よりもまとまっているように思います。イデアについての知識があると、騎士団長が誰のイデアなのか、何のイデアなのか考えることができたのかなと思う。
Posted by ブクログ
素人目線ながら、よくうまいこと収まるなぁ、と。
読み終わった後に「?」が浮かぶことも多くあるイメージの村上春樹だが、現実の話と非現実的な話を世界をうまく隔てたり繋げたりするのも上手なのかな。
没入して世界に入り込める感覚や気になって続きが読みたくなってしまう感覚がいつもある。
Posted by ブクログ
メタファーとイデアの概念が難しくて最後までほんわかしていた。
随所に出てくる「〜のように」という比喩表現は、このメタファーとイデアに関係するから多様していたのだろうか。しかしその表現から分かりやすく感情が文面から伝わってきた。
しかし最後まで伏線回収がなかったのはどうなんだろうか。この未完成さがむしろ完成なのかもしれないが、散らかったままで終わってしまったような。
でもウイスキーやクラシック音楽やファンタジーな感じは悪くない後味というか。
これが村上春樹ワールドなのだろうか。
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騎士団長殺しという絵と、昔の彼女、知り合った気の合う紳士な男性とその家族?に話。少しファンタジーが入っていて、それが不思議な気分にしてくれる。性の描写がそこまで気にならない感じで面白かった。
Posted by ブクログ
雨田具彦の介護施設からの流れで、騎士団長殺しの絵の登場人物がオールスターキャストで出てくる。イデア、メタファー、時間、空間。
騎士団長は自分のことをイデアだと言い、顔ながは自分のことをメタファーだと言う。
顔ながはさらに、生身の人間がメタファー通路に入るのは危険だ。順路を間違えると、とんでもないところに行き着くことになる。奥の暗闇に潜み、とびっきりやくざで危険な生き物である、二重メタファーがあちこちに潜んでいる。と言う。
有と無の間には川が流れていて、顔のない男の船に乗らないと渡れない。
イデアを理解するというのは顔のない男の肖像画を描くようなものだと理解すればいいのか?それがイデアを理解すると言うことのメタファーなのか?
雨田具彦も何らかの物質化したイメージを見ていたと思う。亡くなる間際でずっと自分一人で抱えて来たものが何らかの形で晴らされてスッキリできたよう。よかった。
主人公が騎士団長を殺し、メタファー通路に入ったことと秋川まりえの救出とが今ひとつ結びつかない。騎士団長は秋川まりえを救出するためには自分を刺さなければならないというような意味のことを言っていたと思うのだが。開いた環を閉じることと秋川まりえを救出することとの関係は?
主人公がイデアやメタファーを経験し、二重のメタファーに飲み込まれる前に抜け出すためには、穴が塞がれていて中が暗闇になっていなければならなかったのか?そのために秋川まりえが免色の家に忍び込むんだとき、騎士団長が見つからないようにした(時間を稼いだ)のか?その間に免色さんは秋川まりえが穴に落ちた可能性を考え、穴を塞ぐと予想してのことだったのか?
鈴と出刃包丁が空間を移動したのは誰の手によるものか?ペンギンのお守りもそうかもしれない。
クローゼットの前にいた人は免色さんかもしれないけど違うかもしれない、というようなことだったが、結局何だったのか?
スバルフォレスターの男は結局何だったのか?主人公の何か汚い部分のようなものなのだろうけど、イマイチ腹落ちできる表現ができない。
ユズは妊娠をキッカケに、自分の人生は自分で決めて来たつもりだったけど、何かに決められているような気がすると言う。「神の見えざる手」的な考えか?
免色さんは自分の子供である(自分の遺伝子が入っている)可能性がある秋川まりえと暮らしたい(暮らすためにどうするか)と考え、主人公は常識的に自分の子供ではない(遺伝子が入っていない)子供と暮らすことを選ぶ。血のつながりとか遺伝子を残すことって何なのか?
怪しい宗教にのめり込んでいるらしい、まりえのお父さんを話に絡めてもらいたかった。
第一部を読み終わってから、第二部を読むまでに時間を置いてしまったせいか、そもそも理解力不足か、第一部で張られた伏線がたくさんあったと思うのだが、第二部を読み終わった今、まったく回収できないモヤモヤ感が強い。村上春樹の作品では大体いつもそうなのだが、いつも以上にその感覚が強い。
Posted by ブクログ
アートと音楽の本、と言っても過言ではないくらい芸術をコアとしたストーリー展開で、とっっってもたのしめました。じわじわと出てくる伏線と、それを綺麗に回収するラスト。臨場感のある最後の地下世界のシーンは空想の世界なのになぜか情景が手に取るようにわかる不思議。あとは主人公と免色さんの会話の丁寧さと、あとは素直に真っ直ぐ隠し事をせずにぶつけ合うコミュニケーションが個人的にすごく好きでした。
Posted by ブクログ
秋川まりえが行方不明になって、主人公は試練を受けた。
病院から家の穴についた。
免色に助けられ、秋川まりえも助かった。
その後ゆずとも復縁し、広尾のマンションに戻って子供を育てた。
なんかジブリみを感じたなあ。結局妻にフラれて別居していた8ヶ月間、というだけの話ではあるけど騎士団長殺しの絵を媒介にいろんなことが起こる、と言う感じだった。
たまに示唆的なことを言うのが好き。
面白かった。と思う。
Posted by ブクログ
全体としてぼちぼちでしたね。
とにかく、なかなか引き込まれませんでした。
盛り上がりそうになりながら、なかなか突き抜ける事が出来ず、最後の読後感だけはよかったですが、
なんだか不思議なまま終わってしまった話でした。
村上さんでなかったら、星3つだったかも。
Posted by ブクログ
まりえを探すために雨田具彦に会いに行く私
そんな中、騎士団長から自分を絵のように殺すように持ちかけられる
私はメタファーの闇へ向かうことに
そこは以前妹が迷いこんだ場所で河を渡るところに顔のない男が⋯
渡る時に大事なものを交換することになる
私は闇から出てから、妻との関係など色んなことに区切りをつけることを決心する
3年後、3.11が東北で発生する
メタファーの闇とは何だったのか?
Posted by ブクログ
文庫本4冊中1番ワクワクしたのは1部上巻で最終巻は正直退屈だった 特にぼくが異世界に迷い込むあたりはスティーヴン・キング「ダーク・タワー」 の劣化版で まりえの失踪劇にいたってはまったく面白味もおかしさもなし 嫁との別れから妊娠発覚出産して家族が平和に暮らすぼくみたいな...めでたしめでたしって 最後はなんだか説教臭いしこりゃダメだ 唯一の救いは1部上巻のプロロークを読み返すとなにやら怪しい雰囲気があること
Posted by ブクログ
絵を完成させたことで動き始めた物語なだけあって、完成しない絵の方も大きな意味を持っていることがよく分かった。たぶん「白いスバル・フォレスターの男」は主人公のよからぬ感情の象徴で、「秋川まりえの肖像」はまりえを手に入れたいと望む免色の怖さを表している。前者の未完成は主人公が真っ当な人生を歩むことに繋がり、後者の未完成によってまりえの安全が保たれた。「騎士団長殺し」は焼失することで役目を終えた。最後に主人公によって「白いスバル・フォレスターの男」が未来の「騎士団長殺し」のようになることを危惧しながらもその完成を最終的には望んでいることが示唆されるが、再婚することによって独りで無くなった(=他人と共同生活を送らなければならない運命になった)彼にとって自分のよからぬものを克服することが今後の目標となったという意味だと思われた。
絵の完成具合とストーリーラインがリンクしている構造はとてもおもしろい。ただ『世界の終り』や『ねじまき鳥』でも感じたが、「地下に降りていって何かと戦う」という段階になると物語が単調で退屈になる。中短編だと丁度いいが長編だと長く感じる。
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なぞは明らかにならずҨ(´-ω-`)画家が残した「騎士団長殺し」の絵を開封したことで始まる物語。イデアが騎士団長の姿として現れ、いろいろと導いてくれる騎士団長に愛着が湧く。観察眼が鋭い画家が描きだす絵がなぞを解く鍵に。全てが繋がっているよーでなぞのまま……
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行方不明になっている秋川まりえを探したいと願う主人公だったが、「明日の午前中にかかってくる電話で、誰かが…何かを誘う。それを断ってはならない」との騎士団長のアドバイスに従い、彼は友人雨田政彦と共に、彼の父具彦が入院している療養所に面会に行くことにする。そして雨田政彦が用事で部屋を外した留守に、主人公の前に騎士団長が現れ、「秋川まりえを取り戻したいのであれば、諸君をある場所に送り出す必要がある、そのためには少なからざる犠牲と、厳しい試練とが伴うことになる、具体的には自分を殺せばよい」と言った。(つまり「騎士団長殺し」の画面を再現するということなのか。)
そこから主人公は試練の道を進んでいく、というストーリー展開。試練をくぐり抜けた先にあるのは一体何か。
主人公の冒険と秋川まりえの失踪とが一見繋がらないところは、何となく不完全燃焼の感が残った点。イデアである騎士団長や顔のない男、石室の謎などすべてが解き明かされる訳ではないが、そこのところはいかにも村上作品らしい。ただ、主な登場人物だったり「騎士団長殺し」の絵のその後や、別れた妻との関係の着地点など、収まるところに収まったのは、ある意味ハッピーエンドなのかもしれない。
Posted by ブクログ
イデアが本質ならメタファーは表象である
一見して別物だが実のところ一体である
我々はメタファーによってしか
具体的なイデアを語ることができない
そのことを「浮遊するシニフィアン」と呼んだ人もいる
定義を寄せ付けないその概念に囚われた人々が
統合の失調に陥ることもしばしばある
これがいわゆるひとつの
愛の迷宮ってやつなんだよ(メタファー)
メタファーにいざなわれる本質世界は
無機質で不毛な場所だった
そこを通り抜けた人は、気づかぬうちに
ある種の諦念を身につけるだろう
つまり世界の本質は無機質で不毛なものなんだ
それを多彩に錯覚するのは
頼りないメタファーで色付けたバイアスの働きにほかならない
イデアの騎士団長にしても
その姿は主人公が勝手につけたメタファーにすぎなかった
そんな「悪しき父親」のメタファーを殺すことで
主人公は本質世界に入ってゆく
父の支配を脱したとき、人は自由の本質に直面するわけだ
そこまではいいんだけど
読後には不可解さも残る
危険な「二重メタファー」についてのことだ
字義どおりに考えればダブルミーニング
あるいはダブルスタンダードのことと思われるが
そうであれば主人公は
父親の不明な?子供たちを受け入れることで
それ自体は美談かもしれないけど
知らず知らず
二重メタファーをも受け入れてしまっているようだった
それは言ってみれば父であり子でもあるおっさんの有り様だ
主人公の場合、本人のバイアスを通してみれば
二重メタファーの触手を逃れたからこそ
自身の表現をひとまず放棄し
「良き父親」を目指しているということになるのかもしれない
しかし結果的に振り回されて文句のひとつも言えない父親を
本当に良きものと言えるのだろうか
おそらくは例の「南京大虐殺」を言ってきた人もまた
二重メタファーにとりつかれているのだと思う
父であり子でもあるおっさんたちは
頼りないバイアスで頼りない自分をごまかすしかないんだよね
Posted by ブクログ
あらない。
この話し方を英語を含めた多言語でどのように訳すのか気になった。
鈴の音から始まる肖像画家の自分を探す物語なのか?10代の少女が出てくる、なんだか達観した女性が出てくるいつもの感じ。
気に入ったフレーズはない。最後の方でイデアの世界に行く場面が雑な気がして。
Posted by ブクログ
肖像画家の「私」のもとに、イデアが形を変えた騎士団長が現れた。どうしたらいいか聞いたところ、午前中の電話に断るなと言われた。
雨田から電話が来た。認知症の父に会いに行くと言う。そろそろ危ないと言うから。「私」はついて行った。
ファミリーレストランに入ったら、スバルのフォレスターがあった!
有名な日本画家、雨田具彦(ともひこ)の施設に着いた。施設で具彦に話しかけていたら、息子の雨田に電話かかってきて外に出て行った。
騎士団長がいた。騎士団長を殺さなければならないと言う。それが第二段階。第一段階はまだ騎士団長殺しの絵を見つけたということである。
雨田具彦の彼女が拷問で死んだ。彼自身も拷問を受けた。そのため、何もいえなかった。心の傷を受けた。
「私」は逡巡の末、まりえを取り戻すために騎士団長を殺した。
顔なががでた!穴から引きずりだした。
メタファーだった!見たものを書く。「こみちさんといったかな?」背筋が凍った。それは「私」の亡くなった妹の名前。なんでーー!怖い!
顔長がでてきた穴に入った「私」。懐中電灯を持ってあるく。川の水を飲んだ。
男がいた。顔がなかった!背が高い。帽子をかぶり、コートをきていた。ペンギンのキーホルダーのかわりに橋渡ししてもある。
カンテラと絵の女性がいた!狭い横穴に入ることになった。「自分を信じるのです」無と有。なんなのー。目を逸らさない
穴を頑張って外に出た。
すべては相対的なものなのだ。
まりえも帰ってきた。2人で騎士団長殺しとスバルフォレスターの男の絵をしまった。
まりえは免色さんの家に三日間いたという。勝手になかに入った。
「私」の以前の妻はまだ離婚届を出していなかった。なぜー。誰の子供かわからないという。今のパートナーとは別れていた。相手は納得していなかったけれど。そりゃそうだろうよ。
「私」は以前の妻の元に戻った。誰の子供かわからないけれど、生まれた女の子がムロと名付けられ、育てることになる。保育園へ送っていく。
東日本大震災の様子が描かれた。津波がやってきた。なぜここでその場面が出てくるんだろう。スバルフォレスターの男をテレビで見かけたと言うことも書かれていた。
以前住んでいた家が焼き落ちてしまった。騎士団長殺しも焼かれたと言うことになる。
何が伝えたいことなのか。すごく難しい小説だった。最初に書かれていた顔のない男とペンギンのキーホルダーの約束はこのあと起きることなのか。描かれていなくてわからなかった。