村上春樹のレビュー一覧
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視点からの話が印象的だった。エリの部屋に満ちている空気、場の乱れ、静けさなどが肌で感じられるくらいリアリティをもっていた。
タカハシとマリの会話に癒されつつ、白川との温度差を感じた。
アフターダークは人の無意識の世界を書いているという河合隼雄さんの紹介を読み、「白川」もひとりの人間の中に存在しており、誰しも部分的には逃げられないものを抱えているのだろうかと思った。
人の心のやるせなさを現実味をもって書きつつも、マリとエリの心の交流が、書かれていないストーリーの裏でしっかりと感じられ、最後のシーンはあたたかい気持ちになった。
村上春樹さんの長編にしては珍しく落ち着いた気持ちで読めた。笑 -
Posted by ブクログ
文学賞について書いている章で、芥川賞を取ることがすごいことと思い込んでいる人が多いから、村上さん賞を取れなくて残念でしたねとか来年はきっと取れますよ!とか言われるけど、村上春樹がそもそもその前提を同じくしてないので面倒くさかった、というボヤきにクスッとした
今、毎年ノーベル賞候補とか言われてるから、またボヤいてるかもww
In the chapter about literary awards, he writes about many people assume winning the Akutagawa Prize is an incredible achievement, so he has often heard things like, “I’m sorrys you didn’t get it,” or “You’ll definitely win next year!”
I laughed at his little grumble about how annoying that was, since he didn’t share that premise to begin with.
Now that people keep saying Hariki is a Nobel Prize contender every year, I can’t help but wonder if the same thing’s happening again. -
Posted by ブクログ
ネタバレ村上春樹の小説は学生時代には何冊か呼んだことがあり、どの小説も当時はよくわからなかった。
反面、このエッセイはとてもわかりやすく、共感できるポイントが多くあった。
他人の批評や徹底的な推敲を大切にしているところが意外であった。もっと自己中心的なスタイルで書いているという先入観があったからだ。
どんな文章にも必ず改善の余地はあるという謙虚な姿勢と、フィジカルな営みとして小説を書くという忍耐強さは好感が持てた。
学生時代が終わり10年以上が経った今なら、村上春樹の小説も面白いと思えるかもしれない。『田崎つくる』が興味を引いたので、手に取ってみようかと思う。 -
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「沈黙」
どうしようもなく嫌な相手にされた嫌がらせに苦しめられながらも、相手を哀れみ、同じ土俵に立ちたくないと葛藤し、苦しむ想い。
レベルの低い相手とは戦わないこと。
私が生きていく上で大切に思って来たことでもある。
それでいて、その相手の中にも「その人なりの正義」というものがあるのだということを理解出来るようになりたいと思う。
だから、私は同じような葛藤を抱えていた時に、恨みや憎しみではなく、「哀れみ」の感情だけが心に残っていたのかもしれない。
そして、その他大勢の傍観者達に対しては、興味すら抱けなかったのかもしれない。
「トニー滝谷」
彼が「孤独」の存在を知ってからの彼の抱える孤独がどうしようもなく切なくなった。
「七番目の男」
幼い頃に、恐怖に背を向け、目を閉じてしまった七番目の男。
それは奇しくも、自分の中のいちばん重要なものを、「何か」に譲り渡してしまう結果になってしまっていた。
怖いものやしんどいことから逃げたくなるそんなとき、ほんの一瞬の迷いの後に、ためらいなど無意味で、腹を括って正々堂々と向かいあっていた方が、後がいいのだということ。 -
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ネタバレ前口上で著者自身が出てくるなんて初、だな。すべて実話らしい…ホントかな。エッセイを読んでいる限りだとちょっと信じられないな。笑。
では一篇ずつ感想的なものを…。
①「偶然の旅人」…話の内容は関係なくて、語り口がその著者を表しているんだ。文体ってやつだね、これが。とても村上春樹らしい作品に仕上がってた。
②「ハナレイ・ベイ」…主人公は鮫に片足を喰いちぎられ溺死してしまった息子の母親だ。その喪失感を拭うため(?)、彼の命日前後に亡くなった土地に赴き——。ある人物たちに出会うことにより、少しでも心穏やかに過ごせるようになったのかなぁ…。
③「どこであれ〜」…マンション内から忽然と姿を消した夫を探してほしいと依頼に来た女性。それを無料で探す男(主人公)。これも摩訶不思議な話だった。消えた夫は階段の踊り場にあった鏡を通して「仙台」に行ったんだろうねきっと。ソファーに座り、階段を上ってくる住人をただ眺める。どこか文学的な感じがした。
④「日々移動する〜」…元証券アナリストの女性と、彼女に恋をする小説家の話。これは割とわかりやすいかな。その女性は墜ちて亡くなってしまったんだと思う。だから淳平(小説家)の元へ来ないのだ。
⑤「品川猿」…これも不思議な話だ。どっかの短編集で似たものを読んだ気がする…。見た目は「猿」だけど言葉を話せるから、もうヒトよね。笑。村上作品にはこういう変わったキャラクターが多く存在する。
で、本当に実話なのこれ?笑
俄には信じ難いんだが……。笑。 -
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ネタバレFUN FUN FUNが良すぎる。
曲も含めて。
そんなただのことばの響きの中に氷を入れて飲むとおいしいよ
面白すぎる。どうやら深いことを語ってそうだぞ、実体と存在について、言葉とは記号であり…みたいな端をしているかと思ったら最後の一文で急に気が抜けたことを書いている。
なんだか村上春樹のステレオタイプなイメージとは全く違う。ゆるいユーモア。
鏡の中の夕焼けもいいな。これは詩ではなく結構しっかり短編小説。犬の喋り方が好き。
安西水丸のイラストはポップで線画太くてビビッドな色使い。精緻でも写実的でもないが思い切りとインパクトが魅力的な絵。一見して雑であるように感じられるが根底には深い観察があるようにも思う。