あらすじ
ある時は牛に蹴飛ばされそうになりながら「牧場」を歩き、またある時は新郎新婦になりきって「結婚式場」を取材する。その他、「人体標本工場」「消しゴム工場」「コム・デ・ギャルソン工場」「コンパクト・ディスク工場」に「アデランス工場」と、好奇心で選んだ7つの〈工場〉を、自称ノン・ノンフィクション作家、春樹&水丸コンビが訪ねます。イラストとエッセイでつづる、楽しい〈工場〉訪問記。
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もう四半世紀前に出た本です。安西水丸さんがお亡くなりになられてこういうコンビの本は、もう決して生まれないのだと思うといても立ってもいられなくなり買い求めました。工場見学ルポですが、例によってカラーイラストが散りばめられてパラパラ捲っているだけでも楽しい本。結婚式場の見学では、この頃の典型的な披露宴の例が載っていますがやはり時代を感じます。バブルの名残りがありますが、賑やかでこれもまた良さがあるなあと思ったりしました。最後のアデランスの会社や工場の見学は、あちこちで笑えました。村上さんの解説が可笑しいのかも…それにしてもこの頃は半ズボンを履いていた!とても若かった村上さんなのでした。
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数十年昔の工場見学なのですが、村上さんの視点が楽しくて気になりません。小岩井農場行きたい。人体模型工場行きたい。アデランス本社行きたい。剛毛多毛だけどカツラ作っちゃうかもしれない。
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××はいったいどういう工場でどんな風に作られているのか?
この好奇心から村上春樹と安西水丸が7つの工場を訪れ、イラストとエッセイで綴る体験記。
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村上春樹が、なぜテレビの司会ができるのかがわかりました。
工場の現場を見れば、日本の本質に触れることができる。
工場の現場に対して、自分が何をすればよいかを考えればよいことが分かりました。
村上春樹がうらやましい。産業界のいろいろな有名人と話ができるなんて。
でも、テレビ番組では取材に行けないだろうから、その点はうらやましくないかも。
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村上春樹の本は私的にはずれが全くない・・・!基本小説以外はあまり読まないのにすごく楽しんだ。村上先生はかわいい。安西水丸さんのゆるゆるした挿絵もとても面白く見れました。一番好きな章はかつらの工場のところ。ねじまき鳥クロニクルで笹原メイちゃんが勤めていた工場・・・!?次に人体模型。すごく工場っぽくて。それから、コムデギャルソンお洋服ほしくなりました。水丸さんと村上先生が連れ立って工場見学・・・微笑ましい・・・!たまに垣間見える二人の会話にすごいウキウキしました。
あと牛は意外と凄絶ですね。
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工場見学記というジャンル自体が自分にとっては新鮮だった。水丸さんの優しいタッチで図解があるのもグッド。牧場に行ったら牛に喋らせてみたり、結婚式の費用決めのカップルの会話をシュールに描く感じとか村上節が出ててよかった。
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これ、ずっと知っていたのにすっかり「読んだもの」と思ってスルーしていた。読んだことがあるのは多分象工場の方 (それも曖昧)。
村上春樹と安西水丸が工場見学に行くという話なんだけど、既視感あるなと思ったら片桐仁の「教えてなぜなら知りたがりだから」ですね…もちろんこっちの方が全然先なんだけど。「教えて〜」の方も大好きだったけど、やっぱりこういう専門的な話というのは面白い。特に人体模型工場なんて、ぜひ行ってみたいけどまだあるのか?1986年の本なので今とは全然状況が違うんだろうなと思いつつ、アデランスの「うちの強みはカスタマーサービスの部分なので技術のことが他社にバレても負けない」と言い切る強さがいまだに「カツラといえばアデランス」になってるんだろうなと思うと感慨深い。
安西水丸が描く村上春樹は可愛くて好き。
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初出1987年という古い本。村上氏の卑近なたとえ、水丸氏のほんわか図画、とともに7件の工場の見学記。CDとコム・デ・ギャルソンの話が特に面白い。専門家ではない人の独特の視点もわかるし、もっと突っ込んでくれ、という独り言も言えるなど、すぐ読み終わるものの楽しい本。30年以上前とは思えない新鮮さもあり、読んでよかった。もうすこしボリュームがあるとさらに良かったかも。
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これは井上ひさしを彷彿とさせる哲学書である。
セックスを覚えた少年の様に清く正しく美しいのである。
中でも、小岩井農場の巻は泣けた。私が丑年であるのが原因かも?知れない。この村上春樹が今や万年、ノーベル賞文学賞の候補者である。今年、それはカズオ・イシグロ氏が受賞した。
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村上春樹の小説って長くて意味不明で苦手、、ていう人にオススメしたい一冊。工場見学を通して、村上春樹のユーモアあふれる世界観が炸裂している。1986年に取材されているので、日本の工業歴史的読み物としても◎安西水丸さんの絵もユルくていい。個人的には、アデランスのかつら工場はねじまき鳥に出てきたよね〜と嬉しくなった。
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再読。十年ぶりとかじゃないか。かなりくだけたバブル期特有の文章を村上春樹が使うとは… 工場自体はまったくかすりもせず知らないところなので純粋に読めた。きれいな工場いいなあ。小岩井はいったことがあるが、かなりえぐいとこまで取り扱ってて良い。あと結婚式場な… この頃から何が進歩したというのか………
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1980年代の話なんでかなり古いんだけど、読み物としてはかなり面白いです。
製品の話聞いてわけがわからないので「うなずきトリオ」になっちゃうとか……。
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社会見学本。ここでのカツラメーカーでの取材経験がばっちり『ねじまき鳥クロニクル』に生かされてるんだなぁと。『ねじまき鳥〜』では何でここでカツラ!?と思ったけど何となく謎が解けた。こういう本また出して欲しい。2011/016
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村上×安西のコミカル・コンビ。全体にひょうひょうとしているが、酪農のところだけ、結構、衝撃を受けた。精液を絞り出すところとか、最後は食用になるとか。「経済動物」(愛玩動物の反対語なのだろうか)という言葉もすごかった。
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【レビュー】筆者が、様々な工場・または工場として捉えた産業の現場を見学し、日本という国における人間の営みをそのまま露わにしたような工場見学エッセイ。
変に鋭い観察眼から見た日本の工場・現場が、好き勝手な随想とユーモアと共にゆる〜く著されている。
面白かった。色んな意味で。
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村上春樹と安西水丸による、工場見学記。見学は1986年に行われている。見学先の工場は7つ。
①人体標本工場②結婚式場③消しゴム工場④小岩井農場⑤洋服(コム・デ・ギャルソン)工場⑥CD工場⑦アデランス
残念ながら、工場見学をして、それを村上春樹が文章を書き、安西水丸がイラストを書くという企画は、成功していない。この本を読んで、「面白いな」と感じるには、訪問した工場自体が興味深いものであることが必須だと思うが、7つの工場の選択が、あまり良い選択だったとは思えないのだ。
私個人の感想で言えば、「人体標本工場」「アデランス」は興味深かった。「へぇ~っ」と思うこともたくさんあった。「小岩井農場」は、農場・農園に興味のない人には退屈な話だし、「コム・デ・ギャルソン」も、洋服に興味のない人には退屈であり、私は両方に興味がない。「消しゴム工場」は普通の化学工場であり、何が面白いのか?「CD」は、当時は物珍しかったものだろうが、今となっては、若い人は「それ何?」という人も多いのではないか。工場自体も、普通の工場であり、興味をひくものは何もなかった。「結婚式場」は、結婚式を挙げたり、あるいは、友人・知人の結婚式・披露宴に参加したことのある人にとっては、別に珍しくも何ともない話だった。
というわけで、工場見学記を読んで面白く感じるかどうかは、その工場自体が面白いか、興味深いか次第であろうと思うが、そういう意味で、工場の選択に失敗し、企画としても成立しなかったという感じ。
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CDの存在が新鮮だったころの、様々な工場見学記。ちょっとシリアスになる題材が真ん中あたりに配置されていて良かった。全体的に軽~い感じのノリの工場見学エッセイ。
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結婚式場と小岩井農場が頭に入ってきた。
結婚式2時間半で300万か〜高いなー
こういうものにコスパとか考えちゃいけないんだろうな
まだ結婚は先だから分からないな
小岩井農場。
経済動物という言葉を初めて目にした。
残酷だけど、現実。
見たくない部分を見ないことは贅沢だ。
自分も釣りをしているのだから、魚を殺して食べる
だけど、大きい動物には情がわくのは何故だろう
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当方自身、直接経験がないためあくまで「何となく」ですが、バブル時代の空気で満ちているようなないような、、、根拠は何かと問い詰められても答えを持ち合わせていないので悪しからず。
でも敢えて言うなら、その明るさというか能天気さでしょうかね。取材側も取材される側もまだ迷っておらず、ゆるい感じが自然に醸し出されている。村上春樹・安西水丸(そして岡みどり)の掛け合い含めてね。
多分こういう雰囲気は今の日本では出せないんだろうと思う訳です、はい。
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村上春樹氏とその相方でもあるイラストレーター安西水丸氏による工場訪問記。
人体標本、結婚式場、消しゴム工場、小岩井農場、コムデ・ギャルソン、 パナソニックCD工場、アデランスの7つの工場。
普段生活の一部となっているものが、どう作られているか・・・その舞台裏を見れるなんて面白そうだ。
水丸さんのイラスト付き。いつも思うが、この人の絵はヘタウマだ。でも実は電通のアートディレクターを経て、平凡社で出版の仕事にも携わっていたという過去があるらしい。意外とスゴい人なんだ。。でも、妙に村上氏のエッセイに合う。
面白かったのが、小岩井農場とアデランスかな。
農場は、「牛に願いを」というドラマが好きなのと、最近マザー牧場に行ったことも大きかった。
アデランスは、まずピンと来たのが「ねじまき鳥クロニクル」の笠原メイ。確か彼女はかつら工場でバイトしてなかったっけ。村上氏は、この工場見学からアイデアを得てねじまき鳥を書いたのだろう。たぶん。
(アデランスって、陰毛のかつらも作っているみたい。見たいような見たくないような。)
工場見学は、実は最近流行っている。カルビーの製品が出来るまで、などの過程が見れるツアーがキャンペーンの景品になっていたり、スマステやシルシルミシルなどでも、工場の裏側を特集してたりと、密かなブームとも言えなくもない。
子供の頃、社会科見学は楽しかった記憶が今でもある。オトナになっても、やっぱりモノが作られる裏の過程を見るのは楽しい。
よし、近々親友の働くサントリービール工場に見学に行ってみよう。
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この頃のエッセイは面白いな。そんな所まで気にしてたら
人生務まりませんな。繊細さより少し抜けた細かさが良い。
ただ最近は~どうなの?
ボストンマラソンのテロ苦言と言い、社会に関わりすぎちゃうん。
ノーベル文学賞は作品じゃなく、作家の社会貢献度だからね。
がんばって。はるきさん。それ以上のおうえんはしない。
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小岩井農場や人体模型、CDなどの工場見学記。イラスト入りで出張の合間に楽しめた。アデランス工場は「1Q84」にも出てきており、他の著作との関連を発見する意味でも面白い。
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村上ジョ-クは今ひとつだったけど、やはり着眼点は面白い。
印象的なのは、ギャルソンと小岩井農場、そして玉姫殿。
1986年に書かれてから26年・・・今の状況が気になる。
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昭和61年というバブル期に勢いがあったであろう
様々な工場を村上春樹が見学し、その工場の様子を
レポートした読み物。
工場といっても普通の工場ではなく
人体模型、結婚式(工場というよりただの結婚式場)
消しゴム、小岩井農場、CD、ギャルソン、アデランスという
特徴的な様々な工場を見学しています。
CDなんて当時まだあまり浸透していなかったようで
CDとは何たるかという説明がついたりして時代を感じます。
とにかく様々な工場を通じて日本という国の現状を
村上春樹が分析していてなかなか面白いです。
個人的にはアデランスの工場が特に面白かったです。
Posted by ブクログ
おなじみ春樹&水丸コンビの工場見学記。人体模型とかコム・デ・ギャルソンとか、時代はひと昔前だけど企業のチョイスがおもしろい。小岩井農場の<経済動物たちの午後>は、読み物として特に印象的だった。