あらすじ
人生にあるいくつかの大事な分岐点。そして私は今ここにいる。
――8作からなる短篇小説集、待望の文庫化!
ビートルズのLPを抱えて高校の廊下を歩いていた少女。
同じバイト先だった女性から送られてきた歌集の、今も記憶にあるいくつかの短歌。
鄙びた温泉宿で背中を流してくれた、年老いた猿の告白。
スーツを身に纏いネクタイを結んだ姿を鏡で映したときの違和感――。
そこで何が起こり、何が起こらなかったのか? 驚きと謎を秘めた8篇。
「一人称単数」の世界にようこそ。
※この電子書籍は2020年7月に文藝春秋より刊行された単行本の文庫版を底本としています。
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「しかしたとえ愛は消えても、愛がかなわなくても、自分が誰かを愛した、誰かに恋したという記憶をそのまま抱き続けることはできます。それもまた、我々にとっての貴重な熱源となります。」
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フィクションが入り交じったエッセイとして読んだ。共感できるところ、書き口の独特さで読ませるところがあるなと思いながら読み進めたが表題作である最後の1編で突き放された。
全然意味が汲み取れなかった。
そもそもこれは小説だったのか(=フィクションだったのか)、私小説だったのか、なんだったんだろうと考えさせられた。
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村上春樹の作品に登場する主人公はいつも社会的弱者である。それぞれの人物は個性がはっきりとしていて、それが故に対人関係でうまくいかないこともある。人との出会いを通じて、自らの考えが改まっていく主人公の姿から違いを認め合う大切さを教えてもらった。
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村上春樹作品のあエッセイ?読破完了。
ノルウェイの森や騎士団長殺し等名だたる作品を読まずして、本作を読みました。
個人的に普通に面白い作品、ぐらいの感想。ただ、作中に出てくる品川猿の逸話は、紛れもなく面白い作品。猿に関するエピソードは本当か否か判別が付け難い。また、最後の、恥を知りなさい。このエピソードも教えて〜イヤミスならぬイヤエツのように感じた。
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記憶の曖昧さの中で進んでいく8つの短編集。日常の延長のような語りの中に、さりげなく非現実が入り込むのが印象的だった。
なかでも「品川猿の告白」は設定がユニークで面白かった。
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村上春樹さんの短編小説集「一人称単数」を読みました。う~ん、やっぱり引き込まれます。何なんだろう。どの作品もストーリーとしてとても面白いというのではなく、いろんな形で心に引っかかる作品というのか、とても印象に残る作品。語り口は相変わらず独特で滑らか。このなかにwith the beatlesというのがあって、物語もちょっと奇妙で面白い話(というと少し不謹慎かもしれない。だって昔の彼女が自殺したという結末なので・・・)なのだけど、割と冒頭近くに、自分が歳をとって、自分が歳をとることは自然と受け入れるのだけど、自分の周りにいた美しく溌剌とした女の子たちが、今ではおそらく孫の二人や三人いるであろう年齢になっているという事実だ。・・・自分が少年の時に抱いていた夢のようなものが、既に効力を失ってしまったことを改めて認めなくてはならないからだろうという話が出てくること。これが何だかとても印象深く心に残った。あとは、「謝肉祭」という作品。この作品のお陰で、自分も今はシューマンの「謝肉祭」を聴きながらこの感想を書いている。あと、人間の言葉をしゃべり旅館で働いている猿、品川猿の話。やっぱり面白い。読み始めたら止まらなくて一気に読んでしまいました。
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村上春樹に手が伸びない人でも読みやすい。
小説の人間関係がわからなくなったり、わからないまま仕方なく読み進めたり、20ページ読んでも集中できず中断したりする人は自分だけじゃないんだと安心しました。
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自分は情景描写やセリフの意図や意味を追ってしまう。けど、一人称単数の最後のようにどんなに完璧な正解を出されても納得できないような展開があるのが面白いようで、しばらく読まなくてもいいかなと思ってしまう理由になる。
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どれもファンタジーとリアリティが7:3くらいの割合で混じっていて彼らしさを感じる。
個人的にはクリームの話が好み。「中心を複数持つ外周を持たない円」という無理難解な概念自体はどうでもいいのだが、「君の頭は難しいことを考えるためにある」という言葉がなんだか心に残る。
世間的には『品川猿』が人気っぽいのも納得。
人語を操る従業員の猿という奇妙な設定、性欲を満たすべく女性から名前を盗むという突拍子もない発想、そしてその行為はもうやめたと言っていたのにふとした時に名前を忘れる女性との出会い。
不気味さが面白い。
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コアなファンじゃないから頓珍漢な感想しか書けないけど、なんとなーくワンパターンと感じていた長編とは違い、適度にファンタジー色が抜けててスイスイ読めた。
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ヤクルトスワローズ詩集、好きだな。
お父さんとのエピソードが好き。
他のエピソードはあまり記憶に残らなかったかなー。
品川猿とかは村上春樹の短編らしくて面白かった。
あとはクリームは示唆に富む話ではあった(面白いかどうかは別)
他の短編集の方が好き!
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私小説風の中に不思議な要素が入り込んだ短編集。恋人不在時にその兄から朗読を頼まれたとか、ピアノ教室が一緒だった女の人から招待状を貰ったらそんな会は無かったとか(それぞれ別の作品だけど)ギリギリありそうな話が展開されている。そんな中で宿泊先で喋る猿が恋する人の名前を盗む品川猿の話が不思議な味わいで面白かった。というか猿のキャラクターが出色。
表題作は書き下ろしのためか、謎だけ提示して不気味に終わっている印象。オチの付け方次第ではミステリーにもホラーにでも恋愛モノにもなるのに冒頭でぶち切られたような感がある。大先生の執筆されている本なので意図があるのだろうが自分にはサッパリ分からなかった。
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なぜか気になっていたが読めなかった作品というものは、きっと、読むタイミングではなかったのだろう、それでも、こうやって読むタイミングが来たということは…と、思ったのだが、正直言って期待を上回ることもなく…。
ただ、残念と思うこともなく。
また、いつかのタイミングで読み直す事だろう。
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村上春樹らしい文章がわかってきた。やれやれ。
以下そう感じた文章を抜粋
・風はなく、鳥も鳴かず、犬も吠えない
・自分が世界中から見捨てられてしまったような気持ちになった
・そうするのがいちばん正しいだろうという気がした
・人生における大事な出来事がおおかたそうであるように
・半ばあきれたみたいに、半ば感服したみたいに
どの短編も不思議な読み味の内容だった。
特に、醜い女性の話と品川猿の話が印象に残った。
最後の一人称単数のオチが1番分からなかった。どういう意味だったんだ。
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村上春樹さんの作品を今回で初めて読んだ。全体を通して思ったことは下ネタが多いなということと独特の空想感があるなということだ。正直少し拍子抜けした感じは否めないが不思議な気持ちにはなったしもう1回読んでみようかなという気持ちも芽生えた。ただ、思ったより女性が怒りそうな描写が多いようには感じたが、これが村上春樹なのだと思えば逆に清々しくも思えた。
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不思議な感覚になる
初の村上春樹。友人に勧められ、読んでみることに。全8作の短編集。最初は主人公はバラバラであると思っていたのだが、後半にかけておそらく同じ人物が主人公なのではないかなと考えた。
音楽に関する教養が出る作品だと思う。ほとんどの話にクラシックやジャズなどの作品が登場していた。知らないものばかりで、知識をつけなければと思った。
現代では使わないような(少なくとも若者層には伝わらないような)漢字を取り入れていたり、言い回しが難しいところに村上春樹みを感じた。
1番好きだった話は最後のもので、主人公の思考回路にとても共感を覚えた。しかし、1番謎めいていた話もそれである。純文学を感じた。
村上春樹の物語の進め方は思考を書くことなのだと知った。鉤括弧をよく用いるのは、漫画のようで読みやすかった。
1人旅の時に読みたい本
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村上春樹の作品を初めてよんだ
短編集だから初めてにピッタリだとおもう
「遠距離恋愛のガールフレンドを相手方家族とのドライブ帰りに自分勝手な理由で振り」、「雑誌に架空のレコードをでっちあげた記事を書き」、「知人(女性)の顔の悪さを長々と評する」・・とか伏線回収が綺麗に終わるとかではないが凄い考えるし引き込まれる文章力が凄い
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Audibleにて読みました。池松壮亮さんの朗読でした。(最近はAudibleが豪華声優さんで面白いです。)
初めての村上春樹で、短編集を手に取りました。
これが村上春樹の好き嫌いの分かれる感じか?という独特のワールドでした。女性である私は言いたいことたくさん、ツッコミどころ満載。それも楽しむのがハルキ二ストなのかな?
余裕があれば長編も読んでみたいです。今度は活字で。
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今年は村上春樹を読むぞ~という気持ちになり、村上春樹初め。品川猿がファンタジーエッセイみたいな世界で読みやすかった。表題作の一人称単数が全然分からなかった。でもこの分からなさが私にとっての村上春樹だ…。
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行きずりの女から送られてきた歌集。中心が沢山あって外周を持たない円。実在しないレコードの批評記事。すり替えられたアイデンティティ…。日常の風景の隙間に突然混入する非現実。現実と非現実の曖昧な境界を描いた8編のメタフィクション。
「一人称単数」(2023)村上春樹
#読書好きな人と繋がりたい
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はじめての村上春樹でした。3.4年前からずっと読みたくてやっと購入。この本を読んだ友人が「石のまくらに」の話をしていて、面白そうだと思ったのだった。
個人的には、「石のまくらに」「品川猿の告白」「一人称単数」が好きだった。文体がすごく読みやすく、すらすらと読めた。結構短いというのもあるからかもしれない。けど、ジャズや野球に関することが出てくるときは、全く知識がないのであまり楽しめなかった。他にも村上春樹の作品を読みたいと思えました
Posted by ブクログ
現実と虚構の狭間に漂うような自分の好きな雰囲気の作品を集めた短編集。
中でも"クリーム"に登場する謎の問いかけをする老人、"チャーリー・プレイズ・ボサノヴァ"に登場する物語の中にしか存在しないはずのレコード、"品川猿の告白"に登場する人間と話すことの出来る猿が好きだった。
1番面白かった話は「品川猿の告白」だった。
人気のない街で泊まった旅館で経験した不思議な話という設定も良かったし、その後猿によって引き起こされたであろう事件まで書いていたのが良かった。
一人称単数の結末で主人公が見た景色はなんだったのかが気になる。
海辺のカフカほど壮大ではないが1歩だけ現実からはみ出すような雰囲気が好きだった。
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村上春樹氏の長編小説のファンタジー要素が苦手で短編集や旅行記(エッセイ)ばかり読んでいる。この作品も短編集なのだが、日頃の生活に何気なく起こる居心地の悪さや、説明のつけられない体験をアンニュイに、かつ少しファンタジー要素を加えて、氏の簡潔な小気味良い言葉で綴られている。
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村上春樹らしくリズムが良い惹き込まれる文章で、サクサク読める。
現実なのか虚構なのか、何とも言えない不思議な世界観の作品もあり、良い意味で春樹らしさが滲み出ている。クリーム、ヤクルトスワローズ詩集は人生の金言となるような言葉も出てきて興味深い話だった。
ただ、全体的にパンチが弱くあまり印象に残らなかった。やはり長編を読んでナンボの人だと思う。
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初めての村上春樹作品。
帯に人生にあるいくつかの大事な分岐点。そして私は今ここにいる。8作からなる短編小説集、とあるけど、実際に村上春樹として文章にも出てくる場面もあるので、小説と言うよりエッセイ?私小説のようにも感じた。
私は音楽にあまり詳しくないから、音楽の説明や音に対する描写がつぶさに見える文章に少し困惑した作品も多かった。
ヤクルト・スワローズ詩集と品川猿の告白、最後の一人称単数はあーなるほどそうなんだー、と納得しながらクスッとして読んだ。
まあでも文章は独特の雰囲気だと全体を通して感じた。コレが村上春樹作品?まだ全貌はわからないので、他作品も読んでみますか。