あらすじ
人生にあるいくつかの大事な分岐点。そして私は今ここにいる。
――8作からなる短篇小説集、待望の文庫化!
ビートルズのLPを抱えて高校の廊下を歩いていた少女。
同じバイト先だった女性から送られてきた歌集の、今も記憶にあるいくつかの短歌。
鄙びた温泉宿で背中を流してくれた、年老いた猿の告白。
スーツを身に纏いネクタイを結んだ姿を鏡で映したときの違和感――。
そこで何が起こり、何が起こらなかったのか? 驚きと謎を秘めた8篇。
「一人称単数」の世界にようこそ。
※この電子書籍は2020年7月に文藝春秋より刊行された単行本の文庫版を底本としています。
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Posted by ブクログ
短編小説集(エッセイも混じってる)でサクサク読みやすい
著者の本は初めて読んだ
言葉の使い回しとか、文章表現や喩えは個人的に好きなのが多かった。
ジャズ、クラシック、短歌、スワローズなど、ウィットに富んだ引用が多くて興味深かった
温泉入ってたら猿入ってきた、とかストーリーだけ切り出すとそこまで捻られたものではないが、猿なのにやたら律儀でかしこまった人みたいな語り口調で話してるのが面白かった。
この本にあるように、なんかその人の名前は覚えてないしもう会うことはないけれど、言われたことや発言はやたら記憶してるみたいなことって往々にあるよな、という感じがした。