村上春樹のレビュー一覧
-
Posted by ブクログ
村上春樹が趣味のランニングを通じて、時に作家人生についても振り返るエッセイ。本文内ではメモワールと語っている。
村上春樹のような作家は、みな天才で常人とはかけ離れた考えをしてると思っていた。しかしそんなことはなく、彼も1番大事にしていることは最後までやりぬくという普遍的なものだった。自分は最後までやり抜くであったり、コツコツ継続するということが大の苦手だ。そんな性分を自分もランニングを通じて少しずつ改善してみようかな、「わずかでもそれらしき場所に近づいて」みようかな。そう思わせてくれるエッセイだった。
ところで自分は物語には起承転結を求めてしまいがちなのであまり村上春樹は刺さらなかった経験が -
Posted by ブクログ
母に村上春樹さんを進められ、羊をめぐる冒険を途中まで読み進め、先に夏帆を読破した若者です。
事前情報があまり無く、帯に惹かれ購入しました。
帯に書いてある
この世界の出口を見つけなくてはならない
という言葉に、リアル環境の要因故になにか困難が主人公を阻むのかなとか勝手に考えていたから、いざ読み進めるとあれ?ファンタジー?となって、終盤に差し掛かるまでんん?どっち?ってなってました。それも含めて個人的に楽しかった。
内容自体がなんというか、一貫して丸裸ではなく、何処か包み隠されたような象徴的でさっぱりした感覚でした。でも今の本人のやるべき事、表現はそれなんだと納得がありました。
村上春樹 -
Posted by ブクログ
モーターサイクルの男、佐原に出会ってしまったがために奇妙な世界へ足を踏み入れることになった夏帆の物語。名作『1Q84』の牛河もそうでしたが、じめっと粘り気があり薄気味悪い男、そしてそれが確実にこちらを追ってくるという描写が村上春樹は本当に上手いなと思います。他にも『とぎや』で店主を一突きする場面、実態ではなく観念を貫くため結局血は流れません。読者としてはおやおや、騎士団長?という懐かしさを感じるシーンですが、より重要なのは、店主やありくいの旦那に込められた村上春樹の比喩表現、舞台演出に対する考え方。「いったん始めたことは終わらせなくてはならない」、「鋭く研がれた刃物は、持ち主の意思とは無縁にひ
-
Posted by ブクログ
ネタバレ眠り続ける姉のエリ
深夜のファミレスで何もしていない妹のマリ
2人の間を繋ぐ高橋
アルファヴィルの従業員、中国人の女の子
都会のサラリーマンの攻撃性の象徴みたいな白川
そして視点。
深夜帯の不思議な、別の世界みたいな感覚を味わえる作品。
「人間ゆうのは、記憶を燃料にして生きていくもんやないのかな」コオロギの言葉がなんだかすごく沁みる。村上春樹が言いそうだけど言わそなそうな言葉。
高橋は孤独な幼少期のことが忘れられずにいるし、コオロギもとびきり怖いなにかから逃げ続けている。白川は中国の奴らに追われ続けるだろう。エリはマリとエレベーターに閉じ込められたことを燃料にできていなかったのかもしれない。 -
Posted by ブクログ
すごく良かった。
田村カフカくんは自分の過去と向き合うため、森深く入っていく。
ナカタさんとホシノさんは入り口の石を求める。
予習としてオイディプス王を読んでいてよかった。読んでなくても全く問題ないけど、近親相姦という展開の意味合いを受け止めやすい。
カフカくんの章は現在形(言う。見る。)、ナカタさんの章は過去形(言った。見た。)で展開していることに気づいた。
カフカくんの場所は、不確かな壁の世界に似たものがあり、惹きつけられた。大島さんとの会話も。
ナカタさんとホシノさんのかけ合いが好き。終盤は想像してなかった展開だったけど、空気さなぎ感があった。
村上春樹はやはり影が好きですね。