村上春樹のレビュー一覧

  • 1973年のピンボール

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    迷わずにfive stars
    短い小説ではあるが、付箋だらけになった。

    ノルウェイの森と鼠三部作の関連性ははっきり言及されていないと思うが、先に読んだノルウェイの森の直子と本作品の直子がどうしても重なってしまう。直子と井戸について同時に言及されているので、尚更そう感じる。

    倉庫の中での「スペースシップ」との再会と別れは、語り手が手放せずにいた直子の死や過ぎ去った過去(人、街、文化)に別れを告げたことを象徴するのではないか。
    そしてその別れと共に、語り手の時間は少し動き出したような気がした。
    けれどそれは成長というよりは、生きている限り、時間は進み、同じ場所に留まることはできないということな

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    2026年02月07日
  • 色彩を持たない多崎つくると、彼の巡礼の年

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    前に読んだのは中学生、かっこつけて読んだ1Q84だった。その頃から、勝手に読みにくい作家として覚えていたけれど、久しぶりに読んだら表現がとても好みで成長したな〜

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    2026年02月07日
  • もし僕らのことばがウィスキーであったなら(新潮文庫)

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     奥様が撮られた写真と村上春樹のエッセイでしか読めない言葉遣い。
     私は著者の奥様でしか語れないことや距離感が好きである。星野道夫の奥様が出された本も好きだったが、村上春樹の奥さんの写真も素晴らしい。特に春樹さん(と呼びたくなる)のカットは、奥様でしか撮れない特別な距離感が現れている。旅もウィスキーもいいが、ほんとうにいいのは奥様がそばにいてくれることなのでは?と思わずにはいられない。

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    2026年02月06日
  • 色彩を持たない多崎つくると、彼の巡礼の年

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    ネタバレ

    いろいろな人の視点、考えや気持ちが伝わってきつつも、すべてつくる視点であり全部が語られてない点、こっちに考える余地があるところが面白かった。

    暗く黒い海を渡れるか。差し出されている手に気づけるか。
    つくるには見えないクロとシロの関係性。シロがクロに求めていたこと。クロがシロがいてできたことと、できなかったこと。
    アオの覚悟・決断とその道。アカの孤独。
    (たぶんあの年上の女は既婚者だと思う・・!のは自分だけ?笑)

    10代の自分が読んだらどんな解釈を持っただろうか。
    30を超えたらまた読みたい。

    感想を話し合えたこともいい時間だった。思い出の一冊。

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    2026年02月05日
  • 1Q84―BOOK3〈10月-12月〉後編―(新潮文庫)

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     読書によってこんな体験ができるのか…。   
     私は、フカエリやその他の強制性交を天皇制を軸とした侵略戦争による日本人としての傷みと捉えて読んだ。そういった傷みを見つめることが、新しい通路を開く。「声を聞く」なんて玉音放送みたいじゃないか。
     しかし、この作品はそのような歴史的視点の導入だけで安易に読み解かれるものではない。核心的な部分はここだ。
     「心という作用が、時間をどれほど相対的なものに変えてしまえるかを、その光の下で天吾はあらためて痛感する。」
     時間は乗り越えられる。心という作用によって。
     ここに文学作品の必要性と人間が持ちうる資質への言及がある。苦しみを乗り越える資質を、私

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    2026年02月04日
  • 色彩を持たない多崎つくると、彼の巡礼の年

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    村上春樹の作品はノルウェイの森以来はじめて読みました。色彩を持たないっていうのは一見個性がないとか自分の芯がないって考えがちだけど、周りの色を受け入れる器のようなものっていう表現がすごく素敵に感じました。おもしろい!!!

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    2026年02月04日
  • 村上春樹、河合隼雄に会いにいく

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    最近は対談集をよく読んでいる。この本もその流れで買った。村上春樹と河合隼雄。小説界と心理学界の大御所対談。やはり面白く、読むたびに自分のなかで立ち上がる何かがある。

    「深く病んでいる人は世界の病いを病んでいる」という言葉が印象的だった。

    病むということは、その人が病んでいる、というよりも、世界や社会、時代の病いをその人が引き受けている、というニュアンスで書かれており、なるほど確かにそうかもしれないと唸らされた。

    私はこれまで社会と個人を分けたものとして考えていたかもしれないが、それは渾然一体としているのかもしれない。

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    このレビューを書いている現在、衆議院選挙が行

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    2026年02月03日
  • ねじまき鳥クロニクル―第1部 泥棒かささぎ編―(新潮文庫)

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    タイトルからファンタジーっぽいのを想像してたけど、全然違った。
    面白い、とは少し違う。惹きつけられる、虜になる、中毒性がある、とかが相応しいだろうか。

    路地での猫探し。学校に行かない笠原メイ。加納マルタ・クレタ。妻の兄、綿谷ノボル。不思議な老人本田さん。そして、間宮中尉の長い話。

    改行が少なく文字がびっしり書かれたページが続き、明らかに重いはずなのに、するする読めてしまう。
    かつらの話は笑った。
    間宮中尉の話はほんと長いけど、夢中になって読んでしまった。

    カティサークが飲みたくなった。

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    2026年02月03日
  • 色彩を持たない多崎つくると、彼の巡礼の年

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    村上春樹の中で1番好き。色がストーリーの中に入ってることで、小説を読んでるのに自分で物語の情景が作りやすい。本が苦手でも読み進められると思う。

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    2026年02月02日
  • もし僕らのことばがウィスキーであったなら(新潮文庫)

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    私事ではございますが、投稿が500冊となりました。
    これからも日々、本のある生活を過ごしていきたいと思います。
    自分の三大欲求は「食欲・睡眠欲・性欲」ではなく、「本欲・筋トレ欲・コーヒー欲」ですが、コロナのせいでその一角が崩れてしまいました。筋トレです。
    幽遊白書でいうと雷禅です。
    コロナのせいで完全に弱りました。
    その中で、猛烈にランクを上げてきたのがウィスキーです。
    もうウィスキー愛が止まりません。
    著書に書かれているウィスキーは一通り飲みましたが、飲んだだけでアイルランドやスコットランドに行ったような気持ちになりました。
    ただ、個人的

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    2026年01月31日
  • 1Q84―BOOK3〈10月-12月〉前編―(新潮文庫)

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     物語は凪の状態に入った。雲の上を歩いているのに、心臓の在処だけははっきりしているような感覚。心をあっちやこっちに引っ張るエンターテイメント的な展開が一切ないのに、固定された心臓が絶えず振動し続ける。文体の美しさと展開の静けさによる妙。長編でしか成し遂げられない言語空間が立ち上がっている。
     読者の日常生活の中に、日常世界とは異なる言語空間を立ち上げること。優れた小説家にはこんなことができるのか、という感動。

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    2026年01月31日
  • 海辺のカフカ(下)(新潮文庫)

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    余韻が長く残る小説だった。
    物語を追うというより、言葉に浸り、想像する時間を過ごした感覚に近い。
    登場人物の中ではナカタさんが特に印象的で、不思議さと同時に、どこか静かな安心感を与えてくれる存在だった。

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    2026年01月30日
  • 走ることについて語るときに僕の語ること

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    まず村上春樹さんがサブ3.5くらいで走れることに驚きました!自分も走り始めたのがちょうど同じくらいで走ってる時に考える事はとても共感できました。

    海外のマラソン大会出てみたいー

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    2026年01月29日
  • スプートニクの恋人

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    夢と現実は違うということが
    一致するたびに、自己を喪失していく。
    すでにすべて失くなったと感じていても、
    人は夢を見続けるものだから、
    喪失を止めることはできない

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    2026年01月26日
  • 走ることについて語るときに僕の語ること

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    ランナーとしての村上春樹のメモワール。
    元競技者であり、同じくひとりのランナーでもある立場から読んだ。深く同意するポイント、春樹はこんなことを考えるんだと新鮮に感じられるポイント、いろんな発見があった。

    特に2、4、6章は定期的に読み返したいものです。

    p90の景山氏の「村上さん、ほんとにマジでコースを全部走るんですね」という発言が、春樹の小説であまりで出てこない表現だったので新鮮だった。まあ、メモワールだから当然なんだろうけど…

    以外、印象に残った箇所を引用。
    p61. 学校というのは入って、何かを身につけ、そして出ていくところなのだ。
     →とある善き期間とは心地よいものであるが、その

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    2026年01月25日
  • 海辺のカフカ(上)(新潮文庫)

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    思考の輪を止めてはいけない。

    「想像力を欠いた狭量さ、非寛容、一人歩きのテーゼ」
    もし、どこかで考えるのをやめて自分が正しいという独善的で非寛容なところに立ち止まり続けてしまう場合、それはイデオロギーになり、だれかを排除し、傷つける道具になってしまう

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    2026年01月20日
  • 海辺のカフカ(上)(新潮文庫)

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    「世界でいちばんタフな15歳」という言葉があるんだけど、最初は「強くなれ」に聞こえる。でもよく読むと「お前の中にある厄介なことと、一緒に生きろ」って言ってるんだ。私、完璧さを求めるのをやめた時、生きやすくなった気がする。この本もそれを言ってるのかな。

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    2026年01月19日
  • 海辺のカフカ(下)(新潮文庫)

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    良すぎるー、、、主人公がまだ中学生なのがすごい。長いけど、すらすら読めた。ナカタさんと星野青年が好きだなあ。みんなそれぞれ少し悲しくて寂しくて交差していく感じが切ない。
    謎な部分も多いけど夢を見ている時みたいな納得感があって特に疑問は抱かなかった。

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    2026年01月18日
  • 1Q84―BOOK3〈10月-12月〉後編―(新潮文庫)

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    BOOK3 前編ではほとんどストーリーが進まずこの最終巻も特に何も起こらず終わるのでは...?と思いながら読みはじめたが、いい意味で予想を裏切られた。

    完全には回収されない伏線のようなものが結構あったが、それもいいかも。リトル・ピープルはなんだったんだろう。最後に階段を上った後の世界はまた別の世界なのだろうか。安達クミは天吾の母親の生まれ変わりなのか。

    ところどころにあった別の人物のパートで同じものを描いているところが表していたものは何か。読んでいる時は色々思うことがあったが忘れてしまった。またメモしながら読み返したい。

    天吾の父親が NHK 集金人をしていたのが「いちばん上手にできるこ

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    2026年01月18日
  • スプートニクの恋人

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    村上春樹さん、これまで読んできた作品を数えると、まだまだですが10作品くらいでした。この『スプートニクの恋人』はめずらしく上下とかに分かれていない、短めの小説。

    だからこそ春樹要素が凝縮されています。

    村上春樹さんにも、映画監督の小津安二郎さんが言った「僕は豆腐屋のような映画監督なのだから、豆腐しか作れない。油揚げやがんもどきならつくるけど、とんかつは作れない。」という言葉がぴったり当てはまると思っています。(前にも同じようなことをここに書いたかもしれないけど)

    春樹ワールドには、以下のような人・ものが繰り返し出てくる!
    ・料理が得意で市民プールに泳ぎに行き、シンプルな服を着こなし、とり

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    2026年01月17日