村上春樹のレビュー一覧

  • 街とその不確かな壁(上)(新潮文庫)

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    若いときの物語と同じモチーフだけど、しっとりとやさしい雰囲気で、作者の落ち着きを感じる。
    無意識の下に釣り糸を垂れる作業が小説を書くことだと対談などで話していたのがうなづけた。ただ、この作品では、個人の無意識下と周囲のそれがつながっていることを表している気がする。その壁が不確かなのではないか?

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    2025年10月30日
  • 1Q84―BOOK2〈7月-9月〉前編―(新潮文庫)

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    ネタバレ

    少しずつ物語の全容が明らかになってきている。青豆は感情を排して仕事に徹する思っていた。青豆の心情の変化が気になる。全体の感想は最後に。

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    2025年10月30日
  • 1Q84―BOOK3〈10月-12月〉後編―(新潮文庫)

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    かなり前巻から時間がかかってしまった。
    正確に2週間ほど読み終えるまでに時間を要した。

    前巻では、世界の秩序やルールは無作為に且つ無慈悲に僕たちに襲いかかる。
    それは自分がルールの蚊帳の外にいるというある種現代人じみたデタッチメント的思考である。
    自分はルールの外にいるつもりだが、ルールから逃れることは出来ずそれが牙を向いた時にそれを自覚する。当人はゴーストライターや殺人を犯しておりよりルールと結びついた人間でありながら。
    しかし、よく良く考得てみると、生まれた時から彼らはルールの中にいるのだ。
    家庭であるとか学校であるとか、はたまた公園である。
    そんな混在する個人のルールに自分自身が染まっ

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    2025年10月27日
  • 走ることについて語るときに僕の語ること

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    この状態は憧れだけど、村上春樹は締切から逃げ切っており徹夜をしないから走れているのではないかと思った

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    2025年10月24日
  • パン屋再襲撃

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    なんと約40年前の著作。今よりも閉塞感が少なく希望に満ちていた時代の空気感が感じられます。村上春樹さんの文章も力強く若々しい気が。面白かったです。ここから名作、ねじまきどりクロニクルに繋がるんですね。

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    2025年10月19日
  • 世界の終りとハードボイルド・ワンダーランド(下)(新潮文庫)

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    高校生のときに読んだ本作、40歳の今再読し、あまりの記憶のなさに笑った。きっと、当時理解出来なさすぎだのだろう。

     本作に通底しているテーマは、「自己とは?」かなと思った。影というのはそのまんま、ユング心理学で言う"シャドウ"、頭骨から読み取る古い夢は、シャドウを生み出すきっかけになるような、幼少期の記憶やさらには仏教で言うカルマ、世代を超えて受け継がれる集合意識のようなもの、と気がつくと脳内変換しながら読んでいた。

     最終的に主人公が選択するのはシャドウを生かすということ、ただしシャドウと一体化して無意識になるのではなく客体化してお互いに自立する道。それは森の奥に追い

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    2025年10月19日
  • 世界で最後の花 絵のついた寓話

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    冒頭に作者が娘に対して書く。
    「君の住む世界が、私の住む世界よりもっと善き場所に、なっていることを祈って」
    しかし出版した年に、ナチスがポーランドに侵攻。
    本作では愛すら失った人類が、一輪の花を大切にすることで、ハチドリがやってきて、森が生まれ、人類は再び愛を知る。
    エミリ・ディキンスンの詩に 草原に必要なのはクローバーひとつとミツバチ とあるが、そんな美しさがある。
    だが結局人類は争いを起こすのだが…

    シンプルな話だけど、感動した。

    ほぼ全盲の作家が描いた本作。作家は自分の絵がうっすらとしか見えていなかったらしい。

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    2025年10月18日
  • スプートニクの恋人

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    村上春樹の中で、一番好きな小説。
    ロマンチック。
    読んでいる時、付き合いたての恋人と
    誰もいない自然の中でくっついて過ごしているような不思議な安らぎに包まれた。
    読み終わりたくないのに、読み進めてしまう。

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    2025年10月17日
  • 国境の南、太陽の西

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    読み終わってすぐ感想を書いている。
    そうしないと、誰かに勧めるときにありきたりな言葉を使いそうだからだ。
    主人公は側から見れば順風満帆な生活を送っている。しかしその生活は自分の努力によるものではないと考えており、生活に満足していない。
    そんな時に小学生時代に心を通わせた女性と再会して、恋に落ちる。何の不満もない妻と娘2人がいて4LDKに住んでいる生活を捨ててもいいと思うほど、恋に落ちる。
    妻と島本さん(恋に落ちた女性)の性格、外見が入れ替わっても、主人公は恋に落ちていたと思う。主人公は状況に惹かれているのだ。順風満帆で不満はないのに、なぜか物足りないと感じる。そんなときに自分の思い通りにならな

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    2025年10月17日
  • 神の子どもたちはみな踊る(新潮文庫)

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    全編好きだったな。
    テーマの1つは、阪神・淡路大震災であるが、直接的な被害などは書かれていない。地震大国の日本で生きていくということは地震と付き合っていくことだが、直接的な被災をしなくても地震からは何らかの影響は受けるし、忘れてはいけない。

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    2025年10月17日
  • 村上朝日堂 はいほー!(新潮文庫)

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    ネタバレ

    狭い日本・明るい家庭
    標語の話が面白すぎる、ラブホテルに「本当にそんなことをしなくちゃいけないんですか?」は是非とも貼ってほしい

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    2025年10月16日
  • 螢・納屋を焼く・その他の短編(新潮文庫)

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    ネタバレ

    『蛍』
    ノルウェイの森の原型。
    主人公と、親友と、親友の彼女。親友は自殺し、二人は取り残される。
    この、大切な人の『死』が決定的に二人を損なって、その傷に気付かまいとする、なんともいえない空気感が好き。

    『納屋を焼く』
    薬でトリップしているときに唐突に「時々、納屋を焼くんです」と彼女の新しい恋人に告げられる。
    近くの納屋を焼く予定だともいい、主人公は探すも、結局焼かれた納屋は見つからず。後々会った時には、焼いたと言われるが……。そして、彼女は『消え』、音信不通となる。

    普通だったら、主人公が代わりに捕まっちゃいそうなもんだけど、そんな簡単な話になるわけなく。
    分からなすぎて、色々解釈を読み

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    2025年10月15日
  • 国境の南、太陽の西

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    もっともっと評価されて良い作品。
    ストーリー自体は何かの恋愛小説で見たことがあるような王道な展開。けれども、そこに春樹の魅力的な言い回しや比喩、暗喩表現が加わって、ただの恋愛小説で終わらせない世界観を構築していて流石の一言です。文章のリズムも良く、展開も気になって読む手が止まりませんでした。
    内容としては、過去や幻想に囚われることで目の前の幸せなはずの現実が見えなくなり、どのような選択を取るべきか苦悩するハジメの心の葛藤がリアルに描かれています。
    一度狂った歯車は簡単には元に戻らない。過去は過去でしかなく現実と未来に目を向けなければいけない。そのようなメッセージを私は受け取りました。「国境の南

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    2025年10月13日
  • 神の子どもたちはみな踊る(新潮文庫)

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    村上春樹の本は、ちょっと詩的で哲学的で、ファンタジーで、とても面白いです❗️
    めちゃめちゃ良かったです。

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    2025年10月13日
  • スプートニクの恋人

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    ネタバレ

    私の名前も。すごく高い理想を重ねられている。
    いわゆる名前負けしていると周りから言われたことがある。

    だけども、そんな曲(槇原敬之)を聴きながら
    まだ見ぬ私のことを思って母が名付けた
    この事実が美しいと感じられたから序盤でこの本が愛しくなりました。

    「あなたがどれくらい魅力的か、あなた自身にもそれはわからないんじゃないかしら」
    自己肯定感が低い私にはお薬のように沁みた。

    「大事なのは、他人の頭で考えられた大きなことより、自分の頭で考えた小さなことだ」
    正しい、正しくないも大切だけど、自分で考えることが、その物事に関係なくても自分の中の栄養になってるんだな。

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    2025年10月09日
  • アンダーグラウンド

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    地下鉄サリン事件の被害者へインタビューをしてまとめられた作品。

    村上春樹さんの文体で読みやすい内容ですが、
    今までの報道では被害者を数字でしか知り得ませんでしたが、1人1人の人生苦悩があることを改めて実感し、改めて事件の悲惨さを感じることができました。
    また、多くの人の人生を覗き見ることができたようで、たくさんの気付きや発見もありました。

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    2025年10月09日
  • 1Q84―BOOK3〈10月-12月〉前編―(新潮文庫)

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    ある種、秩序やルールが存在する世界
    それは、体系的に描かれた文学の世界そのものであり尚且つ我々が向かい合う社会構造そのものである。
    それが能動的に襲ってくるということが起きないだけで
    つまりはデタッチメント的側面で生きていても社会との接点や、その牙から掻い潜ると言うことは上手く実行することはできないのだ。
    秩序は個人を強制的に社会に同居させそれはある種困惑を産むかもしれないが、それは適合も産む
    変化は進化であり、退化も進化なのだ。
    村上春樹がエルサレム賞でしたスピーチ
    卵と壁
    まるで、ルールは壁で個人は卵である。
    それを体現しているかのように理不尽に、天吾と青豆の元に秩序は襲いかかる

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    2025年10月13日
  • ねじまき鳥クロニクル―第3部 鳥刺し男編―(新潮文庫)

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    読んできた村上春樹作品の中で最もグロい描写が多かった。過去に壮絶な経験をしてきた人物たちが絡み合い、その過去回想に深く引き込まれた。

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    2025年10月08日
  • 海辺のカフカ(下)(新潮文庫)

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    面白かった。未回収が多すぎてどうだったんだろう、なにが正解なのだろうがすごく残るけど、それもまた一興。星野くんとナカタさん、いいコンビだったなあ

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    2025年10月07日
  • 風の歌を聴け

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    悪い風が吹くばかりじゃない。風の歌を聞きながら、良い風が吹くのを待とう。それがテーマなのではないかと私は受け止めた。孤高な主人公の生き様が、そしてそれがどこに向かうのか、関心を持ってページをめくりつづけた。風変わりな登場人物。翻訳調の文体。乾いた空気感。私小説的な体裁を取りながらも、どこかファンタジックで、その独特の世界観にとりこになる。

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    2025年10月04日