村上春樹のレビュー一覧
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若い頃何度も読み返し、手元にあったのはボロボロになっていた。
何度目かの大々的な断捨離で「もう不要だ」と手放したものの、痛烈に呼ばれたので本屋さんで新品を購入。
読むたびに、違う感触を得るのがとても面白いところ。
今回は、とても痛い所をキリで突かれた。
度々論争になる、村上春樹
「分かる派」対「分からない派」問題。
彼の文章は、読む者の無意識を刺激して、日常生活では使われていないある種の回路を発動させる仕掛けになっていると思う。
なので、因果関係が明快なエンターテイメントとして読むと「分からない」。
ツルツル滑る、眠くなる。
ここではない、どこかへタッチさせてくれる寓話として読 -
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凄く面白い短編集だった。
今まで、蛍その他短編集、パン屋再襲撃、女のいない男たちを読んだが、パン屋再襲撃の次に好きな短編集となった。
内容としては相手の奥行きを測り損ねてしまう、正確には覗き込もうとするがその輪郭は当事者にしか掴めないということを多面的に述べていた短編集だと思う。
タイトルにもなっている、中国行きのスローボートや午後の最後の芝生、土の中の彼女の小さな犬など、初期の村上春樹が持つ物語を曖昧に操作する力が上手く働いた作品が多かったと思う。
輪郭が曖昧で、道が川のようにスルスルとしており、それこそ風の歌を聴けのように全体の空気感とファクター、小物でニュアンスを操作しているものが -
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村上春樹さんの作品、私は好きだなあと思う。(まだカフカしか読み切ってないけど)
このあと青豆と天吾の運命が重なるようにストーリーが進んでいくんだろうけど、警察銃撃事件のこととかNHK のこととか断片情報万歳でこっからっていうこのミステリー感?が私はめちゃくちゃ好きです。
割と一章ごとくらいに頭が疲れてしまうので一気読みはできないけど、先が楽しみすぎて最後まで読み切ってしまいそうな予感がしてる。
青豆とあゆみの会話は卑猥よりむしろ上品に聞こえるまであるし、殺人を犯せる青豆も自死してしまった環もどこかおかしいんだろうけど、すごく共感してしまう部分もあったりする。
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ネタバレ色々伏線もあって、一度では解釈が難しい内容でした。
主人公である肖像画家と秋川まりえ
2人にしか見えない世界が見えることで、負の連鎖を断ち切る『輪を閉じる』迄の試練を各々に課されます。
そのプロセスが余りにも表現だけの世界のようにストーリーの展開が遅く感じられましたが、
人として完璧と思える免色さんには、大きな欠点が見えてきました。
時折出てくる謎のスバルフォレスターの男も主人公の別の顔として登場しているではと思い至りました。
なぜなら主人公は、肖像画家として描く前にモチーフと会話を通してじっくり向き合う時間を必要とし、本質を捉え作品にして行くからです。
最後に秋川まりえが、苦手としてい -
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本当に面白い小説だった。最初から独特の世界観が感じられて物語にぐいぐい引き込まれた。村上春樹の長編を読むのは初めてだったが、この人特有の比喩表現とか物語の展開が自分の好みにすごくあっているんだと思う。いろいろな意味深な表現や出来事がたくさん出てきすぎていて、すべての意味を理解するのはとても難しいと思うが、この物語は人間が心の隙間を埋めて自分を認められるようになるまでの過程を描いているのではないかと思う。さくらと佐伯さんはカフカの実の姉、母ではないとは思うが、カフカはそう自分の中で認められるような根拠を探し求めているように思えた。そうすることで呪いを受け、解放されることができるからだ。また、カフ
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ネタバレ面白くてページをめくる手が止まらなかった。
青豆の話 - 一見は高身長のスラッとしたバリバリキャリアウーマン。しかし本当はお金持ちや悪人の首に細い針を刺して殺す人。これを知ってるのはとあるおばあちゃんとその手下だけ。最後東京のバーで女の子と知り合い、おじさんたちと飲んだがその後…?
天吾の話 - 天吾は、ふかえりの書いた新人賞の小説に深く感動し、上司のアイデアでふかえりと協力して芥川賞を狙うことになった。しかしふかえりは本当はディスレクシアで、実際のところ彼女が口頭で話したことを血の繋がっていない姉に書いてもらっていた。ふかえりの両親はとある封鎖された所に何年もいるらしく、連絡がつかない。 -
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ネタバレずっと不思議な読み心地だった。
文章自体はかなり男性っぽいというか、めちゃくちゃわかりやすい論理的で即物的な文。一文一文は淡々としてるからこそ頭に入ってくる感じ。
でも情景描写や比喩になると急に遠回しで柔らかい。
月、雲、空気、いろんな夜、あの滑り台のある公園や人の孤独。そういうものの描き方がすごく繊細で、女性が書いたみたいな優雅さがある。冷たくないんだよね。独特の色気がずっと漂ってる。
そのおかげで世界観の見せ方がほんと絶妙。
最初ずっと「え、これ何?」ってなるのに、全部を説明しすぎない。なんか謎のオブラートに包まれたまま話が進む。でも読んでるうちに、バラバラだった違和感がだんだん繋がっ -
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風の歌を聴けに続いて久しぶりに読んだ。
初めて読んだ当初は風の歌を聴けが衝撃的でそちらの方が好きで印象に残ったという感想だった気がするが、久々にどちらも再読した今はこちらの方がより好きだと思った。
ずっと読んでいたいと思うような世界観。
風の歌を聴けが青春の爽やかさを存分に感じられる作品であるのに対し、ピンボールは全体が物悲しい雰囲気でそれがなんとも心地よい。舞台になっている夏と秋、それぞれの季節を落とし込んだような文章。
僕のどこか冷めて達観しているけれど、双子に対して愛着とあたたかさを感じているところがよかった。素直に寂しいと言えるところも。
書き出しの一文がとても魅力的で引き込まれ -
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13歳の主人公ジョエルが、生き別れた父に会いに南部のヌーン・シティーに行き、父の屋敷で、父の後妻のエイミーやそのいとこのランドルフ、女中のズーと暮らす中で、病気で寝たきりの父に本を読んであげたり、不可解な大人たちに振り回されながら日々を送る。
蠱惑的な場面の描写はいかにもカポーティらしい。
仲良くなったアイダベルと釣りに行く場面は、自然の美しさと思春期の二人の世界に引き込まれるように読んだ。
ジョエルが、破滅的な人生を送る大人たちを顧みつつも、少年時代からの一歩を踏み出そうとするラストが良い。
アメリカ南部の暮らしのどこか気だるげな感じ、マッカラーズの小説に通じる所があって、私は好きです。 -
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ネタバレp.121
「でもね、よく考えてみろよ。条件はみんな同じなんだ。故障した飛行機に乗り合わせたみたいにさ。もちろん運の強いのもいりゃ運の悪いものもいる。タフなのもいりや弱いのもいる、金持ちもいりや貧乏人もいる。だけどね、人並み外れた強さを持ったやつなんて誰もいないんだ。みんな同じさ。何かを持ってるやつはいつか失くすんじゃないかとビクついてるし、何も持ってないやつは永遠に何も持てないんじゃないかと心配してる。みんな同じさ。だから早くそれに気づいた人間がほんの少しでも強くなろうって努力するべきなんだ。振りをするだけでもいい。そうだろ?強い人間なんてどこにも居やしない。強い振りのできる人間が居るだけさ -
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ネタバレ肖像画家の主人公の放浪記のようなスタート
いきなり、村上春樹ワールド全開で、別世界へ連れてかれる。
主人公15歳妹12歳で死に別れる。妹にどことなく似ている元嫁。
放浪の末、画家の雨田の父、具彦の空家に住むことになる。
自分の画材一式を持ち込み、何か書こうとするが、何も浮かんでこない。
悶々とする中、屋根裏から一枚の絵を見つける。
「騎士団長殺し」構図にいくつか、引っ掛かる箇所があり、またもや悶々としている中、とある肖像画の高額依頼が飛び込んでくる。免色というのが彼の名前だ。
実際、肖像画を描き始めるが、中々構図が決まらない。こんな事は、初めてだ。
まったくデッサンが捗らないある夜、なぜかいつ