村上春樹のレビュー一覧
-
Posted by ブクログ
かなり前巻から時間がかかってしまった。
正確に2週間ほど読み終えるまでに時間を要した。
前巻では、世界の秩序やルールは無作為に且つ無慈悲に僕たちに襲いかかる。
それは自分がルールの蚊帳の外にいるというある種現代人じみたデタッチメント的思考である。
自分はルールの外にいるつもりだが、ルールから逃れることは出来ずそれが牙を向いた時にそれを自覚する。当人はゴーストライターや殺人を犯しておりよりルールと結びついた人間でありながら。
しかし、よく良く考得てみると、生まれた時から彼らはルールの中にいるのだ。
家庭であるとか学校であるとか、はたまた公園である。
そんな混在する個人のルールに自分自身が染まっ -
Posted by ブクログ
高校生のときに読んだ本作、40歳の今再読し、あまりの記憶のなさに笑った。きっと、当時理解出来なさすぎだのだろう。
本作に通底しているテーマは、「自己とは?」かなと思った。影というのはそのまんま、ユング心理学で言う"シャドウ"、頭骨から読み取る古い夢は、シャドウを生み出すきっかけになるような、幼少期の記憶やさらには仏教で言うカルマ、世代を超えて受け継がれる集合意識のようなもの、と気がつくと脳内変換しながら読んでいた。
最終的に主人公が選択するのはシャドウを生かすということ、ただしシャドウと一体化して無意識になるのではなく客体化してお互いに自立する道。それは森の奥に追い -
-
Posted by ブクログ
読み終わってすぐ感想を書いている。
そうしないと、誰かに勧めるときにありきたりな言葉を使いそうだからだ。
主人公は側から見れば順風満帆な生活を送っている。しかしその生活は自分の努力によるものではないと考えており、生活に満足していない。
そんな時に小学生時代に心を通わせた女性と再会して、恋に落ちる。何の不満もない妻と娘2人がいて4LDKに住んでいる生活を捨ててもいいと思うほど、恋に落ちる。
妻と島本さん(恋に落ちた女性)の性格、外見が入れ替わっても、主人公は恋に落ちていたと思う。主人公は状況に惹かれているのだ。順風満帆で不満はないのに、なぜか物足りないと感じる。そんなときに自分の思い通りにならな -
Posted by ブクログ
ネタバレ『蛍』
ノルウェイの森の原型。
主人公と、親友と、親友の彼女。親友は自殺し、二人は取り残される。
この、大切な人の『死』が決定的に二人を損なって、その傷に気付かまいとする、なんともいえない空気感が好き。
『納屋を焼く』
薬でトリップしているときに唐突に「時々、納屋を焼くんです」と彼女の新しい恋人に告げられる。
近くの納屋を焼く予定だともいい、主人公は探すも、結局焼かれた納屋は見つからず。後々会った時には、焼いたと言われるが……。そして、彼女は『消え』、音信不通となる。
普通だったら、主人公が代わりに捕まっちゃいそうなもんだけど、そんな簡単な話になるわけなく。
分からなすぎて、色々解釈を読み -
Posted by ブクログ
もっともっと評価されて良い作品。
ストーリー自体は何かの恋愛小説で見たことがあるような王道な展開。けれども、そこに春樹の魅力的な言い回しや比喩、暗喩表現が加わって、ただの恋愛小説で終わらせない世界観を構築していて流石の一言です。文章のリズムも良く、展開も気になって読む手が止まりませんでした。
内容としては、過去や幻想に囚われることで目の前の幸せなはずの現実が見えなくなり、どのような選択を取るべきか苦悩するハジメの心の葛藤がリアルに描かれています。
一度狂った歯車は簡単には元に戻らない。過去は過去でしかなく現実と未来に目を向けなければいけない。そのようなメッセージを私は受け取りました。「国境の南 -
Posted by ブクログ
ネタバレ私の名前も。すごく高い理想を重ねられている。
いわゆる名前負けしていると周りから言われたことがある。
だけども、そんな曲(槇原敬之)を聴きながら
まだ見ぬ私のことを思って母が名付けた
この事実が美しいと感じられたから序盤でこの本が愛しくなりました。
「あなたがどれくらい魅力的か、あなた自身にもそれはわからないんじゃないかしら」
自己肯定感が低い私にはお薬のように沁みた。
「大事なのは、他人の頭で考えられた大きなことより、自分の頭で考えた小さなことだ」
正しい、正しくないも大切だけど、自分で考えることが、その物事に関係なくても自分の中の栄養になってるんだな。
-
Posted by ブクログ
ある種、秩序やルールが存在する世界
それは、体系的に描かれた文学の世界そのものであり尚且つ我々が向かい合う社会構造そのものである。
それが能動的に襲ってくるということが起きないだけで
つまりはデタッチメント的側面で生きていても社会との接点や、その牙から掻い潜ると言うことは上手く実行することはできないのだ。
秩序は個人を強制的に社会に同居させそれはある種困惑を産むかもしれないが、それは適合も産む
変化は進化であり、退化も進化なのだ。
村上春樹がエルサレム賞でしたスピーチ
卵と壁
まるで、ルールは壁で個人は卵である。
それを体現しているかのように理不尽に、天吾と青豆の元に秩序は襲いかかる
---