村上春樹のレビュー一覧

  • 1973年のピンボール

    Posted by ブクログ

    鼠と僕、ビール、そしてピンボール。ただただピンボールをやり、そして店ごとなくなった。それは、ただ終了しただけのような、予定されていたかのようにふと消えることがある。ゆっくりと、ただ自分と向き合う主人公。そして、双子の女の子たち。
    ジェイズバーで、街の中にいる自分を外に持っていく決心をつける。一歩進む、その大事な、大切な一歩を推してくれたのは変の兆しを与えてくれたなんでもないもの。日常の本当に小さな何か、なんの変哲もない、何かが人生を変えることもある。じっくり、もっとじっくり読まなくては、、と思いながら流して読んでしまった。

    0
    2026年03月01日
  • スプートニクの恋人

    Posted by ブクログ

    ネタバレ


    まだ読んだことのない作品の方が多いけれど、今まで読んだ村上春樹作品の中でいちばんすき。日曜日の夜、明け前にすみれが記号と象徴の違いを電話で僕に問う一連のやりとりがすごく気に入ってしまって、何回も読んだ。

    僕 がすみれに色んなこと(「何かを学ぶときに、 一度それはそうゆうものだと受け入れないと進まないことと、きちんと理解しないと進まないことがある。 」とか、 「簡単に説明できることには落とし穴がある。あまり急いで結論に飛びつかないほうがいい。」とか)昼夜問わず丁寧に言葉を選んで教えてくれるたび、純粋な心配からの忠告に感じたり、すみれに対する想いゆえの祈りに感じたりもした。でも、ずっと優しく

    0
    2026年02月23日
  • スプートニクの恋人

    Posted by ブクログ

    白状すると「スプートニクの恋人」は私の村上作品ランキングの中ではそこまで印象に残ってない作品です。
    有名な「理解とは誤解の相対に過ぎない」や某読書メンバーの結婚式の祝辞でボスが引用した周回軌道上ですれ違う描写を除いては、白髪、ギリシャ、観覧車のような断片的なモチーフをぼんやり覚えていたくらい。
    何かの本読んでてロシアが世界初の人工衛星の「スプートニク」を宇宙に犬乗せて放った話を読んでた時に、衝動的に読みたくなって再読。

    今まで何でこの本の素晴らしさを過小評価してしまっていたんだろうって不思議に思うほど良かった。すみれの言葉もぼくの言葉も、今の自分にはめちゃくちゃ共感や気づきを与えてくれる、個

    0
    2026年02月23日
  • 世界の終りとハードボイルド・ワンダーランド(下)(新潮文庫)

    Posted by ブクログ

    再読。10代の頃は幻想世界が退屈でハードボイルド・ワンダーランドばかり真剣に読んでいたが、作者の比重はむしろ幻想世界、世界の終りにこそあったと理解できた。

    虚構を生み出し生きるとはどういうことなのか、そこで失い、得るものとは何なのか。作家業に対する自己言及であり、当時の作者の自問自答を見守るような切迫感、そして開放感のある読書体験だった。この小説に、今再び出会えて幸運に思う。

    0
    2026年02月23日
  • 国境の南、太陽の西

    Posted by ブクログ

    村上春樹氏のインタビュー記事を読んでいて、読み直したくなり手に取る。
    学生時代に一度読んだきり、内容はすっかり忘れていた。

    一人っ子の少年が、青年になり、中年になっていく物語。男の中には常にある女性が居て、孤独な時もモノを持ちすぎた時も中心には彼女がいる。
    成功譚でも、成長の物語でもない話が進んでいく。

    リズムよく読みやすい文体、洒落た語彙。スラスラとテンポよくページを進めていけた。
    物語に没頭し、喪失、孤独、加害を感じていった。
    素晴らしい読書体験だった。


    0
    2026年02月22日
  • アンダーグラウンド

    Posted by ブクログ

    著者が地下鉄サリン事件で被害にあった方々に、事件当時の様子を聞いてまとめたものが本書である。軽傷で済んだ人もいれば、偶然、当日に電車を利用することとなり、その結果、植物人間と化して家族が介護するというように、さまざまな人がいた。地下鉄でサリンがばら撒かれるという、治安がいい日本では、にわかには信じられないことが起きた。その為、医師を含めて大半の人はなにが原因で、電車内で大量に倒れて、なかには死に至る現象が発生したのか理解できなかった。そのこともあって、当時の日本では職場や家族から理解を得られない被害者もいた。このように、日本で前代未聞の出来事に出くわしたときの、人々の言動が本書を通して浮き彫り

    0
    2026年02月21日
  • 1Q84―BOOK1〈4月-6月〉前編―(新潮文庫)

    Posted by ブクログ

    ■刺さったところ
    ・青豆も天吾も幼少期、家族の温かさや友達に恵まれない境遇で育ち、
    そんな2人の心情心理描写が村上春樹節で表現されつつ、ミステリーが紐解かれていくので一気に読める

    ・天吾と青豆がどのようにして出逢うのか、楽しく想像を膨らませながら読めた。

    もっといっぱいあるけど、このくらいにしておきましょう

    0
    2026年02月20日
  • 1Q84―BOOK2〈7月-9月〉後編―(新潮文庫)

    Posted by ブクログ

    ネタバレ

    一挙に物語がつながり、動き始めた。リーダーも青豆や天吾同様、望む望まないにかかわらず、1Q84の時間性に入り込んでしまい、そして青豆の手にかかり終わることを望んでいたことにまず驚いた。中身のなかった『空気さなぎ』を初めて読むことができて、今後青豆がどのように関わり続けてくれるのか、先を読み進めるのが楽しみでしかたない。

    0
    2026年02月20日
  • 走ることについて語るときに僕の語ること

    Posted by ブクログ

    オーディブルで少し前に拝聴していて
    最近2周目を聴いた

    オーディブルは主に片道20分間くらいの通勤の車の運転中に聞いていて
    あれこれ考えていると集中できないことも多々あるんだけど
    この作品は疲れているときでもなんだかすっと頭に入ってくる

    走ることについての本ではあるんだけど
    生き方として参考にしたいエッセンスが所々に散りばめられている

    すごい好きだから、紙の本も買いたいな

    0
    2026年02月16日
  • 騎士団長殺し―第1部 顕れるイデア編(上)―(新潮文庫)

    Posted by ブクログ

    日本の芸術、文学が出てきて他の作品とは異なる印象。特に絵画に触れるのは春樹にしては珍しいと思った。
    まだ全ては始まりにすぎない。免色のことは嫌いじゃない。

    0
    2026年02月15日
  • 騎士団長殺し―第1部 顕れるイデア編(下)―(新潮文庫)

    Posted by ブクログ

    村上春樹の芸術感が前面に現れ始めている、起承転結の承の部分。
    小説を書くことが自己回復の手段である村上春樹と、絵を描くことで自身の深層にある暴力性と向きあう主人公。深層に向き合うきっかけとなった雨田の『騎士団長殺し』。
    様々な角度から自己に向き合う村上春樹の試行錯誤を感じ取れる。

    0
    2026年02月15日
  • 騎士団長殺し―第2部 遷ろうメタファー編(上)―(新潮文庫)

    Posted by ブクログ

    ねじまき鳥クロニクル、海辺のカフカと大きな流れは似ている。
    「caveat emptor。カウェアト・エンプトル。ラテン語で『買い手責任』のことである。」

    0
    2026年02月15日
  • 1973年のピンボール

    Posted by ブクログ


    青春小説だと思います。
    やるせない悲しみや逃げられない辛さに直面した鼠と主人公、二人を描いています。
    彼女に何も伝えず苦しみ抜いて街を出る鼠。何も生み出さないピンボールに多くの時間を費やした主人公。
    二人が具体的に何に苦しみ、悲しでいたのかは書かれません。おそらくそんな必要はないのでしょう。
    ただ美しい情景描写、印象的な会話、いくつかの感情表現が話を綴ります。

    ーこの土地には雪こそほとんど降らなかったが、そのかわりにおそろしく冷たい雨が降った。雨は土地に踏み入り、土地を湿っぽい冷やかさで被った。そして地底を甘味のある地下水で満たしたー


    ー時折、幾つかの小さな感情の波が思いだしたように彼

    0
    2026年02月15日
  • カンガルー日和

    Posted by ブクログ

    4月のある晴れた朝に100パーセントの女の子と出会うことについて
    私の人生でこれ以上の小説に出会うことは多分ないと思う

    0
    2026年02月13日
  • 村上ラヂオ2―おおきなかぶ、むずかしいアボカド―(新潮文庫)

    Posted by ブクログ

    ⬛︎気楽なのにちゃんと沁みる小話たち

    前回『村上ラジオ』の1冊目を読んでとても面白かったので、2冊目も購入。
    なお村上春樹の小説は未読で、遠い昔に『ノルウェイの森』を途中で挫折したままです。

    冒頭のまえがきにある
    「ぼくのエッセイは「ビール会社が作るウーロン茶」みたいなものだと考えています」
    という表現。
    「そのウーロン茶が好きなのよ……」としっくりきました。

    なぜ村上さんの「ウーロン茶」が好きなのか考えてみると、文体の温度感がとにかく心地よいからなのだと思います。
    ハッとさせられる価値観や考え方が肩肘張らない自然体の文章で綴られ、そこにクスッと笑えるおふざけが差し込まれる。

    「真面目

    0
    2026年02月11日
  • 風の歌を聴け

    Posted by ブクログ

    なんやねんこれ!チェンソーマンの方がおもろいわ!になった 俺が何もわかっていないから もっとたくさん村上春樹を知れば間違いなく違う感想になる、の実感はある

    0
    2026年02月10日
  • 1973年のピンボール

    Posted by ブクログ

    迷わずにfive stars
    短い小説ではあるが、付箋だらけになった。

    ノルウェイの森と鼠三部作の関連性ははっきり言及されていないと思うが、先に読んだノルウェイの森の直子と本作品の直子がどうしても重なってしまう。直子と井戸について同時に言及されているので、尚更そう感じる。

    倉庫の中での「スペースシップ」との再会と別れは、語り手が手放せずにいた直子の死や過ぎ去った過去(人、街、文化)に別れを告げたことを象徴するのではないか。
    そしてその別れと共に、語り手の時間は少し動き出したような気がした。
    けれどそれは成長というよりは、生きている限り、時間は進み、同じ場所に留まることはできないということな

    0
    2026年02月07日
  • 色彩を持たない多崎つくると、彼の巡礼の年

    Posted by ブクログ

    前に読んだのは中学生、かっこつけて読んだ1Q84だった。その頃から、勝手に読みにくい作家として覚えていたけれど、久しぶりに読んだら表現がとても好みで成長したな〜

    0
    2026年02月07日
  • もし僕らのことばがウィスキーであったなら(新潮文庫)

    Posted by ブクログ

     奥様が撮られた写真と村上春樹のエッセイでしか読めない言葉遣い。
     私は著者の奥様でしか語れないことや距離感が好きである。星野道夫の奥様が出された本も好きだったが、村上春樹の奥さんの写真も素晴らしい。特に春樹さん(と呼びたくなる)のカットは、奥様でしか撮れない特別な距離感が現れている。旅もウィスキーもいいが、ほんとうにいいのは奥様がそばにいてくれることなのでは?と思わずにはいられない。

    0
    2026年02月06日
  • 色彩を持たない多崎つくると、彼の巡礼の年

    Posted by ブクログ

    ネタバレ

    いろいろな人の視点、考えや気持ちが伝わってきつつも、すべてつくる視点であり全部が語られてない点、こっちに考える余地があるところが面白かった。

    暗く黒い海を渡れるか。差し出されている手に気づけるか。
    つくるには見えないクロとシロの関係性。シロがクロに求めていたこと。クロがシロがいてできたことと、できなかったこと。
    アオの覚悟・決断とその道。アカの孤独。
    (たぶんあの年上の女は既婚者だと思う・・!のは自分だけ?笑)

    10代の自分が読んだらどんな解釈を持っただろうか。
    30を超えたらまた読みたい。

    感想を話し合えたこともいい時間だった。思い出の一冊。

    0
    2026年02月05日