村上春樹のレビュー一覧

  • 世界の終りとハードボイルド・ワンダーランド(上)(新潮文庫)

    Posted by ブクログ

    ネタバレ

    これぞ春樹ファンタジー。

    p276 想像していいかな?-いいとも。想像というのは鳥のように自由で海のように広いものだ。誰にもそれを止めることはできない。
    p311 これは私の偏見だが、私はハンカチを持っている男をあまり信用しない。私はそのように数多くの偏見にみちているのだ。だからあまり人に好かれない。人に好かれないとますます偏見が増える。
    p341 親切さと心とはまた別のものだ。親切さというのは独立した機能だ。もっと正確にいえば表層的な機能だ。それはただの習慣であって、心とは違う。心というのはもっと深く、もっと強いものだ。そしてもっと矛盾したものだ

    0
    2026年07月09日
  • 風の歌を聴け

    Posted by ブクログ

    村上春樹さんのデビュー作ですが、初めて読みました。
    とてもリズムが良く、軽やかな文体で、春樹らしさがとても出てました!

    0
    2026年07月08日
  • スプートニクの恋人

    Posted by ブクログ

    これもまた純度100%の恋愛小説。心がぎゅっとなる。ミュウがタイトルになっているけれど、主人公こそが「スプートニク」じゃないか。地球を中心に、行き場のない想いは永遠の巡回を続ける。
    いつも通り振る舞ってみせながら、すみれを失い、やがて水を失った草木のようにしなびていく主人公にえも言われぬ感情を抱く。自分自身の中に飼っている純な部分を取り出されて見せつけられるような、そんな感覚。宇宙空間に突如投げ出されたかような無防備さ。失って実感する「愛」が、一番真に感じられるのは不条理でしかない。けれど、そんな不器用な愛の形が私は好きで、そんな小説を描く小説家のことも大好きなのです。
    P.s. 村上春樹を誇

    0
    2026年07月08日
  • 走ることについて語るときに僕の語ること

    Posted by ブクログ

    ネタバレ



    世界が必要としているのは、名指しで「お前のせいだ!」と指をつきつけることのできる特定の悪者なのだ。

    のところ、架空OL日記の「今のうちらに必要なのは真実じゃなくて矛先だからさ」を思い出した。

    村上春樹ってめっちゃ走るんだな。

    0
    2026年07月08日
  • 走ることについて語るときに僕の語ること

    Posted by ブクログ

    ネタバレ

    ランナーにも色んなタイプがいますが、とても共感するところが多かったです。クラブ等に所属せず、SNSにも投稿しないタイプのランナーには特に。

    ・走りながら、ただ走っている。空白を獲得するために走っている。
    ・走り続ける理由はほんの少ししかないが、やめる理由なら大型トラックいっぱい分ある。
    ・長く生きなくてもいいから、生きてるうちは十全な人生を送りたい。
    ・ウルトラマラソン後のランナーズブルー。

    0
    2026年07月07日
  • ラオスにいったい何があるというんですか?

    Posted by ブクログ

    ラオスに行ったことがあり、ラオスに何があるのか、と聞かれたことがあったという理由で手に取った一冊。
    村上春樹の旅行記で文章も読みやすく面白い。あっという間に読み終えました。
    旅について哲学を持っている著者のあとがきに感銘を受けたので残しておきたい。

    本書のタイトルの「ラオスにいったい何があるというんですか?」は、文中にもあるけれど、僕が「これからラオスに行く」と言ったときに、中継地のハノイで、あるベトナム人から僕に向かって発せられた質問です。ベトナムにない、いったい何がラオスにあるというんですか、と。
    そう訊かれて、僕も一瞬返答に窮しました。言われてみれば、ラオスにいったい何があるというのだ

    0
    2026年07月06日
  • 色彩を持たない多崎つくると、彼の巡礼の年

    Posted by ブクログ

    n回目。
    本当に欲しいものに「欲しい」と言ってこられなかったわたしへの“人生に関する気の利いた警句"がたくさん。10年後位に、また読むと思う。

    0
    2026年07月06日
  • 街とその不確かな壁(上)(新潮文庫)

    Posted by ブクログ

    村上春樹らしいトーン、設定とチャレンジングな設定が移り変わり、それが加速していくうちに渦の底に沈んでいくような埋没感が良かった。最近の作品とは異なる朴訥な部分も「残っていて」没入。最後にはまた読書を取り戻す感じになった。

    0
    2026年07月06日
  • 女のいない男たち

    Posted by ブクログ

    村上春樹やっぱり好きだなぁと思った作品でした。しばらく読めなくなってて、「夏帆」を読むにあたり準備体操のようなつもりで読みましたが、ノルウェイの森が大好きなわたしにはとってもよかったです。
    全員が不倫とか浮気とかセックスとかしてるのはもう作風だと思ってるので(だから苦手だ、とオットは言います)それはそれで置いておいて、出てくる人の不思議な話、もっと続きが読みたいのに、と終わるその感じとかとても面白いと思いました。シェエラザードとか、えっ!?その看護学校2年の時の話はァ!?続きお願いしまぁす!!って思ってしまったし。木野の話も、木野がまたあのバーに戻れることを祈ってしまう。
    出てくるどの人も、村

    0
    2026年07月05日
  • 海辺のカフカ(下)(新潮文庫)

    Posted by ブクログ

    読み終わったあー、
    私たちは主観と客観を相互に交換しながら生きている、実体ではなくてメタファー、象徴的なもので人と人は繋がってるんだろう。
    特に星野青年が好き。なかたさんのなすことにおおらかに受け入れ、そこから自分の過去を振り返ってどうして生きるべきかを考える。今後の人生でナカタさんだったらどうするんだろうっていうことを考えながら生きていくことになる。
    こういう、誰かに覚えられているような人間になることが繋がりってことなんだろうか、覚えられることに価値があるんかな。

    0
    2026年07月04日
  • 遠い太鼓

    Posted by ブクログ

    旅行記を読むことは時々あるが、あえて定番のイタリアやギリシャについて、それほど突飛な旅路ではない内容を手に取るのは初めてだった。きっかけは、前作で「街とその不確かな壁」を読んで、村上春樹の文章に改めて興味を持ったからだ。繊細で儚い文章を書く村上春樹であれば、同じ旅行であってもどのように感じるか率直に知りたいと思った。結果として本当に楽しめて読めたし、驚くほど読みやすくて退屈しないのが不思議で仕方がない。なぜか、ぐっと入っていける魅力がある。イタリアやギリシャという国の表情を巧みに描いてるのはもちろんだが、日本社会を「微熱社会」と表現するセンスが好きだ。日本人は喜びと悲しみの振れ幅が大きい国民と

    0
    2026年07月04日
  • 1Q84―BOOK3〈10月-12月〉前編―(新潮文庫)

    Posted by ブクログ

    「おいしいものをたらふく食べて、お酒を飲んで、大きな声で歌を歌って、たわいの無いおしゃべりをして。~アタマを思いっきり発散するようなことって。」
    「なにか気晴らしみたいなことをしただろうか?」

    騒がしい教室のすみまでしっかりと通る声だ。
    職業が人を作るのだと、牛河は感心した。

    止まらない

    0
    2026年07月04日
  • 1Q84―BOOK3〈10月-12月〉後編―(新潮文庫)

    Posted by ブクログ

    普通の人間と同じことを同じようにしていたらプロにはなれない

    ここに出てくるジャズ、クラシック、車
    全部全部本当にありがとう
    この本を読み終えるうちに内定が出た
    苦しい時間だった それを彩った1Q84 忘れない

    0
    2026年07月04日
  • スプートニクの恋人

    Posted by ブクログ

    わたしは、主人公のような男友達が欲しかった、性的に交わることはできないという事実は、残酷なのかもしれないけれど、すみれとKくらい心の通った相手というのがほしい。
    血を流さなくてはいけない。

    0
    2026年07月03日
  • 螢・納屋を焼く・その他の短編(新潮文庫)

    Posted by ブクログ

    ネタバレ

    n回目。
    人生の大きな引っ越しで一度処分したが、また文庫を買い直した。村上春樹の作品、短編は特に、何度読んでも違う光を見つけられるから飽きない。正に寓話。
    今回は『踊る小人』に、痛いところを突かれて目眩がしている。

    「あんたは何度も何度も勝つことができる。しかし負けるのはたった一度だ。あんたが一度負けたらすべては終わる。そしてあんたはいつか必ず負ける。それでおしまいさ。いいかい、俺はそれをずっとずっと待っているんだ。」

    0
    2026年07月01日
  • 海辺のカフカ(下)(新潮文庫)

    Posted by ブクログ

    メタファーとして。

    この作品が森だとしたら、私はその森のすべてを理解できたわけではない。
    でも、そこで見た景色や、触れた言葉や、揺さぶられた感情は、深く自分の中に残っている。

    そんな読後感だった。

    0
    2026年06月29日
  • 職業としての小説家(新潮文庫)

    Posted by ブクログ

    この本は村上春樹作家としてのデビューから現在までの軌跡や、小説の書き方、考え方などを語った本ですが、その内容は、どんな職業の人にも通じる普遍性があるもので、とても参考になりました。

    0
    2026年06月27日
  • 街とその不確かな壁(下)(新潮文庫)

    Posted by ブクログ

    村上春樹の作品はとても読みやすく満足感があり、純文学的な雰囲気を味わえる。これは僕だけでなく多くの人も感じる村上春樹特有の読後感ではないだろうか。ノルウェーの森を読んだ時は高校生の自分には少々刺激が強過ぎたが、アラサーになってこの作品を読んで改めて村上春樹の圧倒的な力を感じさせられた。理想的な女性として17歳に出会った少女の面影を追いながら街と現実の間を行き来するように放浪する生き方は、現代社会が人間に要求する計画性、合理性、リアリズムからは正反対の姿勢であるが、多くの人が本能的に心の奥で求めている理想なのではないだろうか。これほど続きが気になる、時間を忘れて読める作品に出会ったのは久しぶりで

    0
    2026年06月27日
  • 1973年のピンボール

    Posted by ブクログ

    再読。
    5年くらい前に読んだ時は意味がわからなかったが、改めて読むと「喪失と回復」、「紐帯と疎外」をテーマにしていると感じられた。
    気づいたら自分が「僕」と鼠の年齢を超えている。
    自分はちゃんと痛みを乗り越えられているだろうか?然るべきタイミングで正しく傷ついて、出口に向かえていたのだろうか?


    p15.物事には必ず入り口と出口がなくてはならない。

    p30.ピンボールの目的は自己表現にあるのではなく、自己変革にある。エゴの拡大にではなく、縮小にある。分析にではなく、包括にある。

    p172.「なあ、ジェイ、だめだよ。みんながそんな風に問わず語らずに理解し合ったって何処にもいけやしないんだ。

    0
    2026年06月27日
  • スプートニクの恋人

    Posted by ブクログ

    表題のスプートニクは、旧ソ連が打ち上げた人工衛星の名前ですが、「旅の連れ」という意味だそうです。ロシア人がなぜ「ひとりぼっちでぐるぐる回る人工衛星」にそんな名前をつけたのか?という作中の疑問に、もっともだなあと感じてしまう。愛と性欲、同性愛の入り混じる複雑な三角関係と、消えてしまったすみれの謎、ギリシャの小さな島の情景描写の繊細さに否応にも惹き込まれてしまう。複雑な読後感の一冊だった。

    0
    2026年06月27日