村上春樹のレビュー一覧
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Posted by ブクログ
ネタバレ走ることを本格的に始めたのは、
専業小説家となった時、『羊をめぐる冒険』を書き終えたとき、33歳。
つまり、村上春樹さんにとって、書くことと走ることが一体化している。
書き方は走り方に例えられ、走ることを通して自らの生き方を深めていっている、そんな一端を知ることができました。
身体、というか肉体、というか、
思考を深めることと身体的経験が一体化していることを、
とても意識的に自らを実験場としてその過程を書き記している記録みたいな部分もあり、
ある程度そんな感じはするけれど、ここまで突き詰めることはないから、
検証結果の精密度が高いというか、信憑性が高いというか、
何だかよく分からな -
Posted by ブクログ
本当に好き。ページを捲る手が止まらない。
色んなことが繋がってくる。全てが伏線に思える。「物語の中にいったん拳銃が登場したら、それはどこかで発射されなくてはならないの。」
BOOK2 の前編でも思ったが、何のために生きるのか、みたいなことが様々な人物を通して語られている。タマルが旧友の話をしながら「言葉ではうまく説明はつかないが意味を持つ風景。俺たちはその何かにうまく説明をつけるために生きていると思われる節がある。」と言っていた部分とか。
BOOK2からBOOK3の発売までは1年あいているらしい。その時代に戻りたい。まだBOOK3が存在していないところでゆっくりと最初から読み直したい。 -
Posted by ブクログ
二人の物語が交わってきた。ものごとには二つの側面がある、みたいなことが色々な場面で言及されている。
自分が文体に慣れてきたからなのか、物語が進むにつれて意図的に行われていることなのかわからないが、比喩表現が増えて頭にスッと入るようになってきた。何度か読み直したい。
不思議なことが起こり、ストーリーが面白い。一方で、それぞれの風景の描写は美しく、メッセージ性を感じるようなところもある。例えば、「人は誰かを愛することによって、そして誰かから愛されることによって、それらの行為を通して自分自身を愛する方法を知るのです。」という言葉は印象的だった。 -
Posted by ブクログ
世間一般で言うところの「不倫もの」なのだけど、当作をそれだけで括ってしまうのはあまりにも短絡的すぎる。人間は決して完全ではないし、抑え切れない思いを抱いてしまうことは誰にでも起こり得るはずだ。(自分は村上春樹自身もそうであると信じている。それでなければこれだけの描写はできないと思う)
少年と少女が大人になり再会した、幼かった当時では明確に表現できなかった気持ちをはっきりと認識した、そして苦しい思いを抱きながら全てを捨てる決意までしかけた、というストーリーを村上春樹は繊細なタッチで綴っている。リストのピアノ協奏曲とか、スター・クロスト・ラヴァーズとか、登場する楽曲からも想像力を掻き立てられる。当 -
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原文と照らし合わせながら、村上春樹訳の文章を時間をかけてじっくり読んだ。表題作だけ読んだ。
読み終えた後、泣き出したい気持ちになった。ホリーはbelongできる場所(ホリーはそれを「ティファニーのような場所」と語る)を見つけられたのだろうか。それは天の上にしかないのではないか、そんな考えに駆られた。実際この物語の中には「天」や「神」を彷彿とさせる言葉がたくさん出てくる(冒頭でジョーベルが作ったカクテルの名前は「White Angel」だし、サリー・トマトの弁護士と連絡を取っていた場所、そしてドク・ゴライトリーと話したのも「ハンバーグ・ヘブン」というお店だった。他にも天や神を思わせる単語はたくさ -
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ネタバレ前提として、少女への強制性交などの極悪非道な現象が、我々の住む現実世界に存在することを認知しなければならない。そのような認知を現実の新聞等から得ている人以外は、胸糞悪すぎて読めない可能性がある。だが、村上春樹は真剣に「オウム真理教的な宗教」を掛け合わせつつ、物語でしか伝えられないことを伝えようとする。
村上春樹はこの小説によって一作家としての捨て身の挑戦を行っている。本当の倫理を書くためには、肉が切られることを許すほかない。文学史に名を残す作家が60歳で生涯をかけて語らねばならぬと決意(たぶんしたはず)した作品は常に新しい。これほど女性視点から思考を展開した春樹作品はない。 -
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2010年に新潮文庫出読んで以来の再読(村上春樹訳)。最近村上春樹訳の小説がアタリが多く、折角なので読んでみることに。また、昔読むきっかけになったアニメ映画『秒速5センチメートル』(以下、単に『秒速』という。)の実写映画を観たことも、『草の竪琴』を思い出すきっかけになった。
【表題作】
初読の頃は主人公たちを脅かす存在に非難の気持ちを抱きながら読んだものだけど、今回はなんというか、もっとフラットな気持ちで、まさにおとぎ話を読むように味わった。
「あるいは我々の誰にも、居場所なんてものはないのかもしれない。ただし我々は、それがどこかにあることを知っている。それがもし見つかったとしたら、 -
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この本は、2回目です。
前回は、紙で普通に読書。
今回はオーディブルで。
ついにオーディブルデビューです。
今年のやりたいことリストのひとつ「オーディブルで聴き読みをする」をクリア。
ナレーションの人には申し訳ないけれど、1.5倍速で聴きました。この程度だと本来の声を損なわない感じがあり、かつ効率も良いかなと。
散歩したりランニングしたりしながら読書ができるなんて感動でした。
前置きは、さておき
久しぶりの村上春樹氏の本。
100キロマラソンで、マラソンに遠ざかってしまった話し。トライアスロンの話し。
走ること
体にも心にも、創作にも。人間関係にも。
読んでいると、全てにプラスに作