村上春樹のレビュー一覧

  • スプートニクの恋人

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    わたしは、主人公のような男友達が欲しかった、性的に交わることはできないという事実は、残酷なのかもしれないけれど、すみれとKくらい心の通った相手というのがほしい。
    血を流さなくてはいけない。

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    2026年07月03日
  • 螢・納屋を焼く・その他の短編(新潮文庫)

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    ネタバレ

    n回目。
    人生の大きな引っ越しで一度処分したが、また買い直した。村上春樹の作品、短編は特に、何度読んでも違う光を見つけられるから飽きない。正に寓話。
    今回は『踊る小人』に、痛いところを突かれて目眩がしている。

    「あんたは何度も何度も勝つことができる。しかし負けるのはたった一度だ。あんたが一度負けたらすべては終わる。そしてあんたはいつか必ず負ける。それでおしまいさ。いいかい、俺はそれをずっとずっと待っているんだ。」

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    2026年07月01日
  • 海辺のカフカ(下)(新潮文庫)

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    メタファーとして。

    この作品が森だとしたら、私はその森のすべてを理解できたわけではない。
    でも、そこで見た景色や、触れた言葉や、揺さぶられた感情は、深く自分の中に残っている。

    そんな読後感だった。

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    2026年06月29日
  • 職業としての小説家(新潮文庫)

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    この本は村上春樹作家としてのデビューから現在までの軌跡や、小説の書き方、考え方などを語った本ですが、その内容は、どんな職業の人にも通じる普遍性があるもので、とても参考になりました。

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    2026年06月27日
  • 街とその不確かな壁(下)(新潮文庫)

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    村上春樹の作品はとても読みやすく満足感があり、純文学的な雰囲気を味わえる。これは僕だけでなく多くの人も感じる村上春樹特有の読後感ではないだろうか。ノルウェーの森を読んだ時は高校生の自分には少々刺激が強過ぎたが、アラサーになってこの作品を読んで改めて村上春樹の圧倒的な力を感じさせられた。理想的な女性として17歳に出会った少女の面影を追いながら街と現実の間を行き来するように放浪する生き方は、現代社会が人間に要求する計画性、合理性、リアリズムからは正反対の姿勢であるが、多くの人が本能的に心の奥で求めている理想なのではないだろうか。これほど続きが気になる、時間を忘れて読める作品に出会ったのは久しぶりで

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    2026年06月27日
  • 1973年のピンボール

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    再読。
    5年くらい前に読んだ時は意味がわからなかったが、改めて読むと「喪失と回復」、「紐帯と疎外」をテーマにしていると感じられた。
    気づいたら自分が「僕」と鼠の年齢を超えている。
    自分はちゃんと痛みを乗り越えられているだろうか?然るべきタイミングで正しく傷ついて、出口に向かえていたのだろうか?


    p15.物事には必ず入り口と出口がなくてはならない。

    p30.ピンボールの目的は自己表現にあるのではなく、自己変革にある。エゴの拡大にではなく、縮小にある。分析にではなく、包括にある。

    p172.「なあ、ジェイ、だめだよ。みんながそんな風に問わず語らずに理解し合ったって何処にもいけやしないんだ。

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    2026年06月27日
  • スプートニクの恋人

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    表題のスプートニクは、旧ソ連が打ち上げた人工衛星の名前ですが、「旅の連れ」という意味だそうです。ロシア人がなぜ「ひとりぼっちでぐるぐる回る人工衛星」にそんな名前をつけたのか?という作中の疑問に、もっともだなあと感じてしまう。愛と性欲、同性愛の入り混じる複雑な三角関係と、消えてしまったすみれの謎、ギリシャの小さな島の情景描写の繊細さに否応にも惹き込まれてしまう。複雑な読後感の一冊だった。

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    2026年06月27日
  • ロング・グッドバイ

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    ずっと前に買っていて、ブックカバーついていて、タイトルも分からず本棚に置いてあったが、片付けしているときにふと手に取って読み始めたところ、村上春樹さんの小説同様にこの小説世界に引き込まれてゆき、片時も手放せない程ハマりました。
    村上春樹さんの小説はほとんど読んでおりまして、この小説は村上春樹さんの世界?と思ってしまうほど、てか村上春樹さんが影響受けたんだから当たり前か!となりました。
    しかしながらこんなに面白い小説に出会えて、本当に幸せな気分です、僕にはミステリーや推理小説といったカテゴリーには収まらない素晴らしい内容。

    あまりに面白いので、少し読んでは戻り、少し読んでは戻りを繰り返し、内容

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    2026年06月26日
  • 世界で最後の花 絵のついた寓話

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    ネタバレ

    絵がすごくシンプルなぶん、言いたいことが強く伝わってきた。

    兵士が戻ってきたところや次の戦争が始まったところなんか、特に。

    最後の花は、全てが破壊しつくされたとしても必ず残る希望ではある。

    その花を咲かせて、ゼロから文明を取り戻して…というところまでやるのも人間だけど、それをまた破壊するのも人間。

    ウサギ達に襲いかかられてもしょうがないのでは、、とか、いっそ何も残らない方がいいのでは、、、とか思ってしまうほど、人間の愚かさを思い知る。

    村上さんの翻訳も、村上さんの存在感が少しだけ見えるような感じで、あとがきも含めてすごく良かった。

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    2026年06月25日
  • 走ることについて語るときに僕の語ること

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    エアロバイク漕ぎながら読んで、運動のモチベーションをもらった本。村上春樹が健康を大切にしていて、運動で自分に負荷をかけるタイプの人だとは思わなかった!!言い回しのユーモアが抜群、ハーヴァード大学生の女の子のポニーテールの話や走った後の感情を得体の知れないネガティブなカクテルと言ったり、、!ぐさりと刺さる表現沢山。最高に面白かった。
    「河豚は毒のあたりが1番美味く、小説を書き続けるためには体内の毒素に対抗できる免疫システムを構築しなくてはならない」「太りやすい体質に生まれたことはしんどいが、幸運だった。何が公平かというのは長い目で見てみないとわからない」
    表向きだけでもいい人でいなきゃと息切れし

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    2026年06月25日
  • 世界の終りとハードボイルド・ワンダーランド(下)(新潮文庫)

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    ファンタジーの世界観と現実世界が見事に融合していく表現力に脱帽した。

    高い塀に囲まれ、一角獣の一生を見届けながら素敵な女の子と穏やかな生活を送る「私」の世界と、
    かたや暗く殺伐とした世界で刺客に追われながら、無慈悲に与えられた使命を全うする「僕」の世界が並行して進んでおり、全く逆の世界が交互に展開していく所が面白い。

    遠い世界の話に思えるが、資本主義的な世界でこき使われている「僕」は、現代で生きている我々の苦しみと通ずるところがあるし、その苦しみから解放されたいが故の楽園『世界の終り』があると捉えると、実は現代社会を生きる我々にフォーカスされている物語だと分かる。

    穏やかな世界だけを享受

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    2026年06月25日
  • 色彩を持たない多崎つくると、彼の巡礼の年

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    密な友人たちとの青春時代が唐突に終わったことで傷ついたことのある主人公が、16年経って30代後半になって過去を辿っていく話。
    自身が空虚である自覚のある主人公というのに、とても親近感を持ってしまった。現代人によくある話だろうが、それはそれとして自分の実感として。

    最初から最後まで割と密度の濃い中編で、近年読んだ中では最も好きな作品だった。気がする。
    主人公は切実に傷ついているが、それはそれとして別の人は別の深刻な問題を抱えていてそこの影響を受けている。そこのずらし方のある種の肩透かし感/すれ違い感は『騎士団長殺し』などに似たものもあったが、よりこちらは接している形が分かりやすかったのもあるか

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    2026年06月25日
  • アフターダーク

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    特に大きな出来事が起きる訳では無いけれど、惹き込まれる。物語の内容の面白さというよりも、村上春樹が描く真夜中の東京の情景の美しさに惹き込まれているんだと思う。自分の知らない間に、知らない場所で誰かが何かをしている。時間は自分が寝ている間も止まることなく進み、その時間を知らない誰かも生きている。読んでいて不思議な感覚になった。マリと高橋、マリとカオル、マリとコオロギ、マリとエリ、(主人公?)マリは色々な人との関わりでこれからの人生に影響を受けたと思うが、その後どうなったのかは分からない。これが一晩の出来事に収められているのが凄い。

    一目見たときから、その子と友だちになりたいと思ったの。とても強

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    2026年06月22日
  • もし僕らのことばがウィスキーであったなら(新潮文庫)

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    アイラウイスキーと一緒に読みたくなる一冊

    アイラ島やスコットランドの写真がたくさん載っており、写真集みたいに読める。
    写真や語り口のお陰で情景が浮かんできて小旅行している気分になった。
    アイラ島の癖のあるウイスキーを飲みながら読んでみるとより本にのめり込めそうになる。
    今度はウイスキーを買ってきて読み返したい。

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    2026年06月21日
  • レキシントンの幽霊

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    シュールで不穏。静謐でどこか寂しい。ひんやりとした手触りの中に孤独の匂いが静かに潜む独特の世界観。記憶と不在をどれもテーマにしているのかな。映画化された「トニー滝谷」を読みたくて手に取ったが、どのお話もするすると読めるのに不思議な読後感が溶け切らずに残るのが印象的だった。

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    2026年06月20日
  • 世界の終りとハードボイルド・ワンダーランド(上)(新潮文庫)

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    久しぶりの再読。
    強いものと、弱いもの。村上春樹の命題の一つとも言えるそれが、明確に、アプローチしてくるのが、本作が心に響く理由だと思う。そして、何より冒険を感じる。

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    2026年06月20日
  • 1Q84―BOOK1〈4月-6月〉後編―(新潮文庫)

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    ネタバレ

    さきがけの正体が徐々に明かされ、月が2つになり、天吾の世界と青豆の世界が段々重なっていく過程が面白かった。また、青豆の友達のあゆみが意外と役に立つ登場人物で良い。ギリヤーク人の情報が物語でどのような役割を果たすのかも気になる。
    おばあさんの所に来た女の子は大丈夫なのかな…?3を読むのが楽しみ

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    2026年06月19日
  • 女のいない男たち

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    前書きからアクセル全快の短編集。村上春樹自身が「四〇〇字詰め原稿用紙八十枚」の長めに書いたと語るように、文量、ストーリー展開ともに分厚めの作品集です。どの作品も読み応えがありますが、一番気に入ったのは「木野」。村上作品お決まりのジャズバーで各々が読書や音楽、物思いに耽る場面はさすがの描写力だと思いますし、一人で何かに没頭することは本当に贅沢な時間の使い方だなと結婚した今思います。また、蛇の登場から始まる時間•空間の転位は『ねじ巻き鳥クロニクル』を思わせる展開。他の作品を含めて何度夜中に電話のベルがなったり、ドアがノックされたのか分かりませんが、遂にその相手の正体と真意が明らかに。なるほどと思わ

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    2026年06月17日
  • 海辺のカフカ(下)(新潮文庫)

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    上下巻あっという間に読んだ。カフカ少年の周りに現れる人々、佐伯さんや大島さんに実際に会えた気がする。ナカタさんの冒険もわくわくした。星野青年になりたかった。

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    2026年06月13日
  • 街とその不確かな壁(下)(新潮文庫)

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    冷えたビールを飲みながら、静かな夏を待つ午後に、村上春樹の『街とその不確かな壁』を読んだ。ポッカリと空いた空虚が、僕をただ見つめていた。影と自分が溶け合い、ひとつになる。そこに救いはあるのか。影と一体になるプロセスは興味深かったが、心を激しく揺さぶられるような感動はなかった。遠くから警笛がなっているような、しかしそれはどうしても無視しきれないような、奇妙な読後感だった。やれやれ。

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    2026年06月13日