村上春樹のレビュー一覧

  • 騎士団長殺し―第1部 顕れるイデア編(上)―(新潮文庫)

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    僕はハルキストではないけれど、ほとんどの村上さんの小説は読んでいる。独特な世界感が好きで、また主人公が穴の中に入ったなと思いつつも読んでしまう。この物語は僕の中で村上さんの作品の中で一番好きかもしれない。絵というアイテムが出てきたことで想像がしやすくなったからなのかな。大好きな作品になりました。

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    2026年01月11日
  • 1Q84―BOOK3〈10月-12月〉後編―(新潮文庫)

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    長かった!
    今まで読んだ本の中で一番長かったけどこの後どうなっていくの?っていう読めない展開、散りばめられた伏線がどう回収されるのかが気になってあっという間に読み終わった

    青豆
    天吾
    ふかえり
    空気さなぎ
    リトルピープル
    二つの月
    NHKの集金人
    新興宗教の2世問題
    高円寺
    246沿いの首都高

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    2026年01月11日
  • 草の竪琴

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     2010年に新潮文庫出読んで以来の再読(村上春樹訳)。最近村上春樹訳の小説がアタリが多く、折角なので読んでみることに。また、昔読むきっかけになったアニメ映画『秒速5センチメートル』(以下、単に『秒速』という。)の実写映画を観たことも、『草の竪琴』を思い出すきっかけになった。

    【表題作】
     初読の頃は主人公たちを脅かす存在に非難の気持ちを抱きながら読んだものだけど、今回はなんというか、もっとフラットな気持ちで、まさにおとぎ話を読むように味わった。

     「あるいは我々の誰にも、居場所なんてものはないのかもしれない。ただし我々は、それがどこかにあることを知っている。それがもし見つかったとしたら、そしてほんのひとときでもいいからそこに暮らせたとしたら、そのことを至福と見なしていいんじゃないかな。」 (p.63)

     読み方が変わったのは単純に歳を重ねたからであって、こうした変化は自分に限ったことではないのだろう。成長なのか経年劣化なのか、それは分からない。
     いい小説だよな。読んで良かった。

     なお、先述のとおり、そもそもこの小説に出会ったのは、『秒速』のヒロインがエンディングの途中に一瞬この小説を読んでいる描写があったからだ。(新海誠の他の映画では、主人公がサリンジャーの『ライ麦』(村上春樹訳)を読んでたりもする)
     この小説を『秒速』のヒロインが読んでいた意味…
     彼女の大切な恋が、人知れず奏でられる風が草を揺らす音のように、毎日の生活の中で意識せずとも、静かに響いていることを示しているのかな。とか、ちょっと気持ち悪いことを考えた。

     また、訳者である村上春樹について。彼は様々なところで自身にカポーティが与えた影響について言及しているところ、私はその辺の感受性がないのか読解力がないのか、カポーティが自分の中で特別な作家という訳ではない。ただ、この小説からは、村上春樹のハードボイルドではない側面の源流をみた気がする。
     丁寧な優しさ?小説的な優しさ?とでも呼んだら良いだろうか。優しさという言葉には、例えば親切であるとか相手を良くしてあげるだとか、そういった行為も含まれるのだが、この小説で描かれる優しさは、なんというか位相が異なる感じが伝わってくる。『海辺のカフカ』とか『IQ84』とか、それこそ『風の歌を聴け』とか、あの辺りの小説を読んだ時、もっといえば村上春樹を読んだ時に感じるもののエッセンスが含まれている気がした。

    【最後のドアを閉めろ、ミリアム、夜の樹】
     表題作とは打って変わって、とんでもなく不気味な小説群。正直にいえば「夜の樹」は自分にはイマイチぴんと来なかったが、前二者は最早ホラーといった感じで空恐ろしい。特に、その恐怖の原因が自分の中にある可能性が留保されており、澱のように自分の中に残ってしまう。
     あまりにも表題作と違って驚いたけど、これはこれで面白い。

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    2026年01月10日
  • 1Q84―BOOK3〈10月-12月〉後編―(新潮文庫)

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    初村上春樹!


    長いけど、あっという間に読んでしまった。
    おそらく学生のころとか若い頃に読んでたら意味わからんすぎて投げ出してたし、
    性描写の多さに辟易して読むの辞めてただろうな。

    しかし壮大なラブストーリー。
    全然伏線回収がない部分も多数だけど
    さすがの村上春樹さんの表現力で名作と認定せざる得ない。

    ストーリー追うと置いてかれるけど、
    音楽みたいに読むと気持ちいい。

    ・てんごは本当にお父さんの子じゃないの?
    ・年上のガールフレンドはどうなさったの?
    ・あの若い看護師の正体は?
    ・リトルピープルってなんやねん

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    2026年01月28日
  • 騎士団長殺し―第1部 顕れるイデア編(上)―(新潮文庫)

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    待ってました、村上ワールド。きっと刊行当時はハルキストの皆々がこぞってこの不思議な物語に身を浸し、存分に文体を楽しんだことだろう。時を経てこうしてドップリと浸かっている自分も、ようやくこの魅力に取り憑かれている。
    妻に別れを告げられた男は家に辿り着く。そこで出会う不思議な人々(人じゃない存在もいるが)と不思議な出来事がもう堪らない。
    何のメタファーなのか、何が起きているのか、そこまで広くないのに冒険感あって先が気になって読み進めてしまった。
    物語の結末はどこに連れて行ってくれるのだろうか。

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    2026年01月06日
  • 神の子どもたちはみな踊る(新潮文庫)

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    阪神大震災に間接的にかかわった人たちのストーリー。収録されているすべての作品が面白かった。タイランドは一読しただけでは疑問が解けず、ネットで研究文をみてなるほど理解できました。当時自分はまだ19歳、遠い昔で震災の記憶は朧げです。

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    2026年01月05日
  • 1Q84―BOOK1〈4月-6月〉後編―(新潮文庫)

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    青豆の生きる世界はもしかしてそういうこと,,,?
    と疑問を残して終わった2巻。
    天吾のふかえりに対して感じる気持ちが変わってきて、ここからどうなっていくのかさらに気になる。

    「世界とはひとつの記憶とその反対側の記憶との果てしない闘い」あゆみ
    「チベットにある煩悩の車輪と同じ。車輪が回転すると、外側にある価値や感情は上がったり下がったりする。輝いたり、暗闇に沈んだりする。でも本当の愛は車軸に取りつけられたまま動かない」青豆

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    2025年12月29日
  • ねじまき鳥クロニクル―第1部 泥棒かささぎ編―(新潮文庫)

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    1年に1回、必ず村上春樹作品を読みたくなる。
    読みたいというよりは、村上作品に触れたいというのが強いです。
    村上作品のファンの間では、人気がある本作に
    初めて挑戦します。
    長編を読む時って、何か構えてしまいます。
    さぁこれから登るぞみたいな、山登りとは
    違うのですが、ワクワク感が溢れます。
    読む進めれば、歪な世界に誘われいきます。
    間宮中尉の長い話の章は、ハードで暴力描写が
    多かったのですが、いざ次の2部に挑戦したいです。

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    2025年12月17日
  • ねじまき鳥クロニクル―第1部 泥棒かささぎ編―(新潮文庫)

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    本屋で何気なく買って読んでみしたが、すぐに春樹ワールドにハマってしまいました。
    村上春樹さんの本は、どこか詩的で哲学的でお洒落な感じがあり、とても好きです。

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    2025年12月14日
  • 辺境・近境

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    村上春樹さんの旅行記。無人島、メキシコ、讃岐、ノモンハン、アメリカ横断、神戸。彼がこんなにディープな旅が好きだったとは知らなかった(ちょっと沢木耕太郎さん系の)。特に、ノモンハンの戦争の跡を訪ねる旅は印象深い。「ねじまき鳥クロニクル」に出てくる世界ですね。

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    2025年12月12日
  • プレイバック

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    『これほど厳しい心を持った人が、どうしてこれほど優しくなれるのかしら?』、彼女は感心したように尋ねた。
    『厳しい心を持たずに生きのびてはいけない、優しくなれないようなら、生きるに値しない』

    これを読みたかったから、読書をしていたのかもしれないな。

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    2025年12月07日
  • 1Q84―BOOK3〈10月-12月〉前編―(新潮文庫)

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    ネタバレ

    (青豆)
    自殺しようとするが天吾と会うことを目的に思いとどまる
    天吾とは1Q84の世界でしか会えない?
    非常階段を逆に登ったらどうなのか
    天吾の子供を孕む

    (天吾)
    父親の部屋で見つけた空気さなぎ
    その中にいたのは子供の青豆
    安達看護師と一晩を明かす

    (牛河)
    青豆と天吾の真実へ徐々に近づく

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    2025年12月01日
  • 1Q84―BOOK2〈7月-9月〉後編―(新潮文庫)

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    ネタバレ

    (青豆)
    リーダーはあくまでリトルピープルにとってのレジヴァ
    世界を行き来する道を作るパシヴァを作り出す存在
    マザとドウタ

    (天吾)
    2つ目の月の存在に気づく
    青豆を見つけ出そうと決意

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    2025年11月29日
  • 街とその不確かな壁(下)(新潮文庫)

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    71歳になってもこれを書き上げる村上春樹の執筆への愛の深さに感動した。書き切れないものを書き切れないままに書き切る。とても良かった。

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    2025年11月28日
  • ティファニーで朝食を(新潮文庫)

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    映画から入り小説→映画と何度もループしてしまう大好きな作品。
    ホリー・ゴライトリーの奔放な美しさと、その裏側にある苦悩、自由を求めるあまりその自由に苦しむ、ホリーの言う"いやったらしいアカ"は、現代人、とくに都市で生きる僕らに通ずるものがある。
    オードリー・ヘプバーンのキュートさがこの作品を有名にした一助であることは間違いないが、物語としては小説の方が好みである。映画版の結末はややご都合主義というか、映画を見終わった人たちが肩透かしを喰らわないように配慮したのでは、と感じる。小説の結末の方が、ホリーというどうしようもなくは魅力的な人間の内面を表していると思う。

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    2025年11月26日
  • 1Q84―BOOK2〈7月-9月〉前編―(新潮文庫)

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    ネタバレ

    (青豆)
    「さきがけ」のリーダーと会う
    リーダーはリトルピープルに何かを奪われた

    (天吾)
    父親(父親ではない)と会う
    母は何かと交わって天吾を産んだ
    牛河と会う
    2人の力が合わさり何か解き放ってはいけないものを解き放ってしまった
    猫の街に行き、リトルピープルの扉を開けてしまった

    天吾と青豆が記憶の中で結びつく

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    2025年11月26日
  • 1Q84―BOOK3〈10月-12月〉前編―(新潮文庫)

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    村上春樹は20年近く続けてきた一人称「僕」で小説を書くことがだんだん息苦しくなってきて、『ねじまき鳥クロニクル』(1994)を最後に、三人称での語りを取り入れたみたい(参考文献:村上春樹『職業としての小説家』新潮文庫)

    『1Q84』は、カルト集団のリーダーを暗殺した青豆と、青豆と特別な関係を持つ天吾の2人の三人称の語りで交互に物語が進んできたけど、この巻からはまさかの牛河(カルト集団に雇われた醜い容貌の追跡者)の語りも加わった!

    青豆と天吾の周囲には時空や次元を超える不思議な世界があるけど、そこに現実世界の牛河が加わることで、スイカに塩をかけて甘さを引き立たせるような効果が生まれた

    ところで、安達クミという登場人物が自分のことを、「パッとしない名前でしょ?」と言うシーンがあり、なんで??としばらく考えてたけど、名前の最後に"ん"を付けたらっていうこと!?(まさかまさか)

    Haruki Murakami gradually found writing novels in the first person using "boku" (I), which he had continued for nearly 20 years, to be increasingly stifling. After "The Wind-Up Bird Chronicle" (1994), he began to incorporate third-person narration (Reference: Haruki Murakami, "Novelist as a Profession," Shincho Bunko).

    In "1Q84," the story had progressed alternately from the perspectives of two characters: Aomame, who assassinated the cult leader, and Tengo, who has a special relationship with Aomame. However, from this volume onward, unexpectedly, the perspective of Ushikawa (an ugly tracker hired by the cult) was added!

    Around Aomame and Tengo exists a mysterious world that transcends space, time, and dimensions. By adding Ushikawa's viewpoint from the real world, it created an effect like sprinkling salt on a watermelon to enhance its sweetness.

    By the way, there is a scene where a character named Kumi Adachi says, "Isn't it a dull name?" I wondered why for a while—but does it mean that adding the syllable "n" to the end of the name would change that!? (No way, no way)

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    2025年11月26日
  • 騎士団長殺し―第1部 顕れるイデア編(上)―(新潮文庫)

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    妻と別離する喪失感から始まるあたり、相変わらずの「村上春樹ワールド」で、「待ってましたこの展開!」となるか、「やれやれまたこの展開かよ...」となるかは、読み手に委ねられそう。だいぶ後期作にはなるので、後者の人が増えている印象がある?

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    2025年11月23日
  • 1Q84―BOOK1〈4月-6月〉後編―(新潮文庫)

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    ネタバレ

    (青豆)
    「さきがけ」での暴力とリトルピープルの存在を知る
    天吾は幼少期に唯一心を開いた相手

    (天吾)
    爆売れする『空気さなぎ』
    ふかえりはどこかへ姿を隠す
    リトルピープルは文字にされたことで怒っている

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    2025年11月23日
  • 猫を棄てる 父親について語るとき

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    村上春樹さん 文藝春秋2022年11月発行
    絵 ガオイェンさん
    亡くなった父親についての文章とどこか懐かしい絵

    棄てた猫が、先回りして帰宅しているところは、思わず嬉しくなった。
    心に響いたフレーズはたくさんありますが、
    ひとつだけ引用します。

    父の記憶、父の体験、そこから受け継いでいくもの
    引き継ぎという行為、あるいは儀式の中にある。その内容がどのように不快な、目を背けたくなるようなことであれ、人はそれを自らの一部として引き受けなくてはならない。もしそうでなければ、歴史というものの意味がどこにあるのだろう?

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    2025年11月20日