村上春樹のレビュー一覧

  • 職業としての小説家(新潮文庫)

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    自分が小説家になろう(なれる)と思った理由はよく分からないこと言って誤魔化してるのに、小説を書くためにやっていることは結構具体的に書いているのが、誠実な感じがする。小説家という領分に対してあまり縄張り意識がないらしい。

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    2025年08月20日
  • 騎士団長殺し―第2部 遷ろうメタファー編(下)―(新潮文庫)

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    ネタバレ

    手を繋いで保育園から自宅まで帰るラストシーンは村上春樹作品には珍しいのでは、と思う。だいたいが、大切な人の何かが損なわれてしまって、読んでいてモヤモヤするものが残るパターンが多いのではないかと…。
    復縁⇒子育て(しかも愛情がたっぷり)のこの図式は歓迎。

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    2025年08月19日
  • 騎士団長殺し―第2部 遷ろうメタファー編(上)―(新潮文庫)

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    騎士団長に感情移入してしまいファンになった。
    登場人物(?)の中で最もコミカルで最もストレートな言葉を持っていると思う。
    ああ、でも不倫相手もそういう意味ではコミカルでストレートかも…。
    本作は会話が特に印象に残っている。秀逸かと。

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    2025年08月19日
  • 世界の終りとハードボイルド・ワンダーランド(下)(新潮文庫)

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    感激感動感涙。
    ハードボイルド・ワンダーランドは世界の肯定、世界の終りは心の物語であろうか。自身が創り出した壁に囲まれた街で、心を失わぬまま、彼女に心を伝える「僕」の選択に感動した。

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    2025年08月19日
  • ロング・グッドバイ

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    ハードボイルドの古典。レイモンド・チャンドラーの探偵フィリップ・マーロウシリーズの最後の作品。ハードボイルドとは、主人公の無骨で筋の通った生き方、行動を慈しみ楽しむものだと思う。そこには浮世の経済合理性や名誉はなく、ただた個人的な「筋を通す」「原理原則を曲げない」それだけがある。そんな非現実的な生き方ができる本当の意味で「タフな」男の物語をたのしむというかなりマニアックなジャンルだと思うが、チャンドラーがそれを確立したと思う。村上春樹がなぜ彼を好きなのかよくわからないが、根底には「原理原則を曲げない」生き方への憧れがあるのだろうか。文体のシンプルなところも好きなのだろう。たまに主人公に「やれや

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    2025年08月18日
  • ねじまき鳥クロニクル―第3部 鳥刺し男編―(新潮文庫)

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    10/10

    “救うためには、救われなきゃならない。”

    想像することが、ここでは命取りになる。
    ナツメグ、シナモン、バット、井戸、サングラス、声帯、心臓、馬、日食、コンピューター。並んだ語群が示すのは、単なるモチーフの羅列ではない。第3部は第1部・第2部と別の世界に移行したかのようであり、むしろ作品全体の集大成として、作者の音楽的なテーマと技術が一気に噴き出す場だった。

    僕が感じたのは、ツイン・ピークスの初期と『ザ・リターンズ』の差異のような段差だ。前段が導入と配置なら、第3部は深淵に沈めるショーケース。静かに、だが確実に読み手を異界へ押し込む。結果として「別格感」が生まれる。これは散らか

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    2025年08月15日
  • 走ることについて語るときに僕の語ること

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    傑作!個人的今年No.1を更新꒰*✪௰✪ૢ꒱

    村上氏には及ばないが、日々なけなしの距離を走っているエセランナーとして、氏のランへのスタンスや思いには顎がもげるほど頷きが止まらなかった。巨匠の筆致とはこういうものか!普段ぽやーっと感じてきたことをすべて言語化してくれ、一文一文が気持ちいい。作家の凄みを見せつけられた想いだ。こんなにも軽やかで美しい日本語で言語化してくれて、ただただ感謝。

    このエッセイを読むと、知的でインテリな村上春樹像は崩れ、実は体育会系やや脳筋タイプであることが明らかになる。これがまず面白い。氏は創作活動には集中力と規律が必要と考え、そのために走り始めた。長年続けられている

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    2025年08月15日
  • 1Q84―BOOK3〈10月-12月〉後編―(新潮文庫)

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    天吾と青豆がやっと出会った。時代を風刺したような場面もあり、リアルとフィクションの行き来が不思議な雰囲気を作っているのだと思う。表現が合うのか、おもしろく読めた。

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    2025年08月14日
  • 街とその不確かな壁(上)(新潮文庫)

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    不思議な世界観。
    君は影なのか、何処に行ってしまったのか、壁に囲まれた世界とは何を意味しているのか、なぜ影と切り離されなければならないのか、私と君は再開できるのか、世界の終りとハードボイルド・ワンダーランドとどのような繋がりがあるのか、子易さんは現実と壁に囲まれた世界とを繋いでいる人なのか、ねじまき鳥以来の村上春樹作品を読んでいる。村上春樹は何を伝えたいのか、自分なりの考えを持ちたいと思う。

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    2025年08月11日
  • 騎士団長殺し―第1部 顕れるイデア編(上)―(新潮文庫)

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    村上春樹さんの長編小説の中で1番好きです。読んだ時に主人公の年齢が近かったこともあり共感できました。先の展開がどうなるのかがわからない、日常の中に少し非日常が交じる村上春樹さんでしか味わえない至高の小説だと思います。

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    2025年08月11日
  • 国境の南、太陽の西

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    村上春樹の「小説」としては、初めて読む本。

    いやーまさかのタイミングで読むことになった本だった。色々とドンピシャすぎ。
    文学ってのは、然るべきタイミングで出会うようにてきてるんだなぁ…

    個人的なそうしたバックグラウンドは置いといて、本の内容としては、恋愛小説。
    小学生のころに、一人っ子(当時は珍しかった)という共通点で強烈に惹かれ合った女子との思い出がある主人公。紆余曲折ありながらも、別の女性と結婚し、バーを営みながら幸せに生きている時に、その女の子がお店にやってくる…
    というあらすじ。

    シンプルなあらすじなのだけども、村上春樹のシャレたセンスの文章でグイグイ読ませる。
    主人公も、女の子

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    2025年08月10日
  • 街とその不確かな壁(下)(新潮文庫)

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    2025.08.10〜09.02
    村上ワールドを堪能。
    どれが現実なのか。
    私が今居る世界は、どこなのか。
    もし、この私が影なら。
    もし、この私が本体なら。

    複雑だったし、読むのに時間がかかったけれど、面白かった。

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    2025年09月02日
  • 1Q84―BOOK1〈4月-6月〉後編―(新潮文庫)

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    ネタバレ

    面白い。本当に面白い。ストーリー自体がそもそも面白いのに加えて青豆と天吾に感情移入しすぎて、これは私が出会うべくして出会った小説だと思った。私はこの物語に出会うために生まれてきて、この物語と出会わなければいけなかったのだと思った。それくらい私にぴったりとハマる、人生でも1.2を争う小説だった。以下、断片的な感想を述べるとする。

    ・「彼女はひとりぼっちで、情愛に飢えていた。生きていく目的や意味をどこに求めればいいのかわからないまま、つかみどころのない日々を送っていた。」←分かる。分かりすぎる。家庭環境に恵まれないとこういう思考になる。

    ・「環が相手の男に求めていたのは、理解と思いやりのような

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    2025年08月09日
  • ねじまき鳥クロニクル―第1部 泥棒かささぎ編―(新潮文庫)

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    最後の方にグロい描写があって、それのためにここまで読んだみたいな、それほどに引き込まれた文章だった。

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    2025年08月08日
  • ロング・グッドバイ

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    「ハードボイルド」の意味を、ようやくこれを読んで理解できた気がする!!

    これがザ・ハードボイルドね!って自信満々に言いたい。

    ハードボイルドってそもそも何?ってレベルの私なんだけど、文学で、感情を交えず、始めから終わりまで、客観的な態度・文体で対象を描写しようとする手法らしい。

    この小説、マーロウという主人公=語り手の感情が全く出ず、淡々と周りの情景、出来事を描いていくスタイルで、王道なミステリーのプロットがこんな風に純文学になるなんて!!そんなことあるんだ、知らなかった!すごい!
    と驚いてる!!

    ストーリー自体がすごい斬新な設定とか、そういうことではなく、語られ方が斬新!!

    すご

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    2025年07月24日
  • 街とその不確かな壁(上)(新潮文庫)

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    ずっと夢をみてるような感覚で読んだ。
    うたた寝でみる夢みたいな、現実なのか夢なのか境界が曖昧な気持ち良い心地で読める作品。
    あるいは気持ち悪さとも紙一重なのかも。
    現実に戻ってしまうと醒めてしまうので、どっぷりハマって一気読みをオススメしたい。
    下巻も楽しみ。
    母が読みたがってるので貸す予定。

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    2025年07月23日
  • 遠い太鼓

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    端的に言って期待以上にめちゃめちゃ面白い分厚いエッセイで、「ノルウェイの森」「ダンスダンスダンス」の副読本というと言い過ぎかもだが、脂の乗ってる30代春樹さん特有の文章(太字の使い方とか)を堪能できるエッセイはこれしかないはず。

    特に序盤のギリシャパートは初期作の雰囲気がぷんぷんで、地図を描いてもらいその地図にキスをするくだりを絵で説明するトピックは、ギャグとしてとても冴えている。後半のローマへの不満パートは読んでいるこちらがイライラしてくるほどの実況ぶりで、流石だなと思う。

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    2025年07月19日
  • 1Q84―BOOK2〈7月-9月〉前編―(新潮文庫)

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    ネタバレ

    「しかし正確に言えば、それはただの偶然でない。君たち二人の運命が、ただ成り行きによってここで邂逅したわけではない。君たちは入るべくしてこの世界に足を踏み入れたのだ。そして入ってきたからには、好むと好まざるとにかかわらず、君たちはここでそれぞれの役割を与えられることになる」「この世界に足を踏み入れた?」「そう、この1Q84年に」

    はあ、面白い。面白い。1Q84年に、月が2つの世界に踏み込んだ。

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    2025年07月18日
  • パン屋再襲撃

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    パン屋再襲撃、象の消滅、ファミリー・アフェアという面白い短編が三作も続いて収められており、特にパン屋再襲撃、ファミリー・アフェアの二つはユーモアに溢れた作品であり、あまり本を読まない人にとっても読みやすい事請け合いである。
    ねじまき鳥と火曜日の女たちというねじまき鳥クロニクルの種となる様な短編もあり、こなれてきた読者としても重要な一冊だ。

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    2025年07月16日
  • 海辺のカフカ(下)(新潮文庫)

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    傑作中の傑作 傑作中の傑作、壮大な物語のラスト45章からは、川端康成の雪国のようなノーベル文学賞ものの、強烈な共感を呼ぶ。村上春樹の世界と自分たちの世界が深く共振する感覚を覚える。
    タフな15歳の少年の物語は、幾多の展開をした後、確固たる一つの束となってここに終結する。

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    2025年12月06日