村上春樹のレビュー一覧
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Posted by ブクログ
暴力、そして『ねじまき鳥クロニクル』の副読本
ユングとか河合隼雄とかの怪しさは、いったん脇に置いておく。
村上春樹の無意識的・形而上的な創作技法が、多少なりともつまびらかにされてをり、それは氏にしては珍しく赤裸々に開陳されたものだと思ふ。
特にこの対談のメインとなるのは、暴力についてだ。それは氏が『ねじまき鳥クロニクル』を書き終へたばかりといふこともあり、身体から出てきた(頭で考へただけではない)物語だからだ。
同じく暴力を扱った作家として、村上龍と大江健三郎の名前もすこし出てくる。
河合隼雄の心療経験の話が面白く、それがうまく村上春樹と噛み合ってゐる。河合が接した患者の心療経験か -
Posted by ブクログ
ねじまき鳥クロニクルを読むのは三度目か四度目になるかと思う。初めて読んだ時からもう二十年くらい経つ。読むたびに自身が感じることが変わり、面白いと思うポイントが変わってきている。これは私の読解力が少なからず成長しているということなのか。
電話の女、加納マルタ、加納クレタ、そして本田さん…。魅力的なキャラクターが次々に登場するのがとても楽しい。そしてそれらが重なり合って物語が進むのですが、文章や世界観に自分の脳がゆらゆらと揺らされているような感覚になり眠くなる。そう村上春樹は眠くなるのです。この眠くなるという点は、何度読んでも変わらない。
作者と同じ時代を生きて、作品を読めるということに感謝。だっ -
Posted by ブクログ
ネタバレ確か高校の現代文の先生が読んでいたので、本書の存在は知っていた。個人的にも香川、西宮など、ゆかりがある場所が多く出てくるのでそれだけでも楽しく読めたが、加えてこれからある意味での旅に向かう自身にとって響く言葉が多かった(詳細は以下、多くなってしまった)。
改めて、何かを問うとき、問われているのは自分自身なのだと感じる。どこかへ行くとき、災難に見舞われるとき、発見するのは自分自身なのだと思う。旅とは、ある種の諦念(思い通りにならないこともそりゃ沢山ある、という姿勢)を獲得する過程であり、これを獲得するからこそ、逆説的ではあるが、それでも不変なもの(どうにも変えられない自分の一部、等)に目を向けら -
Posted by ブクログ
自分史上最長の長編だったので読み終えた後は達成感。。となっていた。
最初はどこに向かっているかわからない物語が中盤から青豆と天悟の2人の純愛物語と理解すると続きの展開が気になってページをめくる手が止まらなかった。
村上春樹にしてはかなり綺麗にまとまっている終わり方になっていて読み終えた後はそこまでモヤモヤした気持ちは残らなかった。
まあ1Q84年の世界がなんでもありな設定なだけあってそこまで気にならないというのもあるけど、
もう、クライマックスの展開の気持ちよさよ。。章区分の名前に天悟と青豆の2人が並ぶベタな演出も好き。
あとはタマルが個人的にはとても愛着が湧いた登場人物になった。
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Posted by ブクログ
ネタバレ村上春樹さんの短編集。
不思議で奇妙な、ありそうにない5つの物語。
現実味ない内容なのにしっかり感情移入できた。
個人的には『偶然の旅人』と『品川猿』が特に好き。
『偶然の旅人』
– 偶然の一致というのは、ひょっとして実はとてもありふれた現象なんじゃないだろうかって –
日常にある些細なきっかけで自分の価値観が覆されることがあるように、小さな偶然や出会いが人の心や関係性を変化させるきっかけにもなりうる。
印象に残ったフレーズを自分なりに要約すると「日々の中で偶然の一致はありふれているけれど、意識しなければ気付くことさえできない。自分が強く求める気持ちがあれば、後に一つのメッセージとして浮