村上春樹のレビュー一覧

  • 村上春樹、河合隼雄に会いにいく

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    暴力、そして『ねじまき鳥クロニクル』の副読本
     ユングとか河合隼雄とかの怪しさは、いったん脇に置いておく。
     村上春樹の無意識的・形而上的な創作技法が、多少なりともつまびらかにされてをり、それは氏にしては珍しく赤裸々に開陳されたものだと思ふ。
     特にこの対談のメインとなるのは、暴力についてだ。それは氏が『ねじまき鳥クロニクル』を書き終へたばかりといふこともあり、身体から出てきた(頭で考へただけではない)物語だからだ。
     同じく暴力を扱った作家として、村上龍と大江健三郎の名前もすこし出てくる。

     河合隼雄の心療経験の話が面白く、それがうまく村上春樹と噛み合ってゐる。河合が接した患者の心療経験か

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    2025年06月08日
  • 村上T 僕の愛したTシャツたち

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    Tシャツの写真をみてるだけで楽しい。最後のインタビューは蛇足っぽいけど、トニー滝谷の正体が判明したりするので侮れない。

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    2025年06月04日
  • 騎士団長殺し―第2部 遷ろうメタファー編(下)―(新潮文庫)

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    再読

    村上春樹の作品にはいずれも共通した、独特の世界観のようなものがあり、「騎士団長殺し」もその例に漏れませんでしたが、他の作品と比べても圧倒的に読みやすいと思います。

    じわりと身体の隅々まで文章が行き渡り、ラストもとても綺麗にまとまって、読後感は最高でした。

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    2025年06月02日
  • 風の歌を聴け

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    この20世紀後期感、その時代を生きた訳ではないので実際の雰囲気は分からないが、この時代に創られた良質な作品(小説に依らない)に共通するムードがこれ以上ないくらいに感じられる。

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    2025年12月28日
  • ねじまき鳥クロニクル―第1部 泥棒かささぎ編―(新潮文庫)

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    ねじまき鳥クロニクルを読むのは三度目か四度目になるかと思う。初めて読んだ時からもう二十年くらい経つ。読むたびに自身が感じることが変わり、面白いと思うポイントが変わってきている。これは私の読解力が少なからず成長しているということなのか。
    電話の女、加納マルタ、加納クレタ、そして本田さん…。魅力的なキャラクターが次々に登場するのがとても楽しい。そしてそれらが重なり合って物語が進むのですが、文章や世界観に自分の脳がゆらゆらと揺らされているような感覚になり眠くなる。そう村上春樹は眠くなるのです。この眠くなるという点は、何度読んでも変わらない。
    作者と同じ時代を生きて、作品を読めるということに感謝。だっ

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    2025年05月31日
  • 世界の終りとハードボイルド・ワンダーランド(下)(新潮文庫)

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    上巻から一気に怒涛の展開。
    どちらかというと上巻は癒し系の話かと思ったのに、全然違うかった。
    でも最後の4章は本当に涙無しでは読めなかった。

    世界には涙を流すことのできない悲しみというものが存在するのだ。深い哀しみというのは涙という形をとることさえできないものなのだ。

    誰の心にも諦めたもの、閉ざしてしまったものがあり、でもその諦めたものの、澱のようなものが少しでも残っているならばそれで生きていくことができるのだ。

    世界の終りのラスト、影と私の会話は、自分の心のなかにずっと留め続けたいと思う。この本のことは絶対に大事してゆきたい。

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    2025年05月31日
  • 世界の終りとハードボイルド・ワンダーランド(上)(新潮文庫)

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    冒頭から惹きつけられる。
    ハードボイルドワンダーランドと世界の終りが交互に綴られていく展開にグイグイ引っ張られて。
    おそらく現代(ハードボイルドワンダーランド)の硬く無機質な世界観と、世界の終りの牧歌的で美しい風景。
    2つの世界の僕と私の2人にとても好感が持てる。
    主人公以外の登場人物全て、わりと良い人。
    下巻がとても楽しみになる。
    村上春樹の最初の長編なんですね。やっぱりすごいな!

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    2025年05月31日
  • カンガルー日和

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    100%の女の子に出会うの話と
    とんがり焼きの盛衰が特に好みだった。
    「僕」の作った、とんがり焼きが食べたい。

    どれもよく分からないのに、さっと読めて楽しめる。
    そして「やれやれ」があちらこちらに。

    サクッと村上春樹を楽しみたいときに良い文庫本だ。

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    2025年05月28日
  • レキシントンの幽霊

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    秀逸な短編が収められた短編集である。緑色の獣などは非常に模範的な短編であり、オチの付け方、過不足ない情景描写に文章表現、隅々まで緻密に作り上げたのだろうか、しきりに感心してしまった。他タイトルも総じて村上春樹らしさが存分に味わえる物語で、彼に傾倒している私にとって至福の時間を与えてくれたことは最早言うまでもない。

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    2025年05月26日
  • TVピープル

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    加納姉妹の話大好き!
    眠れない女性の車のシーンずっと覚えてる。アンナカレーニナ読もうかな,とあれからずっと思ってる

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    2025年05月24日
  • 辺境・近境

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    ネタバレ

    確か高校の現代文の先生が読んでいたので、本書の存在は知っていた。個人的にも香川、西宮など、ゆかりがある場所が多く出てくるのでそれだけでも楽しく読めたが、加えてこれからある意味での旅に向かう自身にとって響く言葉が多かった(詳細は以下、多くなってしまった)。
    改めて、何かを問うとき、問われているのは自分自身なのだと感じる。どこかへ行くとき、災難に見舞われるとき、発見するのは自分自身なのだと思う。旅とは、ある種の諦念(思い通りにならないこともそりゃ沢山ある、という姿勢)を獲得する過程であり、これを獲得するからこそ、逆説的ではあるが、それでも不変なもの(どうにも変えられない自分の一部、等)に目を向けら

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    2025年05月22日
  • 職業としての小説家(新潮文庫)

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    小説家に対するイメージが良い意味でガラッと変わった。小説家は自堕落で破天荒な生活を送っている人、という偏見を持っていたが、長く小説を書き続けるにはある種の体力的な強靭さが必要というのは考えを改めさせられた。
    また、本、特に小説に対する著者の熱い想いというのが存分に伝わってきた。『小説というものは、物語というものは、男女間や世代間の対立や、その他様々なステレオタイプな対立を宥め、その切先を緩和する機能を有しているものだと、僕は常々考えているからです。』もっともっと本を読んで、自分の視点を広げていきたいなと強く思った。

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    2025年05月21日
  • ポートレイト・イン・ジャズ(新潮文庫)

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    ジャズ喫茶も経営していて造詣の深い村上春樹のエッセイ。ジャズ奏者約30人に関して独自の感性と表現力で、彼らの音楽を聞いて感じたことやそのレコードに対する思い出などが書かれている。
    1人5ページぐらいの記載なので気楽に読める点も良い。紹介されているジャズ奏者やアルバムは漏れなく聞きたくなる表現力や文章力はさすがです。
    ジャズのことをもっと知りたいと思えるし、ジャズをもっと好きになることが出来る本。批評に関しては評論家が書いた読み物がたくさんあるけど、春樹のジャズに対する愛や向き合い方が書かれたこの作品は唯一無二だと思う。

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    2025年05月21日
  • 1Q84―BOOK3〈10月-12月〉後編―(新潮文庫)

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    自分史上最長の長編だったので読み終えた後は達成感。。となっていた。

    最初はどこに向かっているかわからない物語が中盤から青豆と天悟の2人の純愛物語と理解すると続きの展開が気になってページをめくる手が止まらなかった。

    村上春樹にしてはかなり綺麗にまとまっている終わり方になっていて読み終えた後はそこまでモヤモヤした気持ちは残らなかった。

    まあ1Q84年の世界がなんでもありな設定なだけあってそこまで気にならないというのもあるけど、

    もう、クライマックスの展開の気持ちよさよ。。章区分の名前に天悟と青豆の2人が並ぶベタな演出も好き。

    あとはタマルが個人的にはとても愛着が湧いた登場人物になった。

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    2025年05月20日
  • 1973年のピンボール

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    1973年は私の生まれた年だ。
    なのでつい、『風の歌を聴け』の前に読んでしまった。
    まぁ先に『羊をめぐる冒険』読んじゃってるけどね。

    初期の村上春樹作品はいいね。スラスラ読める。
    読み心地もいい。
    双子に配電盤の説明をするところと「彼ってすごいんだから」は吹いた。

    鼠が別れに来た時に、ジェイが物分かり良い返答をした時の鼠の反応が好きだ。村上春樹作品に物分かりのいい読者に春樹さんがツッコミ入れたみたいな感覚がした。

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    2025年05月15日
  • 虚言の国  アメリカ・ファンタスティカ

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    AMERICA FANTASTICA

    アメリカに広まるミソメイニア(虚言症)という感染症、名前から経歴まですべて嘘の主人公ボイド・ハルヴァーソン、銀行、大企業と富豪。トランプとそれを生み出したアメリカ社会を風刺した小説。訳文は村上春樹っぽい文章。

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    2025年05月14日
  • 職業としての小説家(新潮文庫)

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    本気で小説家になりたい人のバイブルです。

    公募やコンテストに参加する予定、参加する人に必須と言えます。
    「天才の言葉だから凡人や、それ以下の人間には関係ない」と敬遠せずに見本としたり、実際に真似てみると執筆がしやすくなったり、捗るようなります。

    村上先生が好きな人はもちろん、作品を読んだことがない人にも読んでいただきたいなと思います。

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    2025年05月13日
  • ティファニーで朝食を(新潮文庫)

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    映画は未視聴。とにかく魅力的なヒロインが描かれている。長い台詞を気持ちよく読ませてくれるのは技術?魅力的なクラスのマドンナが冴えない主人公のことをなぜか気に入ってお互い特別視してるみたいな作風の先駆けのような感じ。村上春樹が映画に苦言を呈していたので、映画も観てみよう。

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    2025年05月10日
  • 世界の終りとハードボイルド・ワンダーランド(下)(新潮文庫)

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    相変わらずの村上春樹節が聞いてて面白かった。
    よくわからない、そうかもしれない。の部分は読んでいて普通に笑ってしまった笑

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    2025年05月08日
  • 東京奇譚集(新潮文庫)

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    ネタバレ

    村上春樹さんの短編集。
    不思議で奇妙な、ありそうにない5つの物語。
    現実味ない内容なのにしっかり感情移入できた。
    個人的には『偶然の旅人』と『品川猿』が特に好き。

    『偶然の旅人』
    – 偶然の一致というのは、ひょっとして実はとてもありふれた現象なんじゃないだろうかって –

    日常にある些細なきっかけで自分の価値観が覆されることがあるように、小さな偶然や出会いが人の心や関係性を変化させるきっかけにもなりうる。

    印象に残ったフレーズを自分なりに要約すると「日々の中で偶然の一致はありふれているけれど、意識しなければ気付くことさえできない。自分が強く求める気持ちがあれば、後に一つのメッセージとして浮

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    2025年05月23日