村上春樹のレビュー一覧
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Posted by ブクログ
めくらやなぎと眠る女がアニメ映画化されたので、どんな話か読もうとこちらの短編集を買ったけど、肝心のめくらやなぎも、そのほかの短編も、どれも読んだことがあって、初読なのは三つのドイツ幻想だけだった。
納屋を焼く、はいろいろな短編集に入っているので、読むのはもう三度目かな。
好きな話なので、良い。
蛍、納屋を焼く、めくらやなぎの短編ほ、ガールフレンドとうまくいくとかそういうことはなく、友人が死んでしまったり、友人のガールフレンドがいなくなったり、喪失についての物語だと思う。
納屋を焼くというのも、納屋を消滅させるということになるのかもしれない。けど、それは誰からも必要とされていないから、気づかれもしない消滅だ。
何かを失う、ということについて。身近だけど、あまり意識して生活することはなく、だけどあまりにも身近な物語。
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購入済み
文庫本
新書の時に既に完読済みでしたが間違って購入
こう言うの結構多く毎回凹む。
サイトのシステムでアラートしてくれると
フォロー通知機能よりも嬉。
中々、再読はしないタチですがあとがきだけでも
って読んでみたらこちらも新書そのまま。
出出しは、2年前のことは忘れて村上ワールドに
没入しましたが徐々に記憶が戻ってきてストップ。
せっかく購入したので、機会があれば再読したい
作品内容レビューには全くなってないけど
ポイント貰えたら嬉。 -
Posted by ブクログ
第一部の感想として、主人公が「自分の好むと好まざるとに関わらず何かに巻き込まれようとしている」と書いたが、この第二部で、主人公は笠原メイから「あなたがひどい目に遭うのはあなた自身に問題があって、それが引き寄せている」と言われてしまっている。
う〜ん、16歳のスルドすぎる指摘。
そして、妻の兄である綿谷ノボルからも、「結婚して6年、君はなにをしたか?なにもしなかった。クミコの人生を余計に面倒なものにしただけ」などと言われてしまう。
そうかもしれないけれど・・・亨のように流されながら人生を送っている人は大勢いる。二人ともズブズブ遠慮なく刺しすぎだ。
ここから出ましょうと手を差し伸べてくれるのは加納クレタだったが・・・
第一部から第二部で、いったんオチがついたような形だと思う。
亨の気持ちというか、方向性が決まったという点で。
亨の井戸は水で満たされたようだし、良いニュースだなと(私が)思えることもあった。
だが岡田亨の戦いはまだ始まったばかりだ、みたいなことなのだろう。もちろん第三部に続く。
亨の叔父さんがとても素敵な人。
そして、亨の悪夢がこわ過ぎる。なんでこんなこと思いつくんだ、同じ夢を見たらどうしよう・・・ -
Posted by ブクログ
地下鉄サリン事件に関するドキュメンタリードラマを観て、自分が30年前にニュースで見聞きした印象とずいぶん違っているような気がして、この本を手に取った。
実際にサリンを吸ってしまい被害に遭われた方たちのインタビューである。いろんな方がいて、いろんな人生があり、この日もいつもの日常の延長が始まるはずだったのに、たまたまあの時間に、日比谷線・丸の内線・千代田線のいずれかに乗ってしまったために、サリンの被害に遭ってしまった。亡くなられた方や重い後遺症を負ってしまった人たちもいる。
私はあの事件をニュースで見た時に「怖いな」「なぜあんな見るからに怪しい宗教にはまる人がいるんだろう」とは思ったが、被害そのものに対する解像度は低く、そのまま30年が過ぎてしまった。この本を読み、個々の人生の日常が大なり小なり破壊されてしまったことが、とてもリアルに伝わってきて、やっとこの事件の凄惨さを実感できたような気がする。
今またオウムの後継団体に入信する若者が増えているという。あの事件がどんどんと遠い過去となり、風化していく前に、特に若い人たちはこの本を読んでほしいと思う。 -
Posted by ブクログ
ネタバレ大学で英文学の授業の教材として読んだ思い出の本が、同様に思い出深い村上春樹に訳されるという幸せ。
以前読んだ村上春樹と柴田元幸の対談本「本当の翻訳の話をしよう」で話題に出てたのがきっかけで手に入れてみた。
授業で学んだから内容は多少覚えていたとは言え、20年以上前に読んでから読み直してもいなかったので、ふんわりとした記憶しかなかった。
耳の聞こえない主人公のシンガーさんが、町の人々から色々なことを相談されるけど、相手は一方的に話すだけで別に探偵的なことをするわけでもない。
そしてある日悩みを聞かされまくった主人公は自殺してしまう。
そして町の人々は後悔する。
といった感じ。
読み直した結果、結構大事なところが間違っていた。
記憶ではシンガーの死を知って、俺達は彼のことを何も知ろうとしなかった…!とみんなで嘆いてたように思ったけど、全くそんなことはなかった。「なんで突然死んでしまったんだろう」とか言ってるだけ。最初から最後まで、みんな自分本位だった。そういう意味でもみんな孤独だったな。
あと、完全に忘れていたけどシンガーの親友のおデブさんがいて、最初は仲良く暮らしているけど徐々に精神がおかしくなり、ついには病院送りになってしまう。でもシンガーさんは変わらず彼を愛し、病院にも良く面会しに行って、お土産も渡し、でも結構ぞんざいに扱われ、最後には連絡もないまま亡くなってしまい、それが原因でシンガーさんも自殺してしまう。
だから、町の人達の悩みという陰の気がシンガーさんに溜まってそれのせいで、ということは全然なかった。むしろ、シンガーさんは町の人達、なんか良くわからんけどやたらと話しかけてくるなぁ、まあええけど、くらいの軽いテンションだった。なのに町の人達はシンガーさんだけが分かってくれてる!みたいな感じだったし、終始すれ違い。
シンガーさんが主人公というより、町の人達と含めてマルチ主人公という形だった。貧乏だけどがんばってる女の子は、読むまでは忘れてたけど、読み直したら思い出した。いたいた。
でもレストランの主人や、テンションが終始おかしいパワータイプの男性、あと苦労人過ぎる黒人の医者という他の主人公たちはあまり覚えてなかったわ…
そして主人公たちはまだ良いが、海外小説あるあるとして名前がわかりにくい!そもそも名付けが有名人の名前から取ってるカール・マルクスというキャラクターがいるのに、他の登場人物が資本論のマルクスの話をしたりする。そして普通にあだ名で呼んだりもする。誰が誰だー?
あと、キャラ同士の関係性もいまいち理解できなかった。血の繋がった家族なのか、使用人の家族なのかもう分からんぜ!まあ、ストーリーにはあまり関係ないから良いけど!
女の子主人公のミック、音楽好きでピアノも学び始め、作曲までできるという、才能がありそうな雰囲気なのに色々な運命のいたずらで普通に働き始め、そのまま音楽のことを忘れてしまっていく。うーん、切ない。
しかし、銃を遊びで触って暴発させて好きな女の子を射殺しかけてしまう弟は、それのせいで一家の生活が壊滅したのに反省どころか女の子を逆恨みしており、非常にリアルな子ども描写だが、ミックを応援する読者としては悲しくなってしまう。
で、翻訳作品としてだが、割と翻訳感が残っていたのもあり、個人的には余り好みではなかった。翻訳作品の常識としては、読みやすくするためだとしても下手に意訳を含めてしまうのはNGというものがあるらしいが、いや、読みやすさでしょ。
ただ、村上春樹流翻訳のやり方は、結構意訳というか、文の順番や構成を変えたりというのはしてるらしい。
しかも、村上春樹作品というバイアスがかかってしまっている気がする。自分はまだ原作を読んでからこの翻訳を読んでいるので、オリジナルの印象が残ってる気がするけど、翻訳版を最初に読む人はもう、村上春樹作品の第一印象がついてしまうのではないか。
例えば、まるで〜みたいに構文がしっかり出てくる。
p122
まるでブラシできれいにこすられ、長いあいだ洗面器の水に浸けられていたみたいに。
いや、別に村上春樹専売ということはもちろん無いんだけど、でも村上作品にまるでみたいにが出てくると、やっぱりな、と思ってしまうのだった。
というか、前から思ってたけど別に村上春樹翻訳作品、ものすごく良いかとというと特にそんなことはない。
普通に翻訳感は残ってるし、更にやっぱり村上作品だというノイズが乗ってしまう。
もちろん、シンガーさんがやれやれと言ったりスパゲッティを茹で始めるなんてことはないし、プロだし、自分の好きな作品しか訳さない人だから、そこで自分の色をつけることは絶対ないとは言え、とはいえ村上春樹っぽさが出ないはずもないので。
悪いとかではいっさい無いし、翻訳するななんてことはないんだけど、なかなか難しい。
どうでもいいけど、原題の「The Heart is a Lonely Hunter」という響きが頭に染み付いているからか、タイトルは四節あるような印象があり、「心は孤独な狩人」、ではなく「心は〇〇で孤独な狩人」という形で脳裏に浮かびがちだった。あと主人公がシンガーじゃなくてハンターと覚えがち。 -
Posted by ブクログ
⬛︎思慮深くておちゃめなおじさま
村上春樹さんの小説は学生時代に読もうとして挫折し、それ以降遠ざかっていました。しかし、各所から「小説は苦手でもエッセイは好き」「氏のエッセイはいいぞ〜」というお声をたくさん聞いて今回拝読。結果、とっても面白くて、暑い日に飲むビールみたいにゴクゴクっと読んじゃいました!!
一つの物事を多角的な視点で見て考えを広げる様はもう流石というか。(柿ピーの話とか、きんぴら作りに合う音楽の話とか)それでいて文体はユーモラスで、クスリと笑ってしまう表現も多くて、なんだかそれが可愛らしい。おちゃめなおじさまという感じ。(怒られそう。すみません。とっても褒めています。)
印象に残ったのは冒頭のスーツの話。
ローマに居住していた頃に買った立派なスーツを、日本に帰ったら全く着なくなってしまった…というエピソード。
人間って、今日から変わろう!と思っても決意した何かがなくなればもとのかたちに戻ってしまう。決心なんて人生のエネルギーの無駄遣いだ…。しかし、一方で「変わらなくてもいいや」と思っていると、不思議と人は変わっていくもの…という文章に「真理だ…!」と思っちゃいました。
自分は変わってないつもりでも周りは変化しているから、価値観も何もアップデートしないと、やっぱり周りから見たら(それはおそらく悪い方に)変わったと思われてしまうんでしょうね。変化しない、なんて無理なんだ。
ほんとうに面白かったので、もっと彼のエッセイを読みたいなと思いました。