【感想・ネタバレ】若い読者のための短編小説案内のレビュー

あらすじ

「小説って、こんな風に面白く読めるんだ!」。村上春樹が小説家としての視点から、自らの創作の秘訣も明かしつつ、吉行淳之介、安岡章太郎、丸谷才一といった戦後の日本を代表する作家六人の短編小説を読み解いた“私的な読書案内”。

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Posted by ブクログ

 第三の新人の作品を題材に、村上春樹氏が米国の大学で講義をした時の話をまとめたもの。
 特徴的なのは著者の立場に立ったらこう思っているはずだという観点からの、文章のプロとしての見方。当たっているかどうかというよりも、その文章への愛や本気さがその説得力を増している理由だ。特に、樹影譚については秀逸。3つのパートに分けた上で、変遷とその意味について深く考察がなされている。この文章を書いたのは、どんな作者の心理状況や理由があるのかに焦点が当たっており、てにをはをどうこうするのではなく、どこにテンションを持ってくるか。解説で敢えて強調しているところなんて、村上春樹の小説を読んでいるような気がするくらいだ。
 文章を書くという行為を大切に、丁寧に練り込むこと。小説家は面白く、大変な仕事だなと改めて感じさせてくれる。読み手も、丁寧に読み込んでいかなくては、そんな気持ちにさせてくれる一冊。

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2016年01月16日

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読書の楽しみ方を教えてくれた至高の一冊
村上春樹の読書・価値観も垣間見できます。

ここで紹介された短編もほぼ全て
神保町で発掘しました。

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2024年07月11日

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昔、ファミコンのゲームを持ってなくても攻略本を読むだけで楽しめたように、村上春樹の書評は、その作品を読んでなくても書評のみで独立して楽しんでしまえます。誠実に、真摯に作品と対峙する彼の態度には好感が持てますし、精緻かつ豊かなアプローチで小説を解きほぐすさまには大いに感銘を受けました。小説が好きな人におすすめです。小島信夫と庄野潤三は、名前すら知りませんでした。『馬』も『静物』も読んでみようと思います。

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2023年10月28日

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若い人向け、また作家の視点でおすすめ短編小説を紹介し、その考察が書かれている。アカデミックな要素があまりなく、文学の初心者でもスラスラと読め、この本を読むだけで、紹介された本の良さを語れるほどよくまとまっている。

何よりも村上春樹の視点が非常に面白い。この本を読んでいなければ、恐らく気づけなかった点がたくさんあるだろうし、なるほどと思う鋭い推察がたくさんあった。

特に小島信夫の『馬』は話の内容がシュールすぎて早速買った。サマリーだけでも難しそうだが、それに加え独特の視点からストーリーの魅力を伝えるスキルもプロフェッショナルで感心した。

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2021年02月21日

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作者がどういうように小説を読みとっているかの解説本
横文字使うところは多いものの相当にわかりやすい
すくなくとも作者の小説を読むよりは
「僕らはその小説を書き上げ、「これは現実じゃありません。でも現実じゃないという事実によって、それはより現実的であり、より切実なのです」と言うことができます。そしてそのような工程を通して初めて、それを受け取る側も(つまり読者も)、自分の抱えている現実の証言をそのファンタジーに付託することができるわけです。言い換えれば幻想を共有することができるのです。それが要するに物語の力だと僕は思っています。」P101より

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2019年01月12日

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村上春樹流短編の読み方。どうも短編が苦手で、それはもちろん、村上春樹の書くものにも当て嵌まる訳で。でもそれは、物語がマズイ訳ではなく、自分の読み方に問題があるせいだという自覚はあって、それを少しでも見直せれば、っていう願いを込めて手に取った本。結局、一番肝要を敢えて書かないとか、そういう非言語的表現手段をもう少し味わえるようにならないと、ってことでしょうか。この中でも触れられていたように、覚えるくらいまで読み込まないと、なかなか見えてこないのでしょうが。目指すべき山頂はまだまだ遠いです。

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2018年04月07日

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「若い読者」ではないが、勇気を振り絞って読んでみた。小説にも、ずいぶんと様々な書き方があるのだということがよくわかった。また、小説家の人生を知るのは本当に面白い。

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2014年12月24日

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ここで紹介された作家の小説を読みたくなりました。それだけでも、本書の目的は十分に果たしたと言えるでしょう。

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2014年02月23日

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村上春樹がこんな本を出してたなんて今までどうして気がつかなかったのか、もっと早く読んでりゃ良かったってくらい大変ためになりました。

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2012年12月04日

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春樹くんが、日本の作家の好きな小説について、なぜどんなふうに好きなのかを語っているのはとても珍しく、それだけで嬉しい。
しかもただの感想ではなく、アメリカでの講義がベースになっている本なので、きちんとした分析も学べる。
初めて聞く作家もいたけど、日本近現代文学史についても理解が深まった。
大変楽しく有用な本。

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2025年11月24日

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私のような、物語内での「?」を考察できないようなことを、解き明かしてくれる本でした。時々、本の中にちんぷんかんな発言や、行動があったりするんですが、私の場合、「よう分からんかったが、面白かったからいいか。」で、終わるんですが、この本読んで、少し、考えるようにしようかなと思いました。村上さん、案内ありがとうございました。

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2024年09月30日

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ネタバレ

本書は、著者が1991年〜1993年にかけてアメリカのプリンストン大学にて週に1コマ大学院の授業を受け持つことになり、小説家として、教えるのではなく“第三の新人“の作品を学生たちと読み込んでディスカッションしよう〜という形で、テキストとして取り上げた作品からいくつかを改めて読み直したものである。(その後、ボストン近郊のタフツ大学でもクラスを半年持つなど)

冒頭の『僕にとっての短編小説』にて、短編小説は長編小説の始動モーターとしての役目を果たすとし、“その女から電話がかかってきたとき、僕は台所に立ってスパゲティーをゆでているところだった“から構想が始まった「ねじまき鳥と火曜日の女たち」は「ねじまき鳥クロニクル」に、「螢」から「ノルウェイの森」に、「街と、その不確かな壁(加筆されて近年になり刊行された。この頃は150枚程度の下書きだった)」から「世界の終りとハードボイルド・ワンダーランド」に〜と、短編から長編に繋がった作品を紹介している。

著者の読書遍歴。主に海外小説を原語で読むが、海外生活を始めてから嫌でも自身が日本人であることを思い知らされ、日本に来る度に日本文学を買い漁る。自然主義的な小説や私小説は苦手で、例えば太宰治、三島由紀夫などは駄目だった。
逆に心惹かれたのは、第三の新人と呼ばれる、安岡章太郎、小島信夫、吉行淳之介、庄野潤三、遠藤周作など。他は、長谷川四郎、丸谷才一、吉田健一など。

その後、計6作品を読書案内。
言語化が上手いなという共感できるところもありながら、いまいち理解し切れない部分もあった。
それぞれの該当図書を先に読んだ方が勿論楽しめそうだが、知らなくてもなんとなく話についていける。(あらすじを説明されるものとあまりされないものがある)
私的には小島信夫「馬」が奇抜で面白かった。
馬が人の言葉を喋るとなれば、色んな解釈ができそうだ。しかし、著者(村上春樹)の解釈のように、馬は主人公の投影であるというのは最も腑に落ちる。

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2024年04月26日

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小説とは自己と外部(社会?)との関わり方、摩擦、軋轢が基部にあって、それをどう受け入れるか、解決するか、もしくはどう逃れるか、ということと深く関わっていて、基本的にある種の狂気が含まれている。
さすがに村上春樹の読み、人物・事象が何を象徴するかといったことを掴む力は高い。
よく観察し、何度も繰り返し、疑問点を挙げる。この三点が重要。

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2022年04月12日

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この本、タイトルだけ読むと村上春樹が好きな短編をおもしろおかしく紹介してくれる本に思える。 いや実際にそうなのである。しかし、本書は他の作家の作品の評論を通して、村上春樹的小説あるいは小説家の在り方を示した作品と言える。その意味では「職業としての小説家」に近いものはあるだろう。
自己について語るとき自己自身について語るよりむしろ、他者について深く深く掘り下げていき、他者に対しての自分のスタンスを示すことがかえって自分自身についての解像度をあげる。
だからこそ、村上春樹自身が紡ぐ長編と同じくらいエッセイや本書のような非小説も同じくらい好きなのだ。
もちろん吉行淳之介や丸谷才一の作品は是非とも読んでその都会的なタッチ(あるいは不器用さ)を感じてみたくなったが。
「なにも喜怒哀楽をいちいち描く必要はないんです。そんなもの全部すっぽかしたっていい。ただしそれは伝わってこなくてはならない。」 
この部分に首がとれるほど頷いてしまった自分がいる。別に創作に限らない。本当に大切なことは明示的にではなく暗喩としてメタファーとして現れる。

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2022年02月17日

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「第三の新人」グループの小説は、とんと触れたことが無かったので、すごく興味が湧いた。
何遍か読んでみたい。
それから、またこの本を読み直して、自分なりの感想、発見を見比べることもしてみると、より一層本を味わうことができるのではないでしょうか

一点引くとすると、図がめっちゃ分かりにくい_:(´ཀ`」 ∠):_
凡人の自分の理解が追いついてないだけか?

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2021年06月07日

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ネタバレ

こりゃおもろい。凄いぞ村上さん、って、思いました。

村上さんが、短編小説を読んで、その感想を書いている、っていう感じの、評論というか、エッセイというか、そんなかんじの本なのですが。

村上さんの、その読んだ短編に対する愛情が、ハンパない。そして、分析も、ハンパない。そこまで分析するか!?ってくらい、分析している。そして、多分、その分析は、愛しているからこそ、できるんだろうなあ~、って思うと。好きな本を、じっくり読む、って、良いことだなあ、って、思うんですよねえ。凄いぞ村上春樹。凄いぞそこまで読み込むなんて。

ちなみにこの文章、というか、村上さんが、これらの短編をきっちりキッチリ読み込んだのは、アメリカの大学で講義を持ったから、みたいな理由も、あったみたいです。こんだけきっちり読み込んで、向こうの国の学生さんたちと、色々とディスカッションしたりした、みたいですね。それってもう、めっちゃんこオモロい授業だったんでは?受講できた学生さんたちが、羨ましすぎますね。「とある作品を読み込むことは、これほどまでに面白いのか~」ということを、痛感しまくれたんでは、ないでしょうかね?

で、この本の中での、とある短編に対する村上さんの「この短編は、こういうことだと思う気がするんですよね」って解釈は、もしかしたら、作者本人に聞いたら「全然ちゃいます。そんな思いは、全く無かったです」って、言うかもしれませんよね?

でも、「全然ちゃう」かったとしても。村上さんが、「こう思った」ことは、それはそれで、絶対的に素晴らしい事だと思うんですよね。だって村上さん、これらの短編が、好きなんだし。好きなものがある。それに対して、アレコレ考える。で、その考えたことは、見当違いかもしれない。だが。自分が「好きだ」と思ったものに対して、「何故好きなんだろう?こうだからかな?ああだからかな?不思議だなあ。こんなに好きだなんて」って、色々思うことって、最高やないですか。そんな事を、思いましたね。

あと、文庫本バージョンの序文として「僕にとっての短編小説」という文章が載っています。まあ、「村上春樹は、『短編小説』というものを、どのような存在と考えているのか?」を述べたもの。まあ、タイトルそのまんまな文章なんですが、これがまた、ベラボーに面白い。

「俺は実際の所は長編小説がいっちゃん大事なの」って言っておきながらの、それはそれとしての、短編小説への愛を、ちゃんと語ってるところとかホンマ好き。素敵。

あと、「失敗してこその短編小説。上手くいくときもあれば、イマイチな出来のときもある。でも、だからこそ失敗を怖れるな。前向きの失敗は次につながる」とか、抜群に励まされるやんか。村上さんが、こういうこと言ってくれると、嬉しくなっちゃいますよね。村上さんとイチロー氏は、やっぱ、似てると思うんだよなあ。

自分にとっては、読み終えて、「まあやっぱ、村上春樹さん、俺、すっげえ好きだなあ~」という思いを、新たにした一冊ですね。これほどに、自分以外の人の文章を、しっかりと愛して分析することができる人は、やっぱ、素敵です。

で、ちなみに自分は、この本で村上さんが紹介された作品は、一冊も読んだことがありません。すまん、、、すまん、のだが、自分が全く読んだことのない短編の感想を、村上さんが喋ってるだけ、ってくらいの本なのに、それでもこの本は面白い、というのは、やっぱでえれえ凄い事だと、逆説的に思う次第ですよね、うんうん。

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2020年07月22日

Posted by ブクログ

村上春樹の文章の好みと、「僕はこのように考えながら小説を読んでいるよ」「こういう風に解釈したら面白いと思わないかい?」という小説の読み方が学べた

深く深く文章を読み込んでいこうと思えた

そして取り上げた作品が難解で、村上春樹らしさ全開だった。

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2019年10月28日

Posted by ブクログ

ネタバレ

恥ずかしならがら、この本が村上春樹氏の本で初めて読んだ本だ。短編小説が読みたいなと思っていた頃、電子書籍の検索でこれがヒットしたので、衝動的にワンクリック購入し、そのまま放置していた本だ。

特に村上春樹さんを読みたかったわけでもく、「いつもノーベル賞候補にノミネートされる村上さんが、案内してくれる短編小説ならきっと面白いに違いない」という発想で買ったものだ。

・・・が、「案内」という意味が違ってた。ブックガイドではなかった。これは、それぞれの作品をどう解釈し、どう味わうか、といった村上春樹流「文学の読み方の案内」というような本だった。ノーベル賞受賞候補・村上春樹氏の文学講演を聞いているようでもあった。

この本では、次の6編を取り上げている。これらは、いずれも「第三の新人」と呼ばれた作家だそうだ。名前だけは聞いたことがあるという人が数人含まれているが、全員他の作品も含めて一冊も読んだことなし!(汗)。

吉行淳之介 『水の畔り』
小島信夫 『馬』
安岡章太郎 『ガラスの靴』
庄野潤三 『静物』
丸谷才一 『樹影譚』
長谷川四郎 『阿久正の話』

本書の巻末には、各人の紹介文も掲載されているが、いずれも徴兵されるなど、戦争に巻き込まれた経験をお持ちの方ばかり。世代が違うというのを苦し紛れの言い訳としたい。

村上氏は、この「第三の新人」と言われる作家の作品で、こういうことをやってみたかったと言っている。
こういうことというのは、作品をじっくり読みこんで、読みこんだ人達で、その解釈や感想を述べあうことにより、その作品の理解をより深めるというようなことだ。

本書では、この6編に入る前に、「僕にとっての短編小説」とか「まずはじめに」とかの章がある。であるのに、ここをすっ飛ばして、いきなり「吉行」の章から読み始めてしまったものだから、村上氏が吉行氏の作品にあれやこれやケチをつけたり、勝手に解釈していているのを見て、早計にも「先輩の作品にケチをつけるとは、いくら優れた作家でも、マナー違反じゃないの!」なんて感想をもったわけですが、ちゃんと最初から最後まで読んでみて、誤解が尊敬に変わりました。

文学を読むということはこういうことなのか?
小説をさらりと読んでオシマイという習慣の自分には、一つの作品をその著者の背景なども絡ませながら、「その作家がどうしてこういう表現をしたのか」ってなことを推理していく過程を読むのは、推理ゲームのようで非常に面白かった。過程も面白かったし、推理の結果がまた興味深い。

村上氏は本書の中で、「その作家のはいていた靴に自分の足を入れてみる」というようなことを言っている。また別のところでも、「僕は・・・太宰治も駄目、三島由紀夫も駄目でした。・・・サイズの合わない靴に足を突っ込んでいるような気持ちになってしまう・・・」というようなことを言っている。

先輩の作品にケチをつけているのではなく(ご自身も上記の作品は最もお気に入りの作品のセレクトだと言われている)、むしろ先輩の作品を教材として研究を尽くされているのだということがよくわかった。

この本を読んで、そろそろ本当の村上春樹氏の本を読んでみたいなと思ったし、ここで紹介されている中では、丸谷才一氏を読んでみたいなと思った。

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2018年04月07日

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【本の内容】
戦後日本の代表的な作家六人の短編小説を、村上春樹さんがまったく新しい視点から読み解く画期的な試みです。

「吉行淳之介の不器用さの魅力」「安岡章太郎の作為について」「丸谷才一と変身術」…。

自らの創作の秘訣も明かしながら論じる刺激いっぱいの読書案内。

[ 目次 ]
吉行淳之介「水の畔り」
小島信夫「馬」
安岡章太郎「ガラスの靴」
庄野潤三「静物」
丸谷才一「樹影譚」
長谷川四郎「阿久正の話」

[ POP ]
村上春樹が小説の読み方についてレクチャーというだけで読みたい、それだけの価値あり。

彼がこの本を書いたきっかけ、小説家としての意見が書かれている「僕にとっての短編小説」と「まずはじめに」。

まずここで、エッセイや対談では知ることのできない彼の創作への思いや考え方が分かりやすく書かれていて、すっと惹きつけられる。

そして、真摯に戦後日本の作家6名の短編を解説が始まる。

ホッとしたのは、こんな有名な作家であっても、読書は誰と違っていてもいい、とその分析を進めていること。

読み上手ではないので、この自由さが嬉しい。そして、6名の作家の「自我」にこだわって分析を進めていること。

自我、そして生き方についても語られているのだ。

「評論も、自分を通してしか書けない創作だ」とは私の好きな作家の言葉だけど、まさに6作の読書案内を通して、「村上春樹」が強く表現されている。

[ おすすめ度 ]

☆☆☆☆☆☆☆ おすすめ度
☆☆☆☆☆☆☆ 文章
☆☆☆☆☆☆☆ ストーリー
☆☆☆☆☆☆☆ メッセージ性
☆☆☆☆☆☆☆ 冒険性
☆☆☆☆☆☆☆ 読後の個人的な満足度
共感度(空振り三振・一部・参った!)
読書の速度(時間がかかった・普通・一気に読んだ)

[ 関連図書 ]


[ 参考となる書評 ]

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2014年08月27日

Posted by ブクログ

第三の新人と呼ばれる作家たち・・・恥ずかしながら、ほとんど読んだことがなかった。
代表作といわれるものが一作、読んだことがあるかどうか。
『翻訳夜話』を楽しく読んだので、この本も読んでみようという気になったのだが・・・なかなか馴染みのない作家の、しかも初めて聞くような作品ばかりで、びっくりした。
う少し、本文の引用があるとうれしかったけれど・・・
読んでいくと、どこか、村上ワールドに重なるような何かをもった作品たちなんだな、と思わされた。
特に、達者とされる作家(吉行淳之介や丸谷才一)の中に、ぎこちないなにか、ごつごつしたなにかを感じ取る、こだわりのようなものを感じた。

巻末についている、編集者による読書案内も、丁寧に作られていて、好感が持てた。

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2014年01月31日

Posted by ブクログ

恥ずかしながら、ここで紹介されている作品をひとつも読んだことがなかったうえ、「第三の新人」という言葉すら知らなかった私ですが、とても興味深く読むことができました。
全部の短編小説をぜひ読んでみたいと思わせる著者の言葉はすごいなあと素直に感心してしまいました。こんなに面白がって、かつ繊細に小説を読むことができるってすごいな、と。
せっかく活字を読むことがすきなのだから、いろいろな分野に挑戦してみたいなと思いました。いつかこれらの短編もきっと。

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2012年12月27日

Posted by ブクログ

村上春樹が、第三の新人と呼ばれる作家たちの短編小説についての解説する本。読んでみると、すべての作家、作品が魅力的に思えてくるから不思議。

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2023年01月08日

Posted by ブクログ

はるきんの小説の読み方が垣間見れる1冊。こんな読み方があるのか、、!と授業を聞いているような感覚で読めて、なんだか新鮮な読書体験だった。

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2022年11月19日

Posted by ブクログ

文体は(村上春樹特有の)比喩が多くてあまり好きではないが、それはさておき内容はそれなりに面白い。「作家の内なる『狂気』が作家自身を駆り立てた結果、ある種の破綻の顕われとしてできあがるもの」という小説の本質に関する見解は、かなり定まったものであるらしい(阿部公彦氏の著作にも同様の記述があったことを憶えている)。庄野潤三「静物」および丸谷才一「樹影譚」は読んでみたいと思った。

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2022年11月01日

Posted by ブクログ

小説と、書き手の分析が面白くて、へー、こういう見方面白いな、個人の思想や思考の、小説への反映のされ方とか、なるほどな、と、たくさん感じました。
が、惜しむらくは、分析の題材となった小説が、ぽいっと!簡単に手に入りにくいことでした、、、
これらの小説を読んでもう一度読むと、何度も読むたびに気付かされることがありそうです。

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2022年06月13日

Posted by ブクログ

第三の新人って面白くなさそう...
遠藤周作しか読んだことない...と思っていたけれど、これを読んで興味が出てきた。
特に小島信夫の『馬』。
暇ができたら開拓したい分野!

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2017年07月14日

Posted by ブクログ

小説の解釈の一つとしても、小説家の小説に対する意思表明の一つとしても誠に興味深く読ませてもらいました。
その意見には賛否両論あるんだろうけれども、(読んだことも無い作家もいたこともあったこともあるか?)是非取り上げられた小説あるいは他の小説を読んでみたいと思わせる内容ではあるんじゃないかな。
こういう本は村上春樹がどうだこうだとか言うのではなく、素直に取り上げられた小説の魅力を感じ取れば良いんではないですかねぇ。

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2016年03月21日

Posted by ブクログ

「我々は…平凡ならざる新鮮な「非日常」を掘り起こしていくことができるんじゃないかと」…クリエイターの仕事はそれぞれの分野で「非日常」を創りだすこと。退屈なリアリズムや手垢のついた日常に、我々はもう飽々している。

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2015年12月06日

Posted by ブクログ

村上春樹作品をここ数年集中的に読んできたが、初めて面白くないと感じた。原因は明らかだ。「実作者の経験から言うと」という台詞が多すぎて鼻につく、ということ。目立たない小品の、しかも村上自身が言っているように、あまり成功作とも言えないような作品を俎上に載せて、あれこれと論じるのはどうも感心しないし、その創作者の視点自体に危うさが感じられる。文学作品が生まれる過程というのは一様ではなく、一般化することなど到底できないだろう。個人の経験が分析の目を却って曇らせることもある。
とは言っても、やはり面白いところもあった。取り上げた作品を読んでみたい気にさせたのだから。

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2013年09月30日

Posted by ブクログ

大学の講義内容だけあって、たいへん良く練り込まれています。
すごい深い読み方をするんですねー。
興味深かったです。

13.03.18

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2013年09月18日

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